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『反逆と裏切りのサクリファイス』 作者: 音茶
暗い道のりを歩き続ける。
宵闇の妖怪が近くにいるかのように真っ暗な道を……。
私の他にも辺りにチラホラと人がいる。
だが、誰一人として口を開くことは無い。
ただじっと口を噤んだまま、夜の…妖怪の山へと行進している。
私たちは、とある要請でこの山の山頂にある神社…守矢神社へと向かっている。
その要請とは、守矢神社の現人神である。 東風谷早苗の拉致及び監禁と神社そのものの破壊だ。
言葉にして表すと以外に簡単に纏められたが、実際に実行するとなると場合によっては不可能とでも言えるくらいになる。
今回危険視すべきは、神社に祀られている2柱。 八坂神奈子と洩矢諏訪子であるのだが、流石伊達に神を名乗っているばかりではない。
真っ向勝負をしかけたら、一分も待たずに私たちの部隊は愚か全ての部隊が全滅するだろう。
どんなに足掻こうと、神そのものに死を与える武器を私たちは所持又は熟知していないからだ。
いや、足や腕の1〜2本は吹っ飛ばせるかもしれないが、神は計り知れない。
吹っ飛んだ直後に生えてくるかもしれない。例え頭を吹っ飛ばそうと……。
だがらこそ、この妖怪の山に入る前から誰にも見つからぬよう行進し続ける。
もし見つかったら即任務失敗、最終的に私たちの命は無いだろう。
「こちら、アルファ5。前方に人影あり。繰り返す、前方に人影ありだ。」
「全部隊は散開しつつ茂みに隠れろ。」
どうやら、最前線にいた部隊の一人が誰かいるのに気づいたようだ。
先ほどまで近くにいた人たちがバラバラに散って行く。
私たちもそれに則って、他の部隊との間隔を維持しつつ茂みに身を潜めた。
「人里の見回りのようだ。わざわざこんな離れまでご苦労様だな。このまま前進する。発砲はするな。」
「「了解」」
前方の見回りに気づかれぬよう、ゆっくりと匍匐状態のまま進み続ける。
あれから、どれくらい時間が過ぎただろうか。
闇の色がさらに濃くなっていくのを見ると、まだ明け方まで程遠いのだけは分かるが……。
暗視ゴーグルを付けた眼がそろそろ悲鳴を上げそうだ。
だが、まだ妖怪の山の山頂まで辿り着いていない。
山の中腹…よりやや下なくらいか?
とにかく、早くこんな緊張状態から抜け出して家に帰りたい。
家に帰れば最愛の妻が待っている……なんて感動的なシーンはないが。
しばし休憩にするらしい。先発隊に任命された部隊がさらに登って行き、それ以外が部隊ごとに木に寄りかかったりしながら体を休めている。
こんな時は、一つ笑い話でもして場の空気を和ませたい所だが既に敵地であるが故、そんな事をしたら私たちが此処にいますと宣言していると同じことになる。だから、ただじっと黙ってここまでの道のりで疲れた体を休ませ続ける。
数分ごとに先発隊から無線機を通して現状報告が聞こえてくる。
それを対して気にも留めず自分のナイフを弄っていた。
どうやら時間のようだ。誰一人として愚痴も言わずに、すっと立ち上がり自分の装備を担いで前進を再開する。
私も自分の武器であるバレットM82を肩に担ぎH&K UMPを構えて前へと進み出た。
隠密行動をするにしては重装備すぎると思うが、対物ライフルであるバレットM82は言わば、神を相手にした時の気休め程度にと思って持ってきた。一応対人でも使用は可能だと言うし弾丸の大きさを見る限り、普通の妖怪相手でも上半身と下半身をバイバイさせるぐらいの威力はありそうだ。神相手でも怯ませる事ぐらいは可能だろう。
無線での報告によると、先発隊が神社の敷地内に進入できたらしい。その後、先発隊が周りを確保している間に他の部隊が次々と敷地内へ侵入していく。
私の部隊のみ敷地内に進入せずそこから少し離れた茂みの中から中の様子を伺っていた。
私の部隊がすべき事は、作戦中の周りの確保及び目標を奪取した後に基地へ撤退する部隊を援護する事だ。
「これより作戦を開始。全部隊の発砲を許可する。敷地内に近づく者は関係者でなかろうと撃ち殺せ。」
総司令官の指示の元、私たちの生死を賭けた作戦が始まった。
咲き乱れる俺の理想。
夜も深くなりだした頃に
はんなり感に満ち溢れた空間で
俺は何を思って
のんびりしているのだろうか。
嫁など架空の存在だと思っていたのに……。
初投稿です。
音茶といいます。
先日sakoさんの作品を見て「自分もこんな話を書いてみたい」と思って書いてみました。
文章力など微塵も無い私ですが、最後まで書き続けたいと思います。
今回、主人公及び依頼人などの名前を一切出していませんでしたが、仕様です。
後の話で追々説明が入っていきます。
今回のが短いのは、話が冒頭部分であったためで、次からはもっと長くなります。
見てくださった方々、ありがとうございました。
音茶
作品情報
作品集:
21
投稿日時:
2010/10/18 14:16:02
更新日時:
2010/10/18 23:16:50
分類
短い
楽しみにしてるぜ
とはいっても諏訪子様が死んでも嫌なんだよなぁ。
続編出たら、必ず読んで、コメします。
続きに気体
自分のような人間の話でもインスピレーションの一つとして扱って貰えれば幸いです。
完成、楽しみに待ってます。
山岳地帯という地勢、妖怪の山という比較的統率の取れた兵隊の居る場所の事実上のボス、軍神ってあたりが魅力なのでしょうかね。
ただ一箇所だけ、彼らはプロの様に見えますが、だとしたら「弾丸の大きさを見る限り」というのは余りに素人染みた威力の推察の仕方の様に思えて、
そこだけ気になりましたが…現代の外界の軍事行動に精通していながら50BMGの威力を知らない人間…?
私は銃器、軍隊、特殊部隊が大好物の人間なので期待させて頂きます。