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『東方死手帳 Act2 Episode3 First move (修正)』 作者: ヨーグルト
キラ(魔理沙)とL(不明)はどちらかが先手を打たなければすぐに負けてしまうだろう。
そもそも、犯人が確定したわけではないのかも知れない。
だが、Lはもう既にある程度は予想がついているものだった。
魔理沙がキラの確率は十分ある、疑う余地も。
「よし」
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「よぉー、こーりん」
「やあ魔理沙。 今日はコカインをお買い求めかい?」
「私を犯罪者にするつもりか?」
魔理沙は香霖に訝しげな視線を送る。
すると、急に動揺し、汗を何本もたらし始める。
「冗談さ」
「うん?」
「いやいや………」
しばらく沈黙が続く。
「もしかしてさ、香霖、コカイン所持してんのか?」
「いや」
「そうか」
これでようやく場の空気が落ち着くのであった。
「ところで何の用だい?」
「うん。 外の世界には、強く思うだけで人を殺せる道具とかあるのか?」
「は?」
この魔理沙の目的はもちろん、疑いをそらす為でもある。
そらせる自信は少ししかないが、香霖がこの事件を知っているかどうかを判別するのにも役立つ。
「それって、今話題の事件のアレかい?」
「知ってるのか?」
「知ってるも何も、教えに来てくれたんだよ、異変解決の方が」
「?」
「まぁ僕にはほとんど関係ない話だったが」
「………」
ふと、香霖は思い出したように喋りだした。
「ところで、さっきのはどういう意味か」
「じゃあぁ!!」
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「(怪しさ満点だったなぁ、魔理沙)」
「(とりあえず、名前は書いておくか)」
「(いやその必要はないと思うぞ。 第二のキラが名前を書いてくれるはずだ)」
「(そうなのか?)」
魔理沙は横目で小町を睨みながらも、ノートに名前を書こうかどうか思考を回転させる。
下手に名前を書いていけないのは百も承知だった。
「(本当に第二の吉良が名前を書いてくれるのか?)」
「(お前が香霖と会話している間にちょこっと周りを見て見たらいたよ)」
「(誰だ?)」
「(それは秘密)」
そんなことを言われて魔理沙はバッ!!と辺りを確認してしまう。
挙動不審と思われても仕方ない行動だったのかも、と、心の中で思う。
「誰もいないとは思うが………あれ?」
「気づいたか。 何かを感じないか?」
「(ああ、何か絶大な………古代的な何かを感じる)」
「(古代的なものというよりは懐かしいと言ったような感じだろう?)」
「(うん)」
「(それと、発言は慎んだ方が良いぞ。 誰かに監視されてるかも知れないんだからな)」
「あ、ああ、そうか………」
深呼吸。
「(とりあえずどうすればいい?)」
「(今日は目的という目的がないだろう? それならば家に帰っても良いんじゃないか?)」
「(家からでないと怪しまれもするんだが、普段でかけない奴が出かけでいても別の意味でも怪しまれるんだがな)」
「(まったく、正論だ)」
「え? 文が死んだ?」
「知らなかったんですか? 魔法の森の偵察中に心臓麻痺になって亡くなったんですよ」
「そうだったのか………」
「(魔理沙、あくまでここは平常心だ。 怪しまれては元も子もないぞ)」
「それで、搬送されて来たんですが、もちろん手遅れでした」
椛は落胆したような態度で教えた。
魔理沙が知らないことではなかったが、誰が死んだまでは知らされていなかった。
「でも椛。 何で文達は魔法の森にいたんだ?」
「ええ? あ、いいいいいえええ、っとそれはですねぇ………」
「?」
「さがさがさがさが探し物をしていたんですよ!! 命令がありましれね」
「おいおい、噛んでるぞ! 落ち着けって!」
「わかりまっ………とりあえず、命令で探し物をしていたんですよ!!」
「そうか」
まぁバレバレだ。
小町から大体の話は聞いた。
あんたらが私を疑ってることはもう知っている。
だがまだ甘いんだぜ………第二の吉良の捜索もやらなきゃな。
「キラの問題もあって忙しいのです」
「吉良? まだ捕まらないのか」
「はい。 未だに捕まりません、キラは」
「そうなのか」
「何でそんなに気にするんですか?」
「ん〜、ええいやあぁ………」
『キラだから』
「!!」
「それじゃあな、お役目ご苦労さん」
犬走椛:心臓麻痺。
「ここは妖怪の山の麓だったな。 小町とも一緒に調べたんだが、警備は薄いそうだな」
「………」
「それじゃあ、これにて私は退散だ。 またどっかで」
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その晩。
魔理沙はいつも通り家に隠ったような状態だったのだが、少し違った。
第二のキラ(魔理沙曰く吉良)が来ると、小町から情報が入っていたのだ。
「虚体になれると便利なんだな」
「そうでもないぞ」
「?」
「やりたいこととか制限されるからな。 他には、壁を通り抜けちゃったり」
「便利じゃないか」
「何を言う。 人間らしさと臭さがなくなってしまうではないか」
「(お前元々死神だろう)」
小町は「それはそうと」と言い直した。
「第二のキラなんだが、誰だか予想はついているか?」
「いや。 お前は誰か知ってるんだろ?」
「あたいとは戦闘経験のない奴だと思う。 少なくとも、魔理沙の知り合いということだけは言えるな」
「?」
『コンコン』
「来たな」
小町が合図するように、椅子から立ち上がり、実体から個体の体に戻した。
それと同時に、そいつは魔理沙の家に入ってくる。
「アリス………?」
「こんばんはー、遊びに来たわよ」
突然のことに魔理沙は驚く。
「お前が?」
「そうよ、そして………私の後ろにいるこいつが補佐役よ」
魔理沙がアリスの後ろに顔を向けると、そこにはかつての『あいつ』がいた。
「魅魔!!」
「ひさしぶりだな」
魅魔の存在が解ると、小町は姿を現した。
「χαίρω πολύ」
「Πώς είστε; 」
「Καλά, ευχαριστώ. Και εσείς;」
「περάστε παρακαλώ」
「ευχαριστώ πολύ」
「αρακαλώ」
「何故ギリシャ語!!?」
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「とりあえずお疲れさまだ。 小町が誘って来てたんでな、乗らせてもらった」
「ん、でも、小町はちょっと………」
「ああ、それは、魅魔が取り憑く相手がだって言うことだよ」
「んん」
魅魔は優雅そうな態度で紅茶を啜った。
どこからか持って来たかは分らないものであった。
「それはそうと、魅魔はマジでやる気なのか?」
「あん? ああ、そういうことか。 小町が誘って来たんでな、乗らせてもらった」
「いやいや、同じこと言うなよ」
「私が殺すんじゃないしな。 本当の殺し作業はアリスの方がやるんだが」
「そうだったな」
「私はどちらかというと監視役の方だな。 見物人って言うやつ」
「あたいもそっち側だよ。 飽きたら勝手に退場すっから」
小町も魅魔も笑顔である。
それに対し、魔理沙は不機嫌そうな顔であった。
「それで? 私たちを利用するつもりか?」
「利用なんてとんでもない。 魔理沙達はこのゲームの参加者だよ」
「ゲームか………これらの行動はゲームの一部という扱いでもあるのか」
「そういうこった。 私たちが動いてもそれほど面白くないからな。 何人かが、私たち以外の何人かが手駒として動いた方が良いだろう?」
「え」
「いや? 捨て駒とかそう言う意味じゃないぞ? 私も、お前達も、このゲームの駒だ」
「駒扱いかよ」
「いいじゃないの、魔理沙 退屈になったらリタイアすれば良いのよ」
「リタイアできるもんじゃないと思うんだが」
「そうね」
「………」
「まぁいいじゃないか。 いいだしっぺにあとは指揮を任せてと」
「大丈夫かよ。 もし失敗したら私たちは間違いなく殺されるか封印されるぞ」
「安心しろ。 アリスは死なない」
「………」
「冗談だ。 魔理沙も簡単には死にはしない。 油断さえしなければな」
「そうか」
それからいろいろな話をすると、アリスは席を立ち、入り口の戸を開けた。
「魅魔」
「ああ分かった」
「それじゃあ、魔理沙、小町。 お互い健闘を祈るわよ」
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次の日。
魔理沙は慧音から呼び出しを受けた。
と言っても、キラだということがバレたからとか言うわけではなく、単に用事があるのだそうだ。
呼び出し場所は人里。
魔理沙が私事情的にあまり寄り付かないだけあってか、未だになれないものである。
それなのに慧音は、「子どもの面倒を見るだけだ」と妙に説得してきた。
「一人だけじゃ徒ろ………大変だろう?」
「んあああ」
「二人はもう来てるからな。 とりあえず頼んだぞ」
慧音は笑顔で魔理沙に手を振る。
魔理沙は笑顔半分憎しみ半分の顔で返した。
「お、来たか。 何だ、呼ばれたもう一人は魔理沙だったのか」
「アレ以来だね。 それ以降は何回か顔を会わせていたけどこんな所で会うとは」
「何だよ。 まるで私に会うことが不名誉みたいじゃないか」
「そんなことナイ!!」
「ところで妹紅。 子どもの面倒って何だ?」
「(スルーかよ)」
「授業が終わった後の休み時間、子どもの遊び相手だそうだ」
「まぁた面倒くさいものを」
魔理沙は溜め息を吐くが、妹紅はそれを軽蔑そうな目で見る。
「普段から人里に来ていない人がこんなことを突然押し付けられても困るだけだもんね」
「何だその言い草は。 まるであんたが普段から来てるみたいじゃないか」
「あたしたち今日で二週間目なんだ」
「(なん………だと………?)」
~休み時間~
「ああぁ〜!! さくやゃんだ〜!!」
「もこちゃんも来てるよ〜〜〜!!」
「(ぬ? この二人は大人気だな)」
「(あたしたつぃはここのこどもたつぃにけっこうひんきがあるほよ)」
「(何言ってるか全然分からん)」
「あたらしいおねえちゃん? よろしく〜!」
「おお!!」
「(気合い入りすぎ)」
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慧音は右手を腰に置き、左手で寺子屋の女生徒と手をつなぎながら、お礼をした。
「今日もご苦労だったな」
「たいしたことはない。 おばちゃんとも呼ばれなかったからな」
「うん。 今日も子どもたちは元気で何よりだよ」
「魔理沙は大分疲れてるみたいだな」
「元気いっぱいで何よりだ(←棒読み)」
「それはそれは。 ああ、そうだ。 これからLと会話するんだがどうだ?」
「他の自警団には留守番を任せてる。 少しの間なら大丈夫だ」
「魔理沙は?」
「会っておくのも良いが、とりあえず私は帰らせてもらうぜ。 夜更かししていて眠いんだ」
「そうか」
魔理沙は三人に手を振り、足早に退散した。
「あ、そうだ魔理沙」
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その夜。
魔理沙は人里であったことを話した。
小町は興味深いのかどうかは分からなかったが、何かを言おうとしていた。
「ふむ、その帰りに、『異変解決家で集まろうの会』を開くと言われたんだな」
帰る手前、慧音は魔理沙を急に呼び止めたのだ。
そして、「あした集まりがある。 異変解決家が集まるんだが、お前もどうだ?」と言ってきたのだ。
これは断れないのだ。
欠席したら欠席したで詰問でもされるか自宅訪問でもされるからだ。
下手に怪しまれる行動をしてはいけなかった。
「確かに出席はした方が良さそうだな」
「他には白蓮とかも参加するそうなんだ」
「とりあえず出席はしておけ、あたいも付いて行く。 アリスもいるだろうから心配はないさ」
「出席者名簿はこれなんだが」
上白沢慧音
アリス・マーガトロイド
霧雨魔理沙
八雲藍
八雲紫
橙
藤原妹紅
聖白連
寅星丸
四季映季(ヤマザナドゥ)
「?」
「小町、気づかないのか? 『東風谷早苗』という名前が無いことに」
「あ」
「私が個人的に思うんだが、Lって言うのは早苗なんじゃないのか?」
「それもそうかもな。 だが、LはLでの出席だ。 早苗は単に来ないだけだろう? 神社は基本空けちゃいけないからな」
「………(思い出した。 早苗達の名前を書いたんだ)」
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次の日。
出席者名簿になかった名前の人たちも数名参加している。
話し合いが始まった。
「それでは、始めます」
急いで修正。
作品を丸ごと削除するつもりはありませんでした。
ちなみに、人名の誤字は伏線です。
ヨーグルト
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/02 07:05:24
更新日時:
2010/12/02 16:12:02
分類
魔理沙
小町
デ○ノート
その他
焦らず、のんびり(?)と書いていってください。これからも楽しみにしていますよ^^
この三人は遺体は発見されたのかな。
子供の面倒を見るのに向いているのかいないのか分からない蓬莱人達。
警備も兼ねているのか。
仕切りなおしたところで、続きを楽しみにしています。