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『反逆と裏切りのサクリファイス 〜狂言と妄言〜』 作者: 音茶
体のあちこちが痛い。走ることは愚か歩くのも危ないくらいだ。
自分の腕が、指が、服が、顔が血に汚れてゆく……。
「なんで……なんで私がこんな目に……。」
止む事を知らぬ雨の中、少女の瞳から雫が零れた……。
それは、どんな宝石にも例えようのない輝かしい雫を。
AM1:28 妖怪の山-山頂-守矢神社付近
東風谷早苗の捕獲作戦が開始し、私の部隊を除く全部隊が突入して3分近く過ぎた。
私は神社から少し離れた木の上で伏せる様な形でバレットM82を構えていた。
暗視ゴーグルを赤外線タイプの物に交換し、闇に紛れて動く物を瞬時に発見できる状態にしておく。
索敵する上では重宝する物であるが、厄介なのは仲間と敵の識別が分かりづらくなることだ。
私たちの服や銃には特殊な光を発する装置が付けられているため、暗視ゴーグルで見た場合すぐに分かる仕掛けになっているが、赤外線では認識できない光のため最善の注意が必要だ。
間違って味方にぶっ放して、胴体が真っ二つになるなんて真っ平御免だからな。
そう言いつつも、手は勝手に銃のセーフティを外し初弾を装填し始めた。
ガシャンと一際目立つ音と棹桿の隙間から実弾がマガジンから薬室に吸い込まれていくのが見える。
あとは、この引き金を引くだけで命ある物を壊す事ができる。
そう……殺せる。この銃で……。
銀色に光る髪を夜風に揺るがせながら、少女は闇に向かって銃身を向けた。
AM1:30 守矢神社境内
静寂に包まれた神社に無数の影が彷徨う。
音を出さず、迅速に行動し目的の部屋へと向かっていった。
「事前の調査では目標の部屋は、ここらしい。 くれぐれも大きな音を立てるな。」
「「了解」」
スーっと戸が開くとともに、2〜3人が内部に突入。
慌てた様子が無いのを見ると、目標以外部屋にいないようだ。
目標は我々が取り囲んでいる事など微塵も知らない様で和やかな表情をしつつ寝ている。
「なんと言うか……こんな無垢な少女を捕獲するとなると罪悪感が凄まじいな。」
「ブラボー1口を慎め。気づかれたらどうする。」
物音一つなくなった部屋で聞こえるのは少女の寝息のみとなった。
誰一人として口を開く事なく目標の観察を始めている。
少し肌蹴た衣服が妙に艶かしい。その隙間から垣間見える肌が見とれるような魅力さも持っている。
いつまでも観察している場合ではない。すぐさま確保の準備へと移った。
手錠、麻酔、睡眠薬、スタンガン……。様々な物が準備できた。
捕獲する場合、もっとも簡単に相手を捕まえるためには睡眠薬、つまり眠らせたまま連れ出すのが一番だが、万が一のため妖怪用に改良された麻酔を先に投与して置こうと思う。
幻想郷で数少ない医者である八意永琳のお墨付きの麻酔薬だ……どんなに屈強な巫女、いや風祝だったな。とにかく、起き上がることも困難になるだろう。
ちなみに妖怪に投与した所、金縛りみたいに動かなった後に目だけが激しく動きだし、少し間が空いて悶絶するかのように体が揺れ始める。効果は妖怪なら半日程度で人間の場合は3日はまともに動けないだろうと永琳は言っていた。
そう言えば、この薬を取りに行った時、ブレザーを着た兎の少女が遠くのほうでこの薬を見て震えていたが……。
まぁ大丈夫だろう。 なにせ人里じゃ天才と謳われているお医者様なんだ。その人が麻酔と言ったら、これは麻酔だ。
早速、隊員の一人が麻酔の入った注射器を片手に目標の早苗の首へと近づく。
針を刺した瞬間暴れ始めたが、ほぼ全員で取り押さえ口も塞いだため大きな音を出さずに済んだ。
全て投与し終わったようだ。針を抜きすぐさま手錠を掛け始める。
未だ口を押さえたままなので少女がモゴモゴと何か叫ぼうとするのが分かる。多分「助けて」とか「誰か」とか叫ぼうとしてるのだろう。無駄な事なのにな。
投与から2分余り経過した。すでに少女は息絶えたみたいに動かなくなり、目だけがグルングルン回っている。
少し気味が悪い……。
また少し経過したのち、次の症状が見られた。
何故か顔が赤面し動かせない体を無理に動かそうとして痙攣し始める。
口をパクパク開かせて何か言おうとしているが声が出ないようだ。既に口から手を離しているのにも関わらず……。
何とも麻酔とは言いがたい状態に陥った。
だが、これはこれで好都合だ。自由に動かせなくするのが投与した目的なのだから効果はあった……多分。
ロープを少女の腕と体に巻きつけ赤髪の隊員が肩に担いだ。
「撤退する。我々が此処にいた痕跡を消去しろ。五分でここを離れる。」
「了解。」
捕獲の方はこれで終了だ。あとは無事に帰れるかだな。
僕は、一瞬の安堵と今後の緊張に身震いしながら暗く冷たい夜風の吹く外へと出た。
AM1:45
建物から味方が出てくるのが確認できた。
私は部隊に後方の監視を命じ、味方のほうに銃口を向けた。
勿論撃つことはないが、いきなり敵が現れた時のために常に味方の周辺に照準を合わせておくことにした。
ゆっくり、ゆっくり、徐々に私たちの方へ近づいてくる。
スコープからでも目標の確保に成功しているのが確認でき、私は少し気分が高揚した。それは周りの隊員もそうだったようだ。皆々が安堵の溜め息をついた。
これで……無事に帰れれば、私はまた自由な生活に戻れる……。
自由な生活か……。
ふと昔を思い返す私。
生まれた頃から複雑な環境……貧困と略奪と強姦……とにかく酷い環境だった。
親など生まれた直後に逃げ出したようで、私はこんな環境の中でも親切にしてくれた老夫婦に保護され、歩くことと片言であるが喋る事など基本的な事を教えてもらった。 親を知らない私だが、この老夫婦を本当の親のように信頼していた。
だが、世界というのは理不尽だ。
私が、貧困層を対象とした学校へ行って帰ってきた時に、老夫婦は物言わぬ肉片に変わっていた。
私は、泣きたいのに泣けなかった……。ただ膝を落とし地面を殴り続けていた。
犯人はこんな環境では検討もつかず、私はまた一人になった。
夜が怖い……助けて欲しい……誰に? 大好きだった老夫婦は殺されたのに……。
私はいつ自分の貞操を奪われるか分からず、闇に怯えながら生きていた。
食べるものも充分に無く、餓死寸前までいった事があった。
流石にあの時は死ぬかと思ったが、最後の最後で神は私を見捨てなかった。
いや? 神といえる存在だったかは分からなかった。
ただ私を保護して衣食住の全てを提供し何不自由ない生活を作ってくれた。
豪邸と言ってもいいくらい大きな館に連れてこられ、
毎日見た事もない料理が出され、服も新しいものを用意してくれ、今まで感じたことも無いフカフカのベットに寝れた。
だが、未だ片隅に老夫婦の優しそうな顔がチラチラする。
毎日同じような料理を食べ、汚れた服を纏い、硬いベットに寝ていたあの頃が懐かしい。
今でこそ「暖かさ」に包まれているが、あの頃の「温かさ」はやはりここには無いの?
そう実感した時、私は老夫婦の死後、初めて泣いた。
ベットの上でシーツが自分の涙と鼻水などで汚れる事など気づくことなく泣き続けた。
流石に大きな声を出し過ぎたのか、私を拾ってくれた館の主が部屋に入ってきた。
食事の時以外滅多に見ないので突然の来室に私は戸惑ったが、未だ泣き止むことができない。
そこで何を思ったのか館の主は私に抱きついてきた。
それには小さかった頃の私も仰天して泣くのが一瞬止まる程だった。
そして、震える私を優しく抱いて、こう言った。
「お前は、私が責任を持って育ててやる。お前が穢されそうになったら、穢そうとする者を肉片も残さず程に切り刻んでやる。そして、怖がることはない。ここは安全だ。あんな薄汚れた世界とは比べ物にならない程にな。いや、そんな所でも私以上に良心で輝いていた人間が二人いたんだったな。その二人のようにできるかどうかは不明だが……お前がもう泣くことの無い環境を提供するのが私の運命。そしてその二人の夢だった。ただそれだけの事だ。」
それを聴いた瞬間、私はまた泣き出ししがみ付く様に抱きついた。
それをさらに強くだが優しく包み込むように抱いてくれた。背中の二つの羽で私の事を守るように……。
しばらく抱き合っていた時、
「いつまでもお前じゃ気分も悪いだろう。私が、紅魔館が主 レミリア・スカーレットがお前に名前を授けてやる。 お前の名前は 十六夜咲夜だ。」
と言ってくださった。
私は泣くのを止め、小さな体を限界まで伸ばし宣言するかのように答えた。
「この十六夜咲夜。一生の忠誠を誓います。ご主人様……。」
あの頃が懐かしい。
だが、今こうして自由な生活をできるのもお嬢様のおかげだ。
まぁ、「現在」は生きるか死ぬかの瀬戸際だけど。
そもそも、依頼主であるレミリアお嬢様が何故こんな事を実行しようと思ったのかの件について話そう。
お嬢様は神様というのが苦手……いや、大嫌いな部類に入るほど毛嫌いしている。
どうも、その傲慢そうな態度や弱いくせして八百万の神の一員だからと言って祭られているのが嫌だそうだ。
「なぜ運命を操ることができる私に人々は恐怖心しか芽生えない? 奇跡起こすとか迷信ほざく奴とかよりマシじゃないか?それとも何か? こんな幼女なんかよりナイスバディなお姉さんのほうが良いってか?この私のグングニルでその必要以上にある二つの贅肉を叩き落すぞ。」
との事です。
つまり、目立ち過ぎだから少し痛い目を見てもらおうという事。
ちなみに、生死をかけたと言っても、失敗して殺しにかかってくるのはお嬢様で今回の目標である早苗やその関係者に殺されるわけではない。
あと、発見されないように気をつけていたのは、あの清く正しいとか迷言を言う鴉天狗にゴシップ記事にされないためだ。
表沙汰になれば紅魔館の信頼がガタ落ちするから…。
そうじゃなくても、酒の肴にされてお嬢様の機嫌が損なわれてしまう。
そうなったら、この咲夜。潔く首を吊ります。
AM2:00 妖怪の山
神社から撤退が完了してどれくらい経っただろうか。
後ろのほうでメイド長が悶々何か考えているが気にしないで置く。
そもそも、僕は巻き添えを喰らってこんな事をしているのにバレたら共犯とか……。
香霖堂の主である森近霖之助は溜め息をしながら山を下山していた。
目標は紅魔館の門番である。美鈴さんが運んでくれている。
今回使用している銃器やその他オプション類は全て僕の店にあった物だ。
実弾もあるにはあるが、流石に殺人にまで発展すると自分の身も危ういので実弾と言いつつも演習用の弾にすり替えて置いた。当たっても、軽い脳震盪や吐き気を起こす程度だ。でも痛いのは変わりないので身動きはできなくなる。
全員が実弾だと思ってくれたから良かったけど、無駄な発砲をさせないためにも作戦開始までセーフティをかけさせて置いて良かった。被害は最小で済んだ。
すまないな早苗さん。自分の名誉や店の信頼のためにも犠牲になってくれ。
その後、救助されるまで東風谷早苗はレミリアお嬢様の妹であるフランドールの遊び相手になっていたそうだ。
人里近くで救助されたそうだが、体のあちこちが傷だらけで血が出ていたらしく酷い有様だったようだ。
幸いな事に紅魔館に監禁されていた時の記憶が無くっており、レミリア達が疑われる事はなく真実を知っているのは僕や紅魔勢だけだ。これで安心して生活できるってものだ。
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第一部 終了です。
第一部というよりそもそもの始まりが今回の話なので区切りとしては未だプロローグ的なものですね。
最後まで見てくださったのであれば分かると思いますが、今回の件では誰も死なないのは愚か戦闘描写もありません。
拍子抜けさせてしまったのであれば申し訳ありませんでした。
自分的には、こう「ほのぼの」している時に突然残酷な描写に移り変わるのがツボでしてね。
「この紅茶美味しいね。何で出来てるの?」 「血と内臓の混合物」
みないな感じですかね。
自分としてもキャラが死ぬのは好ましくないので余り殺傷は無いと思いますが、逆に精神的に追い詰める的な方向が多いと思われます。
咲夜さんの過去話は自分の妄想で考えた事ですので話のオプション程度で読んでくださると幸いです。
次も咲夜さんやレミリアが主体の話ですが舞台が変わって地霊殿になります。
今回みたいな急展開は無しで行きたいと思います。
音茶
- 作品情報
- 作品集:
- 21
- 投稿日時:
- 2010/10/21 12:14:56
- 更新日時:
- 2010/10/21 21:15:44
- 分類
- 勝手な設定入ります
どういう流れで話をもっていくのかはまだ読めないが結構おもしろかったぜ
別に物語は長さで決まるというわけじゃないだろ。
逆に言うとプロローグとかにしては長いほうじゃない?
続きが楽しみな作品がまた増えてくれて嬉しいです。
おぜうさまが産廃らしい、しょ〜もない理由で、特殊部隊まがいの手勢で大それたことをやらかしましたね。
唯一の良心、かと思ったら単なる自己保身に走っていたこ〜りん。小物め。
……やっぱり、しょ〜もないことで皆破滅するのではないだろうか?
短いには短いが変に改行したりしていないきちんとした文章だし問題ないんじゃね?
俺はこういう俗なこーりんはすきだなw
「この紅茶美味しいね。何で出来てるの?」 「血と内臓の混合物」
これは産廃ではもはや一般常識みたいになってますよね。特に紅魔館だと。
あのな、そういう細かいことは気にするな
お前が銃について詳しくてリアル志向だってのはよーく分かった
でもな、今に何で人間の咲夜が時間を止めれるんだ、空を飛べるんだ論争が始まるぞ?
とりあえず改行も出来ないのに他人にあまり口出しするなってこった
…まさか…Hなりの釣りか?
直立したまんま(ありえねーけど)ぶっ放せばそりゃ反動もデカイが伏して撃てば問題ない。
※11
50口径だぜ?イラク戦争で敵兵の腹に当たったら真っ二つになったそうだ。
これプロローグじゃないよ
第2話だよ
自分の好きな部類を否定されたら頭にくるだろ?
次は地霊殿かw
ターゲットが妙に気になるなw
兵器も次は何が出るか…
紅魔組の呆気ない最後おいしいです!^q^b