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『研修中の巫女、代行中の巫女のおまけ』 作者: NutsIn先任曹長
制圧作戦の終盤。
村に程近い場所に設けられた、
秘匿司令室。
そこに、作戦参加者達が全員揃った。
「……目に付く限り、持ってきた」
「あなた……、そう、読んだのね。ご苦労様」
「あんたの主人ほどじゃないけど、あたいの胸で泣いても良いよ」
「むきゅぅ……。今まで読んだ魔道書よりも禍々しいわね」
「こんなもの、魔界にもありませんよ」
「こんなこと考えるより殺戮がいいのに」
「うにゅぅ、さっき私が地下牢を『消した』から、残りはこれだけだよね?」
「信者が盗賊を行い、崇拝すべき風祝を陵辱した。これをもみ消すのに、守矢はかなりの『貸し』を作るだろうな」
「あぁ?本当に大事なものを守るためなら、安いものでしょ」
「私だって、我が身を賭して、お館の門を守っています!!」
「あら、できれば貴方が起きている時にその職務熱心さを見せて欲しいわね」
「運命だったのよ……。早苗がああなることも、守矢の神共が屈辱に耐えることも」
「私だったら、そんなのぶっ壊してやるわ!!」
「不都合なものを壊すよりも大事なものを直す。守矢の神様達はそれを選んだのさ」
「あややや。手先だけでなく、口先もうまくなりましたね。ね」
「……」
椛が作戦前に千里眼で当たりをつけた施設の内、
後続の自警団に証拠物件を見つけてもらうために、
他の重要施設のように火を放つわけには行かない場所から
橙が集めてきたもの。
守矢の二柱神が、自身が消滅しようとも守りたいもの。
それを脅かすもの。
『隊商連続襲撃事件を起こした犯人達の真の目的』
計画書ではなく、その余白に書かれた早苗への劣情。
裏帳簿ではなく、早苗への狂った慕情が書かれた日記。
隊商の移動ルートに印を付けた地図ではなく、壁に貼られた早苗に対するラブラブポエム。
早苗への陵辱を写した写真ではなく、それを貼り付けたアルバムの早苗への愛にあふれたタイトル。
早苗を攻め抜いた地下牢の拷問器具ではなく、壁に掘り込まれた『早苗、愛している』の文字。
等等。
早苗の存在意義を奪うもの。
早苗の未来を奪うもの。
それらが、完全に、跡形も無く消滅したことにより、
制圧作戦は、終了した。
『研修中の巫女、代行中の巫女』の制圧作戦の仕上げ。
作戦参加者を一箇所に登場させたくて書きました。
2010年9月25日:皆様のコメントに対する返事追加
>1様
本編中に全員が活躍する場面を入れられなかったことが、心残りです。
本編の作戦の描写に登場しなかった面子も活躍しています。
さとりとパチュリー、小悪魔は司令室に詰めて、指揮管制を行なっていました。
こいしは、村人の無意識を操作して、霊夢達と村長のやり取りを見せたり、
レミリア等破壊活動組の姿をはっきり見せないようにしていました。
>2様
永遠の思春期を生きる『犯人』達に、後悔というものはありません。
>3様
なるほど、そういう話があるのですか。
事件自体は完全にもみ消すことは不可能ですから、肝心の、致命的な箇所のみを消去したのです。
NutsIn先任曹長
作品情報
作品集:
20
投稿日時:
2010/09/21 14:25:11
更新日時:
2010/09/25 12:35:41
分類
『研修中の巫女、代行中の巫女』の補足
これを処分するまで、犯人達は成仏できなかっただろうなぁ。