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『光の都市 最終話』 作者: ND
ゼルド王国の王子は、
地下に眠るサイボーグを目覚めさせ、そして整列させた
その後、王子は不敵の笑みを浮かべ、サイボーグに命令を出そうとしていた
『サイボーグの皆!!聞いての通り私がこの王国の王子だ!!』
正直、俺はこの時を絶好の好機だと思っている。
今、ヴァンツ王国は共和国の中でも巨大な組織と闘っているのだ。
つまり、今あの国にサイボーグは居ない。
共和国の首相は、女性で結構な美人なのだが、俺はもっと若い奴が好みだ。
だから、ヴァンツ王国の姫に目を付けた
絶対に手に入れてやる
この我がままを押し通す事なら、なんでも…………
『いいかお前ら!!今回の目的はヴァンツ王国の王の殺害と姫の攫いだ!!
姫の場合、最終的に殺しても構わない、体が綺麗のままならな!!それと、姫が一目ぼれした奴も殺せ!!
そいつは絶対に許せねえ!!』
このサイボーグは、ロボットと違って感情や心を持っている。だから使いやすい。
一から教育させて、残酷な性格にすれば、楽しんでロボットのやる事より残酷にできる。
さらに、俺の国のサイボーグは全員女だから、俺の私欲的な事にも使えるのだ。
頭が良いから、なかなか死なない。
俺は、これから起こる事が楽しみだった
『行け!!俺の部下共!!!』
俺がそう言うと、サイボーグ達は歓喜の声を上げてヴァンツ王国に向かった
『クソ!!止めろ!!あの化け物を止めろ!!!』
推定40Mは超える巨人は、とても大きな体とは思えぬスピードでづかづかと歩いて行く
軍曹は、巨人の足を狙い動かなくさせようとしているが、光を弾いていて全く効かない。
実弾を使っても、弾を弾くほどの強度を持っている
『くそっ!紫の奴とんでもない物を置いていきやがって!!!』
確かにこれは酷い仕打ちだが、この何百年もの時間があれば、紫がおかしくなるのも結構理解はできる。
『まずいぞ、あの化物ヴァンツ王国に向かってやがる!!』
その言葉を聞いて、僕は焦りが出たのか
何の忠告もせずに剣を巨人に向けて振ってしまった。
だが、その甲斐があってか、巨人の足首が綺麗に斬れて、分離したのだ
『やった!!』
だが、僕達はその後絶望的な光景を見た。
斬れたはずの足が、ものすごいスピードで回復しているのだ。人間発電は、一体どこまでの力を持っているというのだ。
結局巨人は倒れる事なく、残った足を置いて、新しい足でそのまま何事も無かったかのように前へ進んだ
『倒せ!!倒せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
軍曹の命令に、僕たちは全力で従う事しかできなかった。
ヴァンツ王国では、そんな事を知らずに空を飛ぶ椅子に乗って優雅に暮らしている。
奴隷は、地下で今も発電機に入れられようとしている時に。
基本的、人間発電機には奴隷が1日で10人ほど入れられるので、10歳で子供を産む事を義務付けられている。
大人になったら国の役に立つために発電機の中に入ると、教育されているのだ。
そのような残酷な事も、この国ではほとんど日常になっていた。
だが、たった今その日常が崩れようとしていた。
『何だあれは?』
空を飛ぶ椅子に座っている男が、地についてこちらまで移動している女の子達に指を差した。
その指を刺した男は、一直線に伸びてきた光に一瞬で脳天を貫かれた
その後、女、子供、男の叫び声が聞こえる
『民間人も殺して良いとのことです。たくさん殺して、ご主人様にご褒美を貰いましょう。』
『はい!!』
ゼルド王国のサイボーグ達は、目を生き生きさせながら民間人を襲って行った。
椅子から引きずり落とし、眼球をひねり出してその中に舌を入れたりした。
さらには、死んでいる相手にさらに鉄砲を食らわすという無意味な事にも楽しんで行っていた。
『それでは、遊び時間は終わりです』
ゼルド王国のサイボーグたちは、一つの場所に集まり整列した
『ただいまより、ヴァンツ王国の城に向かいます。そこでヴァンツ王の殺害と、ヴァルチーア姫の誘拐の任務を実行して下さい。』
そこで整列したゼルド王国のサイボーグ達は、それぞれの鞭を持った後、敬礼をした。
そして、サイボーグ達はヴァンツ王国の城に向かって行進した
『オラオラァ!!効きやがれちくしょう!!!』
霊夢は結界を張り、その中の物質を消滅させて巨人の肉を壊死させていたが、またすぐに回復してしまい
全くの意味を持たなかった
魔理沙は、マスタースパークを巨人に撃ったのだが、これは何のダメージも無かった
『おい!!国に突っ込むぞ!!!』
巨人は、国に張られたクリスタルの壁を、まるでそこに何も無いかのように平然と中に入って行った。
割れたクリスタルが、どんどん国の中に落ちて建物が破壊されて行く
『なんだあれは!!』
多くの女性に囲まれていた、太っている体系のオッサンとも言える人が巨人の方に向いた
『あ?誰だあいつ』
魔理沙がその存在に気付くと、すぐに興味を失くし巨人の討伐に戻った
巨人は、死んでいる民間人の遺体をすくい、口に運んで噛み砕いた
生きている空を飛ぶ椅子に座った民間人も、掴んで口に運んで、バリアも噛み砕いて人間を食べている
そして、どんどん巨人は力を付けている
『ええい!早くしろ!!早くお前たちの任務を実行するのだ!!』
太っている男は女たちに指示をして、その巨人から逃げるようにそくささと荷物を持って走って行く
だが、その時に運が悪かったのか、僕と目を合わせてしまった
『………てっ………てめ………』
僕を見て、何か男が興奮している
顔がどんどん赤くなり、怒りの表情に変わっている。
そして、男は激行して僕に指を差した
『居たぞ!!俺の妃が不倫の男と一緒に!!!』
その言葉を聞いたマリは、一層僕にしがみついた
『ああああ!!やめろ!!てめぇ俺の妃に近づくな!!マリリン!!一緒に行くぞ!!』
『嫌よ!!あんたとはもう結婚しないって言ったじゃない!!』
男は、脅すように声を荒げながら叫んでいた
『てめぇ!!俺と結婚しなかったらどうなるか位分かってるだろ!!俺は今からヴァンツ王を殺すんだよ!!これからヴァンツ王国は俺の物になるんだ!!だからお前と俺の結婚は必然なんだよ!!超常識だろうがぁぁぁぁ!!!』
マリは、僕の腕にしがみついて、その男に向けて舌を出した
『いいもん!!こーりんがなんとかしてくれるもん!!』
その言葉を聞いた時、男はさらに怒りの表情になり、周りの女たちに命令をした
『殺せ!!この糞眼鏡男をぶっ殺せ!!いや殺すだけではすまん!!1000の破片にしてしまえ!!!』
ものすごく大きな声が国中に響いた。
その時、その男の周りの女たちは攻撃態勢に入った
『僕だって今は暇じゃないんだ』
僕はそう言って、剣を横に振った。
僕の周りの女たちが全員上半身と下半身に分かれた
その光景を見た男は、さらに体をわなわなと震えさせた
『行こう、マリ』
そう言った後、マリを連れて巨人の所に向かった。
そもそも、巨人の向かう場所がヴァンツ城だったので、目的地が重なったのだ
男から遠ざかる時、マリは男に向かってアッカンベーをした
『追いかけろ!!あの男は絶対に殺せ!!!』
他の男の周りの女たちは、僕たちについて来る
男も、女に抱えらえながら追って来ていた
『城の正門に、ゼルド王国のサイボーグが!!!』
『なんじゃと!?』
ゼルド王国がやはりここまで来たか。
まぁ、大体こうなる事は分かっていた
『これも全てあの男のせいじゃ………!!』
大臣の顔がわなわなと震える
『王様!!ただいまからあの男をどんな手を使ってでも殺しに行きます!!どんな手を使ってでも!!!』
『やめろ、大臣』
『嫌です!!どうしてもあの男を殺さなければ………私は満足して生活ができません!!!』
そう言って大臣は、剣を持って城から勝手に出ていった
いや、逃げたのだろうか。
それにしても、大臣はなぜそこまであの男を嫌うのだろうか。
だが、今はもうそれどころではない。
私には、まだやるべき事がある
その時、城の潜入者の報告をした男の胸から急に刃物が飛びだした。
そして胸から上が、真っ二つに裂けた
そこから、ゼルド王国らしいアニメ絵の女の子のサイボーグがぞろぞろと王の間に侵入してきた
『ヴァンツ王国の王、発見しました。』
変な服を着た女が、感情の無いように言った
後におちゃらけた小さい女の子が話しに突っ込んだ
『見つけちゃったよー。ねー。ねぇねぇ、どうやって殺す?』
『そうですねぇ、ご主人様が嫌っている男ですからまず指から斬って、四股からどんどん内臓に近づく形で殺しましょうか。』
いろいろな個性的な女の子が私を殺す方法を考えながら、近づいてきている
『さて、門の前に居た兵は全員潰しましたけど、どうするのですかー?』
『それにしてもぉ、今は戦争中だからって城の警備こんなに薄薄じゃぁ、バッカみたいだよねー。あはははは!!』
さんざん言いたい放題を言っている。
私は、それがおかしくてたまらない。
ついに、表に感情を出してしまった
『何を笑っている?』
女の子達が疑問に思っていると、私は説明しようと口を開いた
『この戦争だから、サイボーグのほとんどを戦場に出したんだよ。』
その時、多くの女の子の表情が険しくなった
少数の物は、どういう意味か分からない顔をしていた
『どういう事だ!!』
『私はね、マグル共和国と色々話をして、この戦争を行ったのだよ。』
『それはそうだろう。領土問題とか金の問題とか』
『私、いや私達の目的はそれじゃないんだ』
女の子の声が全員不穏な態度を取っている
『私達の国も、お前らの国も人間発電を行っている。実に馬鹿馬鹿しい話だ。こんな恐ろしい発電を考えた阿呆の顔を見て見たい
ものだ、だが、その発電を廃止しようとも、もう出来ない所まで来てしまった。馬鹿な私達人間は人間発電無しでは生きて居られなくなった。馬鹿な話だ』
『何が言いたい』
『お前らはその発電について何も思わないだろう。だがな、過去の里”幻想郷”の人々はその発電の恐ろしさがよく分かるのだよ。』
女の子達はこの話を聞いても、人間発電のどこが悪いのか分からないと言う顔だった。
『マグル共和国の首相は、その幻想郷の生き残りでね、ずっとその発電に反対してきたんだ』
『幻想郷の生き残り?馬鹿馬鹿しい』
女の子達は、銃を構え私に攻撃しようと本気になった
『私も、発電反対に賛成でな。だから一番良い方法でその発電を排除することに決めたんだ』
私以外の全員は、腹が立っている様子で歯をギリギリ言わしている
『だからなんだ!!全然意味が分かんねえんだよ!!!!』
その時、壁が崩れてそこに大きな音と穴が空いた
その音に驚いた女の子たちは、その穴の方を見た
そこには、大きな人間、いや皮の無い人間、化け物が立っていた
『意味が分かったか?』
女の子の中では、失神した物や、その恐ろしさに失禁した者も居た。サイボーグなのに
『これは、私達が使ってきた人間発電で動くサイボーグだ。』
王は、浮いた椅子で移動しながら巨人に近づいていく
『恐ろしさを知った後は、今度はこいつを殺せば私の任務は終了だ』
『うわああああああああああああああああああああああ!!!』
その場に居た多くの者がその場から逃げだそうとした。が、
『腰ぬけが』
私がこの言葉を言ったきっかけで、ほとんどの者の足が止まった
だが、少数の者は逃げていった
巨人は、その間にも城を壊し侵入してくる
『何やってんだてめぇら!!!目の前に王が居るだろうが!!とっとと殺せ!!』
ゼルド王国の王子が、サイボーグたちに命令をした
それが引き金で、全員が振り向き私に突進してきた
『ああああああああああああああああああああああ!!!』
もはやがむしゃらだった。
銃で撃ってきた弾や光は、援護球体で自信を包み、攻撃を防いだ
その間にも、彼女らは突進してきた。
だが、それも虚しく巨人の手によって全員潰されてしまった
巨人は、手に残った潰れた彼女らの破片をじっと見つめると、人間じゃ無い事を知った為かそこらへんに捨てて行った
『ちくしょう!!ちくしょおおおおおおおお!!目の前だったじゃねえか!!ゴミ屑がぁぁぁぁぁ!!』
男は、死ぬほど悔しそうな声で潰れた彼女らの破片に叫んだ
『おい!!もう王様は後で良い。まずこの男を殺せ!!』
男は、僕に指を差し、彼女たちに命令をした
その時、魔理沙と霊夢は僕を守るためにか、僕の目の前にまで来て攻撃態勢に入っている
その光景を見た男は、まじまじとその魔理沙と霊夢を見た
『香霖なら殺させねーぜ』
その言葉を聞いた瞬間、男の顔がまたさらに怒った
『おい!!くそ男!!!!!てめぇこんなに人間の女に囲まれてんのか!!違法だ!!ゼルド王国の法令と違反している!!
女に囲まれるのは俺以外は許さん!!処刑!!絶対に処刑しろぉぉぉぉ!!!』
今度は滅茶苦茶を言い始めた。
『我がままはいい加減にしろ。王子』
城の中で、城が崩壊されているにも関わらず王様は平然と話していた
『ああ!?うるせぇな、お前は今から殺すんだから突っ込んでくんな!!!』
『パパを殺すなぁ!!!!』
王子は、叫び声を上げながら壁や地面を踏み、足の踵でガリガリと地面を掘るように削っていた
『あああああああああ!!なんだよ!!なんなんだよ!!!俺は王子だぞ!!なんでだよ!!この王国もいずれ俺の物になるんだ!!だから王様も喜んで死ぬはずだろ!!マリリンも!!喜んで俺の嫁になるはずだろ!!なのになんだよ!!言う事を聞けよお前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
瞬間、辺りは静まり返った
『おい、』
王子は、急に冷静になり、また僕に指を差した
『死ね』
『いやだ』
僕は平然に返すと、王子はさらに激高した
『死ね!!死ね!!死ねぇぇぇぇええええええ!!あの巨人に食われろ!!それが一番良い方法だ!!おいお前ら!
決めたぞ!!殺した後あの巨人に食わせるんだぁぁぁぁああああああ!!!』
巨人は、その間にも民間人を拾って食べている
彼女らは、僕に銃口を当てて今にも撃とうとしていた
『ほら!!殺せ!!殺せよ!!そして無様な死を見せてやれ!!はははははは!!』
おそらく、僕は銃で死ぬ事は無いだろう。
霊夢が、結界を張ればそれは防げるのだから。
だから僕は何も焦ってはいなかったが、予想外な事が起こった
彼女らが王子に向けて銃を向けたのだ。
それも、全員。何も言わずに
『なんだ………お前ら………』
王子の顔は、だんだん青ざめていく
『ざっけんな!!裏切る気か?てめぇら裏切る気か!?裏切ったらもう生きていけないんだぞ!!ご主人様が居なくなったらお前らはどうやって生きていくつもりだ!!!あ!?』
だが、王子の予想している事は違っていた。
よく見ると、彼女らの銃口はどんどん上に上がっているのだ。
さすがに王子も不振に思ったのか、上を見上げた。
だが、見上げるのが遅かった。王子は巨大な手に掴まれてしまった
そして、落とされたら死ぬ高さ まで来てしまった
『うわぁぁぁ!!離せ!!おい助けろ!!助けろ!!』
彼女らは、王子を助けようと一生懸命手に銃を発砲したりしている
『ざけんな!!お前の食う奴は俺じゃねえだろ!!あの眼鏡男だろ!!言う事を聞け!!この巨人が!!』
言い終えた瞬間、巨人はもう待ちきれないかのように口を開け、王子を口の中に入れた
『ああああああああああああああああ!!!』
王子は噛み砕かれ、肉片や、内臓がそこらへんに散らばった。
もう死んだと確信した瞬間、彼女たちは膝から崩れ落ちた
彼女たちの目から、もう生気が無くなっていた。
巨人は、その彼女たちに何も興味が無いように、去って行った。
そして街にまた向かっている
『させるか!!』
魔理沙と霊夢は、もうこれ以上犠牲者が出さない様に巨人の後を追いかけた。
そして、僕の壊れた城の後を踏んで、巨人を追いかけた
『パパ!!』
王様も、空飛ぶ椅子で巨人の後を追った。
『おらおらぁ!!』
魔理沙の攻撃は、基本的に効かないので、
ほとんど挑発役となった。
霊夢の攻撃は、結界を張って消滅する方法はなかなか効果があるのだが、
それ以上にほとんど消滅はせず、筋肉の一部が無くなる程度ですぐに回復してしまうため、ほとんど意味を持たなかった。
僕の剣ではと言うと、剣で斬れる物の、切れ味が良すぎて、すぐにくっついてしまう。
運よく分離しても、ほとんどすぐに回復してしまう。
首を斬ろうとも、どうやっても届かないのだ。
『絶望するな!!攻撃を止めるな!!突撃ぃぃぃぃ!!!』
軍曹が、軍隊をつれて一斉に大砲やミサイルなどを撃ち込み、巨人に攻撃していった。
大砲やミサイルは、近未来的なデザインで対象物以外には損害を与えない物だったのだが、
それでもほとんど効果が無い
『限りある所まで行け!!一切休むな!!止めるな!!全力を限界まで出し切れぇぇぇぇ!!!』
軍隊全員が心を一つにして、団結した瞬間だった。
だが、その団結もすぐに消えた
『止めなさい』
王様が、サイボーグ軍隊達にそう命令したのだ
『王様?』
『これらは全て、私の責任だ』
軍曹は、顔を俯き、自分を責めて答えた
『いえ、これは私の力が弱かったからの問題です。だから王様は何も関係は無いのです。』
『違う、この巨人をこの国に入れる作戦を作ったのは私だ』
その言葉を聞いた軍隊は、ほとんど絶句して王様を見た
マリも、どういう意味か分からないような顔をして自分の父親の顔を見た
『元々この戦争は、人間発電を失くす事を目的として勃発した者だ。私の国も、ゼルド王国も、マグル王国もな』
僕は、王様が何を言っているのかは分かった。
だが、その意図がよく理解できなかった。
その間にも、巨人が歩いて地震が起こっている
『それじゃぁ、戦争を起こす意味など無かったのではないでしょうか……?』
僕は、王様に質問をした
『いや、これが一番良い方法だ。貴族の者は人間発電が無くてはならない存在だと思い込んでいる。奴隷だって人間なのだ。尊重せねばならん。いや、奴隷制度を失くさなければならない。』
その返事をされた軍曹は、何も言い返す事は出来なかった。
『だから、人間発電で動く化物を作り出し、本当の恐ろしさを私の国とゼルド王国の貴族に教えるには、こうするしかなかったのだ。』
マリは、父親に反発するように答えた
『こんなの間違ってるって分かってるでしょ!?』
『ヴァルチーア、私だってこんな事は望んでいないんだ。だが、人間発電はさらに望んでいない。だから』
王様は、椅子を変形させて多数のムカデの足のような物を出し、巨人の足にその足を一つ一つ食いこませ、
それはまるで寄生虫かのようにひっついていた
『後はこの巨人を処分するだけだ』
王様は、静かに目を閉じた
『パパ………何をするつもり………?』
『時間が無い』
王様は、今度は静かに目を開けて、僕の方を見た。
そして、僕の顔を見て微笑んだ
『霖之助、私は馬鹿だ。だから私の娘も馬鹿で我がままだ。』
そして、次に軍曹の目を見た。
軍曹は、何かが通じたのか、泣きそうな顔で王様に敬礼をした
そして、王様はまた僕の顔を見た
『だから、霖之助。可愛い娘を悲しませるなよ。守ってくれ。よろしくお願いな』
瞬間、大きな光が僕たちを包んだ。
同時に強風が僕たちに襲いかかった。
マリは、絶対離さないかのように僕の袖を絶対に話さなかった。
風が止んだ瞬間、巨人のうめき声が聞こえた。
目を開けると、そこにはもう王様は居なかった
残っていたのは、血と肉片だけだ。
マリは、その光景を見て絶句している。
そして、次第に声を取り戻していった
『いっ………嫌………いや………』
そして、巨人のうめき声と共に大声で泣き叫んだ。
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!』
『香霖!!』
魔理沙が指を指す方に、巨人の肉がえぐれた傷があった。
それは骨にまで達していて、骨にまで穴が空いていた。
その骨の中に、はしごの階段があるのだ。そうだ、あの巨人は作られた者だ。それを見て僕は一つの光が見えた
あの中に、巨人の弱点がある
『魔理沙!!霊夢!!』
二人も、それに確信したようであり、全速力で巨人の骨の傷にまで急いだ
『マリ!!』
そして、僕はマリの手を握り、一緒に行くぞと急いだ。
マリは、正気を取り戻すと、その巨人の傷の方まで走って行った。
軍曹も、一緒について行くようだ。僕の後についてきてる。
だが、回復するスピードが早い。これでは間にあわないかもしれないのだ。
いや、それは絶対にあってはならない。僕はそう決めて全力で走った。
その時、後ろで誰かに押された。
軍曹だ。
『早く走れ!!王様の命令だろ!!!』
軍曹は走るのが早いらしく、僕の全速力よりも速いスピードで前に進めた。
そして、その骨の傷まで辿り着いた時、それはもう普通に入っては中に入れないまでの大きさになっていた。
僕は、脚に力を入れて、そして跳んで、その骨の中に入ろうとした。
だが、少し遅かったようだ。骨の回復で僕の足が斬り落とされようとしていた。
マリは、もう全身が中に入っていたので、心配はいらなかった。
だが、僕の足は終わりだ。そう思った時
誰かが、僕の足をおして、全身が巨人の体の中に入った。
僕の足を押してくれた手は、回復した骨によって斬り落とされた。
その腕は、サイボーグの腕だった。
完全に体の中に閉じ込められた時、中には、狭い空間とはしごしか無かった
瞬間、この部屋が急に激しく揺れ出した。
僕たちは、その反動でひっくり返ってしまった。
『うわぁ!!』
僕は頭を打った。他の皆もいろんな所をぶつけたようだ。
巨人が歩きだしたのだ。このままではまずい。早く弱点を探さなければいけなかった。
とにかく、僕たちはこのはしごを登り始めることにした。
大きな揺れが一定の間隔で起こり、非常に登りにくかったが、それはしょうがない。
その時は、ぶん投げられないように、じっとはしごにしがみつくしかなかった。
『登れ!!登れ!!』
そして、急いで、そして確実に上に登り終わった後、急に広い所に出た。
今度は階段だ。普通の、手を使わない階段
それが、延々と続いていた。
『これを登るのか………』
魔理沙が、不満のように呟いた。
それはそうだ。一定に揺れるこの時に、むやみに空も飛べない上に登りにくい。
壁が、一定の間隔で動いていた。それはまるで心臓に一定の期間に血液を送られるように。
まるで、本当に生きているようだった。
『行くしかないだろ』
僕は皆にそう告げて、上まで目指す事に目標を立てた。
『軍曹!!ここにゼブラ王国のサイボーグが居ます!!』
俺はその言葉を耳にした時、攻撃態勢に入った。
『分かった!!すぐに行く!!』
片腕を失った今、片手銃しか使えないが、武器がないよりはマシだ。
これから、また戦闘に入るかと思ったが、何かおかしかった。
ゼルド王国のサイボーグ達は、全員その場に座っているのだ。
『何をやっている?』
俺はそいつらに質問すると、ゼルド王国のサイボーグ達は生気の無い声で答えた
『もう良いんです。私達は負けました。ご主人様を失い。もう生きる価値もないのです。ですから、もう良いのです。』
それは、まるで主人を失った犬が絶望したかのようだった。
その言葉を聞いた時、俺はそいつらがもう敵ではない事を認識した
『軍曹!どうなさいますか!?』
俺は、部下全員に支持をした
『確保した民間人と共に、シェルターに連れて行け』
『えっ!?』
『良いから連れて行け!!こいつらにはまだ聞くことだってあるからな!!』
俺がそう言った後、全員、俺の言葉を信じてくれた。
『イエッサー!!』
俺たちは、ゼルド王国のサイボーグを全員連れていくことにした。
『貴方の行動意味が分かりません。私達は敵です。その敵が戦意喪失している時に、この危険な状況で殺さず、助けようと思うなど』
皆、泣きだす者も居れば、冷静に疑問をぶつける奴も居た
『うるせぇぞ!!ドタマぶッ飛ばされたく無かったら黙ってろ!!いや、もう何聞かれても何も言わねえぞ!!』
その時、しばらく黙ったかと思えば、
肩に手を回し、落ちない様に、俺に頼るかのように、彼女は俺にしがみついた。
僕たちは、どんどんと上に上に登って行った。
途中、大きな揺れがあって魔理沙や霊夢は下に転がり落ちる時があったが、
その時は、時間を取り戻そうとしようと、全力で階段を駆け上って行った。
体中傷だらけで、血まみれになろうとも、揺れてまた落ちようとなろうとも、僕たちはどんどん上へと確実に登って行った。
『おい!!頂上が見えたぞ!!』
魔理沙が指差した方向には、大きな扉が一つあった。
ようやく、ここまで来たのだ。
魔理沙と霊夢が、一番体力を削ったはずなのに、その時は誰よりも早く頂上に辿り着いた
そして、扉に鍵がかかっていようとお構い無しに扉をぶっ壊した。
僕たちも頂上に辿り着くと、壊れた扉の奥からその部屋の中が見えた。
その中は、一つの大きなキーボードのような物と、巨人の視点と思われるモニターがそこに存在した
『なんだよ……………これ……………』
僕たちはそのモニターの前まで来ると、待っていたかのように、画面の中にまた画面が現れた
『なんだ?』
その画面には、何か図式のような物が書かかれていた。数学なら。僕は得意じゃない訳じゃ無いので解けそうだったが、
一つ難点があった
『どこの国の言葉だ……これ………』
数式が、ほとんどどこの国が書いたのか分からないような文字で書かれているのだ。
こんな物、解けるはずが無い。
『紫………!!てめぇ何がやりてえんだ………!!』
魔理沙が、悔しそうに、その場で崩れてしまった。
だが、マリだけがその場で冷静だった。
そして、前に出て目の前のキーボードを叩いた。
『マリ?ちょっとマリ?』
霊夢が彼女に質問しているが、マリは何も答えない。
画面を見ると、画面の中の文字が動いている。
いや、消えているのだ。そして最後には、全て無くなってしまた。
その後、その画面は形を変えて、その中に言葉が入っていた
≪右脚が、壊死されました≫
『!!』
魔理沙と霊夢が驚いた様子だ
『マリ………お前………』
褒め言葉を出そうと思った瞬間、部屋が右に傾いた
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
この部屋にいる全員、右の壁に叩きつけられた。
重力が右に変わったかのようだった。いや、巨人の右脚が無くなり、右を支える脚が無くなったからバランスを崩したのだ。
視点画面を見ても、右斜めに傾いている。
巨人は今、確実に大きなダメージを受けている。ここに弱点はあった
しだいに、バランスがとれたようで、マリはキーボードに再び向かった
『マリ、お前って………』
マリは、キーボードを打ちながら僕の方を見て微笑んだ
『私、ずっと勉強させられていたから、特にあのジジイ大臣から人間発電について教えらえたの。』
画面の中の数字が、どんどん減っている。
『だから、人間発電の原理や必要な知識は皆知ってるの。』
文字が全て無くなった時、また言葉が画面から出てきた
≪左脚が、壊死されました≫
その時、今度は大きな地震があった。左に傾きはしなかったが、
今度は重力が前に変わった。僕はなんとか、キーボードのすぐ後ろの柵に捕まり、叩きつけられる事は無かった。
魔理沙と霊夢は画面の方に叩きつけられた
だが、すぐに重力は元に戻り、元の場所にまた戻った。
視点画面を見ると、巨人は足を失った今、手で移動をしているようだ。
それでもまだ、人間を食べては繰り返している。
『マリ!!早く続きを!!』
画面には、また訳の分からない数式が並べらえた
だが、その存在を許さないかのように、マリはその数式をものすごいスピードで消滅させていった。
≪右腕が、壊死されました。≫
画面に映っていた右腕が、どんどん黒く変色し、そして黒い砂になって空に舞っていく姿が見えた。
その時、巨人のうめき声がここまで響いた。
その瞬間、また数式が画面に並べられ、存在した。
『しつこいよ!!勉強は嫌いなの!!』
マリは、それでも全力で数式を解いた。40行にも渡る数式が、11歳の少女によって10秒で解かれた
≪左腕が、壊死されました≫
画面に映った左腕が、灰となって空に散った。
これで、巨人はだるまになった。
『おそらく、次が最後だろう。』
魔理沙が、目を生き生きさせてマリを褒めた
『お前ってすごかったんだな!!さすが王族の娘!!』
しかし、マリは何も嬉しくなさそうだった
『当然よ!私はこーりんのために動いてるんだから!!』
魔理沙は、褒めた事を後悔したような顔になった
そして、最後の画面が現れた。
『マリ!!これで最後だ!!』
だが、マリはその数式を見た瞬間、急に顔が青ざめていった
しばらくして、体がガクガクと震えだした
『どうした?』
その後、マリは信じられない言葉を発した
『わっ…………分からない…………』
魔理沙と霊夢は、驚きの様子を隠せなかった
『分からないって………お前…………』
最後の数式は、2行とない数式だった。
他の数式と比べると、あまりに量が少なく、簡単なように見えた
『おい!!じゃぁどうすんだよ!!このままじゃやべえんじゃねえの!?』
『マリ、この問題は本当に分かんないのか?何か知っている事は無いのか!?』
僕は、マリにそう伝えると、マリは震えながら答えた。
『こーりん………これは選択問題なの………。2択の』
巨人がだるまになって倒れている所、誰もそこに近づく者は居なかった。
その不気味な姿は、誰も近寄りがたいオーラをまとっているようにも見えたからだ。
サイボーグ軍隊も、今はゼルド王国の救助に必死で、ここまで来れていない。
そうだ、奴は絶対此処に居る。
わしの恐ろしさを見せてやる。誰も助け何か来ない。
姫様からあの害虫男を引き剥がせるのは、このわしだけだ。
王国の恐ろしさを、共和国では見られない残酷な物を、体験させてやる。
駆除だ。駆除だ。
わしは武器を隠し、中に入って行った。
『二択ぅ!?だったら楽勝じゃねえか!!』
魔理沙が激高して叫んだ
確かにその通りなのだが、これはそんな場合じゃない。
一歩間違えればとんでもない事になりかねないのだ。
それも二分の一。
未来の紫の考えている事だ。何かとても嫌な予感がする
『なんて問題なんだ?』
僕がマリに質問すると、マリは震えながら答えた
『………ヴァガル、オンルとして、バットウィークの引き算は、マルマスですが、ワットを使うと壊れてしまいます。
さて、バガラルアールは一体どちらでしょうか。A、シェイサー B、ブルダース』
僕はほとんど言葉を出せなかった。だから返事ができなかった
『…………何語?』
魔理沙が頭を抱えているとき、霊夢は一つ思いついたようだ
『ねぇ、手足全て無くなってるんだから、動けないしこれで終わりでいいんじゃない?』
そう言った後、視点画面を見た時、画面に赤い何かが伸びている
その赤い何かが、民間人を包み、そしてそれを視点画面の目の前まで持ってきた。その後、
叫び声と目の前には血と肉片が散らばった
『……やべえぞ、早く終わらせねえと!!!!』
魔理沙がせかすが、マリは慌てて泣きだしてしまった
『でも!!でもAかBかなんてどっちか分かんないよ!!』
その時、後ろから声が聞こえた
『Bのブルダースです!!』
後ろを振り向くと、そこには大臣が立っていた
『………。本当にBで正しいのか?』
僕が質問すると、大臣は何も言わなかった
だが、いまいちこいつは信用できなかった。だが、
今は信用してもいいかもしれない。姫や、僕以外の者の命や国の命までかかっているのだから
『わかった。Bね!!』
マリがそう言って、Bの方に選択した。
瞬間、画面が真っ赤になった
『な………何よコレ………』
その後、急に床が無くなった。
『うわぁああああ!!!』
マリは、キーボードの前に居たので落ちる事は無かったが、僕と大臣は床の真ん中に居たので落ちようとしていた
『香霖!!!』
魔理沙は、すぐに飛んで僕と手を繋いだ。
大臣が、僕の左脚にしがみついている
下を見ると、そこには見覚えのある機械があった。
そうだ、人間発電の口だ
落ちたら、僕は人間発電の生け贄になってしまうだろう
『おい!!てめぇどういうつもりだぁ!!!』
絶望的だった。目の前の画面に幾つもの画面が現れ、最悪の言葉が連なっていた
≪右腕、回復中≫
≪左腕、回復中≫
≪右脚、回復中≫
≪左脚、回復中≫
壊死したはずの部位が、回復しつつあるのだ。
『ジイ!!なんで嘘を教えたんだよ!!もう壊死ツールが開かなくなっちゃったじゃない!!』
言葉は分からない文字だったが、意味は分かった
もう、あの画面は出てこないのだ。あの数式が
壊死ができなくなったのだ。
画面に出てきたのは、何も書かれていない、文字を打つ為の画面だった。
『おいこらジジイ!!!お前何をしたか分かってるのか!?お前のせいで皆死んじゃうかもしれないんだぞ!!』
大臣は、ようやく口を開いた
『この巨人を殺してはなりません!!この巨人こそ人間発電の象徴とも言える素晴らしいサイボーグなんですぞ!!』
『死ぬんだぞ!?てめえの国の人間が皆死んじまうんだぞ!!!!』
『何を言う。人間発電の素晴らしさが伝えられるから、多少の犠牲はしょうがない。この巨人は、ずっと残していかなければいけない代物なのですぞ!!』
大臣の言っている事が信じられなかった。
この巨人を素晴らしいと言えるのか。この老害は
『時に美しい魔女よ。その手を離してくれ』
『ざっけんな!!絶対離さねぇ!!』
『いやいや、離さなければいけないんです、その空を飛ぶ能力もいつか限界がくるのでしょう?その時は貴方も死んでしまうのですぞ?この男は私が殺したいのだ。貴方の助かるし私も満足して逝ける。素晴らしい事ではないですか。』
『ふざけんじゃないわよこの老害がぁぁぁ!!霖之助さんは絶対に死なせないわよ!!貴方が手を離しなさいよ!!』
『離さん。わしは絶対に離さんぞ!!』
こうしている間にも、下の人間発電が僕たちを待つかのように刃がぐるぐると回っている
早く食べ物を食べたいかのようにぐるぐると回っている。
『どうしよう……!!全ての部位が回復しちゃった………』
その時、巨人は立ちあがったようだ。部屋の重力が前に倒れ、そして次第に元に戻ったのだ。
『ねぇマリ!!その画面に文字を打って人間発電を壊す事はできないの!?』
『できないよ!!人間発電を壊すには元にあった画面の文字を解体しなくちゃ壊せないんだから!!!』
その時、僕は一つの案を出した
『ならば、この機械の動きを少しだけでも遅くする事はできないか?』
その言葉を出した後、大臣は目を見開き、僕の案に気付いたかのように息を少し吸い込んだ
『それなら………できるよ。文字を打って送れば良いんだもん。』
『よし。じゃぁ頼む』
マリは、カタカタとキーボードで文字を打ち始めた。
画面に、すぐに文字が埋まって行く。そして上の文字がどんどん隠れて見えなくなっていく。
『やめるんじゃ!!姫様!!』
大臣は、焦るように吠えた。
『姫様!!ヴァンツ王国の王族が、ヴァンツ王国の象徴である人間発電を壊したら、王族の威厳に関わりますぞ!人間発電がもう二度と使われなくなりますぞ!!この国は、他の国をまとめ上げる事ができなくなってしまいますぞぉ!!!』
マリは、全ての文字を打ち終わったようだ。
だが、送るキーを押そうとはしなかった。いや、
正しくは、大臣の言葉を聞いて動きが止まったのが正しい。
その後、繰り返すかのようにマリは呟いた
『人間発電?王族の威厳?人間発電流用?私の国が、他の国をまとめあげる……………?』
しばらく黙ったと思った後、マリはキーボードでは無い余白の部分を叩き、
そして指を決定キーの上に振りあげた
『そんなもの糞食らえじゃボケェェェェエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!』
思いっきり、決定キーを押した。
その後、画面に文字が現れた
≪巨人が、30秒間の麻痺状態に陥りました≫
瞬間、部屋の揺れが嘘のように治まった。
下の人間発電も、信じられないほどゆっくりに動いている
『よし、魔理沙、手を離してくれ』
大臣は、僕の左脚を引っかくように攻撃していた
『だっ駄目じゃ!!絶対に離すな!!!』
魔理沙は、ただ僕の目を見ずに俯いたままだった。
『香霖…………』
魔理沙の僕を掴んでいた手が、より一層強くなった。
『死んだら絶対許さねえからなぁ!!てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!』
そして、人間発電の方向に思いっきりぶん投げた。
大臣の手も、僕の脚から離れてくれた
大臣は、叫んでいる
僕は落ちている最中、すぐに草薙の剣を引き抜いた。
そして、人間発電に向かって一閃した。
その時、大臣は人間発電から外れて下に落ちていった。
草薙の剣の攻撃を食らった人間発電の刃は、バラバラになって大きな穴が空いた
その中に、小さな中心核があった。
僕は、その中心核に攻撃する体制をして、草薙の剣の柄を両手で振りあげた。
『行けぇぇぇええええええええええええ!!!!』
三人娘の声が、重なった
そして、草薙の剣は見事に中心核に突き刺さった。
瞬間、僕は大きな光に包まれた。
それは、ちょっと暑いくらいで全く僕に害を及ばなかった。
肉眼で見ていたら、失明している程大きな光だった。
そして、しばらくして光が消えた
三人は、絶句しながら僕の方を見ていた。
そして、次第に画面の方を見た。
画面は、真っ黒になっていた
まるで電池が無くなったかのように、真っ暗に。
そして、一つの画面が文字を表示した
≪巨人は、死亡しました≫
瞬間、かつてない大きな揺れが部屋をおそった。
巨人が、倒れたのだ。
部屋は、右の壁に重力に向けて、静まった。
落ちてきた人間発電の方も、床が壁になって壁が床になった。
しばらく、僕たちは言葉を出せなかった。
『………………終わった?』
霊夢が、一番初めに声を出した。
その後、マリは徐々に叫ぶかのように、小さい声から声を出していた。
『ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ………あああああああああああああ!!!!』
マリは僕の方を向くと、人間発電の方に向かって床となった壁を走ってきた。
『こーりん!!こ――――りぃぃぃぃぃん!!!』
マリは、僕の体に飛んで、ぎゅっと抱きしめてきた。
『あはははは!!やったな!!香霖!!』
『霖之助さん!!』
霊夢も魔理沙も、満面の笑みで僕の元に駆け寄ってきた。
『倒した!!巨人を倒したんだ!!!やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
少女三人は、駆け回るように喜んでいた。
『こーりん!!私約束するよ!!人間発電を全て廃止にして、奴隷さんも皆居なくして、皆、皆仲良く一緒で平和な国を作るよ!!』
マリは、満面の笑みで僕と約束をした
『こーりんも、手伝ってくれるよね!!』
返しに困る質問をされた。
だが、この質問にも魔理沙と霊夢は笑って
『まだ結婚を認めた訳じゃねえぞ!私達は!!』
と答えた。
しばらく、三人とも笑っていた。それをみて僕も、次第に顔が笑顔になっていった。
そして、しばらく4人で笑っていた。
だが、向こうに見える画面がまた赤く光ったのだ。
それを見て、僕はまた笑みを失くした
『ん?どうしたんだ香霖』
魔理沙、霊夢、マリも振り向き、その画面を見た
画面には、信じられない文字が書かれていた
≪自爆装置起動まで、残り2分≫
全員の笑い声が、止んだ
『なんだよ…………これ…………』
残り2分から、カウントダウンが始まった
残り、1分59秒
『おい待てよふざけんなよお前!!!』
僕は、今すぐ此処の人間発言の部屋から逃げようとした。
幸い、人間発電のある場所は口の中の為、目の前に口の入口があるのだ。
『おい!!早く逃げるぞ!!』
魔理沙と霊夢が、一生懸命に口を開けようとしている。
だが、重すぎるのかなかなか開かなかった
『何やってるんだよ!!早く開けてよ!!』
『うるせぇよ!!ものすごく重いんだよこれ!!』
また、草薙の剣を使わなければいけないようだ。
僕は、魔理沙と霊夢にどいてくれと命令しようとした瞬間、
腹に何か刃物が貫かれた。
それは、前を見ても分かるかのように刃が僕の腹から突き出ていた
『こー………りん………?』
少女三人組は、後にすぐ叫んだ。
『だっ……誰だ!!誰だよおい!!誰だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
人間発電の向こうの闇から、誰かが来る
『お前………か………』
血まみれの大臣がこちらまで歩いてきた
『ジイ………………』
マリは、歯を食いしばった後、反動したかのように大声を上げた
『もう終わりだよ!!巨人も死んだ!!あとは巨人が自爆されるんだ!!いい加減にしろよ!!いい加減にしてよぉ!!』
大臣は、血だまりを吐いた後、言葉を発した
『お前のせいじゃ。全てお前のせいじゃ霖之助ぇ…………ぇぇぇぇぇぁぁぁああああああああああああ!!!』
大臣が、僕に襲いかかってきた、
草薙の剣が、向こうにはじき出された
魔理沙がそれを握り、大臣に攻撃しようとするが、全く効果が無い。
『くそっ!!くそっ!!なんでだ!!』
大臣は、僕を押し倒し首を絞めた
『お前のせいじゃ!!お前のせいで姫様は!!王様は!!人間発電はああああああああああああああああ!!!』
まるで、全てを吹っ切れているかのようだった。
霊夢や魔理沙が大臣に攻撃しようと近づいたが、大臣がまた刃物を取りだした。
これでうかつに、二人は近づけなくなった
『姫様!!そして貴方達はお逃げください!!こいつは!!こいつは私が殺させてもらいますから!!!』
『やめろ!!ジジイ!!!』
マリが、激高する
そして、大臣が叫んで僕に刃物を振り落そうとした。
僕は、とっさに腰の中の武器を取りだした。
パン!!
乾いた音が部屋に響き渡った。
大臣の半分の頭が、無くなっていた。
軍曹に貰ったハンドガン、僕はそれを両手で握っていた。
大臣は、僕から離れるように倒れていった。
『こーりん!!』
マリが、僕の元に近寄る。
霊夢も魔理沙も、心配して僕の元に近づいてきた。
胸に刺さった刀とハンドガンをそこに捨てて、僕は彼女らに言った
『僕は、なんとか大丈夫だ。それより急ごう。もうすぐ爆発する』
僕は、草薙の剣を拾って口に向かって一閃した。
口が開き、そこの入口が出来た
『行こう。』
僕は彼女らにそう伝えると、マリは僕の手を繋いで一緒に走った。
その時、乾いた大きな音が響いた
その時、僕は何か嫌な予感がした
僕は、全くダメージを受けて居ないのである。
魔理沙と霊夢は、僕たちの方を見て驚いている
マリを見ると、マリの胸が赤く染まっている
後ろを振り向くと、大臣がハンドガンを握っていた。
大臣の半分しか無い顔は、心底悔しそうな顔、そして絶望した顔、そして僕に対する恨みの顔で僕に睨みつけて言った
『貴様が殺した!!貴様のせいだ!!貴様のせいで姫様を徐々に殺していったんだ!!そして結果がこうなったのだぁぁ!!』
僕は、草薙の剣をそのジジイに向けて一閃した。
そのジジイは、『じゃからがばあああああああああ!!』と、僕に対する恨みと悔しさの絶叫をして、
すぐにバラバラになり、肉片と骨だけになった。
僕は正気に戻った後、マリの方を見た
マリは、息をするのも辛そうにして倒れ込んでいた
『マリ………』
『お願い、触らないで………』
もう自爆まで時間が無い。
この状態では、彼女は歩くのは無理だった。
『こーりん………私は間にあわないね。ごめんね。約束、守れないね。』
彼女の胸から、どんどん血が流れてきた。
『ごめんね………。こーりん………ごめんねぇ………!!』
マリは、泣き声になってしまい、涙を流しながら僕に謝罪した。
僕は、マリの脚と背中に手を通し、現に言うお姫様だっこをした。
マリは、また泣きそうな声で悲しそうな声で、僕に言葉を送った
『こーりん………私なんか背負ったら、間にあわなくて死んじゃうかもしれないんだよ……?だからね、もう
良いの……私は……もう人殺しの国の姫なんだから………。』
マリは、僕の胸を押して、僕の手から抜け出そうとした
『だから………私を置いて行って………。ね?』
僕は、マリを抱えたまま走り出した。
『何を言ってるんだ?そんな事するわけないだろう。君は僕の嫁なんだから』
僕は、さりげなく言った。その後、マリは驚いた顔になった
『……こーりん……?』
マリは、さらに泣いて、ぐずんだ声になった
『でも………こーりんから見たら私子供なんだよ…?私は我がままを押し通そうとしたんだよ?ねぇ?……こーりん』
僕は、彼女の話をよく聞いた。そして返答した
『僕は、嫌いな奴を嫁になんか絶対にしないね』
そう言った後、マリは涙をずっと、静かに流した
そして、僕を押しのけていた手は、ぎゅっとしがみつく手に変わっていた。
魔理沙と霊夢は、こっちを見ては居なかった。
ただ、前を見て寂しそうな声をしていた。
そして、しがみついていた手は、次第に弱くなっていった。
『マリ?』
しがみついていた手は、力を完全に失くすと、だらんと下に垂れてしまった
首も、重力に従うように下に垂れて下がった
『おい霖之助!!こっちだ!!シェルターだ!!』
僕は、一人の人間を持っている為、早く走る事ができない。
だが、魔理沙と霊夢はすぐにその地下シェルターの入口に入った
『こーりん!!早くしろ!!』
後ろの、巨人の方から数字が聞こえた
≪5≫
『霖之助!!早く来い!!』
≪4≫
『香霖!!早く!!飛びこめぇぇ!!』
≪3≫
もう、これは間にあわないだろう。
≪2≫
『軍曹!!』
僕は、軍曹に呼びかけ、マリを地下シェルターまで投げ込んだ。
軍曹は、上手くキャッチしてくれた
≪1≫
『香霖――――!!』
『霖之助さん!!』
『霖之助ぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!』
扉が、完全に閉まった
≪0≫
大きな光が、僕を包んだ。
そして、大きな音が響いたが、途中で全く聞こえなくなった。
聞こえなくなった後、今度は爆風が僕を包んだ
そして、次第に熱が僕を襲ってくる
ああ、僕はもうすぐ死ぬんだ
天国では、マリに出会えなければ良いけどな。
魔理沙と、霊夢にも当分会えなくても良い、
だから、元気で
僕は、立ったまま目を閉じて、襲ってくる熱をじっと待った。
目を開けると、僕は真っ暗な場所に立っていた。
周りを見渡しても、黒い物しか無い。
『霖之助さん』
目の前には、紫が立っていた。
僕は、それを見て天国だと確信した
『霖之助さん、具合はどうかしら?』
『最悪だよ、なにせ死んでしまったのだからね』
それを聞いた紫は、くすくす笑った
『何を言ってるの?霖之助さん』
『からかっても無駄さ。君の作った巨人のせいで、最初に君が食べらえて最後には爆発して僕はそれに巻き込まれたんだ。』
紫は、未だにくすくす笑うのを止めない
『それは未来の私の事かしら?タンスの中につながっていたのはやっぱり未来だったのね。』
それを聞いた時、僕は一つだけあやふやな答えが見つかった
『君は、僕たちの世界の紫か?』
そう言うと、紫は笑顔で答えた。
『ええ。なかなか寝付けなかったから香霖堂に遊びに来た時に、妙なタンスを見つけてしまいましてね。』
つまり、この女は不法侵入したと言う事か。
『出て来ようにも、ちょっと出にくい状況でしたしね、ちょっと高見の見物をしていたのよ。』
『いつから見ていた?』
『貴方が戦争をしていた所まで。かっこ良かったわよ。思わず写真に撮っちゃったわ。』
僕は、溜息を吐いた後、紫に頼みごとをした
『分かった。もう分かったからさっきの場所に返してくれ』
『あら?助けてあげたのにそんな態度をとるのですか?』
『いいから早く』
そう言った時、紫は少し寂しそうな声を出した
『冷たいのね』
そして、目の前のスキマに光が差し込んだ
『ところで、あの少女に言った嫁にするって話、あれ本気じゃないわよね。』
僕は、その質問には答えなかった。
そこには、ほとんどが崩壊していた街があった。
サイボーグ軍隊達が、街の復興するために大工仕事をしていた。
ゼルド王国のサイボーグも、何故か手伝っていた
僕は、あの人を探す為にキョロキョロと辺りを見渡した
そして、軍曹と目が合い、軍曹は驚いた顔で僕の元に駆け寄ってきた
『霖之助!!』
僕のすぐそばに来た後、微笑みを表情に出して、僕の背中を叩いた
『お前、生きてたんだな!!やっぱり死ぬはずねえな!!お前が!!』
『心配してくれて、ありがとうございます。』
『心配なんてしてねえよ。信じてたんだからよぉ。ははは』
そして、紫の方を見た時は少し驚いていた
『あっ。マグル共和国の紫首相………』
僕は、軍曹に少ないが、説明した
『いや、首相になる前の紫さんだ、つまり過去の紫だ』
『ああ、そうか。アンタの作っていった国は最高だったぞ。』
軍曹は、握手をしようとしたが、紫は僕の手を握った
どういうつもりか、全く分からないが。
『モリア軍曹様』
ゼルド王国のサイボーグが、軍曹に話しかけてきた
『どうした、仕事は終わったのか?』
『はい。ナゴル家の復旧、マウスタワーの復旧は終了いたしました。』
軍曹は、それを聞くと安心してゼルド王国のサイボーグの頭を撫でた
『そうか、御苦労さま』
ゼルド王国のサイボーグは、撫でられているとき、顔が徐々に赤くなっていった
その後、ゼルド王国のサイボーグが言葉を送った。
『モリア軍曹様。私は今、ご主人様が居ない事はご存知致しますか。』
『ああ。昨日聞いたな。』
真剣な顔で、真剣に質問をしていた
『ですから、今日からモリア軍曹が私達のご主人様になってくれないでしょうか。私達は、貴方の為に働きたいのです。』
軍曹は、ものすごく露骨に嫌そうな顔をした。
そしてしばらく考えた後、口を開いて返事をした
『お前たちにご主人様なんて本当は要らないんだ。俺たちにだって居ねぇぞ。俺は国様の為にも王様の為にも働いちゃいねぇ。俺達は
サイボーグだ。心があれば感情だってある。だから夢とか目標ができる。それで生きてんだよ』
『目標………夢………』
『俺だってお前らのご主人様って柄じゃねえし、なりたくもねえ。お前らは、お前らで好きに生きればいいんだよ』
その言葉を聞いた後、ゼルド王国のサイボーグは、無表情だった顔が、口元だけだが急に笑顔に変わった。
『それじゃぁ、私の目的の為に、今から貴方にお弁当を作ります。』
ゼルド王国のサイボーグは、どこか遠くに走って行った
『そんなもん良いから、働け――――――!!!』
だが、何も聞かずにどこか行ってしまった。
そして、軍曹は僕に話を戻した。
『なあ霖之助』
僕は、軍曹の話を真剣に聞いた
『この国、もう王様が居なくなったけど、心配すんな。ここから俺達が国を作って行くからよぉ。』
姫だった者が、虚ろな目でずっと自分の手を見ていた。
その隣には、俯きながら暗い表情で椅子に座っている魔理沙と霊夢が居た。
『なぁ、マリ。』
魔理沙が、口を開かせた
『香霖……絶対に生きるからよ。あいつが死ぬはず無えんだ。だからどこかできっと寝ているに違いねえさ。』
霊夢と魔理沙が立ちあがり、姫に約束をした
『今から、霖之助さんを探しに行くわ。何日経っても、何年経っても、絶対に霖之助さんをこの部屋まで連れてくるから。今度来る時は、
霖之助さんと一緒だから!!』
僕は、二人の後ろに立って質問をした
『誰を探しに行くんだい?』
『言っただろ!!香霖だって!!あいつは絶対どこかで生き……て……い…………』
僕の姿を見て、二人は言葉を失っていた
そして、涙目になりながら、ふるふると震えていた
『うわぁあああああああああああああああああああああああん!!!』
二人は、泣きながら僕にしがみついてきた。
二人の涙と鼻水が、僕の服をどんどん濡らしている。
『馬鹿野郎!!馬鹿野郎!!糞香霖!!!』
魔理沙と霊夢は、じっとしがみついてずっと泣き続けていた。
だが、僕は違和感があった。
マリは、こちらを見てもくれないのだ
『マリ?おいマリ?』
話しかけても、返事もしなかった。
次第に、魔理沙が泣き止むと、魔理沙は答えた
『………あいつ、一回死んだんだよ』
それを聞いた時、僕は驚きを隠せなかった。
『そんで、一度生き返らせるとき、生き返ったら、もう全ての記憶がなくなるって………もう何も覚えていない、真っ白な状態だって……』
マリは、こっちは向かない。見向きもしない。
僕の事を、何も知らないのだ。
僕の事を、好きになった事も、僕が、君をお嫁さんにする事も…………。
僕は、マリの寝ている宙に浮くベッドにまで近づくと、マリはこちらを向いた。
だが、それは初めて見る物を興味深そうに見る目だった。
『マリ………』
その後、魔理沙が手を振った
『ほら、お前の好きだった香霖だぞ。お前の旦那さんだぞ』
ずっと、ずっと同じような事を言っていたが、次第に魔理沙は泣きだしてしまった。
それは、何も思いだしてくれないショックからか、はたまたは別の物か……
魔理沙は、もうその言葉を言いたくない様子だった。
『もう、思い出さなくても良い。思いださなくても良いから。』
僕は、そう言ってマリの頭を撫でた。
その後、マリの顔がほっこりと笑顔になった。
手を離した後、腰につけていた鞘に入った草薙の剣を彼女に渡した。
霊夢と魔理沙は、驚いたようにその剣を見た
『あげるよ。』
僕は、そう言い残して剣を彼女に手渡した。
彼女は、嬉しそうにその剣を撫でるように触った。
これが、僕に出来る最大の事だから。
きっと、剣は彼女を持ち主に選ぶだろう。
だから、その時は………。
『香霖…………』
魔理沙は、寂しい声で僕に話しかけた
その後、急に視界が白くなった。
まるで、優しい陽の光に包まれるかのように。
部屋の鏡を見ると、僕たちはどうやら透けているようだ。
マリは、透けている僕たちの方を見て、少し寂しそうな顔をしていた。
『じゃあね。さようなら。』
僕は、彼女に最後の言葉を送った。
そして、光は完全に僕たちを包んだ。
白い光が、急に暗い闇に変わった。
そして、僕たちは狭い空間に入れられていた
『なっなんだよこれ!!』
僕は、なんとか動かせる脚で蹴るように前に伸ばした。
瞬間、壁に脚が突き、扉が開いた。
『ぶはぁぁ!!』
全員、転げ落ちるようにタンスから落ちていった。
『ぬぅわぁ!!寒っ!!!』
そこは、元の時代、冬の幻想郷だ。
『香霖!!ストーブ!!ストーブ!!』
言われなくてもつけるつもりだ。
そして、霊夢は勝手にこたつの電源を付けた
『あっ!!私も私も!!』
まるで、さっきまで未来に居たのを忘れ居るかのようだった。
次第に暖かくなって行く時、ようやく解放したかのように霊夢は口を開いた
『ねぇ霖之助さん、私達の未来って本当にあんな事になるのかしら』
僕は、僕なりの考えで答えた
『おそらく、絶対に来ないだろうね。僕たちがその未来に行った時点で、そこで分岐点が分かれたはずだ。だからおそらく
あんな未来は絶対に来ないだろう。』
『人間発電は、どうするべきなのかしら。』
『それは紫さん。貴方が考える事じゃ無いですか?』
そう言った後、魔理沙はその話に突っ込んだ
『でもさ、未来の世界でさ、あの後どんな国になるか見て見たかったよな。』
その言葉を聞いた時、僕はいつの間にか笑顔になっていた
『きっと、幸せで、自由で、綺麗で、平和で、そして強い国になっているのに違いないさ。』
皆、暖房器具で温まりながら、未来の設計図を語った。
そしていつの間にか、紫と霊夢と魔理沙はぐっすりと幸せそうに眠っていた。
霖之助達が居なくなってから、もう3日が経った。
街の復旧作業も、もう完成間近だった。
『モリア軍曹様。あとはこのパネルはめるだけです。』
そして、ゼルド王国のサイボーグは元城だった建物にパネルをはめ込んだ。
これで、俺達の国は完成した。
周りから、多くの歓喜が飛び交っていた。
奴隷も貴族も、同じ身分になったため、全員が喜び叫んでいた。
『終わったな。』
ゼルド王国のサイボーグは、俺の顔を見て、無表情で手をつないだ
『そう言えばお前の名前を聞いてなかったな、名前は?』
『私の名前は、27号です。』
『27号、それは名前じゃ無くて番号だ。』
そして、しばし悩んだ後、一つの案を考えた
『お前の名前、ニーナでどうだ?27のまんまかもしれないけど』
27号は、その答えに反応を示した
『私の名前は、これからはニーナです。よろしくお願いします。』
ニーナは笑顔で、自己紹介をした。
俺は、病室に居る姫様にお見舞いに行った。
もう記憶が無くなっており、声もほとんど発せない状態らしい。
俺は、そんな姫様を見るのが辛かったが、しょうがなかった。
姫様の手には、霖之助が持っていた剣を握っていた。
それを、まるで大切な人と一緒に居るかのようにずっと撫でている。
これからは、姫様をずっと守って行く必要もある。
もう王族でなかろうと、関係無いのだ。
これから、絶対に誰にも恥じないような、誰もが幸せになるような国を作るのだ。
また霖之助が来た時、喜んでくれるように。
その為には、姫様には幸せになってほしい。
幸せになるように、ずっと守っていかなくてはいけないのだ。
『こう………りん………。こう………りん』
姫様が、言葉を発した。
それは、愛する人の名前だ。
俺は嬉しかった。徐々にだが、姫様は回復に向かっている。
『こうりん………こう……りん………』
姫様は、その剣に一生懸命話しかけている。
その時の姫様の顔は、とても嬉しそうな顔をしていた。
この国の名前は『ヴァンツ共和国』
悪魔のような人間発電を排除した。
闇のような王国は終わった。
それは、一人の英雄の男と一人の姫と二人の少女によって……
これからは『光の都市』として永遠に、伝えられるだろう。
≪完≫
ようやく長い連載が終わりました。
最後まで見て頂き、ありがとうございます。
あと最後がものすんごい長くてごめんなさい。
多分、もう連載物は書きません。死にます。死んじゃいます
前の連載物は、ドクトカゲは『結構面白い』と言ってくれたのですが、
今回の話はまだ見せていないので、少々不安です。
皆さんの感想も、お待ちしています。
そして、またしばらくSSは描かないと思います。こんな長い物を書きあげたので。
またしばらく会えませんが、皆さんお元気でいらしてください。
『では、さようなら。』
ND
- 作品情報
- 作品集:
- 22
- 投稿日時:
- 2010/12/10 08:58:36
- 更新日時:
- 2010/12/10 18:54:45
- 分類
- 霖之助
- 霊夢
- 紫
- 魔理沙
- オリキャラ
- 大長編
- 終
お見事!!
こ〜りんの『剣』は見事にクサれた過去からの因縁を薙ぎ払い、
新たな所有者となった『名君』によって輝ける未来への道を切り拓くでしょう。
軍曹殿は漢らしい振る舞いが幸いして、素晴らしい褒美にありつけましたね!!
王子様、見事な雑魚っぷり!!
大臣のしつこさは何なんですか!?妖怪の血を受け継いでいるのかな?
まあ、望み通りのくたばり方をしてくれたから良しとしましょう。
それでは、素晴らしい作品を披露してくださったNDさんにこの言葉を送りましょう。
『土産話を楽しみにしていますから、早く帰ってきてください』
俺を何回泣かせりゃ気が済むんじゃあああああああ!!!
・・・・明けない夜はない・・・きっと光が包み込んでくれる・・・・・
貴方は天才だ!
ノベル化したら何百万部と売れそうだ………
本当に感動した
それしか言えない
ヨーグルトさんの言うとおりだな。
映画化しろ。
畜生………………。
やはり、この作品が一番最高傑作だな。