慧音「……」中間報告

　　　　　　　　　　　　




　　　　　　　　　　　　　面白くなさについてはあとがきにて謝罪いたします。

















慧音「……ふん……外の世界にも殺さないといけない奴らがいるようだな。
　　　　勘で合ってるやつがいても困るから、過程をしっかりと聞くことにしているが、
　　　　幻想郷だと一人生存か……くっくっくっ……外だと今のところ皆殺しだな……」







　そんなことで、霊夢は柄にもなく焦っていた。
　今のところの被害の状況はこんなところである。
・1日目――霧雨魔理沙
・3日目――火焔猫燐
・5日目――リグル・ナイトバグ
・7日目――魂魄妖夢




例の手紙が届いてから9日、幻想郷は異様な雰囲気に包まれていた。
　そんななか、霊夢は昼ごろ起床した。

「次のターゲットが襲われるのは今日の可能性が高い……だからね。この異様な感じは。」

そんなことを考えていると、またしても向こうのほうから白黒が飛んできた。
それはもうすごい速さで。そういえばこいつも白黒だった。
しかし、ただ向かって来るだけではなく、何か紙のようなものを撒きながら接近してくる。

「号外〜号外〜……あっ、霊夢さん！大変ですよ！」

「今度は誰！？」

「鈴仙・優曇華院・イナバさん、因幡てゐさんです。」

「今回は二人なのね……」

「二人でっていうのが問題なんですよ！ちょっとこれ見てください！」

そういうと、彼女の新聞である、文文。新聞を霊夢によこした。

「え〜〜と……外の世界の動画サイト沸騰。
　松岡修造氏の誕生日……っていつの話してるのよ。」

「なんでそんな裏面の小さい記事から見るんですか！
　普通表面の大きいのを見るでしょ！？殺しますよ！？ふざけてたら！」

「冗談よ、こうでもしないとやってられないわ。（ていうか、何でこんなことを書いてるのよ……）」

そこにはこう書いてあった。

「本日午前5時ごろ、永遠亭にて、鈴仙・優曇華院・因幡氏と、因幡てゐ氏が襲撃された。目撃者の八意永琳氏は、「まず自分が答えを導き出し、それを迷った挙句、鈴仙に伝えた。そのあと鈴仙が答えのヒントをてゐに伝えた直後、二人が襲われた。」と話す。このことからも、答えはおろか、ヒントすらダメだということがわかる。そのうえ、教えた者さえ襲われるともわかる。……」

「うわぁ……」
　
「これは困ったことですね。私も、だれか分かった人がいたら、
　ヒントを聞いて答えに近いものを報道しようと思ってたのですが……はぁ……」

「これはやばいわね……」

「……」

「……」

またもやいつぞやのように沈黙が続いた。
すると、

「文様〜〜」

という声がしたのち、勢いよく階段を上ってきたものがいた。
犬耳としっぽを持った白髪の少女。犬走椛である。それにしても、早苗といい、
山には私の服をパクった様な服装の奴らが多い（脇的な意味で）。

「あら、椛。」

「おいてかないでくださいよ。人が寝てる隙に。」

「いや、昨日の夜、私とあんなことして疲れ切ってるかなと思い……。」

「あんなことってなんですか。誤解されるようなこと言わないでくださいよ！」

「まあまあ。で？椛は一体何の用？永遠亭のことなら文に聞いたけど？」

「いや、私がいつものように見回りをしているとですね、珍しく紫さんがいたんですよ。
なので、何の用事があるのか聞いてみたところ、
　「私の式もまだ解けていない……」とだけ答えて隙間に消えていったんですよ……」

「「！！！！！！！！」」

二人は驚いた。あの八雲藍さえ解けていないというのだ。
まだ襲われていない者にとってこれ以上の絶望はあるだろうか。
まだわずかに希望があるという点では、
「流局寸前に自分がリーチをかけていて、相手が白と中を鳴いている状況で、和了れない発を持ってきた位」
というと、麻雀を打つ者にとってはわかりやすいだろう。
　こうして、椛の情報がこの場の3人を沈めたのちに解散した。
　後から霊夢が知ったことだが、襲われた2人も、前の4人と同じような状態だそうだ。




11日目、A.M.4:00何やら人里が騒がしい。
「か、上白沢さんなんで……うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ……」
「ひぃ……く、来るな……来ないでくれぇ！！！」
「た、頼む！おれはまだ死にたくn……ぎゃああああぁぁぁぁ……！！！」




霊夢は今日7時には起きていた。奇数日目に、襲われるのだろう。薄々、そんな考えが広がりつつあった。
そんな中、

「霊夢！いるか！？」

「霖之助さん！？どうしたの？そんなにあわてて？」

「大変だ！今日の朝早く、人里で大量の被害者が出た！」

「！？」

霊夢が驚いたのも気にせず、霖之助は続ける。

「襲われた人間に偏りはなし。それに……」

「号外――号外――号外ですよ―――！」

「文！」

文がまた、号外を撒いている。

「文〜いったい今度はなんなの〜？」

「あ！霊夢さ〜〜ん！」

文が気付いて飛んでくる。

「大変ですよ、今日の朝早く人里で……」

「もう僕が伝えたよ。」

「あっ、森近さん！どうしてここに？」

「それより、僕はまだ被害について話してないんだ。その新聞に書いてあるかい？」

「もちろんです！これを見てください。」

そういうと、文は彼女の新聞を広げた。

『1か月前の再来。人里での甚大な被害。』
「……人里での被害は総人口の55％にも及び、あまりにも人数が多いため、永遠亭でも受け入れられず、治療を受けられない人が続出している。……」

「ちょっとこれはやばくない！？このままだと死者も出るわよ！？」

「鈴仙さんも倒れてますし……」

「ねえ霖之助さん。何かいい案ないかしら？」

「僕に訊かれても困るね。じゃ、伝えることは伝えたから。ぼくはお暇するよ。」

というなり、霖之助はさっさと帰ってしまった。

「……」

「……」

「これからどうしましょう？」

「どうって言われてもねぇ……」

「考えても全然わからないんですよ。こういうのは苦手でして……」

「……」

藍でさえ解けないものを、自分たちで解けるのだろうか？
そんな疑問が頭に浮かぶ。
しかしあきらめるわけにはいかない。
こうなってしまっては、死ぬ確率は、40どころじゃないはずだから……




ここからの被害も容赦のないものだった。

13日目。東風谷早苗
15日目。寅丸星
17日目。十六夜咲夜


「咲夜までやられたの？」

「時止めの能力で、少し躱せて、ダメージが少なかったようで。意識がすぐに戻ったそうです。
　しかし、咲夜さんによれば、そんな中でも動いてきたそうですよ……」

「深刻ね……」

「咲夜さんが言うには、慧音さん、ものすごい形相だったそうですよ。」

「ていうか、咲夜の能力をものともしないってのもすごい話ね。」

「確かに」

「あんたでも、逃げ切るのは無理そうね。」

「いやぁ、私は幻想郷最速ですから。逃げ切ってやりますよ。」


19日目。チルノ、大妖精
21日目。多々良小傘
23日目。ミスティア・ローレライ
25日目。鍵山雛
27日目。水橋パルスィ
29日目。ルーミア
31日目。秋静葉
33日目。レティ・ホワイトロック
35日目。秋穣子
37日目。ナズーリン
39日目。黒谷ヤマメ
41日目。キスメ
43日目。アリス・マーガトロイド


「1面2面が全員襲われたんだ……」

「43日目にアリスさんに移ってますしね？」

「……」

「……」



9日目の時のとある場所

「藍！まだ解けないの！？」

「も、申し訳ありません。ですが……」

「もー。主の危機が迫ってるってのに……」

「……」

「いいわ、藍。家事はしなくていいから、部屋にこもりきりで考えてなさい。
　わかったらすぐ教えるのよ！？わかったわね！！？」

「わ……わかりました……」

藍は珍しく困り顔である。しかし、これは今から難問に向かわねばならぬという悩みからでは決してなかった。

ちなみに、紅魔館、命蓮寺等が、治療の場として使われている。


45日目。一輪、雲山
47日目。星熊勇義
49日目。河城にとり
51日目。紅美鈴
53日目。リリカ・プルズムリバー
55日目。正答により、犠牲なし


「二人目の生き残りって誰だったの？」

「……」

「ちょっと、文？」

「ああ、すいません。えぇっと……さとりさんですね。」

「え？さとりが？」

「さすがですね……」

「……」

どうも文の様子がおかしい。


57日目。メルラン・プリズムリバー
59日目。村紗水蜜
61日目。パチュリー・ノーレッジ
63日目。ルナサ・プリズムリバー、小悪魔




64日目

「霊夢さん……私、怖いです。さすがに……」

「落ち着いて。まだあしたと決まったわけじゃない……そうだったとしても、
　もしぎりぎりででも閃けばあなたたちは助かるじゃない。」

「無理ですよ！今まで2か月も考え続けてわからなかったのに……」

「……」

「ああ……怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい……」

「文……」

妖怪といえど、さすがにこうなると恐怖を感じるらしい。
だが無理もない。ほぼ間違いなく、次は文か椛である。平然としていられるほうが不思議だ。
他人事のように言っているが、霊夢もかなりの恐怖を感じている。
自分はどこのタイミングで襲われるのか、全く予想がつかないから。
文や自分を見てみると、初めのほうで襲われていたほうが幸せだったのではと思えてくる。




65日目。犬走椛


65日目以降、文は現れなかった。しかし


67日目。メディスン・メランコリー
文は「4面」として扱われなかったらしい。しかし、「彼女の番」は近いだろう。

　
　

　もう「生き残り」も少なくなってきた。次は誰なのだろうか。
　結局40％は、永琳の前では無意味だったようで、皆、似たような症状。
最初のほうで襲われた者たちの中には、すでに意識を取り戻したものもいる。
そんな中で自分は襲われるのかと思うと、なんだか無性に腹立たしさ、みじめさ、そして恐怖がわきあがった。
　そんな中でも被害は止まらない。


69日目。比那名居 天子
71日目。レミリア・スカーレット、伊吹萃香
73日目。蓬莱山輝夜、永江衣玖
75日目。西行寺幽々子、ルナ・チャイルド
77日目。聖白蓮、サニーミルク
79日目。姫海棠はたて、スターサファイア
81日目。八坂神奈子、稗田 阿求
83日目。小野塚小町、風見幽香
85日目。射命丸文、四季映姫ヤマザナドゥ



逃げ切れなかったんだ……自信がなかったんだやっぱり。
文はこの日まで、どんな気持ちで過ごしたのだろうか、
自分が襲われると推定した日から、約3週間で襲われた。文がくるっていないことを祈ろう。
これらの情報は、霖之助によるものである。




87日目。ある地下。

「ちょっと！！なんで私の力で砕け散らないのよ！！おかしいじゃない！？」

「お前もダメか……仕方がない……」

「え……い、嫌……」




ここのところ、紫はあちこち移動していた。幽々子のように、
周りに人がいなくなった者を運び出すためだ。
その日、紅魔館を訪れた紫は驚愕する。

「……フランドールまでも……」

治療で用いられているとはいえ、地下を覗く者はいない。ゆえに、紫の発見となった。
流れからして、自分が襲われる日は、そう遠くない。藍はまだ解けていないという
。このままでは藍も自分も……そして霊夢も……




その後、紫が搬送できたのは、以下の4名。
87日目。フランドール・スカーレット
89日目。封獣ぬえ
91日目。洩矢諏訪子
93日目。藤原妹紅