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『東方夢見島 第20話』 作者: ぐう

東方夢見島 第20話

作品集: 20 投稿日時: 2010/08/27 05:37:42 更新日時: 2010/08/27 14:37:42
近づく羽音は水先案内人、滝を目指していざ北東へ。
訪ねる家にはトレーシー不在、いつか言わねば薬のお礼。
鍵穴あれど鍵はなし、話はちゃんと聞きましょう。
不思議な穴から瞬間移動、お急ぎの際はごひいきに。
無鉄砲なタリンの巣つつき。そうか、巣の中に蜂蜜が!








東方夢見島 第20話「未知なる土地を目指して」







「えーっと、次は南ね」

地図とフクロウの情報、そしてあちこちに立てられている看板を頼りに南東を目指すトリル。
滝に隠されている次のダンジョン、そこを開ける鍵が南東のヤーナ砂漠にあるとのことで、道なりに歩いていた。
襲いくる魔物たちも新しい剣の前では赤子同然、ただでさえ戦いに慣れたトリルにとってもはや敵ではなかった。
その途中、うねうねと動く変な魔物を見かけ、足を止めた。

「これも魔物なのかな? でもなんだかかわいい・・・」

緑色の身体を持ち、触り心地が柔らかそうな魔物、バブズロブ。
見た目はかわいらしく、トリルのことを狙う訳でもなくうねうねと動き回っている。放っておいても害はなさそうだった。

「ちょっとつんつんしたら、驚いたりして・・・」

かわいかったり好きな相手とは、何故かいじめたくなるもの。トリルがそう言うのも同じ理屈からきているのだろう。
剣を取り、試しに先端でつついてみようとしたその瞬間・・・

バリバリバリバリバリ!!
「ЩΩ$£ЙξЯ♀!?」

剣の先端から電流が刹那に走り、トリルの全身に一瞬にして走った。
かつてダンジョンにいた変な球体、あれに触った時と同じ有様で、まるでデジャヴを見るかのようだった。

「は・・・はひらほひらひ・・・」

身体がまだ痺れを持ち、思考が回らないトリル。
それでもただ一つだけ理解できたことがあった。それは「この魔物を攻撃してはいけない」ことだった。
魔物を驚かすつもりが自分が驚かされたなど、口が裂けても言えまい。







「えっとなになに? 『動物村へようこそ』。あ、ここが砂漠の近くにあるっていう村ね」

更に南東に進むと、看板にこう書いてあった。よく見ると近くには家々が立ち並んでおり、メーベの村のようなのどかな雰囲気が伝わってくる。
とりあえず砂漠について尋ねるたいのもあるし、トリルは村へと歩を進めた。

「あれ、お客さんだ。ようこそ動物村へ」
「あ、どうも・・・」

村に入ると、村人であろう兎がトリルに声を掛けた。
さすがは動物村というだけあって、村人はみんな動物のようだ。

「人間・・・にしては羽があるね。ということはもしかして妖精?」
「はい」
「うわーすごいや、妖精のお客さんなんて始めてだよ」

トリルが妖精であることはすぐに口コミで広がり、いつの間に動物たちが集まってきた。
妖精を見るのが初めてな者もいるのか、みな興味津々な目でトリルを見つめた。

「そ、そんなに見ないでください・・・、恥ずかしいですよぉ・・・」
「オイラ妖精だなんて初めて見たよ」
「マリンちゃんもだけど、君もなかなかかわいいね」
「え、マリンを知ってるんですか?」

みんなにじろじろ見られて恥ずかしがっていたトリルだが、マリンの名が出た瞬間反応を返した。

「うん、ここはもともとメーベの村とも交流が盛んだったんだけど、最近は魔物が増えて村の外に出れなくなったんだ」
「マリンちゃん元気にしてるかなぁ・・・」

最近・・・恐らくはトリルがこの島に来てからのことだろう。
動物たちもマリンと仲がいいからなのか、彼女のことが心配のようだ。

すると、一軒の家から大きな熊が出てきた。
その巨体は人間より一回りは大きく、小柄なトリルは圧倒されてしまいそうだった。

「何か妖精のお客さんが来たって聞いたが、おめぇさんかい?」
「は、はい・・・」
「ハハハ、驚くこたぁないよ。オイラはこんな図体だけど呑気だからさ。ん、この甘い匂いは蜂蜜の匂い・・・」

すると、熊は鼻をフンフンと動かして匂いを嗅ぎだした。
蜂蜜といえば、トリルの持っている蜂の巣がその匂いの発生源だった。

「あの、蜂蜜の匂いはこれです」
「おお、そりゃ確かに蜂蜜だな、丁度切らしてたところなんだ。おめぇさん、もしよかったらそいつを譲っちゃくれねぇか?」
「いいですよ、ハイ」
「どうもありがとうよ、ちょっと待ってな」

熊はトリルから蜂蜜が入った巣を受け取ると、家へと戻って行った。
その時トリルは本来の目的を思い出し、砂漠のことを動物たちに訪ねた。

「そういえばみなさん、ヤーナ砂漠ってご存知ですか?」
「確かこの村から南東に行けばあるよ。でも・・・アイツが・・・」
「ああ、アイツが入り口を塞いでるんだよね」
「アイツ?」

動物たちが揃って言う「アイツ」とは何なのだろうか。
トリルがそれを尋ねようとした時、後ろから先ほどの熊が答えた。

「あのセイウチか、アイツは一度寝るとずーーーーっと起きやしねぇんだ。オイラより図体がでかいから尚更厄介なんだよな」
「そのセイウチさんを起こす方法ってありますか?」
「起こす方法ねぇ・・・。そうだ、マリンちゃん連れてきちゃどうだい? あの子の歌で驚かしてやってみなよ、きっと驚くぜ、ヘヘッ」
「マリンの歌で起きるんですか?」
「ああ、ビックリすること間違いなしだぜ。あ、蜂蜜のお礼にこれを持っていきな」

熊はセイウチを起こす方法をトリルに教え、同時にパイナップルと貝殻を手渡した。
マリンを呼んでくるとするなら、一度村に戻らなければならないのだが、ここからだとかなり遠い。

しかし、村の南に例のワープの穴があることを教えてもらった。それを使えばメーベの村まであっという間だろう。







ワープの穴を使って一気に村まで戻ってきたトリルは、すぐさま風見鶏のある広場へと向かった。
しかし、そこにマリンの姿はなかった。肝心な時にどこに行ったのだろうか。

「あれ、マリンどこに行ったのかしら・・・」
「トリル姉ちゃん、マリンなら海岸に出かけるって言ってたよ。たまにあそこで海を眺めるのが好きだって言ってた」
「本当? 教えてくれてありがとう」

広場にいた四つ子の一人が教えてくれた情報を信じ、トリルは海岸へと赴いた。



小波の音が聞こえる夕暮れの海岸。マリンを探しに海岸をうろうろするトリル。
魔物こそ多いものの、今の彼女の強さに怯えてなのか、トリルに手を出す者は誰もいなかった。
しばらく歩いていると、ヤシの木の下で夕日を眺めている少女の姿が見えた。

「あ、いたいた。マリーン!」
「あら、トリルじゃない。丁度よかったわ、誰かと話がしたかったとこなの」
「お話? いいよ、私でよかったら」
「ありがとう。それじゃあそこに座りましょ」

マリンの誘いに乗ったトリル。二人は倒木の上に座って、夕日を眺めながら話しはじめた・・・
今回は動物村到着から、例のイベント直前までです。
セイウチをてこでも起こせると思って攻撃しまくったあの頃が懐かしい・・・
ぐう
作品情報
作品集:
20
投稿日時:
2010/08/27 05:37:42
更新日時:
2010/08/27 14:37:42
分類
東方夢見島
1. 名無し ■2010/08/27 21:10:47
これだけの電撃食らってると、きっと漏らしてるよね。

……爆弾が誘爆してたらひどい事になってただろうな。
2. 名無し ■2010/08/27 23:41:21
動物村って草食動物と肉食動物がいたような。ワニとかいた気がする。
人間の村で飼われている鶏といい、
幻想郷の人間と、外の世界の人間と、妖怪みたいな関係が有りそう。
3. 上海専用便器 ■2010/08/28 08:33:43
我がトラウマ、バブズロブ
4. ぐう ■2010/08/29 21:49:14
>名無し(1)さん
R18アリにしてたら完璧に漏らしてましたw

>名無し(2)さん
実はコホリント島が後の幻想郷だったり・・・そう考えられたりもしますねw

>上海専用便器さん
あいつを何も知らずに斬ってビリビリした人は多いはず。
でも粉かけると面白いんですよね。
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