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『東方死手帳 Act2 Episode4 early move』 作者: ヨーグルト
「それでは」
「はい」
「(あの名簿には名前がなかったはず………いや、私の名前を慧音が後から足したものだった。 慧音が後から早苗を誘ったとしてもおかしくない………だが)」
「これからの捜査ですが、『A』にも参加してもらいます」
「(これからの捜査について饒舌に語っている………この中に吉良がいると判っているのなら話さないのでは?)」
「Aとは誰ですか?」
映姫は手を挙げる。
「まだ誰かの役割は決まっていませんが、もし、私が死んだ場合の立場です。 後を継ぐ人ですよ」
「そうですか………では、死ぬのを覚悟での、ですか?」
「まあそうなりますね。 キラに近づけば近づくほど、私の死の危険性は上がっていくでしょうね」
「(Lは自らの死を予想している? いや、負ける気はないはずだろう………)」
「それでも、私たちも一緒に捜査を進めれば少しは大丈夫ですよね」
「白蓮さん………キラが狙っているのは、自らの目的を邪魔するものです。 おそらく、キラは幻想郷の悪を滅ぼすのではなく、ゲームとして楽しんでいるのでしょう」
「ゲーム………?!」
紫は机を軽く叩くような態度を取る。
「それじゃあ私たちはゲームの駒なの?」
「駒……………という扱いでも間違いではないでしょう。 おそらく、悪を滅ぼすのもゲームの一部の要素」
「?」
「ただゲームをするのなら、ワンパターンで………『悪は必ず滅びる』になってしまいます。 それなら犯人としても何かしらの隠し味が有った方が良い」
「でも、私たちもキラ容疑者ってことですよね? もちろん、貴方も含めて」
「そうですよ? でなけりゃ、私がいなければ私がキラ………それ以外の人がいなければいずれかの人がキラでもおかしくありません」
「でもさ、これに出席しても損はないわよね? だって、顔と名前を覚えておくチャンスだもの」
「…………はい」
「(私に渡された名簿の名前は間違いなく参加者の名前………いや、私がそいつらの名前の文字を直接知っているわけではないから………おそらく、寅は間違いだ)」
「お互いの名前を確認できるはずです………ですが、ここはお互いに名前を確認しないことにします」
「え?」
「ここで見たらキラが分かってしまうかも知れない。 他に、全員の名前は『それぞれわざと間違えて記入』してあります」
「というと?」
「というと………っていうか、『お互いにキラだと疑わせた』上で、『ただの偽装であり、本物のキラは他にいるのかも』という考えもあります」
「………」
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「(難しいな。 おそらく早苗はお前を一番に疑っている)」
「(?)」
「(これならお前はチャンスがある。 あの名簿に有った名前のうち、間違っているのは三人分。 白蓮、寅、映姫(様)だ)」
「(寅の名前の間違いにはすぐに気づいた。 まず殺せるのは寅からだ)」
「(いいか? 間違えるなよ? 寅のフルネームは寅丸星だ。 それ以外のは後から伝える。 だが、早苗がLというセンはまだ薄い)」
自宅。
司会者の喋り方は饒舌で、早苗のようだった。
正体がばれないように、カウンターのようなもので仕切られ、その先に、和服を着て、お面をつけた人がいた。
そいつがL。
会議中にも名前は挙がっていた。
早苗という名前が。
しかし魔理沙はそこに違和感を覚えたのであった。
名前を書いたはずの人間が生きているのか?
仮説1:三人とも死んでいる。
仮説2:神奈子と諏訪子は死んでいて、早苗だけは生きている。
仮説3:全員生きている。
だが魔理沙はあの三人の名前を書いた。
神奈子も諏訪子も早苗も。
「まさかっ!!」
魔理沙は急いでノートを広げた。
八坂神奈子
洩矢諏訪子
東地谷早苗
「やっちまったよ………早苗の名前だけ間違えていたよ………仕方ない」
「待て」
早苗の名前を書き直そうとした時に、小町が制した。
「これはあくまでゲームだ。 早苗を殺すのは最後で良い」
「さっさと終わらせれば………」
「ダメだ。 ここはあたいと魅魔の主義にも関わるんだよ」
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アリス宅。
「それで魅魔? これからのゲームの進行はどうなっているの?」
「Lからの捜査と疑いをかいくぐり、Lにとどめを刺す。 これが大まかな流れだ」
「?」
「あっち側からの攻撃をかわし、Lの名前をノートに書く。 それでおしまい」
「えそう」
陰陽玉で魔理沙につなぐ。
「魅魔から大体のルールは聞いたわ」
『こっちは初めて、これがゲームってことを知らされたんだよ! まるで道具扱いだな』
「それなりに、進展はあるはずだけど?」
『早苗が生きている』
「え?」
『早苗が生きてるんだよ。 私が名前を間違えた。 だからあいつは生きているし、Lの可能性もある』
「最初からへまをしなければ………いえいえ、これでもゲームは楽しくなるようなものね」
『あいつがLなら『猛攻』を仕掛けてくるだろうよ。 となれば小町曰く面白い状況なわけだ』
「それらを私たちでかいくぐってゲームに勝つのよ」
『ああそうか?』
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このゲームのルール(小町提案)
1、お互いに直接殺しの手をくだしてはいけない。
2、相手の双方リーダーを殺すのは完全な証拠があがってから。 その後、殺すタイミングは自由。
3、相手の弱点、リーダー的証拠、それを見つける為には、いかなる方法も惜しまない。
ただし、怪しい人物は即座に殺してはいけない。
殺しても良いという証拠などを突き止めること。
4、努力を尽くす。
5、ノートに名前と死因を書くこと。 それ以外での直接の殺しの作業はいかなる理由によっても行えない。
ただし、直接襲われたときなどの場合は、正当防衛などとして許される。
6、むやみやたらに、参加者同士で協力し合ってはいけない。
ただし、ノート使用者同士の強力は良しとし、パートナー(小町や魅魔)に、作戦において協力はむやみやたらに求めないこと。
7、慈しみは必要最低限にすること。
8、ゲームに関しては、あまりやさしさを持たないこと。
ゲームの方式らしきもの
1、このゲームは、キラ側か、正義側のどちらかが勝つまで永久に行われる。
2、正義側、要するに、L側が完全に屈するまで、双方は戦い続けなければならない。
3、L側の決闘申し込みがある間は、キラ側はそれを受け入れなければならない。
また、それはL側も同じである。
4、いずれか、正確に言えば、L側の動きがない間はキラ側の勝利とし、
L側の申し込みが断たれてから半年が経った場合、キラ側の勝利とする。
5、このゲームの目的は幻想郷の支配などではなく、あくまで退屈しのぎである。
6、(なんでぇ、ひでぇ↑)
7、キラ側のノート使用者が負けても、側近(小町や魅魔)には影響がないとする。
「変な言い方をすれば、あたいたちはゲームに負けても捕まらないし、処罰もされないわけだ」
「どういうことだ」
魅魔は目だけを小町に向ける。
「あたいが言った通り、あたいも、魅魔も、自分の分身を作っておいた。 他人から見ればいつも通りの生活をしているようにしか見えない………そう言うことでは、あたいたちがキラ側ってことがバレないし、捕まりもしない。 ただし、1と2にもあるように、証拠が見つかり、突きつけられたら降参だ。 あたいたちの負け」
「それはいいんだが、このルールはどうやって発表するんだ?」
「文々。新聞で」
「上手くいくといいな」
(東方風の?)デスノートによるバトルが今始まる!!
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東方死手帳
Act2 Episode4
escape
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「Lは元気ありますか?」
「ありますが、やはり、あの方達を亡くしたのが一番の支障だと思われます………」
L側についている二人の者達はそんな噂話をしていた。
「やはり、神奈子様と諏訪子様が原因でございますか………」
「できるだけ………」
「二人」
「「はいっ!!」」
L………もとい、早苗に呼ばれ、急いでかけつく。
その二人とは、藍と橙。
「これから私自らが踏み込みます」
「ええっ? いや待ってください!」
藍は手を突き出した。
「そんなに踏み込んでしまっては簡単に殺されてしまいます!! それに、お互いの証拠をかき集めるのがルールじゃないですか!」
「だからです。 自分が『L』だと噓を装えば良いのです。 確かに私はLですが、相手がキラかどうかも分かるはずです」
「ですが、キラは現在複数………今朝、新聞によって分かったルール上、全員の証拠を集めなくては」
「そのためです」
「現在のキラ側は二名………それらを一網打尽でも?」
「『現在』でしょう? 聞く所によると、死因やその時刻まで操れるそうじゃないですか。 だったら一名の可能性もあります」
「で、ですが! あの時の調査隊は言ってたではないですか! 容疑者は眠っていたと」
「だからこそです。 確たる証拠を何個も集めて全て突きつけ、それでも駄目なら次の手! いくらでも調査チャンスはあります」
「………」
「別に、幻想郷の人たちに『犠牲になれ』と言っているわけではありません」
「判っています」
「今、白蓮達がその強力な準備をしています。 どのくらいか後かは判りませんが、デモ………というより、演説みたいなものを起こすようです」
「演説?」
「キラへの挑発………つまりは、誘いだしですね。 演説を行って、そうすれば、殺さなければならない」
「?」
「そういうことです。 酷いことかもしれませんが、上権限での一番の犠牲者は白蓮達になるかもしれません」
「では………」
「もちろん、私たちも何もしないわけではありません。 橙」
「はい!」
「紅魔館に協力を求めてきてください。 イエスかノーだけで良いです。 イエスならイエスで、ノーと言われたのならしつこく協力を求めず、その場で戻ってきてください」
「分かりました!」
早苗からの命令を受け、橙は飛び出し、紅魔館に向かった。
「今の命令から解ることは?」
藍に、早苗は突然質問した。
多少ながら迷っていたが、やがて口を開いた。
「紅魔館からの返事次第で、『紅魔館にキラがいる』、『紅魔館の近くにキラがいる』、などですか?」
「まぁ大体そんなもんです。 あとは、橙が無事、ここまで帰って来れるかです」
「『調査がされたくない』?」
「コクッ」
「………」
「うなだれている場合ではありません。 貴方はとりあえずここで待機願います」
「分かりました………」
■■■■■魔理沙視点■■■■■
「あれは橙?」
「そのようね、魔理沙。 あれはおそらく、紅魔館への調査と偵察だと思うわ………要するに、L側よ、橙」
「そうか。 じゃあアリス他の所は任せた。 ここはあたしが対処する」
霧の湖近辺。
偶然通りかかった私は橙を目撃する。
もちろん、怪しまれてはいけない。
「(違和感の亡い死に方か………)」
「(そうだな………)」
「(小町、何か良いのがあるのか?)」
「(橙:心臓麻痺
○月×日。
○時○分。
L側の指令を受け、紅魔館に調査に向かうが、協力を拒否される。
その帰り、館門付近で心臓麻痺で死亡)」
「(大丈夫か?)」
「(あたいはノート自体のルールを全て知ってるわけじゃないが、大丈夫だとは思う)」
「(仕方ない、やってみるか)」
小町に言われた通り、ノートに書いてみるか。
どれどれ。
日時はいらないだろう。
「(ああちょっと待て)」
「(何だ?)」
「(橙の名前はもうあたいが書いたんだった)」
「(何)」
いやいやいや。
仕方がない、私も紅魔館に向かってみるか………徒労にならないと良いが。
そんなわけで紅魔館。
ああ良かった。
橙はまだ館に着いていないみたいだったな。
とりあえずいつも通り、美鈴にでも挨拶をするか。
「よお美鈴」
「魔理沙さん、久しぶりですね。 しばらく本を借りにこなかったから」
「それなりに研究に没頭してたもんだ」
「そうですか。 いやーお嬢様も大変でしてねー」
………!?
「ほら最近、何人もが変死しているでしょう? それの観戦側になったんですって」
「どういうことだ?」
「新聞読みましたよ。 何でも、キラ側とL側があるそうじゃないですか」
「(ここは怪しまれてはいけないな………)私も観戦側につこうと思ってるんだ」
「そうなんすか………まあでも、お嬢様は咲夜さんに何度も「L側につけ」と言われてるんですが「観戦側につく」の一点張りでして」
『となるとどうだ? レミリア達からは邪魔が入らないということか?』
「ところで、ここにマヨヒガの黒猫が来なかったか?」
「ああ、橙さんですか? 先程、館の方に向かいました、何でも、私たちに協力を求めにきたようで」
「さっき美鈴が話したことが本当なら、協力はしてくれないんだな」
「そうですね、あ」
美鈴が橙の存在に気づく。
館のドアが開けられ、咲夜に見送られる所だった。
そこに、私が駆け寄る必要が無かった。
駆け寄ったとして、万が一、何かおかしいことがおきたら私が怪しまれてしまう。
「やっぱり協力の申し出は断られたようですね」
「そうみたいだな」
橙が花畑を通り、門にさしかかる。
「ちぇ………え?」
美鈴が名前を呼びかけた瞬間、それと同時に、橙の体勢が崩れ始めた。
「(効果があったか!!)」
「!!? 橙さん!? 何があったんですか?!」
私はあくまで何もしない振りで、驚いている様子を装う。
それを横目に美鈴は橙の体を揺すったりなどして、意識を取り戻そうとする。
「心臓が………動いてない………死んだ?!」
心の中は笑わせるんだ………それだけで、十分………勝った気分に浸れる。
■■■■■■■■■■
美鈴には命令が下された。
咲夜から指令があり、橙の体をL側に送ること。
私にとっては関係ないような………どうでもいいといったような認識だ。
「(とりあえずこの場は離れても良いだろう)」
小町め、言わなくても分かってるって。
さてと………。
「あ、魔理沙さん、ちょっといいですか?」
!?
誰だ………私を呼ぶのは。
「?」
声の方向に振り返ってみる。
目の前にいるのは………早苗………。
「不運があったようですね………橙さんが倒れたと聞きました。 美鈴さんはがんばり屋ですね」
な、何の用だ………。
「ああ、美鈴と世間話でもしてたら突然目の前で倒れてなぁ………驚いたわ」
「ですよね、目の前で突然人が倒れるなんて」
早苗が目を細める。
「そうそう今日は貴方に伝えたいことがあります」
「は?」
「それほど驚くことではありません」
「?」
「私がLです」
結構疲れてきた。
今回のコメント返信は、直接コメント欄に書き込むことにしました。
どうも、ヨーグルトです。
作品のオマージュっていうか、アレンジ程度しか出来ない者です。
今回は、適当に東方風の状況にして、最後にあの台詞。
「私はLです」
を強制的に入れてみました。
魔理沙が記入ミスしたとか強引にしすぎた気もしますが、大丈夫でしょうか………。
とりあえず、今の所、読んできている方はありがとうございます。
まだ続けられそうです。
それでは次回会いましょう。
ヨーグルト
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/03 13:09:50
更新日時:
2010/12/05 16:21:13
分類
魔理沙
小町
アリス
魅魔
デス○ート
その他
早苗が生きてたとは…。今回は読者側に正体が分かっていますから、どう話が進展するか楽しみです。
ノート所有者は小町や魅魔様の駒ですか。魔理沙やアリスが切り捨てられる予感…。
橙は紅魔館から出てきたのに、『橙はまだ館に着いていないみたいだったな。』?
あと、『強力』という言葉は『協力』の間違い?
しんどいかもしれませんが、完結するまでがんばってください。
ルールが酷いな(褒め言葉)、暇潰しとかwリュークのほうがまだましだぞw
魔理沙の最期はKさんに名m(ry
頭の中で魔理沙が「バカ野郎!アリス!誰を撃ってる!ふざけるなぁ!!」と叫んでるのが再生されたw
↑
勝った?
そのうち小町達(作者の気まぐれ)の気まぐれで追加か、除外ルールも追加されるかも。
駒というよりは、ゲームの時期みたいな扱い。(小町達のポジションはあくまでリューク辺り)
橙の『来ていない』は、あくまで、魔理沙から見てきていないように見えたということです。
来てます。
『強力』は合ってますが、『強力の』ではなく『強力な』の間違いです。
紛らわしくてすいません。
>スリップスカル様。
まぁ、確かにそうですね。
この先の展開はあまり考えていないのですが。
ルールは酷いです、本当に酷いです。
少しだけ原作に近くしたつもりですが、一%ぐらい。
再生しないようにしましょう。
あくまでアリスはミサポジションなので(たぶん)。
誤字の指摘ありがとうございます。
>ノワール様。
同じく、誤字の指摘ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。