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『T-1000が幻想入り Sixth Episode』 作者: ヨーグルト
「お客様?」
「空、覚えているでしょ? 博麗霊夢よ」
TTTTTTTTTT
「へぇ、噂は流れていていたけど………まさかそんなことになっているとはね」
「魔理沙が変なものを盗んで来てしまったせいなのよ」
霊夢は呆れ顔で、訴えるようにそう言った。
空は「あはは」と笑いながら、適当に相づちを打った。
「ふん、それで? 私にどんな頼み?」
「ここに来た理由は理解できないの?」
「………」
お互い無表情になる。
「私も一度は狙われた身だから、単刀直入に話すわ」
「うん」
「核融合炉を一時的に開放してくれないかしら」
「………(?)」
一瞬だけ、場の空気が凍り付く。
「核融合炉をね………何のため?」
「そいつを………もとい、T-1000を倒すには、化学物質を利用するか溶かすか凍らしておくしかないのよ」
「他の方は考えなかったのかい?」
「もちろん考えたのだけれど、レールガンは失敗だったわ」
「それなら化学物質の方を試しておくれ」
霊夢はその言葉にムッとする。
「太刀打ちできないからこうして頼みに来たのよ」
「そうか…………」
空はお茶を半口ほど啜った。
「別に良いんだけどさ、まかり間違えば大爆発を起こして大変なことになるんだけど」
「それを考慮した上で来たの」
「その資料を読ませてもらったよ」
空は、霊夢が持って来た本をテーブルに投げ捨てた。
「確かに、過去には溶鉱炉で消滅したそうだな………」
「だから、幻想郷に溶鉱炉がないから、ここに頼みに来たのよ………縁上、ここが最も近いでしょ?」
「そうだね」
少し間が空く。
「さとり様たちは『了解』したそうじゃないか」
「そうよ、そうなれば、貴方は上の決定には逆らえないでしょ?」
「ん、まぁ………そうなんだけど」
「歯切れが悪いわねえ」
「別にそうじゃない………今回開放して、無事に済むかどうかっていうのを心配しているんだ」
「それなら心配ないわよ。 私たちに任せなさい」
「ん、そうか」
空はそう言うと立ち上がり、霊夢に手招きをした。
その手招きに引かれ、空に付いて行った。
「うん………」
「これでいいんだよな?」
熱風が来る。
こういった暑さは過去の異変以来だろう。
「やつをしとめる為の方法は………さっき言った通りのとこれぐらいしか無いのよ」
「それなら本当にしょうがないんだが………」
空は霊夢に向き直った。
その空の顔は若干寂しげでもあるように見えた。
「絶対に………失敗だけはしないでくれ………」
「………うん、分かったわ………」
霊夢と空は握手をし、互いに約束した。
厳密に言えば霊夢が。
「これ以上は無駄に死なせない………」
TTTTTTTTTT
「………?」
一回の発射で壊れるほどもろくなってしまってたか………。
にとりは、レールガン砲台に手をかけた。
少し前の、魔理沙が電撃を全力で………スペルを駆使し防いだ、あの砲撃。
普通じゃあり得ないが、魔理沙に、その威力がかき消されてしまったのだ。
ある意味、にとりにとっては屈辱でもあった。
「ん、まぁ誰にだって失敗はあるもんね」
「そうですね………魔理沙さんに守られるなんて思いませんでしたし」
椛は唇を噛んだ。
恨みから来る行動ではない。
「科学が勝つか魔法が勝つかなんて判らないよ」
「それでも、科学には人間が負けたなんて思っていませんよ?」
「そうかねぇ………椛」
「?」
「今回のあいつは、人間であり、科学でもあるんだよ」
「それは分ってます。 科学の塊なだけです………完璧なんかじゃありません………何にだって欠陥はあります」
「そう………だから今回のこのレールガンも魔理沙に負けた………勝つつもりなんて毛頭なかったけど」
「逆に言えば」
「うん」
「………」
「椛が今考えた通り、最初から魔理沙が勝つと思っていたよ」
そう言ってにとりは微笑むのだった。
TTTTTTTTTT
「………おせえ」
魔理沙は小さく言った。
「………」
場所は博麗神社。
だが、いつもと違うのは、霊夢達がいないで、魔理沙だけがいるということ。
普段はたま〜にあるぐらいなのだが、今回だけは少し違った。
こんな事件が起きているのだから当然でもあるのだから文句は言わないのだが。
「作戦までどのぐらいの時間が余ってるんだ………まぁいいか」
魔理沙は居間から出ると、お手製魔道書を開いた。
「出せるかね………」
妖怪の山で使った呪文を使おうと、念を込めてみる。
……………。
しかし、何も起こらない。
「どうやったら出せるんだろうな………さっきは出たのに………」
数十分ほど前からいる。
魔理沙はその間の暇を持て余していたので、防御魔法を何度も練習した。
だが、妖怪の山以来、使えることがなかった。
あの時はパニクっていたからか?
そうではないはずなのだが………そう魔理沙は考え、魔法を使おうとするのを止めた。
博麗神社は、神社として広い方だから、たとえT-1000が襲って来ても対処は出来るだろう。
しかし、銃を使われたらそれで終わり。
対処する為にはこういった練習は控えた方がいい。
何時襲われてもおかしくないのだから。
今から行う作戦について、魔理沙にはほとんど連絡が入っていない。
どちらかというと、霊夢達はこれから行う作戦について、魔理沙は必要ないと思っているのだろう。
何でも、紫が外の世界から強力な兵器を(勝手に)借りてきたそうだ。
この幻想郷なら、特定の人物以外対処できないだろうと予測した上でだそうだ。
「………」
魔理沙は立ち上がった。
「(ここにいても何時襲われるかもおかしくねぇ………)」
「(仕方ない………あいつが来なさそうな場所に隠れるか………)」
TTTTTTTTTT
「はぁ〜い☆ ちゅ♡う♡も♡く」
「(うぇ)」
霊夢は紫の顔から視線を外した。
しかし、紫はその霊夢の行動に怒りだす。
「今のは冗談だから許して……………コホン」
「ったく………」
霊夢が「早くして」と催促すると、紫は「分かったわ」と言い、スキマを作り出した。
そして、紫は霊夢に手招きし、スキマの中に入るように促した。
「………あれ?」
「ここにしまってあるのよ」
紫が、霊夢を移動させた先は紅魔館だった。
今は『使われていない』も同然の場所である。
「何でここ?」
「だって………どうせ誰もいないでしょ? だったら有効活用しないと」
「だからって」
紫は「まぁまぁ」と霊夢を手で制す。
しかしその他に、にとりと文もついて来ていた。
「こんな奴らまで連れてこなくても良いんじゃない?」
「いいじゃないの………たぶん大丈夫よ」
紫がもう一度スキマを出現させた。
その中に、にとりと文はするすると入って行く。
「霊夢も入りなさい」
「ほら」
誰もいない。
詳細を述べるならば、地下室には誰もいない。
当たり前とでも言うべきなのだが。
「見なさい」
紫が地下室へのドアを開けると、そこには大量の何かがたまっていた。
それらに、にとりと文は目を輝かせた。
目を見張るばかりの、外の世界の『兵器』たち。
文がカメラをパシャパシャと連射しまくるほどであった。
「あれから説明して行くわね」
紫は適当に指差しながら、霊夢達に説明していく。
「あれが、
モーゼル・ミリタリーC96………それと、M712」
他にも武器は豊富にあった。
ルガーP08
ワルサーP38
ワルサーPPK
コルトM1911
コルトM1911A1
トカレフTT33
PMマカロフ
SIG/ザウアーP226
グロック17
H&K USP
デザートイーグル
S & W M500
454カスール「レイジングブル」
ヘンリー・デンジャー
M1カービン
StG44
フェドロフM1916
AK47
AKM
M14
M21
M16
シュタイアーAUG
FA-MAS
L85A1
SIG SG550
エルマ・ベルケMP40
ステンMKU
トンプソンM1
M3サブマシンガン
ウージー
H&K MP5A3
FN P90
ZB26ブルーノ
M1918A2オートマチックライフル(BAR)
MG34
MG42
M60マシンガン
FN-MAG
FN MiniMi
RPK74機関銃
ウィンチェスターM70
レミントンM700
SVD ドラグノフ
H&K PSG-1
バレットM82 アンチマテリアルライフル
イカサM37
レミントンM870
ペネリM3
ベネリM4スーパー90
SPAS 12
などなど……………。
「いろいろと大変な作業だったわよぅ?」
「そりゃあそうでしょうね」
文は挑発するように返事する。
しかし、どこか不満げであった。
「まだ一個残っていますよね、この他にも」
「そうよ」
文に言われ、やれやれといったような態度で部屋の隅に歩いていく。
その先には、ビニールシートが何かに覆いかぶさっていた。
霊夢の目測では、おおよそ人間か誰かだと考えた。
「紫」
「安心しなさい、人間とかじゃないわ。 妖怪でもね」
「じゃあ?」
「ジャーーーン!!」
紫はビニールシートを勢いよくはがし、そこにあるものを見せた。
それを見た瞬間、文はカメラを瞬時に取り出し写真を取り出した。
にとりは今にも走り寄って、抱きしめたいような感情に取り込まれた。
唯一、霊夢は無反応ではあったが、心の中では何か嫌悪感らしきものを抱いた。
「皆にご紹介しマース!! T-800(アーノルド・シュワルツェネッカー)さんでーーーす!!」
「「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉおっ!!」」
文とにとりは同時にだい絶叫する。
霊夢は両手で両耳を塞いだ。
「(まさか………)」
霊夢の予想は的中する。
「紫」
「ん?」
「も し か し て とは思うけど、このT-800っていうのは………」
「そうよ。 T-800っていうのはT-1000の仲間よ」
「………」
「安心しなさぁい。 この子は、私たちの味方にも出来るから」
「へぇ………」
半信半疑ながらも、霊夢は紫の言っていることに若干賛同する。
紫は嬉しそうに手を叩いた。
「さっそくだけど、にとり。 これを起動してくれる?」
「いいよ」
「あと、システムを組まなきゃいけないから、そっちのほうもお願いね?」
「了解(ラジャ)!!!」
にとりは早速T-800に駆け寄り、触り始めた。
紫はそれを微笑ましく見ているのだが、霊夢は怪訝そうに見ているのであった。
「(本当に大丈夫なの?)」
「(心配することはないわ………にとりを信じなさい)」
「(じゃなくて、そいつが暴走しないかどうかよ)」
「(そちらのほうも………あいつのイメージは作り出す時に私の幻想で作り出しておいたから)」
「(つまり?)」
「(私の幻想にあわせて、にとりの技術力………そしてT-800の性能。 文句はないわ)」
「(そう)」
「(で、この後なんだけど)」
二人でぼそぼそしていると、にとりが合図した。
「おーk−よ!!」
「分りました!!」
紫とにとりが互いに点呼(?)を取る。
紫は『そいつ』に歩み寄って行った。
「………」
「は〜い。 初めまして、私が判る? 判るのなら右手をゆっくり上げて?」
「………」
『そいつ』は紫の言葉を聞くと、右手をゆっくりと上げた。
「どうもありがとう。 これから貴方にお願いがあるの………命令するわよ」
「………」
「それじゃあまずは、貴方の呼び方よ」
紫は霊夢達の方に振り返った。
「(私に振らないでよ)」
「(名前をつける自信なんてありません)」
「(もともと名前があるんじゃないの〜?)」
紫は溜め息を吐きながら向き直った。
「確か貴方の名前はT-800だったわよね?」
「その通りだ」
「他に名前とかはあったりする?」
「ない」
「ふーむ………」
紫は再び、霊夢達の方に振り返った。
「(T-800でいいじゃん!)」
「(シュワちゃんなんてどうです?)」
「(名前あるじゃん………)」
「ちっ、使い物にならねえ野郎共だ………」
紫は舌打ちした。
「どうやって呼べば良いのかしら」
「名前で呼ばれたことはない」
「(怒)」
「そのまま、T-800と呼んでくれればいい」
「うん、分かったわ」
紫はそう言うと、霊夢達の方に戻って来た。
「あと、紹介しておくわね。 右から博麗霊夢、射命丸文、河城にとりよ」
「よろしくね」
「よろしくお願いしますー!」
「どうもよろしく!」
「ああ」
「(ぶ、無愛想ね………)」
「じゃあ、任務を与えるわよ」
「………」
「貴方ならT-1000を知っているはずよ………そいつに狙われてる人がいるの。 その人を守ってくれる?」
「了解」
「いい返事ね。 これがその人の写真よ。 霧雨魔理沙っていうの。 その人を守ってあげて?」
「了解」
「いい返事ね。 それじゃあ、この中から適当に武器を持って行きましょうか」
「了解」
そう言うと、T- 800は武器の山から適当に選んで、肩に担いだ。
もちろん、それ以外の霊夢達も、紫に「貴方たちも持って行くのよ」と言われ、持って行くことになった。
文とにとりは大はしゃぎ。
霊夢はそのことについて若干ながら乗り気ではないが。
「さぁて、地霊殿に集まるわよ?」
TTTTTTTTTT
「はっ!」
銃声。
魔理沙は、その銃声よりも先に気配を感じ取り、銃弾が当たることはなかった。
またT-1000だ。
魔理沙は面倒くさそうに振り返った。
「しつこいな、お前さんも」
「………」
「私を追いかけてみな?」
そして、魔理沙は箒にまたがり、すぐに逃げ始めた。
もちろん、T-1000はそれを急いで追いかけ始める。
「さっきより速いよな?」
「………」
「さてと、ついて来れるもんなら付いて来な」
魔理沙が向かう先は、空が管理している核融合炉。
そこで決着を着けるのであった。
そろそろか………。
ちょこっとだけでしたが、シュワちゃんが出ましたよ。
幻想郷の方達がどう呼ぶかによって、文章も変わりますが。
シュワちゃんって書くと、少々真面目じゃなくなってしまうんですよね………。
>専任曹長様。
毎回返事をありがとうございます。
はしゃぎすぎです、落ち着きましょう。
>2の人様。
はしゃぎすぎです、落ち着きましょう。
どうでしょう、ちょこっとだけでしたが、シュワちゃんを出してみました。
こんなのでは満足できないできないでしょう?(笑)
スカイネットを幻想入りさせたら幻想郷が終わってしまいますよ………。
>3の人(様)
いろいろとミスっていたのかも知れない。
能力開放の面では多少制限してありますので、ご了承ください。
>4の人(様)
皆さんで考えてくださいな(いや、本当に)
私も何か良い代名詞を考えてみますね。
それではまた次回に。
誤字等の指摘もそれ以外の指摘もよろしくお願いします。
それではまた次回に(二度目)
ヨーグルト
作品情報
作品集:
21
投稿日時:
2010/11/11 06:42:04
更新日時:
2010/11/11 15:42:04
分類
霊夢
魔理沙
文
にとり
空
T-1000
T-800
その他
色んな兵器が幻想入り
>落ち着きましょう
無理ですwここまでクオリティが高くなると落ち着くのは不可能ですw
てか武器の種類と数がハンパじゃないなwサラも裸足で逃げ出す数だぞw あれ、気のせいかなM134とM79が見当たらn(ry
いいぞガンガンやってくれ楽しみにしているぞ(笑)
PS:スカイネットが駄目なら機械軍を(マテ
私は冷静ですよ。すこ〜し、夕食と共に発泡酒をいただきましたが。
すんっばらし〜〜〜〜〜!!!
ゆかりんは博物館から武器をパクッて来たんですか!?
あのラインナップの内、10丁以上は手元に有りますが…。
さて、感想ですが、命を狙われている魔理沙が蚊帳の外って…。
最早、餌としてしか役に立っていないような気が…。
何故あの時、レールガンの一撃を防ぐほどの魔法が使えたのか?
それに、気のせいか皆さん、口調が荒っぽいような気がするのですが。
旧式なT−800対新型のT−1000。軍配が上がるのはどっちだ!?
それと、魔理沙の明日はどっちだ!?
紫と霊夢にまだ隠し玉があるような気がするのですが…。
…まぁいっか
T-800だと苦戦は確実ですね、バイクもないですし
ちなみに私はT-1000はT-1000って書いていた方がターミネーターらしく、無機質で好きです
そろそろ終結ですか、頑張ってくださいね
あんた実銃持ってるのか!?
おっかなすぎる