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『サニーのせい』 作者: 紅魚群
※キャラ崩壊注意
※暴力表現注意
昼過ぎ。異変の兆候は、ルナのあるほんの一言からだった。
「もう、サニーのせいで塩の分量を間違えちゃったじゃない」
厨房から聞こえたルナの声に、リビングで椅子に座って本を読んでいたサニーが顔をあげた。
「どうしたのルナ?呼んだ?」
「だからサニーのせいで塩を入れすぎちゃったの!」
「はぁ?」
サニーが呆れたように声をあげた。言っている意味がわからない。
「ルナが自分で入れたんでしょ?なんで私のせいになるのよ」
「だってサニーのせいでしょ」
「だ・か・ら、なんで私のせいになるのか聞いてるの!」
思わず大きな声をあげる。何だっていうのよ。自分の失敗を他人のせいにするなんて、腹立たしいことこの上ないわ。
またルナの悪ふざけの一種だろうか。それにしたって理不尽で意味不明だ。
こちらとしても、これは一歩も引くわけにはいかないね、とサニーは思った。
「どうしたの?大きな声出して」
騒ぎを聞きつけてスターもリビングに顔を出す。
サニーは待ってましたと言わんばかりに、自分の言い分をスターにぶつけた。
「聞いてよスター!ルナがね、自分で塩の分量を間違えたのに、それを私のせいにするのよ!」
「あら…」
スターは少し驚いたような表情のまま、サニーとルナを見比べた。
サニーは何かを期待するように、こっちを見ている。
ルナの方はむすっと不機嫌そうにしながら、腕組をしてサニーの方を見ていた。
スターは軽く溜息をついた後、さも面倒くさそうに言った。
「それだったらどう考えてもサニーのせいじゃない。揉めるのもおかしいわよ」
「え…?」
予想していたものと180度違う答えが返ってきて、サニーは瞬間何を言われたのかわからなかった。
私のせい?悪い冗談だわ。
「ちょっとスター、私の話聞いてた?塩を入れたのはルナなのよ?」
「…サニーも変な意地張ってないで謝った方がいいわよ。少々味がしょっぱくても私は許してあげるから」
スターの意見は変わらなかった。ルナがさも当然かのように続いて言った。
「ほれごらんなさい。サニー、私も許してあげるから、素直に謝りなさい」
「な、なんなのよ二人とも…」
ここまで面として言われると、本当に私が悪いのかと思えてくる。
もう一度順序立てて考える。食事当番はルナ、私は本を読んでただけ、塩を入れたのはルナ、私は本を読んでただけ…。
やっぱり私は悪くない!この二人の言ってることがおかしい!
「あーもう!!二人してグルになって私をいじめて楽しいの!?」
「いじめって……サニーが悪いんじゃない」
「もういいわよ!知らないっ!!」
サニーは立ち上がって椅子を蹴り飛ばすと、走って二人の間を抜けた。
「ちょっと、サニー!?」
ルナの呼びかけも無視して、サニーは家を飛び出した。
「どうしたのかしらサニーったら…」
「さぁ…?」
残されたルナとスターは、開けっぱなしにされたドアを見ながら、ただ小首を傾げるばかりだった。
森の中を大分走ったところで、サニーは一旦足を止めて呼吸を整えた。
あの二人、どうしてあんなことを言うんだろう?どう考えたって、私の言い分が正しいのに。
心当たりはないが、何か二人に嫌われるようなことをしたんだろうか。
たとえそうでもこんな陰湿な方法をとるなんて、あの二人らしくもない。
いつもならもっとびっくりスカッとするような悪戯しかしないのにな…。
サニーは心当たりを探りつつ当てもなく歩いていると、急に視界が開けた。
いつの間にか霧の湖まで来ていたらしい。
湖畔には、チルノと大妖精の姿が見えた。
スッカスカの密度で弾幕ごっこをしていたようだが、大妖精がこちらに気づいたようで、続けてチルノもこちらを向いた。
「あ、お前は…えーと、サニーミルク!!」
「正解。よく覚えてたわね」
チルノの呼びかけにサニーが答える。すぐにチルノがこちらに飛んできた。
家に少し帰り辛くなった分、今日はこのバカと遊んでようかな。
そんなことをサニーが考えていると、チルノがサニーに向かって怒鳴り散らした。
「あんたのせいで今日も霊夢に負けちゃったんだからね!!」
「え…」
サニーの胸がきゅうっと締め付けられた。
なんで?どうしてチルノまであの二人と同じことを言うの?
念のため心当たりを探してみるが、やはり思い当たらない。
そもそもチルノが霊夢と弾幕ごっこをしたことすら、サニーは知らない。
「チルノ!なんでそれが私のせいになるのよ!?」
「言い訳するな!!全部サニーが悪い!!」
今にも噛み付いて来んばかりのチルノの剣幕に、サニーは狼狽した。頭の中が混乱する。わけがわからない。
もう自分の判断が当てにならないような気がしてきた。
「だ、大妖精はどっちが悪いと思う!?」
バカみたいな質問だと我ながら思う。だが、すがるような思いでサニーは大妖精に聞いた。
大妖精は妖精の中でも賢く、それでいて仲間思いの優しい子だった。
彼女ならきっと、正当な判断をしてくれる。きっと…
大妖精は、少しためらった後、申し訳なさそうに、加えて憐れむような口調で言った。
「サニーちゃん……ちゃんと謝った方がいいよ…」
…もはや、怒る気にもならなかった。それよりも、じんわりと目頭が熱くなってくる。
大妖精まで、こんなわけのわからないいじめに参加しているの?
そんなにも、みんなに、私は嫌われているの?
「ねえ…私何か悪いことした?二人に嫌われるようなことした…?」
サニーは声が震えそうになるのを必死にこらえたが、少し涙声になった。
いつも元気溌剌としたサニーらしからぬ反応に、チルノも多少なりとうろたえた。
「なによぅ。悪いのはそっちなんだから…同情誘おうったって、そうはいかないんだから…」
「サニーちゃん、何か辛いことでもあったの?」
大妖精が心配してサニーの瞳を見つめる。
いつもと変わらない、大妖精の優しい目。それが、よけいにサニーを混乱させた。
頭をかかえて、耳をふさぐ。もう何が本当かわからない。
「わかんないよ…なんで……」
「サニーちゃん…」
その心配するような大妖精の台詞も、私をからかう上での演技。そういうことでしか、サニーの中で辻褄が合わなかった。
それとも本当に私が知らないうちにチルノの弾幕ごっこの邪魔をしてたのだろうか?
いや、ありえない。本当に?…でも、それだと、私は…皆から……。
「あ」
「まって、サニーちゃん!」
涙が目から零れるよりも先に、サニーは姿を消して一目散にその場から逃げ出した。
「ぐすっ…」
森の上空を飛びながら、サニーは先ほどの出来事を思い出していた。
私の中の理屈も、理不尽なチルノの責任転換も、大妖精の心配する瞳も、何もかもかみ合わない。
「おーっす、サニー。どうしたんだ?ん、泣いてるのか?」
「魔理沙さん…」
いつのまにか姿を消すのを忘れて、通りかかった魔理沙に見つかったようだ。サニーは慌てて涙を拭う。
「いつもの二人はどうしたんだ?…あ、ははーん。喧嘩したんだな?そうだろ?」
魔理沙はニヤニヤしながらサニーの周りをくるっと回った。
…いつもどおりの魔理沙さんだ。でも…。
サニーはどうしても確かめておきたいことがあった。
「あの…魔理沙さん、私に何か言いたいことってありますか…?」
「ん、そうだな。そうだ、お前のせいで昨日は変な夢見ちゃってなぁ。今朝は目覚めが悪かったぜ」
まさかとは思ったが、最悪の予想が当たってしまった。
どうして?みんな、私のことを…私、何も…してないのに!!!!
「なんで!なんで!なんで!?なんで全部私のせいにするのよぉおおお!!!」
「なっ!?おい、どうしたんだよ?落ち着けよサニー!」
「うわぁあああああん!!」
突然泣き出したサニーに面を食らった魔理沙だったが、とりあえずサニーの横まで近づくと、優しく背中をなでた。
「何があったか知らんが泣くなよ、な?」
魔理沙は前言を悪びれる様子もなく、必死でサニーのことをなだめた。
「これからアリスのとこに行くんだけどさ、サニーも一緒に行こう。美味いクッキーとかもあるぞ」
「うぐぅ…ひっく…」
その優しさもわからない。理不尽に私のせいにするくせに、どうしてそんなに優しいの?
「ほら、つかまってろよ」
魔理沙はサニーを抱き寄せると、ゆっくり箒を走らせた。
魔理沙に半ば無理やり連れてこられるような形で、サニーはアリス邸へと到着した。
ドアをたたくと、不機嫌そうな顔のアリスが二人を出迎えた。
「もう、魔理沙遅いわよ。1時間も遅れてくるなんて」
「悪い悪い、サニーのせいで時間がかかっちまったよ」
「私のせいじゃ…」
蚊の鳴くような声でそう言いかけるが、アリスが自分のことを睨みつけていることに気づき、言葉が止まった。
アリスの方はわかりやすい形で、私の味方ではなかった。
「私もあんたのせいで服にコーヒーこぼしちゃったんだからね。最悪の気分だわ」
「ははっ。サニーお前、悪いやつだなぁ」
「うぅ……」
だがやはり同じだ、今までと。誰もが何もかも私のせいにして、だれもそのことに疑問を持たない。
全部、私のせい。サニーのせい。
こんな悪趣味ないじめを思いつきそうな人なんて、サニーの知る限りでは誰もいない。
そして、そんないじめに便乗するような人も、いないはずだった。
でも現実はその正反対。
「私は魔理沙に用があって、そこの妖精を家に入れるつもりはないわよ」
「おいアリス、何いきり立ってんだよ。あんまりひどいこと言うなよ」
「いい。私…帰ります」
「まあサニー、待てよ…って、おい、どこいったんだ!?」
一瞬の間にサニーの姿はどこにもなくなっていた。光を屈折させ、姿を消す能力。
魔理沙もそれを知っている分、探しても無駄なことはよくわかっていた。
「別にどうでもいいじゃない。あんな妖精一匹」
「いや…なんか様子が変だったからさ…」
「妙なところで世話焼きなのよねぇ、魔理沙は。その気の使いをこっちにもまわしてほしいわ」
「私はいつだって気を使ってるぜ」
「はいはい」
二人が家に入るまで、サニーはすぐ近くの茂みにうずくまり、必死に涙を堪えていた。
アリス邸から離れた後も、サニーは森の中を歩きながら、堂々巡りな思考をめぐらせる。
また涙が溢れてきた。
私の偽物が現れてどこともなく悪事を働いているのかとも思ったが、塩加減を間違えさせたり悪夢を見せたりなんて出来るわけがない。
考えられる理由は、やはり皆が私のことをからかって、いじめているという結論だけだった。
でもどうして?妖精達だけならいたずらという理由で済まされるかもしれないが、魔理沙やアリスまで一緒になってるのが理解できない。
それに、チルノや大妖精や魔理沙の話し方も、とても演技のようには見えなかった。
わからない。いくら考えても、何もわからない。
あの優しさも、全部演技だったのだろうか。私により辛い思いをさせるために…。
ただひとつ言えることは、もうここに私の味方は誰もいないということだった。
サニーにとって本当に最後の頼みの綱は、人里にいる上白沢慧音だけだった。
あの人ならたとえどんな圧力や脅迫があったとしても、助けてくれるはずだ。
以前会ったときも、いたずらをしすぎるなと叱責を受けながらも、妖精である私たちと対等に話をしてくれた。
どんなことがあっても、私の味方でいてくれる。お願いだから、そうであって…。
人里に到着すると、自身の能力で姿を消して、目的の寺子屋の中へと進入した。
ちょうど今は授業をしている時間ではないようだ。
探してみると、慧音は資料室でひとり書類の整理をしていた。
サニーは勇気を振り絞り、話しかけた。
「あの…」
「うん?」
サニーは慧音の前で姿を現して、ぺこりとお辞儀をした。
「あの、今日は相談したいことがあってきたんですけど…」
「お前は…」
慧音の顔が強張った。すでに普通の反応じゃなかった。
サニーの心臓がバクンと鼓動し、全身から血の気がさぁっと引くのがわかった。
まさか…まさか。慧音先生は違うよね…?"私のせい"にしたりなんてしないよね…?
サニーは固まったまま動けないでいると、突然慧音の腕がサニーの胸倉を掴んだ。
「昨日、お前のせいで隣村の奥さんが死産した」
「っ…!!!」
絶叫しそうだった。視界がくらくらと歪んで、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
慧音は続けて言ったが、サニーの耳には入っていなかった。
「よくもぬけぬけと現れたもんだな。妖精に命の重みはわからんかもしれんが、責任はとってもらうぞ」
慧音は乱暴に掴んだ胸倉を引っ張ると、引きずるようにして寺子屋から外に出た。
サニーはまた泣いていた。もう誰も、誰も私の味方はいない。サニーの泣き声を聞いても、慧音の腕の力が緩まることはなかった。
慧音はサニーの体を、人里の道のど真ん中に放り投げた。サニーは受身もとれず、うつ伏せになって地面に倒れた。
道行く村人たちが、そんなサニーの姿をみてざわざわとどよめく。
…たくさんの人間がいる…逃げなきゃ。妖精としての本能がそう告げていた。
「おっと、逃がさないぞ」
姿を消して飛び上がろうとすると、背中を慧音に踏まれて地面に押さえつけられた。
(おい、あいつ)
(ああ)
初めて顔を見る人間たちが、サニーの方を指差してわらわらと集まってくる。
集まってきた群集に、慧音が言った。
「皆こいつのせいで辛い思いをしてきたろう。今日はこいつの制裁もかねて、好きにしていいぞ」
おおー!っと群集たちが声を上げる。
サニーもそこまでバカではない。これから自分がどういう目に遭うか、容易に想像することができた。
全身が恐怖で震え、がちがちと奥歯が鳴る。
群集の中の一人が、サニーの頭を思い切り蹴りつけた。
「お前のせいで家が火事になったんだよ!」
「いだっ…」
それに続くように、群集たちは次々とサニーを蹴り始めた。
「お前のせいで彼女にフられちまった!」
「お前のせいで仕事が見つからないんだ!!」
「お前のせいで…お前のせいで…!!」
皆口々にそう言いながら、容赦なくサニーに暴力を浴びせる。
『ドカッ!バキッ!』
「痛いっ!!やめでぇ!!いだいよぉ!!!やめでええ!!!」
サニーは両腕で頭を抱えた姿勢のままうずくまり、必死に懇願した。
だが誰一人として、振り下ろす暴力を緩めることはなかった。
「ご…なざい…ゆるし……てよぉ…」
何百回蹴られたかわからない。痛みで気がどうかなりそうだった。
「そんな体で、まだ意識があるのか。妖精とはやはり頑丈だな」
「ぅ…ぁ…」
「よし皆、もうこの辺にしとこう。相手は妖精だ。一度殺してしまうより、半殺しくらいで帰した方が懲りるだろう」
慧音の言葉に群集はうなずき、それぞれの家や仕事へと帰って行った。
サニーの両腕は骨折してぱんぱんに腫れ、体中打ち身で痣だらけになり、服は着ていないも同然なほどボロボロになっていた。
「今日はもう行っていいぞ。あまり迷惑をかけるなよ」
慧音はそう言って、自身も寺子屋へと戻っていく。
その場にサニーだけが、取り残された。
「……」
サニーは横たわったまま、わずかに身をよじった。羽もぼろぼろになって飛べないし、立つ気力さえない。
ただ涙だけが、サニーの瞳からとろとろと零れだした。
ルナやスターたちとの、楽しかった日々が記憶によみがえる。
もう二度と戻ってこないのかな…。これからずっと、みんなにいじめられながら生きていくのかな…。
やだよぉ…。誰か…助け…て……
「サニー!」
誰かが私の名前を呼んでる。この声は、知っている。ルナの声だ。忘れるはずもない。
「ひどい怪我…しっかりして!」
スターの声も聞こえた。私の体がゆっくりと持ち上げられ、抱きかかえられるのがわかった。
体がふわりと浮き上がり、飛んだ。
そこで、サニーの意識は途絶えた。
サニーが目を覚ますと、そこは自分の部屋のベッドだった。
「うぁ…?」
「よかった。気がついたのね」
ルナが顔を覗き込んでいる。スターの姿もその隣に見えた。
体をうごかそうとすると、全身がずきずきと痛んだ。
「うぎっ…」
「両腕が折れてるのよ。無理しないで、じっとしてて」
スターは脇にあった鍋からシチューを皿に移すと、そこからスプーンで一杯掬いサニーの口元へと運んだ。
「はい、あーん」
「……」
目の前に出されたシチューを、サニーはおとなしく口を開けて食べた。
少ししょっぱい味付けだったけど、いつもルナが作ってくれる、美味しいシチューだった。
すごく久々にものを食べた気がする。全身の力が抜けていくのがわかった。
緊張が緩んだら、また涙があふれてくる。
「うぅ…ううう…」
涙と一緒に、たまっていた感情がぽろぽろと零れ落ちた。
「ごめんなさい…ごめんなさぃ…ぐすっ……二人とも、私のこと嫌いにならないでよぉ…」
「サニー…」
ルナとスターが心配げな表情になる。
ルナはベッドの脇まで近づくと、そっとサニーの体を抱きしめた。そして、優しく言った。
「大丈夫よサニー。私たち親友じゃない。あなたのことを嫌いになったりなんて、絶対しないわ」
「そうよ。私たちは三位一体、誰か一人でも欠けたら、私たちじゃないわ」
「うぅ…ルナ…スター…」
ルナに抱かれながら、サニーはまた泣いた。でも今度は悲しくて出る涙じゃない。心は温かかった。
「サニーが出て行った後、なんか様子がおかしかったから、心配になって探してたのよね」
「私たちもちょっと言い過ぎたわ、ごめんなさい。…シチュー、食べるでしょ?」
「…うん」
スターの掬ってくれたシチューをまた口にふくむ。やっぱりしょっぱかった。
シチューを食べ終えたころには、サニーもだいぶ落ち着きを取り戻した。
ルナとスターも、ほっと一息つく。
だがこれで一件落着というわけではない。光の三妖精として、まだやることが残っている。
ルナとスターの表情が、わずかに険しくなった。
「サニー、あまり思い出したくないかもしれないけど、やられっぱなしってわけにも行かないわよ」
「そうよ。サニーをこんな目にあわせたやつに仕返ししましょう!」
二人の意気込みに、サニーの胸が熱くなる。
「ありがとう…二人とも…」
「当たり前じゃない。で、サニー、何があったの?」
「人里の人間達が…みんなして…」
「人間に?何かいたずらでもしたの?」
あのときの出来事がサニーの脳裏に蘇る。搾り出すような声で、続けた。
「ううん。私なんにもしてないのに、火事になったのはお前のせいだとか、仕事がないのはお前のせいだとか言われて…」
そこまで聞いて、ぎょっとしたようにルナとスターが顔を見合わせた。
そして、ため息をつく。
「ああ…じゃあしょうがないわね」
「えっ…?」
「だってそれ全部、サニーのせいじゃない」
END
後日おまけ
ルナ「あーあ、サニーのせいで今日も雨ね」
サニー「ご…ごめん」
スター「まあまあ、今日はせっかくご馳走作ったんだし、雨のことは忘れましょ」
ルナ「そうね」
スター「で、これがきのこのムニエルで、これが木の実パン、サニーのせいでちょっと焦げちゃったけど」
ルナ「わ〜!おいしそう!」
サニー「……」
ルナ「ん?どうしたのサニー、浮かない顔して。具合でも悪いの?」
サニー「な、なんでもない…」
元ネタはしたらばの某スレ
サニー可愛いよサニー
三妖精の口調の使いわけが出来ないのもサニーのせい
Thank you for reading!
紅魚群
- 作品情報
- 作品集:
- 22
- 投稿日時:
- 2010/11/30 03:40:53
- 更新日時:
- 2010/11/30 18:23:25
- 分類
- サニー
- 三月精
火浦功さんの『お前が悪い!』みたいな話ですね。
あ、私が麻雀でボロ負けしたのもサニーのせい
サニー自身も言っているけど、全部サニーのせいにされている以外の反応は普通なのが余計にえげつない
しかもおまけからすると一日限りの異変じゃないのか
でもやっぱり多分サニーが悪い
でも涙目のサニーかわいいよ
あれ、なぜか目から水が…
やっぱ好きなキャラほど困らせたり不安にさせたくなるものです
明るいキャラのサニーだと特に
おらスター、ヨツンヴァインになるんだよ。早くしろよ