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『ろくでなしの難しきリクエスト』 作者: NutsIn先任曹長
出されたカップは人数と同じ四つであった。
カップは同じデザインであったし、中身の紅茶も色、量、香り共に同じに感じた。
カップはテーブルの中心に置かれ、皆がほぼ同時にカップを適当に取った。
確率は四分の一の筈であった。
にもかかわらず、霊夢は見事に睡眠薬入りの物を飲んでしまった。
他の面々――古明地さとり、火焔猫燐、霊烏路空――は、
痙攣しながら席から崩れ落ちた博麗霊夢を無表情に見ていた。
さとりからお茶に誘われた霊夢は地霊殿にやってきて、お茶をご馳走になった。
で、このザマであった。
何故、こんなことをしたのだ?
どうやって私に一服盛ったのだ?
霊夢は薄れる意識の中、自分を見下ろす人影をねめつけた。
霊夢は、ぼやけた視界の中の『四人』を見て、二番目の疑問の解を得た。
古明地こいし。
彼女がいた。
こいしの『無意識を操る程度の能力』を使えば、
霊夢に薬入りのカップを取らせるなど造作も無い。
トリックでもなんでもなかった。
そこで、霊夢の意識は闇に落ちた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以前、地底を舞台にした異変があった。
さとりの住む地霊殿。
そこに乗り込んできた者がいた。
その時、さとりは初めて博麗の巫女を目の当たりにした。
さとりはこの地上からの無礼な闖入者に対して礼儀を教えてやろうとしたが、
霊夢はさとりの能力を悉く打ち破った。
心を読んで先手を打とうとしたら、
霊夢の思考から行動までの一瞬に等しいスパンの短さに対応し切れなかった。
トラウマを喚起して、かつて霊夢を苦しめたスペルカードによる弾幕を浴びせかけたら、
霊夢はトラウマを克服。改めてスペルカードを攻略した。
年端の行かぬ人間の少女。
小賢しいまやかしなど受け付けない、強固で挫けぬ意思。
惚れた。
霊夢を我が物にしたい。
さとりは、霊夢をペットにしたいと思った。
玉座に座るさとりの足元に侍る霊夢。
さとりの危機に敢然と立ち向かう霊夢。
夜伽でさとりの肢体に指や舌を這わせる霊夢。
想像しただけでさとりの身体は熱くなり、股間が潤うのを感じた。
しかし、霊夢は博麗の巫女である。
幻想郷の守護者である。
彼女の身に不測の事態が生じれば、
幻想郷と外界を隔てる博麗大結界も無事では済まない。
地底世界が無事であれば、幻想郷が滅びようと知ったことではない。
しかし地上の者達はそのようなことは許さないだろう。
地底と地上の彼我戦力差を見れば、圧倒的に地上側が有利だと分かるだろう。
だが聞けば、博麗の巫女は替えが利く存在らしい。
代替わりまで待つか。
待てない。
ただでさえ短い人間の一生。
お楽しみも短くなってしまう。
さとりは脳内で様々なプランを検討した。
さとりは聡い。その聡明さで地霊殿を運営し、地底に様々な恩恵をもたらした。
おかげで旧都の実力者である星熊勇儀に比肩するほどの権力を得た。
その賢い頭脳で検討を重ねた結果、
さとりは、
妖怪の賢者、八雲紫に、
素直に霊夢の身柄を譲ってもらうように頼むことにした。
邪な考えに黙考しているさとりを、
不安げに、笑顔で見つめる少女が、いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
勇儀と紫の共通の友人である伊吹萃香の仲介により、
さとりは、紫に目通りが叶うこととなった。
地上にある高級料亭の一室。
さとりは自身の器官の一部である他者の心を読む目玉のオブジェ――サードアイ――に、その能力を封じる護符を貼り付け、
妖怪の賢者、八雲紫との会食に臨んだ。
さとりは紫に、霊夢を譲って欲しいと熱心に交渉した。
交渉というより、さとりが一方的に訴えているのであるが。
人の心は読めるのに彼女自身は何を考えているか分からない。
と陰口を叩かれるさとりが熱く語るシーンは滅多にお目にかかれない。
語り終えたさとりはカラカラになった喉をヒヤの日本酒で潤して、紫の返答を待った。
紫は冷酒を一口、ちびりと飲ってから口を開いた。
「さとり、貴方の言いたい事はよ〜く分かったわ」
「で、では」
「条件が一つあるわ」
紫は突き出しのインゲンの胡麻和えを口に放り込み、
「霊夢が貴方のことを好いていること。これが絶対条件よ」
そう言った。
「貴方、霊夢をペットにしたいそうだけど」
さらに、言葉を重ねた。
「私、他者を自分の所有物みたいに扱う奴、嫌いなのよねぇ」
「……」
さとりは、黙り込むしかなかった。
「もし、私が許可しなかったらどうするつもりだったのかしら?
霊夢をむりやり地霊殿に幽閉しようとか考えていたんじゃないの?」
紫はさとりの目を覗き込みながら、図星を突いてきた。
紫の長年の修羅場で培った観察能力と情報分析能力を駆使すれば、
『覚り』と同様の効果を発揮することができる。
「貴方の我侭で幻想郷を危険に晒されては堪らないわ。
博麗の巫女は替えが利くといっても、ホイホイ首を挿げ替えるわけには行かないのよ。
そういうことは気軽に話題にしないで頂戴」
紫がさとりを見る目は、敵をねめつけるそれだった。
「貴方が霊夢に執着する理由は何? さっきの御高説だけでは分からないのだけれど。
巫女ではなく、一個人の霊夢に何故こだわるの?」
「ですから……」
「ああ、貴方自身も分かってないのね」
紫はさとりがやたら剣呑な小理屈をこねくり回す原因が分かった。
妖怪としては若輩のさとりは、まだ『それ』を経験したことが無いのだろう。
「自分自身に語りかけて、その原因を探りなさい。聡明な貴方ならそれができるわ」
「自分自身に……」
「その原因が分かったのなら……」
紫はずずいと、さとりの眼前に迫った。
「さとり、霊夢に、貴方の思いの丈をぶつけなさい」
「思いの、丈……」
さとりは考え込んだ。
自分は霊夢のことをどう思っているのだろうか。
所有物にしたい。
何故?
気高い心を手元に置きたいから。
ペットである必要があるのか?
……否。
じゃあ、霊夢はさとりにとって、何?
……何なのだろう?
地上と揉め事を起こしてまで霊夢にこだわる必要は無いんじゃない?
!!
さとり、あんた、霊夢を何だと思っているのよ?
強くて、気高くて、それで、それで……。
はっきり言いなさい!!
わ、私は……。
私は、何?
私は!!
私は?
霊夢を!!
霊夢を?
愛している!!
以上の自問自答をナノセカンドで済ませたさとりは、
憑き物の落ちたような清清しい笑みを浮かべていた。
「私!! 霊夢さんに、恋しています!!」
さとりは自ら導き出した答えを高らかに宣言した。
紫は酒の入ったコップを玩びながら、さとりの顔を満足そうに眺めていた。
思いの丈をぶちまけたさとりは、不意に感じた空腹感で、
折角の会食なのに、まだ酒しか口にしていないことを思い出した。
さとりは、今まで何も感じなかったご馳走の味を堪能するだけの余裕を得た。
会食を終えて料亭を出る時、
食事代を出そうとするさとりを制して、
紫が今回の会食の代金の支払いを済ませた。
その上、お土産までもらってしまった。
それを持って、愛しの人の元に行ったら?
さとりは、
紫に深々と一礼をすると、
博麗神社の方向へ飛んでいった。
紫はニコニコしながら、さとりを見送った。
その笑みは、
後輩の恋愛相談を受けた先輩女学生の慈しみと、
近所の独身者に、ちょいと良い人いんのよ、と見合いを勧める世話焼きババアの狡猾さが、
ない交ぜになっていた。
やれやれ。
貴方のお姉さんは、こんな至極簡単な答えに辿り着けなかったら、
一人の女の子と一つのセカイを破滅させるところだったわよ。
私達も可能な限りフォローするから、
貴方達もお姉さんが間違った道を進まないようにしてあげてね。
こいしちゃん。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
博麗神社。
その縁側。
さとりは、お茶を飲んでいた霊夢にお土産を渡した。
二人は言葉を交わしている。
さとりが何か叫んだ。
ぼっ!!
霊夢が燃え上がった。
と見間違えるくらいに顔が真っ赤になった。
さとりは俯いている。
おそらく霊夢と同様に真っ赤な顔をしているのだろう。
沈黙。
やがて、二人は二言三言何か話すと、
さとりは、地底へ帰っていった。
霊夢は、さとりが飛んでいった方向をしばらく見つめていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
博麗神社。
縁側。
霊夢は膝の上でくつろいでいる猫をあやしていた。
そわそわ。
霊夢は猫の顎を優しく撫でてやると、猫は目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らした。
そわそわ。
その猫はキモ……極めて個性的であった。
尻尾が二本あった。
妖怪が巷に溢れている幻想郷では珍しくない。
全身黒いが、腹が赤かった。
よく赤猫と称される猫の毛のような明るいオレンジ色ではない。
どぎつい、血のような赤であった。
そわそわ。
霊夢はその個性的な猫を撫でていた。
そわそ「お姉さん、何そわそわしてんのさ?」
「ひゃっ!!」
霊夢は驚いた。
猫がしゃべったからではない。
不意に話しかけられたからである。
猫は霊夢の膝から飛び降りると、
その姿を、赤毛を三つ編みお下げにした美少女に変えた。
さとりのペット兼側近の一人である、火焔猫燐、通称お燐である。
「さとり様ならもうそろそろ戻ってくると思うよ」
「!! そ、そう!?」
霊夢は動揺しまくりである。
それというのも……。
「ほんっと、お姉さんとさとり様はラブラブなんだから〜。
あたい、妬けちゃうな〜」
にやにや。
頭から湯気を立ち上らせ、俯き黙る霊夢。
あれから幾ばくかの月日が流れた。
霊夢とさとりは友人、知人を交えた清い交際から始めた。
さとりは霊夢が博麗の巫女という重責のため、人知れず苦労していることを知った。
霊夢はさとりが地霊殿当主という重責のため、人知れず苦労していることを知った。
そのため、皆でいるときは二人とも明るく振舞ったが、
二人きりで飲むときは、必然的に愚痴の言い合いになってしまった。
杯を傾けながら、スキマ妖怪や鳥頭なペットの悪口を言い合う時が、二人の安らぎの時でもあった。
二人は、親密になっていった。
さとりは霊夢の思考と言語の一致が生み出すハーモニーが心地よかった。
霊夢はさとりの的確なアドバイスと心遣いを好ましく思った。
二人はお互いの良い部分も悪い部分も知り、理解していった。
生まれたままの姿で肌を合わせた時、
さとりは霊夢の意表をつく愛撫に嬌声を上げた。
霊夢はさとりの性感帯に対する攻めに何度達したことか。
そして今では、幻想郷の皆が公認する相思相愛の仲となったのであった。
今日は守矢神社で打ち合わせがあるとかで、
さとりはお空(とおまけのこいし)を連れて出かけていた。
帰りに博霊神社に来るとお燐から聞いたので、霊夢はこうして待っていたのだった。
「!! ほら!! お姉さん!! さとり様、来たよ!!」
「え!!」
神社の鳥居の方を向く。
さとりとこいし、お空が境内に入ってきたところだった。
「さと」ザッザッザッザッザッ。
お燐が何か言うよりも早く、霊夢は走ってさとり達を出迎えた。
「お、おかえり、さとり」
「ええ、ただいま、霊夢」
微笑む二人は挨拶を交わしている時、こいしとお空は素敵な賽銭箱に小銭を投げ込んでいた。
お賽銭は、遠くから賽銭箱に投げ込む競技ではない。
皆が揃ったところで、丁度日も暮れてきたので、夕食も兼ねて飲みに行くことにした。
人間も妖怪もOKの店にはいくつか心当たりがあるが、どの店にしようか。
霊夢は思案した。
さとりは霊夢の心を読んだが、店の数が多数出てきていて絞りきれていないようだ。
「夜雀の八目鰻屋さんはどうですか?」
さとりは、丁度食べたいと思った店を提案して、それは皆に受け入れられた。
心地よい鼻歌が聞こえてきた。
香ばしい香りが漂ってきた。
「ミスティア、やってる?」
「いらっしゃいませ〜。どうぞ〜。五名様ですね」
夜雀のミスティア・ローレライが経営する八目鰻料理を供する屋台は、
丁度開店したばかりでまだ他の客は来ていなかった。
屋台のカウンターだと手狭なので、一行は外に並べられた簡易的に設えたテーブルと椅子の席に陣取った。
オーダーを済ませ、先に来た飲み物が各人に行き渡ると、乾杯をすることになった。
「それでは、えーと……」
何に乾杯するか、霊夢は考えていなかった。
「わたしと霊夢さんに乾杯、でどうですか」
さとりからの魅力的な提案。
本当に、さとりの判断は的確だ。
皆に異論は無かった。
「それでは、私とさとりに……」
「「「「「かんぱ〜い!!」」」」」
霊夢は、ジョッキの冷えた麦酒を一息に飲み干し、
こんな幸せな日々が、ずっと続けばいいのに。
と思った。
さとりは、グラスの梅酒ロックを一口含み、
こんな幸せな日々が、ずっと続けばいいのに。
と思った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
霊夢が負傷したとの知らせを聞いたとき、
さとりは、この世の終わりを見たような顔になった。
霊夢は博麗の巫女である。
異変解決や妖怪退治で負傷することなど頻繁にあるし、
今回もそれが原因であった。
怪我も大したことはなく、永遠亭での簡単な治療と食後の薬の服用を一週間続けただけで完治した。
だが、さとりには耐えられなかった。
博麗の巫女の仕事には危険は付き物である。
いつか命を落とすことになりかねない。
さとりは今の幸せを手放したくなかった。
霊夢のいない人生など考えられない。
さとりは、かつて思いとどまった、最悪の行動を取ることになった。
こいしには、ちょっとした悪戯だといって協力させて、
霊夢に睡眠薬入りの茶を飲ませることに成功した。
倒れ伏した霊夢を愛おしそうに抱きかかえ、
霊夢をペットにすることを宣言した。
お燐とお空は反対しなかった。
何かさとりに考えがあると思ったのだろう。
こいしは反対しなかった。
彼女は何を考えているのかは、誰にも分からない。
さとりはペットには不要だと、霊夢の衣服を引き剥がし、
代わりに新米ペットの証である首輪を嵌めた。
霊夢が気を失っているうちに、さとりは霊夢の記憶を改ざんした。
『覚り』の能力を有効利用するために独学で学んだ心理学の延長で、
さとりは催眠術を習得していた。
さとりは能力と併用して、霊夢に自分はさとりのペットであるとの暗示を掛けた。
程なくして、霊夢は目を覚ましたが、最早彼女は博麗の巫女ではなく、
さとりのペットである一匹の畜生となっていた。
さとりは気付いているのだろうか。
自分で幸せを壊してしまったことに。
霊夢のことを思い、
霊夢のことを愛し、
霊夢を傷つけることが無い生活を送るという、
難しいリクエストに対して、
ろくでもない、
最悪の解を導き出してしまったことに。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地霊殿の地下牢の一つ。
現在、霊夢に居室としてあてがわれている。
牢から荒い息遣いが聞こえる。
牢の中では、四匹の獣がまぐわっていた。
三匹の雄の大型犬と、一匹の雌である霊夢。
三匹の犬は、怒張したペニスを霊夢の口と秘所と肛門に突き入れ、
その締まりを堪能していた。
霊夢は、三本のペニスがもたらす衝撃と匂いと味を堪能していた。
ハッハッハッハッハッ!!
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ。
ハッハッハッハッハッ!!
ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ。
ハッハッハッハッハッ!!
ぶちゅっぶちゅっぶちゅっぶちゅっぶちゅっ。
「うっうっうっうっうっ!!」
四匹の獣は黙々と、肉の快感に酔いしれた。
やがて、絶頂。
どぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっ……。
どぼっどぼっどぼっどぼっどぼっどぼっどぼっどぼっどぼっどぼっ……。
どぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっ〜〜〜〜〜。
「う、ぐふぅっ、ごくごくごく……。ちゅばっちゅばっ……」
霊夢は犬のザーメンを全身の穴で飲み干した。
三匹の犬は、同胞である雌をねぎらい、彼らが穢した霊夢の全身と三穴を舐め清めた。
霊夢は彼等の舌技に絶頂に達し、性器から小便と愛液を噴出したが、犬達はそれも舐め取ってくれた。
四匹の獣共が固まってまどろんでいたところ、
「どう? 元気に……しているようね」
さとりが牢の前――部屋の一面が鉄格子になっている箇所――にやって来た。
霊夢は鉄格子に突進し、さとりに向けて両手を伸ばした。
「さとりさま〜!! おかえりなさいませ〜!! 寂しかったです〜!!」
三匹の犬達も同様に鼻先や前足を檻の隙間から出して、さとりの来訪を歓迎した。
「皆も仲良くやっているようね」
さとりは霊夢を好待遇で面倒を見た。
食事も一緒。
寝るのも一緒。
風呂も一緒。
しかし、さとりは多忙である。
一日中、一緒にいるわけには行かなかった。
そこで、さとりは自分に忠実で屈強で面倒見の良い雄犬三匹に、霊夢の面倒を見るように命じた。
霊夢が寂しがらないように相手をするように。
霊夢と彼等の相性は最高であった。
さとりの見立てに間違いは無かった。
さとりは檻を開け、飛びついてきた霊夢と濃厚な口付けを交わした。
「ん……、くちゅ……」
「むぐ……、ちゅっ」
舌を絡め、互いの口中の唾液と酸素を貪る。
霊夢がまだ人間だった頃は、唇を触れ合わせる程度であったが、
ペットにしてから、さとりの望み通りに淫靡に奉仕してくれるようになった。
三匹の犬達は空気を読み、部屋を去っていった。
さとりと霊夢は堅く強い絆で結ばれた。
具体的には、霊夢の首輪に鎖が繋がれ、その一端をさとりが握っている。
さとりの後を霊夢が付いて行く。
これからしばらく、霊夢は己が敬愛する主人であるさとりと一緒にいられるのである。
霊夢は歓喜し、顔を紅潮させ、性器から愛液が滴り落ち、廊下に点々と水滴を垂らしていった。
霊夢は、下着を着けていないさとりのスカート内に顔を埋めて奉仕しながら、
こんな幸せな日々が、ずっと続けばいいのに。
と思った。
さとりは、霊夢の奉仕による快感と心に響く忠誠の念に身体を震わせながら、
こんな幸せな日々が、ずっと続けばいいのに。
と思った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地上。
こいしは無意識のうちに、流行の洋食店に来ていた。
昼食時のため、店内は混雑していたが、
こいしが歩を進めたVIPルームである離れの周辺は静寂に包まれていた。
離れの入り口には紅魔館のメイド長が立っていたが、
誰にも認識できないはずのこいしを見ると一礼をして、戸を開けてくれた。
相手が無意識を操る能力を持っているとはいえ、
来ることが分かっていれば、対策は立てることが出来る。
こいしは離れに入った。
そこでは、八雲紫とレミリア・スカーレットが会食をしていた。
こいしは、
姉と霊夢のことを二人に訴えた。
紫は、
博麗の巫女は、度々同様の事態に遭い、切り抜けてきたから問題無い。
と、こいしに告げた。
レミリアは、
自分もお前の姉と似たような事をしたが、問題は無かっただろう。
と、こいしに告げた。
紫は、
数日中に問題は解決するから、それまでどこかに身を寄せてはどうか。
と、こいしに勧めた。
レミリアは、
なら、紅魔館に来るといい。妹も会いたがっている。
と、こいしに勧めた。
こいしは、
幻想郷の重鎮達の言葉に安堵して、離れを出て行った。
紅魔館に向かったのだろう。
「紫」
レミリアは、小食な自分向けのプレートランチのメインディッシュである小ぶりのハンバーグを咀嚼しながら、
紫に話しかけた。
「わざとぼかしていたな」
先程のこいしに対する発言を言っているのである。
「私は事実を簡潔に言っただけよ」
紫は、こちらは普通のプレートランチのメインディッシュである鱸のソテーを切り分けながら、
レミリアに答えた。
「全く、霊夢の運命は私にも読みきれないよ」
レミリアは、複雑な運命の如く絡まった、付け合せのスパゲッティをフォークでくるくると巻き取り、
パクリ。
一口でその運命は終わった。
「博麗の巫女の運命は決まっているわ」
紫は魚料理を咀嚼後、白ワインを口に含み、料理の後味と酒の織り成すハーモニーを嚥下した。
「近々、異変が起きるわ」
玉ねぎのドレッシングが掛けられたサラダのホワイトアスパラガスをフォークで刺しながら、紫が告げた。
「ほう、確かに。それなら運命は決まったな」
外の世界の無蓋の自動車をディフォルメした形をしたプレート上に盛られた、
小さなチキンライスの山を切り崩すレミリア。
パタリ。
山の頂に立てられた、紙と爪楊枝で作られた旭日旗が倒れた。
「さとりはもう少し聡明な子だと思ったのだけれども」
紫は、白ワインが注がれたグラス越しにレミリアを見つめながら言った。
「例え目が三つあっても、愛は視界を曇らせるらしいな」
レミリアは、葡萄ジュースが注がれたコップ越しに紫を見返しながら言った。
「まあ、幻想郷には影響は出ないのだから、良しとしましょう」
食事を終えた紫は、ナプキンで口を拭きながらそう告げた。
「霊夢は野に解き放たれるわけだな」
レミリアは、食後のお楽しみ、デザートのカスタード・プティングの樹脂製容器を小皿の上に逆さまにした。
そして、容器底部の小さな突起をへし折った。
ぷっちん。
ぷりり〜ん。
容器内のプティングは綺麗に容器から剥離、皿の上に柔肌を晒した。
「全てにおいて優先される博麗の巫女の使命が、霊夢に掛けられたまやかしを消し去るわ」
紫は洋ナシのソルベを一口、口の中でとろかした。
「霊夢は元通りになって、めでたしめでたし、となるかな?」
レミリアは、平らげたプティング本体の甘みとカラメルのほろ苦さの余韻を口中で楽しんだ。
「霊夢には好きにさせるわ。非はあちらにあるわけだし」
紫は、グラスのお冷を口に含んだ。
「ご愁傷様だな」
レミリアは小さなスロットマシンを玩んでいた。
彼女が注文したプレートランチに付いてきた景品である。
「ほ、これはめでたい」
樹脂製の安物が表示した三つの数字は、
全て、『6』であった。
「まあ、命までは取られないでしょう」
紫は席を立った。
「代わりにあの時、私は何か大事なものを失った気がするぞ」
レミリアも席を立った。
「私もよ。まさか、博麗の巫女の力があれほどとは……」
紫は、冥界の結界を修復している時に、霊夢と初めて一戦交えたことを思い出していた。
弾幕ごっことはいえ、紫は敗北し、何百年ぶりかの女の悦びをその身に刻み込まれたのだった。
こいしの無意識に感じた予感は正しいだろう。
姉が危険だ。
姉を霊夢から助けてください。
さとりが招いた事だ。
彼女自身でケリを付けて貰おう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地上では根雪が残りつつ、春の足音が聞こえてきた頃。
霊夢の牢屋は快適だった。
地熱で暖房が効いているし、
霊夢のセックス・フレンドである犬達が温い。
深夜。
さとりは急な会合で地霊殿にはいない。
封印されていた妖怪が地上に飛び出して行ったとか。
ペットである霊夢には、関係の無い話である。
四匹の獣が今宵のセックスを終え、互いに寄り添い、まどろんでいた。
至福の時。
さとり様のお側にいる時に次ぐ幸福。
不意に霊夢が目を覚ました。
霊夢は立ち上がり、遠くを見つめるような目をした。
同胞の犬達も目を覚まし、心配するような視線を霊夢に送った。
霊夢は、
先程まで肌を合わせていた彼らを、
邪魔者と判断した。
三度の獣の悲鳴。
霊夢は己の体調を確認した。
体調は万全であった。
だが、問題があった。
これを解決しないと、適切な判断が出来ない恐れがある。
股間にそそり立つ器官。
霊夢が問題解決のために生やした放出器官。
問題が解決するには、朝を待たなければならない。
霊夢は鉄格子を掴み、その幅を広げた。
仕込を終えると、霊夢は牢の中に戻り、鉄格子を元に戻した。
その時まで、寝て待つことにしよう。
お燐はさとりからの指示で、霊夢の部屋にいる四匹の獣の朝食を運んできた。
「おっはよ〜!! 寝ぼすけさん達、ごはんだよ〜!!」
お盆に載った四つの皿。
その内の一つには匙が付いている。
お燐が牢の中を覗くと、
四匹の獣が、
血塗れで横たわっていた。
「た、大変だ……」
お盆を取り落としたお燐は、慌てて部屋を出ようとした。
足に何かが絡みつく感触。
お燐は転倒した。
片足にロープを絡みつかせたお燐は、牢の方に引き寄せられた。
「き、きゃーーーーー!!」
お燐は悲鳴を上げた。
両手の鋭い爪を石の床に突き立てた。
爪が剥がれ、指先から鮮血が噴出したが、身体はなおも強い力で牢に引きずられていく。
お燐は、牢を見た。
ロープを手繰り寄せているのは、
犬の血を全身に塗りたくった、
霊夢であった。
嬉々としていた。
ロープの絡まった――よくよく見れば、ローブの先に輪が作ってあった――足が鉄格子の内側に引き込まれ、
お燐の身体はようやく止まった。
霊夢は片手でお燐の鉄格子に引き込まれた足を掴み、もう片方の手がお燐の身体をまさぐる。
ポケットから牢の鍵を掴み出し、牢を開けた。
お燐は今度こそ、牢の中に引きずり込まれた。
「霊夢お姉さん!! この!!」
お燐は血塗れの手でかろうじて残っている鋭い爪を振るった。
が、神速の一撃を霊夢は易々と受け止め、その手を締め上げた。
「い、痛!! あ、ああ!!」
ゴキッ!!
お燐の腕が嫌な音を立て、動かなくなった。
「う、腕ぇ……、あ゛だい゛の、腕ぇ……」
折れた腕を無事な手で押さえながら呆然とするお燐を押し倒す霊夢。
「きゃっ!!」
霊夢はギラギラした目でお燐の一張羅を引き裂く。
「霊夢!! お姉さん!! 止めて!! 嫌ッ!!」
霊夢はお燐のレースがセクシーな黒のショーツを引き摺り下ろした。
「や!! 止めて〜〜〜〜〜!!」
霊夢はお燐の秘所にむしゃぶりついた。
お燐はジタバタと抵抗するが、妖怪の彼女が人間の霊夢に完全に押さえ込まれていた。
しとどに濡れたお燐の股間。
霊夢は自分の股間をあてがった。
「こ、これって!? い、嫌〜〜〜〜〜!!」
霊夢は、
そそり立った剛直で、
お燐を貫いた。
「い、ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「ふんっ、ふんっ、ふんっ!!」
「ぁ……、ぁぁ……」
鼻息荒く、男根をお燐の性器にぶち込む霊夢。
息も絶え絶えで、最早まともな反応をしなくなったお燐。
「ふんっ、ぐ、出る、出すぞ!! クソ猫ッ!!」
「……ぁ…………」
どぶっどぶっぶぴゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
何回目か分からない。
両の手の指の数では足りないのは確かだ。
霊夢は、少女の身体の何処にそれだけの精液を溜め込んだのか。
霊夢はお燐に、大量のザーメンを流し込んだ。
ぽっこり膨らんだお燐の胎内には、もう空きスペースが無いため、
殆どはチンポとマンコの結合部から溢れ出した。
お燐は、口と性器と肛門から霊夢の精液を垂れ流していた。
三つ編みは解け、服は襤褸切れと化し、
端正な顔には殴られた際に出来た青痣が、首筋と豊満な乳房にはキス跡と噛み跡が生々しくついていた。
出すもの出し切って、スッキリした霊夢はお燐の身体を床に投げ出した。
股間のペニスは消えていた。
ようやく、落ち着いた。
さて、
博麗の巫女の主目的の一つである異変解決のために、
とっとと、ここをオサラバしよう。
霊夢は自分の首に嵌った首輪に手を掛けた。
鍵が掛かっていて、服従の呪いも掛かっているそれを、
霊夢は易々と引き千切った。
霊夢は空間跳躍で地霊殿の外に出た。
その後、霊夢は空間跳躍と穏行を駆使して博麗神社に帰った。
温泉で一風呂浴びて巫女服を着込み、御札と退魔針を装備すると、
霊夢は空を飛ぶ船を睨みつけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さとりが地霊殿に戻り、霊夢の檻で見たものは、
腕を折られ、精液塗れになり、身も心も穢されたお燐と、
惨殺された、三匹の犬の骸であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
深夜。
博麗神社。
さとりはしんと静まり返った境内で叫んだ。
「霊夢!! 何処にいるの!? 返事をして!?」
静寂。
さとりは再度叫ぼうとした。
『さとり』
霊夢の思念だ。
さとりは叫んだ。
「霊夢!! 何処!? 迎えに来たわよ!!」
霊夢の思念が返事をした。
『さとり、私を愛している?』
「もちろんよ!! さあ、一緒に地霊殿に帰りましょう」
『もう、酷いことしない?』
「え? 私、霊夢に酷いことした!?」
霊夢の思念が一時的に途絶えた。
「……、霊夢……?」
『終わりね』
「霊夢?」
霊夢は、
さとりの後ろに、いた。
ドスッ!!
霊夢の当て身は、綺麗に決まった。
さとりは、
痛みを感じることも無く、
意識を闇に沈めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
博麗神社本殿から離れた場所にある小屋。
一応、博麗神社の敷地内である。
そこには、隠し地下室があった。
霊夢は、
さとり流の愛を、
さとり自身に味わってもらっていた。
ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ!!
「はあっはあっはあっ!!」
「あ、あぁ、あああっ!!」
地下室は、はっきり言って、地下牢であった。
石組みで出来た壁に打ち付けられた金具に鎖が繋げられ、
鎖は、さとりの首と両手首を拘束する枷に繋がっていた。
さとりは、気絶中に霊夢に衣服を脱がされて、全裸であった。
霊夢は我武者羅に、欲求不満を具現化した巨根を、さとりの幼膣に突き込んでいた。
さとりの受け入れ準備は不十分であったが、霊夢の知ったことではなかった。
ヤッていれば、勝手にさとりの女の本性が反応するだろう。
今は、この快楽を楽しもう。
さとりは、霊夢の一方的な攻めを受け続けるしかなかった。
魔界に封印されていた今回の異変の元凶、聖白蓮は、
『人間と妖怪の完全な平等』を謳っていた。
寝言は封印されている間だけ言っていろ。
霊夢は一笑に付した。
寝起きの白蓮の目を覚まさせてやろうと、たっぷり礼儀を教えてやった。
幻想郷は彼女と取り巻き連中を受け入れることになったが、
はてさて、白蓮の夢物語が実現するか楽しみだ。
人間と妖怪の平等?
はっ!!
私を見ろ!!
心も身体も許した妖怪に家畜にされたぞ!!
……ああ、そういうことですか、聖様。
やられたら、同じ事を相手にも施せば良いのですね。
何でしたっけ?
右の頬をぶたれたら、左の頬をぶち返せ、ってレミリアが毛嫌いしている聖人が言ってたっけ。
では、やってやる。
愛しているから。
さとりを、愛しているから。
たっぷりと、可愛がってやる。
霊夢は、さとりに愛の象徴である白濁をぶちまけた。
びゅるびゅるびゅびゅびゅびゅびゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
「はぁ……、なかなか良かったわよ。さとり」
「あ、あぁ……。許して……、霊夢……」
「何言ってんのよ。許せるわけないじゃない。次はアナルよ」
メリィッ!!
「あ、ギャアアアアアァァァァァ〜〜〜〜〜!!」
霊夢は未だ鉄棒の如く硬度を保っている太い肉棒を、
さとりの出すことはあっても、入れたことは一度も無い肛門にねじ込んだ。
さとりが異物を入れるまいと肛門に力を込めたことが悲劇を助長した。
霊夢の突撃は、さとりの無駄な抵抗をいとも簡単に打ち破った。
その結果、さとりの城門は破壊され、鮮血を腸液と共に霊夢のペニスに纏わせた。
「あぁ……、満足満足」
霊夢は欲望を発散して、すっかりご機嫌になっていた。
「……、かひゅ〜、かひゅ〜、……」
さとりは、何も言わない。荒い息遣いのみである。
三穴を攻められ、体力、気力共に限界になっていた。
霊夢はさとりの拘束を解いた。
「あんたは、私の、恋人。分かる?
恋人は、相手の欲求不満を解消する義務があるわよね?
あんたが、地底で、私にしたみたいに。
聞いてる?」
さとりは、なんとか頷いた。
「私が呼んだら直ぐに来るのよ。来なかったら、あんたの妹や、愛しのペットがどうなるか……。
そこん所、覚えておいてね」
さとりは、お燐の惨状を思い出し、青ざめた顔で頷いた。
「じゃ、シャワーはそこにあるから。あんたの服も籠に入ってるから、勝手に帰っていいわよ」
「さとり」
『愛しているわ』
さとりは、霊夢の心の声を聞いた。
霊夢は、地下室を出て行った。
さとりは疲弊した身体を起こした。
牢の鍵は開いている。
でも、
さとりは、
永劫の獄に囚われた気分になった。
今回の話は、酒粕の焼酎720mlを飲りながら、書き上げました。
究極の純愛。ここに極まれり。
2010年11月13日:コメントに対する返事追加
今回のタイトルには、レミリアがめでたいと言っていた、
三つの数字が隠れていることに気が付きましたか?
>1様
お楽しみいただき、光栄です。
こいしちゃんはフランちゃんとこにいますから。どうぞ。
>2様
お燐は少々傷物になりましたが、使用には耐え得ると思いますよ。
レミリアお嬢様の合理性と遊び心が分かりませんか!?
>IMAMI様
リビドーが威力に変換される霊夢の破城槌に、破れぬ城門はありません。
NutsIn先任曹長
作品情報
作品集:
21
投稿日時:
2010/11/07 06:09:02
更新日時:
2010/11/13 18:02:05
分類
霊夢
さとり
サトレイ
お燐
お空
こいし
ミスティアの屋台
獣姦
紫
レミリア
さとりんは霊夢にやるとして、こいしちゃんは貰っておきますね
レミィお子様ランチ食うなよw