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『光の都市 第一話』 作者: ND
タンスを開けたら異空間につながっていた
困った。非常に困った
ストーブだけでは冬が寒いので、コートを着ようと思っていたのだが、
コートさえも消えていて異空間が広がっていた。
ただ、手を伸ばしても端には付かなかった。
どうやら僕が中に入って進まなくてはいけないらしいのだが、今は気が向かなかった。
『どこか別のタンスの中に無いかな………』
案の定、探していたら別のタンスにはちゃんと衣類が入っていた。
どうやら、異変が起こっているのはあのタンスだけらしい。
『これで冬は過ごせるな。』
と僕は、安心しながらストーブの辺りに近づいた。
『うー寒ぃ寒ぃ。』
その時、狙ったかのように魔理沙が店に入ってきた
『何の用だ?』
大体、用件は分かっているのだが、魔理沙は素直には答えなかった
『いや、別に遊びに来ただけだぜー。』
魔理沙はそう言いながらスト―ブに近づいてきた。
『うー。ぬくぬく』
魔理沙は、満足そうな顔でストーブの近くで煎餅菓子を勝手に食べていた
『泥棒だな』
『ケチケチすんなよ。親父の弟子なんだろ?』
都合のいい時に親父さんの名前を出したな。
僕はまた、少しだけ機嫌が悪くなった。
『あー寒い寒い。死ぬってマジで死ぬって』
霊夢も、いつのも恰好で震えながら店の中に入ってきた
だが、彼女はストーブの周りには来なかった。
代わりに、こたつを付けて潜り込んでいった
『あっ!私も入る入る!!!』
魔理沙が、飛びこむようにこたつの中に入ってきた。
おかげでストーブは独占できたが、こたつの上に置かれたミカンはほとんど食われて行った
もう僕はため息しか出なかった。
まぁ、今は紫が冬眠状態に入っていて丁度良いのだが
この時僕は、あの異空間に繋がるタンスの事をすっかり忘れていた。
夜中、こたつの中でグースカ寝ている二人を見て、少し呆れの感情が芽生えた
『風邪引くぞ』
僕はあえて、こたつの電源を消さなかった。
というよりも、こたつの上がご飯粒とか魚の骨とかで散らかっていてそこまで気が回らなかった。
そろそろ寝よう。と思って上着をタンスに戻そうとした時、
あの異空間に繋がるタンスの事を思い出した。
もう一度そのタンスを開けると、やはり真っ暗な風景が広がっていた。
タンスの中とは思えぬ、もう一つの世界がそこにありそうだった。
念の為、護身用に草薙の剣を腰にかけた
『入ったら、二度と戻って来ないとか無いよな…………。』
僕はそう心配しているとき、後ろでこたつでグースカ寝ている二人から寝言が聞こえた
『ぅ〜〜〜…………こぉりぃん………お手ぇぇ〜〜…………』
僕は、もう二度と帰って来なくてもいいやと思った。
『じゃあね』
二人にお別れを告げると、僕はそのタンスの中に飛び込んで行った。
そのまま、僕は下に下に落ちていった。
上を見ると、扉が開いたままになっている。
その扉も、次第に小さくなっていく。
横を見ると、真っ暗なのは間違いないのだが間違いなく僕は今落ちている
地面にぶつかると、骨2、3本は逝くだろう
今になって、タンスの中に入った事を後悔した
だが、
次第に、落ちるスピードが小さくなっていることに気付いた。
そして、次第に浮いたような感覚になり、完全に落ちている気が全くしなくなった。
ラッキーだったが、僕はこれからどうなるのだろうか。
下をのぞくと、白い光が見えた
しばらく時間が経つと、白い光が僕を包んだ。
しばらく、白い空間が続いたが、
次第に、その場の風景が僕の目に映し出された。
その風景がはっきり僕の目に映った時、僕は今までにも見た事のない世界を見た。
その世界は、木が一本も無いのだ。
それどころか、木造建築された家と言う物も一切なかった。
空飛ぶ椅子と、空を飛ぶ鉄の塊
そして、宙に浮いているボールがあった。
そのボールに触れたら、急にボールがバラバラになった。
だが、それぞれの破片は一切地に付かず、宙に浮いていた
その破片は、規則正しい正方形の形だった。
その破片が、再びボールの形に戻ったのだが、ひとつの破片は僕の手に治まった。
だからそこに穴ができたのだが、そこから光が出てきた。
その光は、どこか何も無い所で止まり、絵を見てるかのように、その光の中に文字や絵が連なっていた
≪何か、御用でしょうか≫
ボールが喋った
≪簡単、椅子モードに変形いたしますか?≫
『いや、結構だ。』
僕は、ゆっくり歩いてその街を見たい為その親切を断ったが、
このボールに、とても興味が湧いた。
出てきた光には、さまざまな情報や、【ニュース】という世界中の出来事をすぐに知る事ができる能力があった。
僕は、そのボールを持っていきたかったが、何故か掴めないので
放っておこうとして、破片だけ持っていったら付いてきた。
破片を持てば、ついてくるのか。これは結構楽だ。
僕は、この世界の事をもっと知ろうと街を散策することにした。
鉄で出来た犬、または猫、
もしくは鼠、
自らゴミを食べて街を綺麗にするゴミバケツ
いろいろと、見た事のない物が多く存在しており、どれも興味深い物ばかりだった。
特に気になったのは、この街の住民だ。
顔などは、僕たちとは変わりないのだが、服が変だった。
その服は、ほとんど皆が同じ服だったのだ。
女性も男性も。
さらに、皆は僕の顔をじっとまじまじと見て去って行くのだ。
ここらへんが物凄く不愉快だった。
誰も街を歩いていないのは、このボールが関係している事が分かっているのだが。
そうだ、この世界での本は一体どんなものなのだろうか。
『本を見れるか?』
僕はボールに問いた
≪読書、種類は古文、辞典、文学、小説、漫画、絵本、ライトノベルのどちらにしますか?≫
ライトノベル?聞いた事のない種類だ。
この世界では、そんなおかしな種類の本があると言うのか。
『じゃぁ文学で頼むよ。』
≪かしこまりました≫
正直、読む気にはなれない。
異世界の異種類だと言うから、多分ついて来れないだろう。
ボールの穴から、また光が出てきて文字が連なっている、今度は絵は無い。
まぁ、文学の醍醐味が出ていて文句は無いのだが、
この世界の文学は、なかなか面白い事が描かれてある。
僕は夢中になって呼んでいた。
夢中になって歩いて呼んでいた為、周りの目が全く気にならなかった。
その時、曲がり角から急に人が来ようとしていたので、
『おっと、』
僕は彼女を先に急がせ、僕は立ち止まった。
そしてまた文学の途中を読もうと思い、夢中になっていた。
だから、
彼女が滑って後ろに転んでしまい、彼女の後頭部が僕の肩に当たる事は
全く予想できなかった。
おかげで僕は防御もしていなかった為、豪快に転び
頭蓋骨に損傷を与えた事を感じた。
頭に激痛が走る中、転んだ彼女が動かない
痛みが大分治まった時、彼女を見て僕はビックリした。
『だ…………大丈夫か?』
基本的にいえば僕の方が重傷なのだが、彼女の方はなぜかピクリとも動かないのだ
皆が、変な椅子で移動しているから筋肉とか体が弱っていたのだろうか。
その時、急にバッ!!と目が開いた
『うわぁ!』
僕はまた驚いてしまったが、彼女は何も動じていなかった。
そして、じーっと僕の顔を見ていた。
『大丈夫ですか?』
僕は、彼女の動機に心底心配したが、彼女はその言葉を聞いた時、急に顔を赤くした。
そして、目に輝きが増し、満面な笑みを浮かべていた
僕は全く意味が分からなかった。
だがその時、彼女の口が開いた
『運命の人!結婚して下さい!!』
『は?』
彼女は僕の手を両手で握り、いつの間にか僕の周りに謎の透明なボールが囲んでいた
『なっなんだこれは!?』
僕は出口を探したが、どこにも出口が見当たらない
そして、その透明なボールは宙に浮いた
『おい!これは一体なんなんだ!?』
彼女は全く聞いておらず、ボールの穴から結婚式場のデータを引き出して服を選んでいた
『聞いているのか!!おい!』
僕は反発した。こんなの理不尽だ。
なんでも、彼女は世界は私で回っていると思い込んでいるようなお姫様性格だった。
見た目で言うと、確かにお姫様っぽい顔立ちや髪型だ。
結構整っている顔立ちで、金色の長髪で両サイドにリボンがつけられている。
だが容姿は、大体小学生位だ
僕はロリコンじゃないので、彼女には全く興味が無いのだが
『僕を勝手に拉致して、さらに勝手に結婚しようと言って、お前はお姫様気取りか?』
僕がそう言葉で突くと、彼女はふふんと鼻を鳴らした。
なんだか気味が悪かったが、この球体が向かっている所を見て、血の気が引いた
要塞だ
漫画でも見た事ないほど巨大な要塞がそこに建っていた
そこに向かっていた。
要塞にある丸いシェルターが開き、この球体が中に入っていった。
『おかえりなさいませ!!姫!!』
多くの軍隊がその場でその小娘に敬意を表した
『姫様!そちらの怪しい男性はどちら様ですか!?』
『私の大事な人よ、傷を付けたら承知しな』
『姫!!』
遠くで老人の声が聞こえた。
『姫!!一体どちらに向かわれたのですか!もうすぐ戦が始まりますから心配しましたぞ!』
僕の見方によれば、その人は大臣だと思われる。
『……………誰ですかな?そこの見るからに嫌らしい男性は』
僕は少しカチンと来たが、それを察すかのように姫は代弁した、が
『ああ、この人は』
『処刑しろ!姫君を誘惑した罪人じゃ!!とっ捕まえろ!!』
大体予想はしていたが、やはり少し気に入らなかった。
『ちょっと!!大臣!』
『姫!!怖かったでしょう………大丈夫ですよ。あの男はすぐにでも首をはねますので』
『殺したら…………あんた達嫌いになるわよ』
彼女がそう言った瞬間、大臣や軍隊達は皆驚いた表情になった
『は…………?いやでもこの男は間違いなく罪人で殺さなければずっと………』
『私の一目惚れなの!!もうこの人と結婚するって決めたんだからほっといてよー!』
本当に反抗期の娘のように、癇癪をおこして彼女は叫んだ。
その言葉を聞いた瞬間、大臣はその場で崩れ落ちた
その時後ろで、ものすごい大きな影が僕の上に注いだ
『結婚だと?』
振り向くと、それはもう本当に王様だと分かった。
圧倒的な存在感、威厳のあるヒゲ、そして王冠だ。
まさに頼れる男という感じだった
ただ一つおかしな点と言えば、宙に浮いた豪華な椅子に座っていて、
右目にはデジタルと言うものだろうか、そのような片眼鏡が設置されていた。
『王様!いかんでしょう!このような嫌らしくて変態顔で悪人ヅラの奴が姫様をたぶらかしたのですぞ!』
大臣がまた言いたい放題言っていた
『見る限りでは少なくともそのような者には見えぬが。』
王様は、結構いい奴だと僕の中で確信した
『パパ!絶対私あんな奴とは結婚しないから!!この人と結婚するから!!!』
彼女は、本格的に癇癪を起して父親に当たっている。
『そうか、なら考えよう。』
だが、父親はやはり父親だ。余裕を持っていらっしゃる。
だが、僕はその余裕があまり良く受け入れられなかった。
できれば反対してほしかったのだ。理不尽だ
『王様!認めるのですか!?こんな奴に姫様を盗られてもよろしいのですか!?』
『好きにしろ、直に現実の厳しさを知る』
王様は吐き捨てるように、大臣に返答した
『ところでそなた、名はなんと申す?』
『あ、森近霖之助と言います。』
『しかし、極単に田舎の者が着るような物を着ておられるな。そなたは一体どこから来たのだ?』
僕は、とりあえず正直に話した
『幻想郷という場所から来ました。』
そう言うと、皆はなぜか固まっていた。
しばらく経つと、王様は愉快そうに笑っていた。
『はっはっは。それが本当ならば面白いことになるな。』
どういう事だろうか。この世界は幻想郷という場所を知っているのか?
てっきり、聞いた事のない場所だと返されるのだと思ったが、
瞬間、姫様が僕の肩に手を乗せ、背伸びをして僕の耳にささやいた
『幻想郷って、何百年も昔に滅んだ今の此処の地だよ。』
目を覚ますと、私はコタツで寝ていた。
『ふぁーあ………香霖?』
コタツから出ると、寒っ!!と感じて体を震わせたので、すぐにコタツに入った。
『こぉーりぃーん』
さっきから香霖を呼んでいるのだが、全く返事が無い
あいつは当然、寝なくても大丈夫な半妖なのに、全く返事を返さないのだ
少しばかりムカついた私は、意地でも返答させようと我慢してコタツから出た
『おい香霖!』
大きな声で叫んでも、白い息が口から出るだけで香霖は出てこなかった
『散歩か?』
いや違うだろう。こんな寒い時に散歩なんか拷問をあいつ受けるはずが無い。
あいつはどちらかと言うとドSなので、なおさらだ
私は、ムカッと来てさらに大声で香霖を呼んだ
『こぉぉりぃぃぃ』
『うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!魔理沙!!!』
コタツで幸せそうに寝ていた霊夢が、怒りの形相で私を睨みつけた
『霊夢!何故か香霖がどこにも居ねぇんだよ!』
その言葉を聞いた時、霊夢の顔に怒りが大分無くなった
『え?霖之助さんが?』
『ああ、この糞寒い時に外に出たとは思えないし………怪しいだろ?』
霊夢は、首をかしげて唸った
『うーん………確かにね。』
私も、大分考えたが、やはり心当たりは考えられなかった。
『もしかしたら、どこかの女と一緒なのかもしれねえな。』
私がそういうと、霊夢は笑いだした
『ははは。そんなのありえないわよ』
『はは、そうだよなぁー。』
私達はしばらく、笑っていたが、次第に笑えなくなってきた。
笑いが無くなった時、それはありえなくない事だと分かった
『どこじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!香霖!!!!』
『出てこぉぉぉぉぉい!!霖之助ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
二人は、もう本当に血眼に必死に探した。
商品の棚の壺なども落として割れてしまったが、全く気にも止めなかった
探していると、開けっぱなしのタンスが見つかった
『おい、タンスが開けっぱなしだぞ』
霊夢も、私の元に駆け寄りそのタンスに近づいた。
そのタンスの中を覗いてみると、真っ暗だった
いや、真っ黒だと言う方が正しいだろうか。
『黒い服でもかかってんのか?』
手を伸ばすと、そこにあるはずの壁が無かった。
バランスを崩した私は、その場で落ちようとなっていた。
タンスの中に入ると、なぜか宙に浮く事ができなくなっていたのだ
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
間一髪で霊夢が手をつなぎとめてくれたが、霊夢もバランスを崩したのか、
霊夢の全身もタンスの中に入って行った
『うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』
上を見上げると、タンスの入口がどんどん小さくなっていることに気付いた
『私の名前は、ヴァンツ王国の【ガ・ヴァルチーア・J・マリリン】よ。マリちゃん、もしくはマリ様って呼んでね!』
しばらく、城の中を観光してきた僕は、正直心身共々労力を使い果たしていた。
この城は、街もそうだが光を発する道具が多くて目がチカチカしてくるのだ。
さらに部屋は、一つ一つが大きく、全ての部屋が僕の店の全体よりも巨大だと言った方が分かりやすいほど大きいのだ。
この小娘は慣れているらしい。
西洋の茶碗と思われる物も発光しており、テレビという物も、宙に浮いては画面が発光しているのだ。
『ねぇ霖之助!幻想郷って言う所はどんな所?』
僕は、大体知っていて確信している事だけを説明した
『そこらじゅうに木が生えていて、木で出来た家とか石でできた階段とか、神様とか居る所だよ』
『木?木ってなんなの?』
未来になると、木と言う物は絶滅しているらしい。一体何でこいつらは生きていて、僕も平気で過ごせるかは不明だ
『それに、石なんて古い物を使ってるの?神様なんて本当に居ると思ってるの?』
未来になると、石はほとんど使い物にならない物になっているらしい。そして神様など クソくらえ らしい。
『あはは。面白ーい。』
まぁ、馬鹿にはされるだろうと思っていたが、こうなると虚しいものだ
『姫様、そろそろ御就寝の時間ですよ』
大臣が、姫様に時間を伝えにきた
『そうなの?じゃあ霖之助!一緒に寝よう!』
マリがそう言うと、大臣が慌てて怒りだした
『駄目です!!そのような者を部屋に入れないでください!』
『えー!?やだやだー!!好きなんだから一緒に寝るのが普通だよー!』
本当に子供だな。魔理沙も子供の時はだいたい同じような言葉でごねられたものだ
『好きな人とする儀式だって!普通は自分の部屋で二人きりでやるって言ってたんだよー!』
マリはあの球体を取り出し、性教育のページを発光して映し出した
『すいません、僕別の部屋が良いんですけど』
『言われなくてもそうするつもりじゃい。この変態が』
だが、マリだけが泣きながら反抗している
『やだやだ!一緒に寝るんだ!霖之助と一緒にぃぃ!!』
これは困った。本当に困った。
瞬間、あの球体から針のような物が飛びだし、マリの背中に刺さった。
マリはその後、死ぬように倒れ込み部屋まで引きずられていった
僕はやれやれと、一安心したのだが
急に僕の手に何か手錠のような物をつけられた
その手錠には、さまざまな光が発光しており、ガシャンガシャンと音が鳴っていた
『来い』
大臣は、手錠に命令するように言うと、手錠が大臣について行くように引っ張られた。
手錠に引っ張られて行くと、地下の牢屋に連れていかれ、鉄格子の部屋に入れられた
扉が閉められると、ようやく手錠が外れ、大臣の元に戻って行った。
この牢屋は、他の部屋とは違って全くハイテクでは無かった
『誰が認めるか、貴様のような奴と姫様の結婚なんぞ』
その後、大臣は僕の牢屋の鉄格子に蹴りを入れて、大きな音を立てていた
『姫様と王様が目覚める前に、貴様を処刑してやるぞ。はっ』
大臣は、そう吐き捨てて地下牢から去って行った
そこは、冷たく寒い場所だった。
僕は、思わず体を縮めてしまった。
全く理不尽なことだ。
勝手に好きになられたというのに
責任のほとんどを僕にぶつけるとはな。
その牢屋の中には、幸い布団があったのでその中に入っていこうとした。
この人達にとってはこれが苦痛なのか、なかなか良い羽毛布団だった。
すやすやと、眠くなった時、鉄格子の窓から何かが見えた
そこを覗いてみると、みすぼらしい服を着た人間が行列を起こしている
軍隊が、それらを見守るように、その行列を見ている。
そして、その行列が少しずつ少しずつ、進んで行く
『何か分かるでしょ?』
後ろで、何か声がした
振り向くと、マリがその場所に立っていた。
『あんな毒針、もう何度も当たっているから今はもう平気よ。』
いくらか反抗してきたのだな。大体納得ができた。
『いっておくけど、君の部屋には行かないよ』
僕がそう言うと、マリはガッカリした顔で俯いてしまった。
『もうそれは諦めるから、今日は諦めるから少し私と付き合って』
本当にしつこい野郎だった。だが、牢屋の鍵は開けてくれた。
『こっちに来て』
僕は、マリに言うがままについて行った。
迷路のような城の中で、18分くらいは歩いて行くと
『ついたよ。』
ようやく目的地に着いたようだ。
その扉は、ベランダで外の風景がよく見えた
それと同時に、あの行列を別の角度から良く見れた
あの光景を別の角度から見ると、その実態が分かった
あのみすぼらしい服を着た人達が、どんどん端から落ちていき、下にある機械に八つ裂きにされ、
肉が散らばり、骨も砕け、内臓もバラバラとなって、下のもう一つの機械に入っていった。
その機械には、多くの電線が繋がっており、その機械には電球の子供のようなキャラクターが描かれていた
≪発電中だよ!≫という吹き出しも描かれており、中でバラバラになった人間がどうなっているのか
僕には全く想像がつかなかった
しばらく見ている間にも、その人間たちはどんどん下に落ちていって、バラバラになって、
あの子供のキャラクターの機械の中に入って発電されている
その時、マリは笑顔になって僕に抱きついてきて心底安心して心底嬉しそうな声で僕に言葉を送った
『良かったね霖之助!もう少しであの奴隷達と同じ事になる所だったんだよ!』
どうも久しぶりです。珍しく連載物を書こうと思います。どうせすぐ終わりますがね。
連載物としては、最初に書いたのはこれ⇒http://tekitoukand.naga-masa.com/kopipe31.html
が初めてで、コレ以来の作品となります。
ぶっちゃけ本当は連載物にする予定は無かったのですが、思いついた話が書こうと思えば自殺したくなるほど長い物なので、いくつかに分けちゃえ!ていうコンセプトです。申し訳ございません。
終わりまでまだですが、楽しみにして頂けたらとても嬉しいです。
あと、お兄ちゃんのドクトカゲからのコメント⇒
『うげぇ、またやんのかようぜぇぇ』
ND
- 作品情報
- 作品集:
- 22
- 投稿日時:
- 2010/12/06 07:25:10
- 更新日時:
- 2010/12/06 17:11:39
- 分類
- 霖之助
- 霊夢
- 魔理沙
- オリキャラ
- 大長編
続編も楽しみに待ってますね!
おそらく色恋沙汰にはならないでしょうが、楽しみにしています。
箪笥に落ちた霊夢と魔理沙の運命やいかに!?
冬眠中のババ…紫様は出てくるのか!?
姫様を交えて三角関係の四角関係になるのか!?香霖の意見を無視して…。