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『人を呪わば穴二つ』 作者: 穀潰し
因幡てゐは今日も罠を仕掛けていた。
彼女が今居るのは人間が入り込めば二度と出られないといわれる迷いの竹林。だがそんな竹林も、その場所で何百年と過ごしてきた彼女にとっては自分の家の庭同然。
だから彼女はここに罠を張り巡らせる。
愚かにも竹林に入り込んできた人間や妖怪を誘い込み、罠にはまった無様な姿を見て指を差して笑う。
それが彼女の生活だった。
その日、積もった笹の葉の寝床で昼寝を堪能していたてゐは、ガサガサと落ち葉を踏みしだく音に目を覚ました。
ぴょんと跳ね起き、音のした方に目をやれば、そこには竹籠を背負った人間が1人。彼はしゃがみ込むと落ち葉を掻き分け何かを探している。
「はっはぁ……もう早出来の筍の季節か」
その姿を見ていたてゐの脳裏に悪戯心とちょっとした欲がむくむくと鎌首を擡げてきた。理由など無い、強いて言うなら『てゐの本能』とでも言おうか。まぁともかくその『本能』に従って、彼女は人間へと近づくと、そっと声色を変えて語りかけた。
『人間よ』
「!? だ、誰だ!?」
自分以外に誰か存在するなど、その人間にとっては思いつきもしなかったのだろう。語りかけられたてゐの声に、びくり、と大仰に反応する。
かかった。内心でガッツポーズを取ったてゐは、相手が冷静さを取り戻す前にたたみ掛ける。
『汝、こが場所にて何とす。こは我が寝所にある。汝我が眠りを妨げる者や』
無駄に芝居がかった口調も、冷静さを欠いた相手には効果的だ。現に目の前の人間はキョロキョロと周囲に視線をくばり、一向に落ち着きがない。無様とも言えるその姿に、内心の笑いを噛み殺しながら言葉を続ける。
『身の丈知らずや命取り。汝もこが場所に眠りて我が礎となれや』
言葉を終えると共に、人間の近くに妖力弾を1発。勿論当たったところで、ちょっと痛い程度の物だが、その分音と煙を際立たせるようになっている。
間近で起きた爆発に人間は一瞬硬直すると。
「………うわぁああああああ!!」
背負ってきた竹籠を投げ捨て、そのまま一目散にその場を走り去った。その滑稽さを一頻り笑った後、てゐは投げ捨てられた竹籠を手にすると。
「おおう、大漁大漁。今夜は筍ご飯だね」
ぴょんぴょんと足取りも軽やかに、帰路につくのだった。
いつもの彼女の所業。
だがいつもと違うのは。
彼女は人間を『脅かす』という行為を行ったこと。
そしてその場所が、よりにもよって彼女が罠を仕掛けた場所だったこと。
「てゐ。貴女、今日人を殺したかしら」
「……は?」
晩ご飯も終わり、永遠亭に住む者達も思い思いの時間を過ごしている頃。
てゐは永遠亭の実質的な主である八意永琳に呼び出された。
上記の会話は彼女達の開口一番の問答である。
「……まったく話が見えないんですけど」
冗談と言うには永琳が纏う空気は重すぎる。いつもの巫山戯た態度も形を潜め、てゐはとりあえず真面目に答えた。その姿をしばらく見つめていた永琳は、やがてふっと肩の力を抜くと「それはそうでしょうね」と疲れた声を漏らした。
「私もさっき人里の半獣から聞かされたから詳しくは知らないけれど、どうやら竹林で1人、人が殺されたようなの」
「そりゃ竹林にも妖怪が居ない訳じゃありませんから、迷い込んだ人間が殺されもするでしょーね。で? それが私とどう関係あるんですか」
「そうね。その殺された人間が、貴女の作った罠に引っ掛かって死んでいなければ、事はそう複雑には成らなかったでしょう」
永琳の言葉は遠回しに、『てゐが人間を罠に誘い込んだのではないか』と言っている。そして賢いてゐはその事をすぐに否定することが出来なかった。
何せ、今回はただの悪戯だけでなく見せかけとは言え『武力を使った脅し』も行っているのだから。
ようやく喉から絞り出した声は、反論と言うより言い訳じみた言葉だった。
「……冗談じゃないね。私に何のメリットもない。何が悲しゅうて人間なんか狩らなきゃいけないのよ」
苦み走った表情のてゐに、永琳もふっと肩の力を抜く。
「……まぁ、もともと竹林は妖怪の領域。半獣も明確な証拠がない以上、ここへは踏み込んでこないでしょう。ただし……」
「わかりましたよ。気を付ければいいんでしょ」
永琳の言わんとしていることはわかる。相手もそれを悟ったからこそそれ以上の言葉はなかった。永琳の部屋を後にし、間抜けな人間の所為でとんだ迷惑だ、と内心辟易していたてゐ。
そんな彼女に声がかかる。
「大丈夫? てゐ」
廊下の奥、暗闇に一対の紅い光が浮かんだ。その光の持ち主―――鈴仙はつかつかとてゐに近づいてくる。
「何か師匠に呼ばれてたみたいだけど……何か問題でもあったの?」
眉根を寄せ心配そうな口調で語りかける鈴仙。それに誤魔化し半分、からかい半分の心境で、てゐは手を振って応えた。
「何でもないよ。ちょ〜とお師匠様とね、れいせんちゃんの今後について話してただけさ」
「診療を放り出して、さらに人払いをしてまで話す内容がそんな訳無いでしょう? 何? まさか永遠亭のみんなに危険でも迫ってるの?」
表面上は怒っていても内心までは隠し通せない鈴仙。彼女は呼び付けられたてゐと、永遠亭に対する心配を滲ませながらてゐへ詰め寄る。それをまぁまぁと諌めながら誤魔化そうとするてゐ。
「人払いまでしたってことを知ってるなら話は早いよ。悪いけどれいせんちゃんには話せないなぁ。ほら、よく言うでしょ? お子様お断りって……」
「巫山戯ないで!! そりゃ確かに貴女達から視れば幼いでしょうけど……これでも一応は軍人だったわ。その辺りの妖怪よりはよっぽど頼りになるはずよ。だから……」
そこまで言って鈴仙は屈み込んだ。てゐへと視線を合わせその瞳を覗き込む。光の加減か、紅く光る瞳に妙な気分を感じながら、てゐはその瞳を見つめ返す。
「少しぐらい頼ってくれてもいいじゃないの……」
最後の方が懇願に近かった。その言葉にあー……と居心地悪そうに頬を掻くてゐ。
何時もならからかわれるとすぐに激昂する鈴仙が、今回は妙にしおらしい。そのくせ話の内容を聞かせなければてゐを放さないという意固地さも感じ取れる。
やがててゐがやれやれと肩を竦めた。
「仕方ないなぁ……他言無用だよ」
そういうと、てゐは事の顛末を語った。最初こそ鈴仙も大人しく聞いていたが、てゐが犯人ではないかと疑われた辺りの話を聞いて。
「そんな訳無いでしょ!!」
思わず壁を叩いていた。
「そりゃ確かにてゐは我が儘だし、自分勝手だし、性格悪いし……」
「いやあの、れいせんちゃん?」
「何時も私のことを虐めるし、お師匠様には敬意を払わないし、毎回厄介ごとを持ち込むし……」
「あれ? もしかなくても私って貶されてる?」
「でもね!!」
「うぉっ」
「でも、人殺しなんてするほど馬鹿じゃないはずよ!! そうでしょ! てゐ!!」
「いや、うん、まぁ……そりゃわざわざそんな面倒なことはしないけどさ」
「でしょう!!」
何をそんなに憤ったのか、そこから鈴仙が人里の半獣に対して罵詈雑言を吐き出しはじめ、てゐがそれに付き合わされることになった。
しばししてようやく落ち着いた鈴仙は、今一度てゐの瞳を覗き込むと。
「大丈夫よ、てゐ。師匠だって内心じゃ判ってるわ。あなたがそんな馬鹿なことするわけがないって」
はっきりと言い切った。いつもの鈴仙とは違うその真摯な態度に、困ったように頬を掻きながらも、てゐは言葉を返す。ひねくれ者の彼女と言えど、こうまで肩を持たれては悪い気はしないのだ。
「はぁ……うん、ありがと」
それに応えたのは鈴仙の笑みだった。
次の日。てゐは罠を解除して廻っていた。昨夜の一件では妙な疑いを掛けられた。仕掛けた罠がその原因となるならそれをなくせばいい。
そんな事を考えたのだ。
といってもそんな大層な物ではない。子供が作る程度の罠、結び草であったり、落とし穴に水を溜めたりとその程度の物だ。引っ掛かったとしても擦り傷1つ作るかどうかも微妙な物ばかりである。
「にしても我ながらよく仕掛けたなぁ」
罠を仕掛ける際、周辺の地形を考慮する。今てゐが居るのは目の前が急斜面となっている場所。万が一此処から滑落でもすれば、斜面途中に生えている無数の竹が盛大に歓迎してくれることとなる。しかも斜面の終着点にはある仕掛けが。
ここはてゐが「本気」で罠を仕掛けた場所。それ故今までの罠とは比べものにならないほど危険である。
その所為か全て解除すると成れば1日がかりの仕事となる。しばらく黙考して、どうせこんな奥深くの罠にひっかかるやつもいないだろうと結論づけ、次の罠へと向かった。
そんなことを繰り返して、やがて1つの罠に辿り着いたてゐ。
そこで彼女は妙な物を目にした。
「どうなってんの……?」
彼女が目にしたのはかつて自分がせっせと掘った落とし穴。大人の腰ほどの深さがあるそれは単純故に作りやすい。
だからこの竹林には大小無数の落とし穴が仕掛けてある。そこには時たま哀れな人間だったり、妖怪だったり、兎だったりが引っ掛かっているのだ。
もちろん引っ掛かった奴らは頭に来るだろう。多少打ち身程度はするだろうがそこまでだ。犯人であるてゐに笑われて終了、の筈だった。
しかし今彼女が目にしている落とし穴は違う。
孔のそこには竹を薄く切り先を尖らせたスパイクが埋め込まれており、ご丁寧にその先には動物の糞尿が塗りたくられている。怪我をさせるだけでは飽きたらず、傷口を化膿させあまつさえ死に追いやろうとする悪意ある罠。
勿論てゐはこんな罠は仕掛けていない。
「誰よもう……」
もともと自分が掘った穴を利用されているのだから、これで万が一犠牲者を出してしまえば真っ先に疑われるのは自分。しかも悪戯程度では済まない悪意ある罠の所為で言い訳も出来ない。
ぶつぶつと文句を零しながら罠を埋め直すてゐ。と。
「ん?」
そこで誰かの視線を感じた。しかし手を止め周囲を見渡せど誰の姿もない。しばらく手を止めていた彼女も、やがて気のせいにし、作業に戻ろうとして。
「なんだ、また人でも殺す気か」
物騒な言葉で呼び止められた。手を止め、声のした方を振り向けばそこには1人の少女。
銀とも白とも取れる長髪を無数のリボンで留め、これまた多くの札を貼り付けた上着とズボンを身に纏い、両手はポケットの中。てゐを見つめる視線は敵愾心をありのまま浮かばせており、その背中には炎の翼を背負っている。
「悪いけどここじゃ診察は出来ないよ。ご用の御方は永遠亭受付までどうぞ」
少女―――藤原妹紅を一瞥したてゐは作業の手を止めないまま言い放つ。勿論素直な案内などではない。妹紅が永遠亭の住人―――てゐも含めて―――に持っている敵愾心と、とりわけてゐの上役である蓬莱山輝夜との間柄―――殺し合いをする程度の仲―――を理解した上での言葉である。
てゐにとっては、妹紅も鈴仙同様からかい対象である。だからいつものように軽口を言った。
それに応えたのは。
「五月蠅い」
すぐ傍を掠めた炎の弾幕だった。背後で弾幕に直撃された竹がへし折れる音を耳にしてようやくてゐは理解する。
今日の妹紅は余裕がない、と。
「明確な証拠がないから手は出すなって慧音は言ったけど……出来ることならその小生意気な面、今すぐ殴りつけてやりたいよ」
背中のみではない。全身に炎を纏いながら妹紅がてゐを見つめる。彼女の言葉で賢いてゐはすぐに理解した。
つまり妹紅は、先日竹林で死亡した人間の事を言っているのだ。しかもてゐを完璧に犯人扱いして。
そして同時に『今は』手を出す気がないと言うことも。
そしてその推測は妹紅の言葉で確信へと変わる。
「あんたは妖怪。しかもこの迷いの竹林はあんたの縄張り。迷い込んだ人間に手を出すなとはいわないさ。でもね、手を出すんならそれ相応の覚悟をしておくことだ。悪いけど私にとって種族や縄張りなんて言い訳にならない。あんた達が人間を、ひいては慧音を悲しませるようなことがあれば、私は一切躊躇わず焼き払うよ」
そう言うと妹紅は踵を返した。彼女の姿が竹林の影に消えたのを確認して、ようやくてゐは息を吐く。
「早とちりは若者の特権と言うけどさ……冤罪で命まで奪われちゃたまったものじゃないよ」
そう呟いて、これ以上疑いを掛けられないよう、穴を埋め戻す作業へと戻った。
「戻りましたよっと」
設置していた罠をあらかた解除し、永遠亭へと戻ったてゐ。時刻はもはや夜半過ぎ。普段なら永琳でさえ床についている時分だ。だというのに。
「あ、お帰り」
何故か鈴仙が起きていた。とは言え姿は寝間着なのだから今まで床に入ってたことは事実なのだろう。
「……どうしたのさ、れいせんちゃん。良い子はもう寝てる時間だよ」
「はいはいそうね……うわ、泥だらけじゃないの。お風呂沸いてるからさっさと入って」
そう言って鈴仙がてゐへ入浴道具一式を押し付ける。あまりの甲斐甲斐しさに逆に不信感を抱くてゐ。
「は? いや、うん、そりゃ入るけれど……ほんとにれいせんちゃんどうしたの? 何か怪しいクスリでも飲んだ? それともお師匠様の実験台にでもされた?」
「あなたねぇ……いえ、もうそれでいいわよ……で? 全部解除できたの?」
てゐの失礼な物言いに溜息を漏らす鈴仙。もっとも彼女は1日肉体労働を行ってきたてゐをくつろがせようとしているだけだ。
「うーん、やっぱ作りすぎてたねぇ。あらかた解除はしておいたけど、まだ少し残ってるかな。といっても怪我もしないようなモノばかり……あ」
「何よその最後の『あ』は」
「いやぁね、れいせんちゃん知ってるかな。あの竹林が若干急斜面になってる場所」
「ああ、あそこね」
「そこだけは解除できてないから近づいちゃ駄目だよ。入り口こそまだマシだけど奥の方はちょっと『本気』でしかけちゃったから。解除するにしても専門の道具が必要だからしばらくは無理だし……」
「なにしてんのよあなたは……」
「いや面目ない。あの頃は若かったのさ……そう言うわけで兎たちにも忠告しといてくれるかな?」
「判ったわ」
「それじゃ宜しく〜」
そう言っててゐは浴室へと足を進めた。その背中にごゆっくりと鈴仙が声を掛ける。
彼女の顔には笑みが湛えられていた。
それからしばらくは何もなかった。
そしてこれからも何もない。
その筈だった。
その少女は竹林の診療所へ薬を貰いに行った帰りだった。
ここまでの道中は竹林に住む焼鳥屋の少女に護衛して貰った。
帰りも同じ手順で帰る。
その筈だった。
だというのに、気付けば少女は見覚えのない場所に出ていた。
自分以外にあるのは竹、竹、竹。
向かえに来てくれるはずの焼鳥屋の少女は影も形も無い。
当然少女は不安になる。
迎えを呼んでも、帰ってくるのは時折吹く風音のみ。
しかたなしに大凡の方角に見当を付け歩き出した少女。
と、少女の身体を浮遊感が襲った。
状況を把握する間もなく、次の瞬間に少女は落下を開始する。
そして始まりと同様、終わりもまた突然訪れた。
ただし。
「!?!?!?!?!?」
激痛を伴って。
脚全体を襲った猛烈な痛みに声を上げることも出来ず、少女は酸欠の魚のように口を開閉させる。
涙を一杯に溜めた少女の目には、自身の脚を草鞋ごと貫通している竹の切れ端が映った。血と脂肪と、そして皮膚の切れ端を纏い、ぬらりと光を反射するそれが何なのか、少女には理解できない。
だが何時までも足に刺していて良いものではないことは理解できる。
それから抜け出そうとして、少女はようやく自分が『穴の中にいる』ことに気が付いた。
穴の出口は自分の頭の上。跳び上がれば届くかも知れない。しかし届かなかった場合、もう一度この竹の切れ端の上に着地するハメになる。
再び傷口を抉ってまで行動に出る勇気は少女は持ち合わせていなかった。
だから少女は叫んだ。
声を嗄らして。
しかし返事はない。
その間も足からの出血は続く。幼い体躯には大きすぎる傷。
徐々に、徐々にからだが冷えていき、力が抜けていく。
猶予はない。
そう本能で悟った少女は、穴の壁面へと手を伸ばした。
跳んでは届かない。ならば上るしかない。
むりやり指と爪を引っかけ。
その細腕に力を込めた瞬間。
ぼろり、と。
穴の壁面が崩れて。
それは瞬時に穴全体に伝播して。
少女の泣き声は崩れた土砂の下に消えた。
いつものように配下の兎たちと遊び永遠亭へと帰宅したてゐ。そんな彼女を待っていたのは。
「……逃げて!!」
鈴仙の叫び声だった。
突然の奇声にてゐも動きを止めざるを得ない。そんな彼女の目の前に、永遠亭から鈴仙が文字通り「飛び出してきた」
「れいせんちゃん!?」
「ぁ……ぐ……」
痛みに顔を顰めながら身を捩る鈴仙。よく見ればそのブラウスとスカートは所々焦げている。
唐突な展開に鈴仙へと駆け寄るてゐ。そんな彼女に声が掛けられる。
「やあ、クソ兎」
声のする方に振り向けばそこには妹紅。しかし朗らかな声とは裏腹に表情は憎悪に染まっていた。対してまったく身に覚えのないてゐは怪訝な表情。
「……竹林の焼鳥屋さんは遂に癇癪でも起こしたのかい? 輝夜様とやり合ってる時から思ってたけど、まさか私達にまでいきなりつっかかってくるとは思ってなかったよ」
「人殺し兎のくせによくもまぁ偉そうにほざくね。もっとも、まさか私も昨日の今日でお前がまた人間を殺めるとは思ってなかったけどね」
背中から炎の翼を背負ったまま妹紅が言い放つ。その表情は激昂を通り越して能面そのもの。
その感情を読みとったてゐが慌てて言葉を紡ぐ。
「……は? ちょ、ちょっと待ってよ。私は人間を殺してなんて……」
「この期に及んでまた言い訳か」
「じょ、冗談じゃないわよ!! 何でやってもないことでそんな……」
「いい加減にしろよ!! 判らないのだったら教えてやる!!」
そう言って妹紅が語ったのは、てゐが掘った落とし穴に嵌り死んだ人間の子供の顛末。脚に刺さったスパイクに藻掻く内に落とし穴自体が崩れ生き埋めになったとのこと。
だがてゐが驚いたのはそこではない。問題はその子供が引っ掛かった穴がてゐが『埋めたはず』の穴であったこと。
「そんな馬鹿な!? 私はあそこは埋めたんだ!! 埋めたはずの穴に嵌るなんてそんなことある訳無い!!」
「埋めた……だって? よくいうね。私の目の前でせっせと罠を作ってたのはどこのどいつだ」
「ち、ちが!! あの時のは本当に埋めてた!! あんただって見てたはず……」
「……もうどうでもいいよ。埋めてようが掘ってようが結局死人が出たんだ。覚悟は出来て……いや別に出来て無くてもいいや」
妹紅の言葉はそこまで。変わりに放たれたのは弾だった。辛うじて頭をそらしたてゐの耳元で、ひゅっと風切り音がする。数瞬後、背後でゴガァッ!! と物騒な音が響いた。
「ちょ、ちょっと本気!? 今のいつもの弾幕ごっこのやつとは違う……」
そこまで口にしててゐははたと気付いた。自分を見る妹紅の目が全く温度を伴っていないことに。
「慈悲も容赦もないよ。死に……!?」
絶対零度の言葉と死が放たれる瞬間。それより早く今まで地に伏せっていた鈴仙が妹紅へと弾幕を放つ。
元軍人だった鈴仙の射撃能力は高い。しかも今回はわざと避けられる余裕のある弾幕を放つ必要はない。上下左右から包み込むように迫る弾幕を、妹紅は一旦後退し竹林を盾にして凌いだ。
「こっちよ!!」
その隙をつき起きあがった鈴仙がてゐの腕を引っぱる。
鬼ごっこが始まった。
「人里まで走れば師匠がいるわ……!! それに半獣がこんな短絡的な手段に出るわけがない。たぶん……」
「あいつの暴走か」
夜の竹林を鈴仙とてゐの2人は走っていた。時折背後から迫る弾幕に注意を払いながら。
「れいせんちゃん、怪我は?」
「これぐらい、何ともないわよ。それより道はこっちで合ってるの?」
「この先に斜面があるよ。そこを逸れれば人里まで……」
そこでてゐが言葉を切った。何のことはない、ただ単に無駄口を叩いては息が続かないのだ。鈴仙は月から逃げ出して、そしててゐはこの竹林に住み着いてここ数十年、てゐに至っては数百年ほど命を狙われるなどという経験はとんとしてこなかった。
対して相手は妖怪、化け物相手に人間の護衛を務め、あまつさえ自身達の上役と引き分けるほどの手練れ。正面からやり合って勝てる相手ではない。
因みに空を飛ぶという発想はもともと消去されている。こっちは兎、あっちは火の鳥、空中では一層分が悪いだけだ。
だから彼女達は逃げた。人里に往診に行っている永琳と合流する為に。永琳と人里の半獣、この2人がいれば妹紅の暴走も抑えられるというもの。
「れいせんちゃん……」
冤罪とは言え事の一端は確かにてゐにある。それに鈴仙は巻き込まれた形だ。傍若無人で自分勝手を地でいくてゐとは言え、知り合いを危険に晒して平気なほど心は捨てていない。
しかし鈴仙はてゐの背中を叩くことでそれに応えた。
「なに辛気くさい顔してるの!! あなたには似合わないわよ!!」
その言葉にどれほどの効果があっただろうか。暗闇の為鈴仙にはしっかりと確認することは出来ない。
ただ顔を逸らしたてゐの瞳の縁が、僅かに結露していたことに気付かないふりをするぐらいはできた。
そしてそんな2人を引き裂くように。
「いい加減諦めな!!」
背後からの弾幕は激しさを増すばかり。そしてその内の1発が鈴仙の耳元で弾け。
「うぁっ!?」
踏鞴踏んだ鈴仙。その足下に。
「あっ!?」
いつぞやてゐが仕掛けた結び草があった。ふっとてゐの視界から鈴仙が消えた。
唐突な出来事に硬直するてゐ。そんな彼女の耳に。
ドシャァッ!!
と何かが滑り落ちる音と異音が聞こえた。
先程までの出来事など意識の外に置いて、慌てててゐが鈴仙の消えた場所へ駆け寄る。
そこは奇しくもいつぞやてゐが罠を撤去すべきかどうか迷った場所。そしてその傍らには急斜面。
恐る恐る覗き込んだてゐの目に映った物は。
「れいせん……ちゃん?」
首や手足を奇妙な方向へねじ曲げ、口から紅い液体を垂らす鈴仙の姿だった。
急斜面を滑落した鈴仙は斜面途中に無数に生えている竹にその身を盛大に打ち付けたのだろうか。
時折ビクッと震えるその物体を目にして、てゐは言葉を失う。
「人間だけじゃ飽きたらず、仲間まで手に掛けるとはね」
「ひっ!?」
そんな彼女の背後に迫る影。蒼白な顔で振り向けば自ら発する炎に照らされた、幽鬼のような表情の妹紅。
慌てて逃げ出そうと身を翻したてゐの耳を、妹紅の手が掴む。
「!? あァァああぎゃァああああああ!!」
全身に炎を纏っている妹紅に掴まれたのだ。周囲に肉の焼ける嫌な音と匂いが充満する。
「ようやく捕まえたよ。にしてもあんたは本当に厄介な奴だね。人間だけじゃなく仲間まで巻き込んじまうとは」
「いぎぃ……!! は、はな、っせ!! はな、して!!」
「悪戯兎とはよく言ったもんだ。差詰め『幸せ』ならぬ『死遭わせ』兎ってところかな」
じたばたと暴れるてゐを無視して、何がおかしいのか盛大に嗤う妹紅。
やがて一頻り嗤った後、てゐを眼前へと持ち上げる。そして彼女の空いた片手は握り拳を作っていた。
「その小生意気な面、ようやく殴りつけられる」
そう呟いた妹紅の表情は、炎に照らされたせいか非道く歪んでいるようだった。
自身の耳を掴む手を振り解こうと、必死で藻掻いていたてゐ。妹紅の握り拳を見て、尚一層暴れ具合に拍車がかかった。炎に焼かれることも構わず、自身の耳を掴む妹紅の耳に爪を立て、暴れる足は妹紅を蹴り上げ、何とか拘束から逃れようとして。
でも。
「!!」
意味がなかった。
ゴギャッ!! と鈍い音と共に妹紅の拳がてゐの顔面へとめり込む。引いた拳はてゐの鼻血を引き、そして纏った拳でてゐの皮膚を炭化させる。
「!!」
殴る。
「!!」
殴る。
「!!」
殴る。
二打目でてゐの身体が跳ね、三打目で妹紅に爪を立てていた指から力が抜け、四打目で蹴り上げていた足が力無く垂れた。
それでも妹紅は手を止めない。
何度も。
「!!」
何度も。
「!!」
執拗に殴り続けた。
彼女の気が済んだのは殴った回数が両手両足の指では足りなくなった頃。殴られたてゐの顔面などは、もはや無惨の一言に尽きる。
顔面の皮膚は焼けただれ所々炭化しており、鼻骨は折れ、だらしなく開いた口からは折れた歯とそれによって傷つけられた口内と舌が丸見え。顔面は腫れ上がり、血とも涎とも鼻水とも付かない液体を垂らしている。
そんなモノを見ている内に、急に汚らわしくなったのだろう。妹紅がてゐの身体を放り出す。
べしゃりと地面へとうち捨てられたてゐ。と。
「………ぉ…………」
僅かに身じろぎした。それもそうだ、妹紅の攻撃はてゐの顔面こそ盛大に破壊したものの、致命傷までは与えていない。今まではただ単に意識がとんでいただけだ。
だから。
「じゃあね」
トドメを刺す。
もはや声も出せないてゐ。その全身が炎に包まれた。周囲へは燃え移らない特殊な炎、それはひたすらてゐの身体のみを焼き尽くす。
やがて炎の消え去った後にはただの黒ずみが残るだけとなった。それをさらに足で砕き、粉微塵にする妹紅。彼女の顔は一仕事終えた後のように精々としていた。
「流石に私やあいつじゃないならここまでやれば復活しないでしょ……これでやっと慧音の悲しそうな表情を見なくて済む」
そう言い残し妹紅が夜空へと飛び去った。その表情はお手伝いを終えて得意満面の子供のそれだった。
数週間後。
永遠亭―――
「師匠、この薬箱は何処に?」
「そうね、いつもの納戸へ締まって置いてくれる?」
「はい」
そこには永琳の指示に従いあくせく働く『鈴仙』の姿があった。
「今日の調合分はこれでお終いね……ご苦労様、鈴仙」
紙に何かを書き込んでいた永琳が椅子の背を軋ませながら伸びをする。それに応えるのは『傷1つ無い』鈴仙。
「有り難うございます。それじゃ師匠、私人里に薬の売り置きに行ってきますね」
「もう暗いわよ。今から出ると帰ってくるのはだいぶ遅くなるわ。病み上がりなのだし、今日くらい休んでも構わないわよ?」
「大丈夫ですって。怪我と言ってもせいぜい『骨に罅が入った』程度の物でしたし。それに師匠の薬に加えて怪我をした当初は一週間も安静にさせられたんですよ? もう完治してますって」
「まぁ本人様がそう言うならいいけれど……不調だと思ったらすぐに帰ってくるのよ? いい?」
「判りました。それでは行ってきます」
憧れの師に見送られながら鈴仙は永遠亭を後にした。足取りも軽く、鼻歌なぞ歌いながら竹林を進む鈴仙。
やがてその脚がぴたりととまる。
「……」
そこはかつて自分が滑落した場所。夜の所為で斜面の終着点は見えないが、改めて見ても、生きているのが不思議なぐらいの急斜面。
「………くふっ」
じっと見つめていた鈴仙が奇妙な息を吐いた。ぷるぷると震える肩は滑落した時の恐怖を思い出した所為だろうか
「くく……くくく……」
いいやそんなわけはない。何せ彼女は。
「あはははははははは!!
自分で滑落したのだから。
「今思い出しても笑えるわ!! あの小生意気な兎の顔!! 『れいせん……ちゃん?』だって!! あはははは!! も、もう最高!! 嵌められたとも知らずに無様!! 実に無様だったわ!! あはははははは!!」
そう。
全ては鈴仙の仕組んだ『罠』。今までてゐを気遣っていた姿などただの芝居。
てゐの悪戯に細工をし、人間が死ぬように施したのも鈴仙なら、それを発見し人里の半獣に告げたのも鈴仙。
そして仕上げは滑落によるてゐへの追い込み。もっとも、出来るだけ竹が薄い箇所を選んで滑落したと言え、あの時は流石に鈴仙も肝を冷やした。
ではてゐの見た『首や手足を奇妙な方向へねじ曲げ、口から紅い液体を垂らす姿の鈴仙』は何だったのだろうか。
「師匠の部屋にあった本を読んだ時は半信半疑だったけど……ほんと、人間も妖怪も『目』で物を見ることは変わりないものね」
それは彼女の持つ『波長を操る程度の能力』が答えとなる。彼女はあの時可視長に細工し、あたかも自分が悲惨な死に方をしたように見せたのだ。同様にてゐの後について回り、彼女の悪戯に細工をしていた時も、自身の姿を認識させないよう辺りの光波などを弄くっていた。
永遠亭で、そしてあらゆる場所で、鈴仙の『紅い瞳』を目にしたてゐは、既にその術中に嵌っていたのだった。
「ま、これで邪魔者も居なくなってくれたし清々したかな。だいたいたかが地上の兎風情が生意気なのよね。因幡の白兎かなんだかしらないけど……」
そう。理由などそれで充分。ただ気に入らなかっただけ。
だからてゐを追い出した。永遠亭に居るのは姫様と師匠と私だけで充分。
子供の嫉妬心の様な幼稚な感情で鈴仙は事を起こしたのだ。
「っと、いけないけない。これ以上遅くなったらまた師匠に心配されちゃうわ」
慌ててその場から去ろうとする鈴仙。遅くなって師匠に無駄な心配を掛けるわけにはいかない。
そして早く帰って師匠の手伝いをしよう。そして―――。
恋心にも近い感情を抱きながら鈴仙が一歩踏み出した瞬間。
バグンッ!!
脚に何か衝撃を感じた。一瞬何が起こったのか理解できなかった鈴仙は、次の瞬間襲ってきた灼熱感に絶叫をあげる。
「あ゛……ああああ゛あ゛あ゛あ!?」
彼女の脚、それは人間達が『トラバサミ』と呼ぶ鉄製の器具によって挟み込まれていた。
ギチギチと肉に食い込み、骨まで到達しようとするそれ。
「いぎぃい!? な、なに!? なん、なのよこれぇっ!?」
激痛によって脂汗を垂らしながら、鈴仙は何とかそれを外そうと藻掻く。しかし鉄製の歯は彼女の柔い肉と骨をぎっちりと噛み込んで放さない。
「ひぎっ……!! ぐぅ……!!」
ギチギチとめりこむ歯によって肉は裂かれ、出血が続く。手では外せないと判断した鈴仙が器具の関節部へと指鉄砲を向けて、弾を放った。
「!!!! ……はぁー……はぁー……んぐっ……」
器具を破壊した衝撃で一層の激痛に目を白黒させながらも耐え、自身のシャツを裂き包帯代わりにする。止血し、しばらく荒い呼吸を繰り返す鈴仙。
やがて痛みに慣れた彼女の脳裏に浮かんだのは、怒り。
「……あ、の、クソ兎……まだ残ってるじゃないのよ……!!」
そう。これはてゐの置き土産。そう言えばあらかたとか言っていたような気がするわ……と鈴仙が呟く。
どちらにせよ、この脚ではお使いなど無理だ。永遠亭に戻って師匠の治療を受けなら、思う存分てゐを貶すことにしよう。
そう軽く考えて鈴仙は立ち上がった。
彼女は忘れていた。そこはかつててゐが『本気』で『罠』を仕掛けた場所だと言うことを。
鈴仙は片足を半ば引きずりながら一歩踏み出して―――。
ぷつっ。
何か妙な感触が彼女の脚に伝わった。思わず足下を見た鈴仙の目にきらりと何かが光を反射した。
それは極細の糸。僅かに力を加えただけで千切れる脆い物。それが何を示すか。
鈴仙の脳裏にかつての記憶が蘇る。
かつて月の軍において、訓練中これと同じような物を見た。あの時は糸を踏み千切った仲間が『死亡判定』を貰った。
では。
今目の前で千切れているこの糸は。
「っ!!」
思わず顔を上げた鈴仙の目に、振り子の要領で自身に突っ込んでくる竹束が映った。
ゴギャッ、っと嫌な音をたて、顔面に直撃を受けた鈴仙が後ろに吹っ飛ぶ。
そしてその背後には。
「ひぃっ……!!」
無数の竹が生える急斜面。
鈴仙を襲う浮遊感。そしてすぐに聞こえる落下音。
「!?!?!?!?!?!?!?」
全身を竹に打ち据えられながら鈴仙が斜面を落下して。
その終着点には。
ドズブゥッ!!
「げぶっ!!」
竹による無数の逆茂木。その鋭利な先端が鈴仙の身体を貫いた。
ゴボゴボと内臓出血に溺れながら、それでも鈴仙が助けを請うように手を伸ばして。
その先に。
「!!」
てゐが居た。鈴仙の表情が歪む。
もちろん本人ではない。鈴仙に見えているのは幻覚である。
しかし鈴仙にそこまで判断できる意識はもはや残っていない。
ヒューヒューとか細い呼吸は、死に行く者の最後の抵抗か、それとも死んだはずの者を見た恐怖の所為か。
ただ1つ言えることは、鈴仙の歪んだ表情は決して痛みだけのものではなかったということ。
やがて掲げられていた手が力無く地面へと落ちて。
鈴仙の意識が途絶える瞬間、彼女の網膜に映る幻覚が唇を動かした。
にたり。
まずは此処までお読み頂き有り難うございます。筆者の穀潰しです。
今回はてゐということでストレートに皮でも剥ごうかと思いましたが、全く描写できなかったので彼女の普段の行いから掘り起こしてみました。
有る意味自業自得ですが、何だか鈴仙の方が印象強く感じられてしまいますね。
何にせよ、少しでもお楽しみ頂ければ幸いです。
そう言えば因幡の白兎って妖怪になるんでしょうか? それとも神使でしょうか?
>NutsIn先任曹長様
妖怪扱いで構いませんよね。
今回はマキャベリよりは犯人が分かりやすくしたつもりです。その分因果応報は受け手貰いましたけどね。
>2様
何だかんだで鈴仙も月兎という自負がありますし、深層心理では地上を見下していそうです。
あと私の作品では映姫様の出番はとんとありませんので、温情裁判無しの即日極刑でいってますよ。
>3様
有り難うございます。皆様が、読み終えた後「ふゥ、すっきり」と言ってくださればそれが最大級の賛辞です。
妖術を使っても不老不死でももこたんは精神面は人間よりだと思いますね。
>4様
悪いことをしたらお仕置きしませんとね。
あともこたんは私の作品では狂っているというより単純馬鹿です。
>5様
焦りすぎたのと、妹紅に行動が予測以上に早かったのが鈴仙のミスですね。
てゐの置きみやげを盛大に受けてくれて嬉しい限りです。
>6様
奴でした。
頑張ったけど慧音に怒られてショボーンするもこたん。
なにそれ可愛い。
穀潰し
- 作品情報
- 作品集:
- 22
- 投稿日時:
- 2010/12/03 06:55:38
- 更新日時:
- 2011/09/26 10:09:34
- 分類
- 因幡てゐ
- 鈴仙・優曇華院・イナバ
- 自業自得シリーズ
- 返信
まあ、もし私に攻撃を仕掛けた場合は、誰であれ『敵』に分類されますが。
ベトコンまがいの落とし穴や、やたら目の描写があるから、
波長を操れる元軍人の彼女が絡んでいるとおおよその見当はつきましたが…。
ちゃんと素敵なオチを付けてくれましたね。
私、好きです。こういった自業自得、因果応報の話。
まあてゐは、悪戯仕掛けても本当に取り返しのつかない事はしないだろうしね。そんな事したら本気で退治されかねない。
それにしても鈴仙…四季様に扱き下ろされても文句言えないぞ。
でも!もこたんは一応人間だよ!!
ここまで清々しい話を見たのは久しぶりだなぁ
すごく楽しかったです!
でも妹紅もだいぶいっちゃってるな
鈴仙はせめててゐに罠全部撤去させてから殺せばよかったものを
地雷じゃないけど人知れぬ罠ってのはいつ牙をむくかほんとに怖い
どうせなら、もこたんが慧音にめちゃくちゃ怒られるところも欲しかったな