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『光の都市 第二話』 作者: ND
寝付けない。
なぜか今日はなかなか寝付けなかった
もう冬眠季節だと言うのに、一旦目を覚ますと寒くてもう眠れないのだ。
布団から出て部屋から出ると、藍が手編みのマフラーを編んでいて、橙が毛糸の玉を転がして遊んでいた
『あら紫様、どうなさいましたか?この季節にお目ざめになるなんて』
私は、目はさえているのにあくびをした。その後言葉を口から出した
『目が覚めて眠れないのよ。寒いし』
『そうですか。』
藍は特に興味を持っていないようで、そのままマフラーを編み続けた
冷たい部下が居て、私は不幸せ者だとつくづく思った。
だが、その時良い案が思いついた。
『そうだ。霖之助さんの所へ遊びにいきましょう。』
からかい甲斐があり、話も面白く、何より一緒に居ると嬉しい気持ちになるのだ。
こんな冷たい部下と一緒に居るよりもずっと良い。
『逆に追い出されない様に気を付けてくださいね。』
『霖之助さんはそんなことしないわ。』
私は、藍にそう忠告をしながら香霖堂につながるスキマを作りだし、その中に入っていった
『どこまで落ちていくんだこれ』
霊夢と私は、不安になりながら下に下にと落ちていった。
次第に、落ちるスピードが小さくなっていることに気付いた。
そして、次第に浮いたような感覚になり、完全に落ちている気が全くしなくなった。
ラッキーだったが、私はこれからどうなるのだろうか。
下をのぞくと、白い光が見えた
しばらく時間が経つと、白い光が私達を包んだ。
しばらく、白い空間が続いたが、
次第に、その場の風景が私の目に映し出された。
その風景がはっきり私の目に映った時、私は今までにも見た事のない世界を見た。
『なんだ…………こりゃぁ…………』
そこは、石が、いや、石のように硬い物が綺麗に、そして奇抜に曲線に削られている壁の建物と
空を飛ぶ椅子があった
『ほぁあ〜。これ私の箒なんかいらないじゃん』
私は、少しショックを覚えたが、次第に面白そうという気持ちが芽生えた
『魔理沙、そんな事よりも霖之助さんを探さないと』
『おっと。悪い悪い』
私は、一応霊夢に謝りながらこの街を散策した
どこかに空を飛ぶ椅子が落ちているのかと思ったが、どこにもそれらしき椅子が無かった為、
私達はずっと歩いたままだった
『本当にこの街の中に居るのかも怪しくなったわね』
霊夢が愚痴をこぼした
私だって内心そう思っているさ。
私は、宙に浮いている球体に体を寄りつかせたが、
触れた瞬間にバラバラになり、私はそこでバランスを崩し、頭を打ってしまった
『ぬぅおおおおおおおおおおおお…………』
頭に激痛が走る中、その球体の破片が全く地についてない事が分かった。
その破片までもが、宙に浮いているのだ
『何よこれ。私が言うのもなんだけど奇妙な物体ね』
私はとっさに欠片の一つを掴んだ。その時、
球体の欠片は元の球体に戻っていった。ただ私の欠片だけを残して
ポッカリ穴の開いたその穴から、光が差し込んだ。
その光は何も無い所に、まるでそこに壁があるかのようにそこで止まった。
そこに文字とか絵とか映し出された
≪ご用件はなんでしょうか。≫
その球体は、私達に話しかけてきた。
『なんだよこいつ………』
頭がこんがらがる程難しいその状況は、私の頭の温度を向上させた。
『こいつで霖之助さんの居場所が分かるかもしれないわよ』
霊夢が涼しげに、その球体にある要求をした
『森近霖之助という人物はどこに居るか、教えてくれるかしら?』
直球だな。
球体の答えは、
≪そのような人物は、データにありません≫
だった。まぁ当然と言えば当然だ
『とりあえずこの世界の情報を知ろう。』
私はそう言った後、≪ニュース≫という文字が映し出されている所に触れた。
『うわぁ!!!』
その瞬間、複数の光の画面が飛びだし、私は驚いて尻もちをついてしまった
その画面には、様々な映像が映し出されていた
負傷して脳みそが飛び出ている人間
戦争がさらに急増化したというニュース。
電車という乗り物にバイオテロという事件が起きたというニュース等、
頭が狂っているかのような情報ばかりだった
『おい………もしかしてこれって………』
霊夢は、冷静にニュースの画面を見ていた
『私達、とんでもない世界に迷い込んだみたいね』
霊夢が、冷静にそう私に伝えてきた。
なんでそんなに冷静なんだ、と思っていた矢先
私は冷静ではいられなくなった
『あっ!!香霖!!!』
その言葉を聞いた霊夢は、目の色を変えて私の元に駆け寄ってきた
『どこ!?』
『ほら!この画面の中!!』
そこは、ある宮殿の入口で王様という人がスピーチをしている内容だった
その後ろの庭の鉄で出来た木の近くの椅子に、見覚えのある男が座ってくつろいでいるのだ。
『何やってんだよ香霖……………!!』
場所は、この国で一番大きいであろう建物である事が分かった。
その建物は、漫画で見た要塞とは比べ物にならないくらいの大きさだった。
私達は、箒にまたがってその要塞の場所まで急いだ
『霖之助、どうしたの?おいしいよ』
僕は正直食欲が湧かなかった
昨日、あんな恐ろしい物を見せられて気が狂いそうになったのだ。
その日、あの後僕は大臣に見つからないようにと、マリの部屋のベランダで眠ることにしたのだ。
まだ牢屋の中の方が暖かかったが、それはしょうがない。
正直一睡もできなかった。それは出来るはずが無いのだが
あんな物を見せられた上に、外で寝るのだから。
今は朝食の時なのだが、大臣がさっきからこちらを睨みつけている
そして時々舌打ちをしていた。まぁそれはそうだろう
昨日僕は処刑される予定だったのが、姫様と王様が反対されることとなっていたのだからな。
だから無断で独断で処刑しようとしていたが、失敗に終わったと。
それは機嫌を悪くするだろう。
『霖之助、さっきから何も食べておりませんが』
僕は、笑顔のみで質問を返した。
正直、僕は何も食べなくても生きていられる種の生物なので朝食は必要ないのだが、
その時は無理してでも食べ物を口に運んだ。
味的には、それは食べた事のない程美味なるものだったのだが、
あのおぞましいものを見た時からの、この国の恐ろしさで緊張してしまい、味がよく分からなかった
『あの………。美味しいです』
僕がそういうと、二人は愉快そうな顔になって機嫌が良くなった
『ほう、そうか。それは良かった。』
『これは私の好物なんだよ!霖之助も気に言ってくれたんだね!』
無理にでも食べて正解だったようだ。
味は思い出せないが、悪くは無い事は確かだ。
『霖之助!これを食べ終わったら一緒に庭に行って遊ぼう!この城の庭ってとっても大きいんだよ!』
マリがそう言った後、大臣は機嫌の悪い声で反論した
『いけませんよ姫様、庭なんてところに行って怪我でもなさったらどうするのですか、ねぇ王様』
だが、王様の意見は少し違った
『いや、ヴァルチーアにしてはいい考えだ。』
その時、大臣は爆発したように机を思いっきり叩いた
『王様!!大体王様は甘いのです!もっと姫様の安全を考えるならこのような男は追い出すべきですし
この男と二人きりになると言う事も避けなければいけない事です!違いますか!』
王様は、平然に何も起こっていないかのように普通に返した
『全ては娘の責任だ。私が全て責任を取るのであれば国は成り立たんよ』
大臣は歯ぎしりを立てながら、僕を睨みつけた後部屋を出ていこうとした、
扉に手をかけた時、大臣は捨て台詞のように言い残して消えた
『貴様を必ずここから追い出してやるぞ!いや、必ず処刑させてやる!』
扉が強く閉まる音が辺りに響き、その場は静まり返った
『全くあのジジイ。霖之助のどこが気に入らないって言うのよ!』
マリが機嫌悪そうにして、椅子から離れていった
『ヴァルチーア、まだ鴨肉が残ってるぞ』
『いらなーい。もう食べる気あせた。霖之助行こっ!』
マリはまだ食事中の僕の袖を引っ張って、無理やり大広間から出ていかされた。
『王様、そろそろ記者会見の時間ですよ。』
『ああ、少しだけ時間をずらしてくれるか?』
王様がそういうと、執事はかしこまりましたと丁寧にお辞儀をした
王様は、球体に触れてバラバラにした後、その欠片を球体に戻すのではなく、二つの輪っかにした
聞く所と話す所と二つの輪、つまり電話を作った。
『あー。もしもしゼルド王国の王様ですか?いやちょっとお知らせがありましてね。』
王様は、にやけながら電話に対応した
『すみませんが、お宅のお子さんとうちの娘、結婚できなくなりましたわ。ご愁傷様です。』
相手は、当然ブチ切れていた
≪はぁ!?冗談でしょう!王族同士が結婚できるのですよ!?息子もお宅の娘さんが気に行ってらっしゃるんですよ?≫
『あーでもねぇ。うちの娘が他に好きな子ができたみたいんですよ。はい』
≪ふざけんな!!そんなもの不倫だ不倫!認められるか!≫
急に向こうの王子の方から代わってきた。
あっちの国の王子は、ほとんどオッサンでメタボ体系なので、王様も苦手な相手でした。
『不倫も何も、うちの娘と話した事無いでしょう。娘もお宅ら嫌ってますしね』
≪知るか!!僕が欲しいって言ったら僕の者だ!だから結婚も必然なんだ!!≫
王様はため息をついた。
≪ねぇ?そっちが誰か知らない人と結婚したら、同盟が出来ない上に多額の金も入りませんよ。≫
『別にこっちの国じゃぁあんたらと同盟しなくても別に困らないんでね。金も減ったくれもないですよ。
同盟もクソくらえです。あんたらが自分の息子の欲望を尊重するように、こっちも娘のやりたい事を尊重してます。』
ついに向こうの国がハチ切れた
≪あああああああああああああああ!!!はいはい分かりました!じゃぁそっちがどうなるか、覚悟しておけよ!おい!≫
王子がそう捨て台詞を吐いた後、電話は切られた。
『やれやれ、これで厄介払いができた』
と、王様は一安心をした。
そして、森近霖之助に感謝をした
『見て見て!これぜーんぶ私の大好きなフラワーなんだよ!』
そこは、あきらかに人の手で造られた花が庭一面に作られていた。
芝生も、踏んだ感触はまんま芝生だが、これも普通の芝生じゃない。
普通の芝生はこんなに発光したりしない
『私のフラワーわね!こんな色も出せるんだよ!』
マリは、地面を開いていくつかボタンを出した後、花や芝生が色々な色に発光して、一つの絵ができていた。
それは、モザイクアートで描かれたマリが芝生で遊んでいる写真が連続で映し出され、映像のようになっていたのだ。
もはや自然の美しさなど微塵も無かった
『綺麗でしょー!?』
『まぁ、綺麗じゃないと言えば嘘になるな』
僕は苦笑いでその場をしのいだ。
マリは、嬉しそうな笑顔で芝生の生えた蓋を閉め、元の芝生に戻した
『ねー。霖之助の住む世界には芝生はあるんでしょー?』
マリは、笑顔で目をキラキラと輝かせて僕を見た。
僕は、自信満々でものすごく当然なことを説明した
『そうだ。しかも芝生や花も皆生きてるんだぞ。』
『えっ!?皆喋るの!?』
正直、こんな返事が来る事は分かっていた。
だが、分かっていてもものすごく疲れる物なのだと分かった
『喋らない、でも間違いなく生き物なんだ。』
『どうして?』
『水と酸素が無いと生きられないからさ。』
その時、マリは首をかしげた
『どぅして?この芝生は水をかけても何もならないよ、それにボードに水をかけたら不調を起こすんだよ?』
『だから生きているって言っただろう。僕たちのように必要な物が共通している事がそうだ。』
マリは、しばらく考えた後
『うん!わかった!!』
と答えた。絶対分かっていない事を確信した
『そうか。なら良いんだ』
僕はもうあきらめた。その後茶が欲しかったので、球体に触れ、欠片を一つ握り1秒待った
しばらくした後、球体が元に戻り、欠けた穴から光が差し込んだ
≪ご用件は何ですか?≫
僕は、返事をしようと声を出した瞬間、見覚えのある弾幕が球体に直撃し、バラバラになった。
その欠片は、今度は電気を帯びており、そしてそれぞれが爆発した。
黒焦げになった欠片は、無残にも地に落ちていった
『何事!?』
マリが不審に思い、弾幕の飛んできた方向に目を向けた
そこには、起こった顔の魔理沙と霊夢が飛んでいた
『随分、くつろいでんじゃねえか。』
魔理沙が不満そうに手を箒に戻し、二人とも地に降りていった
『だっ誰よあんた達!』
『僕の友人 の娘さんだ』
僕がそう説明した後、魔理沙が不満そうな顔でマリの方に指を差した
『誰だよ、お前』
そう言った後、マリは怒りの表情のまま、見せびらかすように自信満々に答えた。
『私は霖之助の妻だよ!!今さら何しに来たの!』
僕はそんな気はないのだが、まぁ大丈夫だろうと思っていた矢先、
魔理沙と霊夢に何か不穏なオーラが纏われていることに気付いた
『ほう…………妻………ねぇ……………』
魔理沙の目が光っており、怒りの形相を露骨に表現していた
霊夢は、藁の人形に大量の針を刺し、不気味な呪文を連々と読んでいた
なんだか、次第に心臓が苦しくなっていっている。
『あのなマリ。僕はそんな事全く認めてないんだぞ』
僕がそういうと、マリは僕の方に振り向き、じっと見た。
そして次第に涙目になり、ついに泣いてしまった
『うわぁぁぁぁぁぁぁん!だったら!だったら絶対私を妻って認めさせてやるぅぅ―――!!』
彼女が泣いている所を見たのは初めてだ。
さすがにこれには魔理沙も動揺している。
だが、霊夢はまだ何か得体のしれない呪文を唱えながら藁で出来た人形を火あぶりにしている
そういえば、何か体が暑くなってきたような気がする
『なぁ、もしかしてまた何かに巻き込まれたのか?』
『そうだよ、最初からそう解釈してほしかったね』
魔理沙と話していると、マリが魔理沙にポカポカ殴りながら訴えていた
『うわぁぁ!!喋るな!霖之助と喋るなぁ!うわぁぁぁぁぁ〜〜〜』
それは、どう見ても姉妹げんかにしか見えない。
その後、ひっしりと僕のそばから離れない様に腕にしがみつかれた
マリは、じっと魔理沙の方を敵視するように睨んでいる
『香霖、災難だな。』
魔理沙が、僕に同情したかのように聞くと、マリが何か疑問を持った
『こーりん?』
すると、魔理沙は自信満々に答えた
『霖之助のあだ名だよ。私が一番最初に答えたんだ』
すると、マリは敵視するように、すねているように答えた
『じゃぁ私も、今日からこーりんって言う』
すると、魔理沙は怒りだした
『はぁ!?ざっけんな!これは私だけのあだ名だ!!』
すると、マリも反論するように返した
『こーりんは私の夫になるんだから!!あだ名で呼んだっていいじゃない!!』
『香霖って言うなぁ!!』
魔理沙がだんだん半泣きになってきた。肩が震えている
ちなみに霊夢は、全く聞きとれない呪文を唱えながら藁で出来た人形の腹を踏みつけている
なんだか腹が痛くなってきたような
『大体!お前どう見ても子供だけど年は幾つだよ!』
『11だよ!』
『ほら見ろ私よりも年下じゃねーか!私の方が先に結婚適齢期が来るんだよ!!』
まるで子供の喧嘩のようだった。そんな魔理沙はもう14歳なのだが
『何言ってるの!結婚て10歳から出来るものなんだよ!!』
『10歳!!!??』
僕もさすがに驚いた。
ちなにみ霊夢は、呪文をやめずに唱えていて、藁で作られた人形を少しずつ切っていた
なんだか足の先が急に痺れてきたような気がする
『姫様。もう中に………そちらはどなたですか?』
大臣が庭に姿を現した瞬間、マリは激こうしながら大臣に訴えた
『ジイ!!こいつらを城から追い出し』
『僕の友人です。同じく過去から来た』
そう伝えた瞬間、大臣は急に機嫌が良い顔になり
『そうかそうか。ならば泊まる所がないだろう。この城に泊まって行きなさい。』
あきらかに僕が来た時と対応が全く違う
いや、態度も違う。
『はぁ!!おいジジイ!!』
当然、マリは面白くない態度を取った
『ささ、どうぞこちらへ』
そう言った後、二人とも、霊夢は藁人形を全て灰にして城の中に入って行った
『おわー。こんな所初めて来たぜ。』
『食べ物とか、美味しい物がありそうね』
マリは、庭からずんずん上がって来て
『あんた達図々し』
『いやいや、どんどん食べていけばいいぞ。それにお土産も持っていきなされ』
『えっ!?いいのか!?』
魔理沙は嬉しそうな顔で大臣に顔を向けた
『おい!!』
当然、マリは怒っていた
僕も城の中に上がろうと、足を踏み入れた瞬間、
大臣の表情が急に無表情に変わり、ここは通さんと言うように僕の前に立ち止まった
『ジイ!こーりんも中に入れなさい!!』
『はて?こーりんとは?』
『霖之助の事よ!!』
マリがそういうと、大臣はしばらく頷いた。
『すみませんが、私は霖之助に大事なお話がありますので先に部屋に戻って下さい。』
大臣がそう言うと、マリは機嫌をさらに悪くして
『またこーりんを処刑しようとしたら今度は貴方を処刑するからね!!』
『えっ!?』
魔理沙と霊夢が驚きの声を上げて後ろを振り向いたが、すぐに軍隊に部屋に連れていかれた
そしてこの場に大臣と僕しか居なくなった時、大臣は杖で僕の腹を突いた
『お前は本当に最低な奴だな。腹が立つ。虫酸が走るわい』
さっきまでとはまるで態度が違っていた。神士ではなく、おそらくただのエロジジイなのだと確信した
『お前の周りは美しい女御ばかりだな。お前なぞ消えて無くなってしまえばいい』
その後、ポンっと手を両手を合わせ、面白がるように僕に言葉を送ってきた
『明日、戦争がある事は知っているか?』
『そんなもの、知るわけない』
そう返した後、大臣は愉快そうに手を叩いて笑いだした
『その戦争がどうしたって言うのですか?僕には関係無いでしょう』
『いやいやいや、お前もその戦争に参加するんじゃよ』
その言葉を聞いた時、理不尽という言葉が頭に浮かんだ
『どういう事だ、僕は過去から来た人間だ。この世界とは関係の無い人間じゃないか』
『はっはっは。姫様はお前の事を大層気に入っておられるようじゃからの。』
その後、大臣は再び無表情に戻った
『だから無様に死んでもらうことにしたよ。』
その後、淡々と説明された
『まぁ、明日は発展途上国の途上国、先進するつもりのない国との戦争じゃからたいした死者は出ないだろうが、
無駄に人数が多いからのう、あの国は、じゃからお主も流れ弾で死んでしまうかもしれん。そう、流れ弾でな』
その後、大臣は笑いだしながら、どこか別の場所へ移動していった。
さすがに、戦争に送りだされるとは思わなかったが、
その理不尽を王様に伝える事はしなかった。
その戦争と言う物の2日前に、僕はこの時代に落とされたのだ。あのタンスによって
とてもその戦争が関係が全く無いとは言い切れないのだ。
だから、別に断る理由もないのだ。
むしろ結構好都合かもしれない
とりあえず、あの大臣の思い通りになるのは嫌なので、皆に伝えることにした。
マリの部屋に辿り着いた時、マリは笑顔で僕に抱きついてきた。
それを見て魔理沙と霊夢は、不愉快な顔を浮かべた。
『おかえり!!おかえりこーりん!!』
僕は、笑顔で抱きついているマリを引き剥がし、真剣な話をしようとした
マリの顔が、急に不安の色に染まっていた
『どうやら、僕は明日の戦争に送られるようだ』
その言葉を発した時、三人の顔が急に青ざめていった
『おい………どういう事だよ香霖』
『どういう事もなにも、そのままの意味だ、明日行われる戦争に僕は出頭することになった』
話し終えた後、沈黙がそこに続いた
『嫌!嫌!!こーりんは絶対連れていかせない!!』
マリが首を振り、必死で否定していた
『僕だって行きたくないさ。でも大臣によるとこれは義務らしいんだ』
『そんな無茶苦茶な義務があるか!!!』
魔理沙がそう訴えた後、この部屋が急に開かれ、そこに大臣と軍隊二人がそろって立っていた
『さぁ、霖之助さんの寝床を用意しましたよ。早くいらしてください。』
大臣が、棒読みで白々しく僕を呼び掛けていた
『おいジジイ!!てめぇ香霖を戦争に連れてくってどういう事だよ!!!』
大臣は、さわやかな笑顔で恐ろしい返答をした
『どういう事も何も、ただ戦争で血と汗を流して貰うだけですよ。』
マリは、だんだん顔が引きつっていって、さらに僕にしがみつく力が強くなった
『連れていかせないよ!!絶対に連れていかせない!!』
そう言った後、大臣はため息を吐いた
『姫様、これは貴方の我がままで通る事ではございませんよ。
なんたってこれは義務ですから、憲法ですから王族が何やら変えられる物ではありません』
『やだ!!じゃぁ私も一緒に行く!!』
その瞬間、マリの首にあの針が刺さった。
あの球体から針のような物が飛びだして、首に刺さったのだ。
『こうりん………こう………』
次第に、僕に捕まる力が弱くなってきて、ついに離してしまった
『さぁ、行きましょうか。』
軍隊が僕の腕に掴んできた、僕はその掴んできた手を払った
『無駄ですよ。どうあがいても逃げられません。』
『誰も逃げるなんて行ってません』
僕は大臣の元に歩み寄り
『一人で歩けます』
そう言った。
大臣は面白くないような顔で、舌打ちをした
『とっとと連れていけ』
大臣がそう命令した後、
『オイ待て!!クソジジイ!!』
魔理沙の大声がそこに響いた
『…………私も連れてけ』
魔理沙がそう言った後、霊夢も
『私もよ………』
と、同意を求めてきた。
その瞬間、大臣が指を魔理沙と霊夢の方に向け、
球体が二人に近づいていくと、そこにあの透明な球体が二人を囲んだ
『なんだこれ!!おい!!!』
魔理沙と霊夢は、必死に球体の中から壁を壊そうとしている
『あなた方はそんな危険な場所に来なくてもいいんですよ。美しい貴方方は命を大切にしてください』
不気味な笑顔で大臣は微笑んだ
『一人で歩けるんだよな?』
僕はその質問に、静かに頷いた
『お前ら、見張っとけ』
大臣が命令すると、軍隊二人は霊夢と魔理沙を囲んだ球体の前に立ち、銃を構えている。
そして、大臣は愉快に笑い、前に進んだ。
僕はその大臣の後を、ずっと追って行くだけだ
『オイ待て!!行くな!!行くな香霖!!おい!!』
僕は、聞く耳を持たなかった。この戦争の意味を知りたかったから
『こぉぉぉぉぉりぃぃぃぃん!!てめぇふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
魔理沙の叫びが、次第に小さくなっていった
どうもこんにちはー。
漫画描いたりSS描いたりと無駄な事をしまくってるNDです。
ちなみに、この作品最初は前書いてた連載SSのボツとなったネタをやろうと思っていたのですが。
『やったら殺すよ』とドクトカゲに脅されたので、再びボツりました。すみません。
前の連載SSでは、空から羽が降ってくるとか星が蒼いとか超幻想的な話を目指して書いた物ですが、
今回は未来にありそうな物をコンセプトにして書いてます。
正しくは中世と未来と混ぜたような物です。
まぁこんな作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。終わってないけど
ちなみに没ネタは、
目が覚めたら幻想郷の皆が性転換していた!
当然、霖之助も女の子になっていた!!(心は男のままだが)
そしてこの男だらけのうっはうはの甘い恋愛物語!!
自分が男の時よりも客が来るようになったこの世界、果たして霖之助はどうなっちゃうのか!
『だって、幻想郷で可愛い女の子ってのは香霖しか居ねえからさ。』
僕は、私は、どちらの幻想郷を愛すればいい?
という乙女ゲーみたいな物を考えていました。
ND
- 作品情報
- 作品集:
- 22
- 投稿日時:
- 2010/12/07 06:38:07
- 更新日時:
- 2010/12/07 16:14:27
- 分類
- 霖之助
- 霊夢
- 魔理沙
- オリキャラ
- 紫
- 大長編
これでNDさんのメインキャストが揃いました!!
こ〜りんが知的探究心のために危地に赴く姿は、
さながら、うるせ〜メスガキから逃れるストイックな賢者の様!!
あ〜こりゃ、この話も色恋沙汰にはならないですね。
あと、大臣の産廃ならではの無様なくたばる様を見たいです。