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『買出しのクリスマス・イブ』 作者: ぐう
今日は12月24日、クリスマスイブ。
外の世界がほとんどの国でクリスマスムードに染まっている中、幻想郷もまた同じような雰囲気だった。
数年前よりクリスマス関連のグッズが外の世界より流れてくるのもあり、いつしか幻想郷も外の世界に習ってクリスマスが開催されるようになった。
朝から雪がちらつき、クリスマスの雰囲気をかもし出すにはうってつけの天候である。
その日の夕方近く、全身をコートで覆って歩いている女性の姿があった。
「うぅ寒い・・・。どうして私が買出しに行かなきゃならないんですかぁ・・・」
寒さに身震いしながらもその歩く姿は華奢そのもので、独特の紅いロングヘアーが見る者を虜にする。
それに加えて髪の横と背中に生える悪魔の羽・・・彼女はパチュリーの使い魔、小悪魔だ。
悪魔といっても滅多なことがない限り怒ることも他人に危害を加えることもなく、むしろ純粋で心優しい。
種族こそ列記とした悪魔だが、その優しさは天使以上のものがあり、別の意味で『天使のような悪魔』という言葉が似合う。
「他の食材は仕入れてあるのに、ケーキだけ人里から仕入れるってどういうことなんですか・・・」
紅魔館は今クリスマスの料理に咲夜をはじめメイド妖精総出で取り掛かっている最中。美鈴は館外のイルミネート、パチュリーとスカーレット姉妹も館内の清掃やツリーの装飾に追われていた。
しかし肝心のケーキは材料の売り切れのため調達できず、已む無く人里で注文せざるを得なくなったという。
そして今日は館の者全員でクリスマスの準備に取り掛かっているため、手の空いた小悪魔が買出し役の対象になってしまったのである。
「くしゅんっ! ・・・早く帰らないと風邪引いちゃいそうです」
くしゃみで垂れてしまった鼻水をティッシュで拭うと、小悪魔は空を見上げた。
夕日が遠くの空に沈みかけており、日没までほとんど時間がない。それに加えて出発してから降る量の増した雪が、辺りの地面にちらついている。
コートを着ているとはいえ、やはり冬の寒さは抗えないもの。更にロングスカート+ニーソックという防寒対策も施しているも、それでも足元からどうしても冷える様子。
「今はまだ明るいから、飛んでいったほうが早そうね」
小悪魔はコートをぎゅっと握って冷機の進入を防ぐと、漆黒の翼を羽ばたかせて人里目指して飛び出した。
雪と曇り空に視界を阻まれてはいるが、まだ夕日という明かりで周りが見えるだけましである。
羽ばたく際の体動で、何かが落ちてゆくことに気がつかないまま・・・
「へー、人里もこんな賑やかになるんですねー」
人間の里に到着した小悪魔は辺りをきょろきょろと見回した。
流石に紅魔館のイルミネーションには到底及ばないが、華やかな飾りつけと普段より溢れる人気で、お祭りムード全開の明るさを誇っていた。
遠くの妖怪の山の一部も同じような明かりで染まっており、人里に限らずここ最近の幻想郷はどこもこんな感じだろう。
「そうだ、咲夜さんが注文していたケーキは・・・うわっ!?」
小悪魔は肝心の用件を思い出し、咲夜がケーキを注文したという店を探した。とはいえ店の看板が豪華に飾ってあり、人も大勢いるため一目で場所の把握ができた。
しかし、そこに並ぶ人の数は半端ではなかった。それに加えて並んでいるのは人間に限らず、妖怪や妖精、幽霊など多種多様な種族の者たちが長蛇の列を作っていた。
咲夜の話では、その店は幻想郷でも有数の人気を誇る名店であり、普段でも行列ができることなど日常茶飯事だという。
それに加えて今は時期が時期であるため、たとえ予約を入れておいたとしても購入は決して楽じゃなかった。
「や、やっぱり並ばないといけません・・・よね?」
行列は店の中から始まり、店の外までざっと30mは続いている。みんな寒いのを我慢してケーキを買う順番が来るのを待っている。
已む無く小悪魔は、そそくさと行列の一番最後まで並んだ。
「うぅ寒い寒い・・・まだですかぁ?」
行列に並び始めて20分が経過した。行列は1分に1m動くくらいのペースで、店内の長さから換算するとようやく半分くらいにきたところだろう。
そこ辺りになって、小悪魔は身体をもぞもぞと小刻みに揺するようになった。
周りの人にはバレてないようだが、身体の中はある種の悲鳴をあげていた。
(並ぶ前にトイレ行けばよかった・・・おしっこしたい・・・)
紅魔館を出てから一度もトイレに行っておらず、行列に並ぶ前も後のことを考えずにさっさと並んでしまった。
いくらコートに身を包んでいても完全に冷気は遮断できず、いつしか尿意を生み出すようになった。
(でもここでトイレに行ったら、また並び直しになるし・・・あぁどうしよぉ・・・)
そう、この行列の途中でトイレに行こうものなら、また何十分掛かるかわからない並び直しをくらってしまうのは間違いないだろう。
いくら人気の店に使い走りされたとはいえ、あまりに帰りが遅いと何を言われるのかわからない。
(買ったら真っ先にトイレに・・・)
小悪魔は心の中で決意をしっかり固め、長い行列と尿意に耐えることにした。
(あと3人・・・あぁだめ出そう・・・)
必死に歯を食いしばり、小悪魔は耐え続けていた。店内に入り、いよいよレジまでは残り2mとなった。
彼女の前に並んでいるのはあと3人で、これを乗り切ればケーキを購入して念願のトイレに行くことができる訳である。
「毎度、ありがとうございます」
(あ・・・あと2人・・・)
先頭の人が箱に入ったケーキを嬉しそうに買い、小悪魔の横を過ぎていった。小悪魔が必死にばれないように振舞っていたので、周りの人々も彼女がトイレを我慢していることなどまったく気がついていない。
そうこうしていると前の人たちが買い終え、ようやく自分の番となった。
「こ・・・こここ紅魔館の、い・・・いざよ・・・」
「はい、紅魔館のメイド長様のご予約ですね、少々お待ちください」
小悪魔は必死に我慢するあまり声が震えてしまうが、店員は咲夜の名字だけで咄嗟に把握した。
そして店の奥へ行くと、普通の人が買うのより大きい箱を小悪魔に渡した。
「こちらがご注文の品となります。あ、ご料金は前払いで頂いておりますので」
「は、はい・・・ありがとうございます」
小悪魔は震える声でケーキの入った箱を受け取ると、早歩きで店を後にした。
彼女の後ろに並んでいた2,3人が怪しく感じるものの、そこまで気にも留めなかったようである。
「トイレ・・・トイレどこなの・・・」
小悪魔はケーキの入った箱を持ったまま、辺りをきょろきょろと見回した。
考えてみれば、紅魔館から出ることも人里に来ることもあまりない彼女が人里の土地勘など無いに等しかった。
それに加えて人の動きにも注意しなければ、うかつにぶつかってしまおうものなら折角のケーキが台無しになってしまう。
「うぅ・・・どこかおしっこできるところは・・・!」
この際トイレでなくてもいい、せめてどこか人気のない茂みでも構わない。小悪魔は里を歩きながらそれがしの場所を探した。
すると、イルミネーションも民家の明りもこないであろう路地裏を見かけ、早歩きでそこへと直行した。
できることならトイレで用を足したいところだったが、状況が状況だけにそんな贅沢を言っている余裕などない。
後はケーキの箱を置いて、下着を下ろすだけでよかったのだが・・・
じゅわっ
「ひあっ!?」
箱を下ろそうとした途端、下着に冷たい水の感触が伝わった。小悪魔はそこから動くことができなくなり・・・
しゅわしゅわぴちぴちぴちぴちゃぴちゃぴちゃ・・・
「あっ、やああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
無意識のうちに両足が開き、その間から黄色とレモン色の間をいく色のおしっこが地面に水音を立てて落ちた。
落ちたおしっこの雫はあちこちに飛び散り、開いているにも関わらず靴にまで少しかかってしまった。
ぴちぴちぴちぴぴぴ・・・
「お使いでおしっこ漏らしちゃった・・・どうしよう、パチュリー様に怒られちゃいます・・・」
残りのおしっこが地面に落ち、辺りにはそれによる湯気が立ち込めた。
下着から肌に伝わる、おしっこの冷たさが小悪魔に失禁という真実を嫌でも伝え、彼女の頬に涙を流させた。
しかし、いつまでも失禁に泣いている場合ではなかった。肝心のケーキに今のところ被害はないが、これを安全に紅魔館まで持って帰らなければならない。
しかも今度は日が暮れて視界がかなり悪くなっており、あまつさえ雪がさっきより降るため、うかつに飛ぶことなどできない。
更にそれらの要因に加え、小悪魔にはもうひとつ問題となることが付きまとっていた。
ぐりゅりゅ・・・ぐるるるる〜
「お・・・お腹が・・・」
約30分くらい寒い外で行列を待ち、今になって強さを増した寒さにあたってしまったことにより、いつしか小悪魔はお腹の具合を悪くしていた。
常にぎゅるぎゅる唸るお腹、そして肛門を激しく刺激するこの感じは、れっきとした下痢の表れだった。
雪による寒さ、そしておしっこで濡れて股間に密着する下着が、更なる便意を誘う。
ごぽごぷう、ぐううううっ
「うくっ・・・うう・・・はあぁぁ・・・」
せめてお腹を摩って便意を和らげたいところだが、両手は箱を持ってふさがっているためそれすらも許されない状況だった。
今更人間の里に引き返したところで、トイレの場所がわからず二の舞になるのは目に見えている。
窮地に立たされている今の小悪魔に許されるのは、紅魔館まで帰ることだけだった。
ぷうっ、ぷすっ
「だめ・・・おなら出ないでぇ・・・」
やがて横に霧の湖が見え、このまままっすぐ行けば紅魔館まではあと少し。
しかし、緩んだ肛門から腐敗臭を伴うおならが歩くたびに出てしまい、小悪魔は恥ずかしさで顔を赤くした。
幸いなのが周りに誰もいないこと。いたとしても余程身近にいない限りは吹雪で掻き消されるだろう。
ごろろろ・・・ごぎゅううう・・・
「こぁっ、やっと着いた・・・」
それからただ肛門に力を注いで歩き続け、門を通って小悪魔はようやく紅魔館の入り口にたどり着いた。
すでに限界直前なのだが、後はこの中に入ってケーキを渡せば・・・
「咲夜、こっちの飾りつけは終わったわよ」
「ツリーも準備OKだよ〜」
「ふぅ・・・まさか私まで手伝うことになるなんて・・・」
「お嬢様、妹様、ありがとうございます。あとパチュリー様も」
「私おまけ扱い!?」
こちらは紅魔館内、料理も飾りつけも大方終わったようである。
「外の飾りつけもバッチリです、これでスイッチを入れれば一斉にライトアップができますよ」
「ごくろうさま、美鈴。後はケーキだけね」
「リトルったら遅いわね、肝心のケーキがこなきゃ話にならないじゃない」
どうやら後は小悪魔が買い出しに出たケーキが揃えばパーティの準備が終わるらしい。すると・・・
ガチャ・・・
「た・・・ただいま戻りました・・・」
「あら、噂をすれば影とはいったものね、おかえり」
玄関の戸を開け、小悪魔がよろめきながら入った。
そして、崩さないように持ち続けていたケーキの箱を咲夜に渡した。
「これ・・・予約されたケーキです・・・」
「ありがとう。寒い中大変だったでしょ」
小悪魔は震える声で箱を渡すと、突然お尻を押さえて一目散に走り出した。
「あっ!」
「ちょっとリトル!?」
(出ないでぇ・・・まだ出ちゃだめぇ・・・!)
メイド妖精たちが驚いてよける中、小悪魔はただ館内を走った。このままではもう持たない、その一心で走り続けた。
そして彼女は足を止めて、ある場所へと入った。しかし、そこはトイレではなかった。
ガラガラガラッ!
「ああぁ・・・だめ、出ちゃう・・・」
彼女が入ったのは湯気が立ち込める浴室。何を思い立ってここに入ったのかはわからない。
しかし、小悪魔の我慢は浴室に入った途端に限界となり・・・
ブスッ・・・ブビビッ! ビュブブブッ!
「あくっ! くあぁぁぁぁ・・・」
スカートをたくし上げ、そして先ほどと同じように足を開いたまま小悪魔は下を向いた。
ゆるいおならの後、スカートをたくし上げたことにより見える下着に下痢便が塊として噴射された。
ビュビビブリュッ! ブヂヂヂ、ビチビチビュビビィッ!
「お・・・お腹痛い・・・ううっ!」
全身はプルプルと震え、下着に出てくる下痢便は勢いを衰えることを知らない。
小悪魔の下着は完全に茶色のひどい有様となり、横から溢れる下痢便がニーソックスを濡らしたり足元に落ちてゆく。
「リトル、いったいどうし・・・!!!」
「ねぇパチェ、どんな感z・・・!!!」
小悪魔の様子が気になって後を追ってきたパチュリーとレミリアは、小悪魔の大惨事を見て口を閉ざしてしまった。
下痢便にまみれた下着とニーソ、そして足元に茶色の水溜りを広げて泣いている小悪魔の姿を見て・・・
「お嬢様、パチュリー様、ごめんなさ・・・ああっ!」
ブビィッ! ブッブブブ、ブリブリブリ!
2人に謝りながらも、小悪魔の便意は止まることを知らず、更なる便が彼女の下着を膨張させた・・・
「みなさん、本当にごめんなさい・・・」
「いいのよ、私たちだって以前同じことをしてしまったんだから、あなたの気持ちはわかるわ」
その場に居合わせたレミリアとパチュリーは、責めることなく小悪魔の後始末を手伝うことにした。
後でそのことを知った美鈴、フラン、咲夜の3人も同じ致した身である以上、彼女をいたわることで事無きを得た。
そして、メイド妖精たちも全員集まり・・・
「ではお嬢様、お願いします」
「そうね。まぁいろいろあったけどこうしてみんな揃ったのは喜ばしいこと、みんな今年もお疲れさま」
メイド妖精たちも空気を呼んで小悪魔が致したことを口にせず、無言でレミリアの挨拶を聞いた。
そして、ライトアップと同時に紅魔館に一同の明るい声が響いた。
『メリー クリスマス!』
突如脳内に「クリスマスにちなんだスカを書け!」と、天からのお告げ(笑)が聞こえたので一つ書いてみました。
上手く考えられなかったとはいえ、相変わらず最後がちょっと無理矢理だな・・・
実はこのネタは、10ヵ月前のスカ娘(バレンタインのお題)で書こうとしてやめたぬえ星の原案をアレンジしたものです。
あの時捨てたネタをこんな形でリサイクルすることになろうとは、当時の私自身も思うまいてw
これじゃあクリスマスじゃなくてクリスカスですw
え、今年はこれで最後かって? んなワケないよ。
ぐう
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/24 01:34:13
更新日時:
2010/12/24 10:34:13
分類
小悪魔
おしっこ
スカトロ
お漏らし
良作
小悪魔スカって奴ですか。悪魔はクソ塗れになれっていう、神になった磔罪人の祝福か!?
私が帰省する前に、今年最後の作品が読めるか!?
「ツリーパン」と称した直立チョココロネが、どう見ても巻いたアレだった昨日のパン売り場。
年明けてしまったけどメリークリスマス。
ありがとうございます。
>NutsIn先任曹長さん
確かにこの幻想郷ではクソ塗れのほうがある意味祝福かも(ぉ
最後はああなったでありんす。
>名無し(3)さん
それってチョココロネじゃなくて、ウn(ry
>名無し(4)さん
しかしその恥ずかしさこそお漏らしの醍醐味でございます。