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『未熟者達の軍隊』 作者: NutsIn先任曹長
人間の里。
昼前。
小洒落た一角。
ここは外の世界と比べても遜色の無い、西洋風の服飾を商う店が立ち並び、
ウィンドウショッピングにはうってつけである。
一人の少女がショーウィンドウを覗き込んでいる。
ベースボールキャップを被った銀髪ボブカットの少女は、斬新な装束に身を包んだマネキンを凝視していた。
「……はぁ」
そのマネキンは豊満な肉付きをしていた。
それに引き換え、少女は……、いや、まだ発育途上にある彼女と比較するのは酷というものであろう。
彼女はまだ幼い。
成長する余地は十分にある。
見る人が見れば解ることであるが、ダッフルコートを纏った凹凸の少ない上半身には余分な脂肪が付いていないし、
ショートパンツとその裾からはみ出したスパッツに覆われた太股は、爆発的な瞬発力を発揮するだろう。
少女はマネキンに投影するモデルを、自分から待ち人に変換した。
……似合うだろう。
その人は内気だが、なかなかどうして、豊満な身体をしていた。
あの人は普段はカッチリした外界の模範的女学生が着るような服を平時には着ていた。
それ以外の格好など、今日のような日ぐらいにしか着ないだろう。
「お待たせ」
「みょんっ!!」
抜かった!!
少女は普段は緊張に包まれた職務に就いている。
オフの時も常に周囲を警戒するように心がけていた。
が、しかし、簡単に接近を許してしまった。
想い人相手だと、警戒感も緩くなる様だ。
いや尚の事、気づかないなんて、ぶっちゃけありえない。
その人は、見る角度によって様々な色に見える紫がかった銀髪を三つ編みにして、
ニットキャップを被り、黒縁の大きな眼鏡を掛けていた。
ニットキャップがもそり、と動いた。
その中に押し込めた『耳』が無意識に動いたのだろう。
「いいえ、私も今来たところです。うどんさん」
「妖夢は生真面目だから、一時間前から待っていたのかと思いましたよ」
少女の名は、魂魄妖夢。
白玉楼の主、西行寺幽々子に仕える庭師兼剣術指南役。
少女の待ち人の名は、鈴仙・優曇華院・イナバ。
永遠亭の高名な薬師、八意永琳の一番弟子。
妖夢はかつて、夜が明けない歪な月下の異変の際、その影響で目を患った。
その異変で幻想郷の一員と認められた永遠亭は、医療機関としてその門戸を開いた。
鈴仙は自身が異変の原因である負い目から、永遠亭に治療のために訪れた妖夢を献身的に介護した。
最初は世間話をする程度の間柄であった。
やがて、仕える主のことで愚痴りあうようになり、
お互いのことを語るようになり、
何時の間にか、愛を囁くようになった。
鈴仙を永琳がウドンゲと呼んでいたのを妖夢は饂飩と聞き間違え、
茶化して鈴仙をうどんさんと呼んだのが、何時の間にか二人の間での呼び名として定着してしまったのもその頃である。
今では、お互いが少ない休暇を取れたときに逢瀬を重ねるようになった。
今日がその貴重な日である。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
妖夢と鈴仙は談笑しながらそぞろ歩いた。
他愛ない会話。
外見年齢相応の少女のように笑い合う二人。
手を繋いで歩く二人は、傍目にはどう見えるだろうか。
カップルでなければ、快活な妹と内気でまじめな姉の姉妹に見えたかもしれない。
二人はベンチで休憩しようと公園にやってきたところ、声を掛けられた。
「あれ〜? 妖夢さんと薬屋さんとこの月兎さんじゃないですか〜?」
誰かと声のしたほうを見ると、
手編みらしいマフラーを首に巻き、ジーパンに外界の皮製フライトジャケットを着た、
赤毛をポニーテールにした長身の女性がニコニコとしていた。
「美鈴さん……、ですか?」
「え!? 門番の中国さん!?」
人民服とチャイナドレスを混ぜたような機能的な衣装のイメージしかないが、
にこやかにしていながら全く隙の無い様は、確かに紅魔館の鉄壁の異名を持つ、
紅魔館門番隊隊長の紅美鈴に間違いない。
ちなみに、美鈴を異名で呼ぶのは紅魔館当主のレミリア・スカーレットと側近の十六夜咲夜、
そして妖夢ぐらいである。
妖夢は何度か武術の達人である美鈴に個人的に指導を受けたことがある。
二刀を佩いた妖夢は、手加減した美鈴に全く敵わなかった。
その後、美鈴は手ずから中国茶と菓子を振舞い、妖夢の長所と欠点を指摘して、
どう修行すれば良いか指導してくれた。
妖夢はそんな美鈴のことを、内心で師のように尊敬していた。
そのことを美鈴に言ったら、自分はまだまだ未熟者だと謙遜していた。
鈴仙は紅魔館を訪れた際に美鈴を見かけたことがある程度である。
ロケット開発の進捗状況確認の為に、永琳と共に紅魔館を訪れた時は、
門の傍らでシエスタをしていた。
そのロケットの完成祝賀パーティーの時は、
大挙して押しかけた因幡達の招待状確認で四苦八苦していた。
鈴仙は、妖夢から聞いた美鈴のイメージとのギャップに頭を悩ませたことを思い出した。
美鈴の気さくな人柄のせいもあってか、二人はデートの邪魔をされたとは思わなかった。
立ち話も何だということで、三人は噴水の側にあるベンチに向かった。
いくつかあるベンチのうちの一つに、新聞紙を顔にかぶせて昼寝している女性がいた。
彼女はコートの上からもわかる豊満な胸をしていて、丈の長いスカートだが足を組んでいるから、
角度によってはその中が見えてしまうかもしれない。
「!? ちょっと、小町さん!! こんなとこで寝てると風邪を引きますよ!!」
妖夢はその女性に近づき、身体を揺すったが顔から新聞が落ちても目を覚まさない。
その顔と長い波長に、鈴仙は覚えがあった。
確かに、三途の川の渡しをしている死神の小野塚小町だ。
花が咲き乱れる異変の時に、兎と鬱ぎの発音が似ているとか失礼なことを言われたのでよく覚えている。
美鈴は寝ている小町の上体を起こし、気を入れた。
びくっ!!
一瞬、身体がはねると、小町はパッチリと目を開けた。
「四季様!! すいません!! 寝てません!! ……あれ?」
ようやく正気づいたようだ。
小町は周りを見渡して、見知った少女達が自分を見ていることに気がついた。
「あれ、え〜と……?」
「小町さん、風邪を引くといけないと思いましたので起こしました」
妖夢の言葉でようやく状況を理解した小町。
「あ……ありがとさん。白玉楼の半人前ちゃん」
さらに他の者の顔を確認する。
「そっちは永遠亭のうさちゃんに……、そっちの姐さんは……ああ、悪魔の館の門番かい」
「どうも」
「立派なお屋敷お勤め、ご苦労さん。たまには息抜きしたほうがいいよ」
「ええ、今日は夜勤なので半日休暇が取れました。ですから思い切り羽を伸ばしたいと思います。
そちらも御霊をお預かりする重責、大変ですね」
「あたいの苦労を分かってくれたのはあんたが初めてだよ。貴重な公休日にあんたみたいな立派な人に会えて嬉しいよ」
普段の美鈴と小町を知っている鈴仙は、無用なツッコミは入れなかった。
妖夢は、小町も美鈴と同様に、人知れず修練を行なっているのだろうと、好意的な推測をした。
この大人な判断のおかげで、妖夢と鈴仙は、美鈴と小町から昼食をおごってもらうことになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いざ食事をしようと繁華街に繰り出した四人であったが、
丁度食事時であるため、どこの店も満席で、長時間待たされることは必至であった。
「まいりましたね〜」
「どうしましょうか?」
「どこかの屋台で適当な物を買って、その辺で食べます?」
「出来れば、あたいは腰をすえて酒を飲みたいね〜」
食事処を探しているうちに、四人は閑静な一角まで来てしまった。
引き返そうとしたとき、四人は声を掛けられた。
「こんにちは、皆さん」
そこには、紫のグラデーションが掛かった明るい茶色の髪をした、妙齢の美女がにこやかに立っていた。
命蓮寺の住職、聖白蓮であった。
よくよく見れば、直ぐ側に命蓮寺があった。
「こんにちは、聖様」
「こ、こんにちは」
「こんにちは」
「どうも〜」
挨拶を返す四人に白蓮は話しかけた。
「白玉楼の方にお薬屋さん、紅魔館の方に、そちらは……死神様ですか?」
「ああ、そうだよ」
「あの、失礼ですが、変わった組み合わせですね。どういったご関係でしょうか?
あ、お気を悪くされないでください。好奇心で聞いただけですので」
「かまいません、偶然ばったりと会いまして、それで食事でもしようかと里を歩いていたのですが、
どこの店も混んでいまして……」
「まあ、それでここまで来られたのですか? これも何かの縁。
宜しければ寺でお食事をしながらお話をしませんか?
丁度お斎(おとき:法事後の食事会)の料理やお酒が余っていますから」
酒と聞いた小町が色めき立った。
折角なので、四人は白蓮の好意に甘えることにした。
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お寺の食事と聞いて精進料理のような、野菜好きの鈴仙ぐらいしか喜ばないメニューかと思いきや、
ガッツリとは言わないが、肉や魚も美味しく調理されて出てきた。
豚スペアリブの煮物は肉が骨からホロホロとほぐれて食べやすいし、
鯉の洗いは、ほのかな温もりのある身が酢味噌とマッチしていた。
妖夢はレシピを推測しようと膳を凝視しているし、
鈴仙は千切りにしたニンジンと玉ねぎのかき揚げに夢中だ。
美鈴は滅多に口にしない日本食を堪能し、
小町は猪口に手酌で注いだ酒と料理を交互に口に放り込んでいた。
そんな四人を見て、白蓮は菩薩、というより育ち盛りの子供を見る母親のような微笑を浮かべていた。
「……へぇ、封印されるって自分を消されたような、そんな感じなんですか」
「ええ、ずっと眠っているような、それでいてずっと退屈をしているような……、
何もされない、何も出来ない、自分の存在を無にされたような気分でした……」
「波長を消されたような感じですか? あ、私達玉兎は波長――命の鼓動とかオーラのようなものと思ってください――で
互いの消息を知るんです。聖様が置かれた状況というのは、生きているとも死んでいるものともつかない、
まさに生き地獄だったんですね」
「ん〜、少し違いますね。封印されている間は苦痛も感じない、感じることの出来ない状況でしたから」
「武術の究極奥義では、己が身を無にするというのがありますが、それを強制的にされた状況ですね〜」
「私は未熟者ゆえ、まだ無我の境地に達しておりません。私が知っている者でそれが出来るのは博麗の巫女ぐらいです」
「彼女は別格ですからね〜。私だって気を無にするなんて、滅多にできませんよ」
「(出来るんだ……)で、でも、千年もそんな状態でしたら、悟りも開けるのではないですか?」
「ええ。煩悩を持つことが、かくも素晴らしいと気付けました」
「こりゃ、徳の高い坊さんの言う台詞じゃないね〜」
かっかっかっ、と笑う小町。
つられて笑う一同。
「あれ? そういえば、他のお寺の方々は?」
四人が通されたのは白蓮の私室だ。
五人分の膳は法事が行なわれた無人の講堂から、予め用意してあったものを皆で運んだ。
その間、命蓮寺で働く白蓮の弟子達を見かけていない。
気配はするので、寺の何処かにいるらしいが。
「実は、今日私もお休みを皆からいただいたのです。ですので、星達が私に代わってお勤めをしてくれているのです」
命蓮寺の皆から白蓮へのサプライズ・プレゼント。
普段、せわしなく立ち振る舞う白蓮に代わり、各々が分担して寺の仕事を行なった。
今日の法事も白蓮の代理として寅丸星が読経を行なった。
しかし、今日は大規模なものとなったため、檀家にいた設営業者に依頼して準備をしてもらった。
おかげで法事は成功裏に終わり、白蓮達が会食を行っている頃、後片付けを行なう運びとなった。
「それでは会場の後片付けは我々で行ないますので、皆さんはお休みください」
「どうもすいません。あなた方のおかげで聖も安心して休暇を楽しめることでしょう」
「いえいえ、これが私達の仕事ですから。終わりましたら、お部屋に報告に伺います」
「では、お願いします」
星達は業者に一礼をすると、本堂に戻って行った。
業者は部下に目配せをすると、部下達は台車に乗せられたいくつかの段ボール箱を講堂に運び入れた。
運び込まれた未開封の段ボール箱を次々とカッターナイフで開封し、開けると――、
そこには、独逸製の鋼の凶器がひしめき合っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「無い!! 無い!! やっぱり……、無いぃぃぃぃぃ!!!!!」
僧房。
寅丸星の部屋。
「ご主人。また、やっちまったのかい?」
「!! な、ナズーリン!!」
「どうなんだい? ご主人?」
「……はい」
「で、今回も宝塔を無くしたんだね?」
「!! な、ナズーリンッ!! な、何故それを!!」
「カマをかけたのだが、図星だったとは、はぁ……」
「……面目無い……」
「ご主人は本当にドジッ虎だな。まぁ、私に任せてもらおう。私の『探し物を探し当てる程度の能力』を駆使すれば……、おや?」
「どうしたのですか?」
「反応が近づいてくる……!!」
どたどたどた!!
荒々しい足音が近づいてくると、星の部屋の障子が開け放たれた。
「これをお探しですかな?」
やってきたのは設営業者の男であった。
手に宝塔を持っている。
「!! そ、それです!! いや〜、助かりまし……」
「貴様!! 何の真似だ!!」
続いて現れた男の部下達が、短機関銃を星とナズーリンに突きつけた。
「お二方、我々にご同行いただきましょうか?」
「お断りします!!」
「はっ!!」
星は宝塔を取り戻そうと業者の男に飛び掛り、
ナズーリンは牽制の弾幕を銃を持った手下たちに放った。
その結果、
星は男に小型の拳銃を顔面に突きつけられ、
ナズーリンは弾幕が出なくて、賢将にあるまじき呆けた様を見せたため、
その隙を見逃さなかった男の手下達に短機関銃の折りたたみ式銃床でしたたかに打ち据えられた。
「ああ言い忘れましたが、只今宝塔の力を使いました。
命蓮寺の方々は見た目通りの見目麗しい人間の女性と同等の力しか出せませんから、無駄な抵抗はお止め下さい」
もう少し早く言って欲しかった警告を男は告げると、手下達は星と苦痛に呻いているナズーリンを縛り上げた。
こうして、命蓮寺はハイジャッカー達の手に落ちた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なにやら外が騒がしくなったので様子を見に行った白蓮が、
妖夢達の履物を持って、慌てて戻ってきた。
「申し訳ありませんが、皆さん、早々に寺を離れて下さい。少々問題が起きたようです」
!!
美鈴がそっと障子に近づき、聞き耳を立てる。
複数名の足音。
金属と皮の擦れる音。
女性の声が抗議をしている。
連続した破裂音。
女性の声がしなくなった。
代わって泣きじゃくる声が聞こえてきたから、直接何かされたわけではないようだ。
破裂音は他の者にも聞こえたようだ。
「銃声!?」
帽子を脱ぎ、美鈴同様に鋭敏な耳を澄ませていた元軍人の鈴仙がそう判じた。
「こいつはまずいね……。表に出られれば、あたいの『距離を操る程度の能力』で脱出できるのに……」
小町の呟きに、白蓮は更なる悪い情報を付加した。
「それは無理のようです。どうやら私達は能力を封じられたようです。
皆腕が立ちますが、なすすべも無く捕らえられていますから」
それを聞いた皆は軽く弾幕を撃とうとしたり、能力を使おうとしたが、白蓮の言ったとおりだと理解するのに時間は掛からなかった。
「ど、どうしよう……」
鈴仙の顔は真っ青だ。
今日は妖夢とデートだったのに……。
白蓮の誘いに乗ったばかりにこんな目に……。
不運を他人のせいに転嫁しようとした鈴仙の手を、妖夢がギュッと握り締めた。
「うどんさん、恐怖に呑まれて心をヤミに染めてはいけません。
半人前ですが、私がついています」
鈴仙は我に返った。
危うく心を病んで闇に堕ちるところだった。
かつて戦場でこの病にかかって、取り返しのつかないことをしたことを思い出した。
「では、どうしましょうか? こちらから打って出るには些か分が悪いですね……」
いつもの柔和な表情を消した美鈴が冷静に状況を判断した。
人間並みの力と、おそらく人間並みの耐久力しかない彼女達に、銃を持った複数名のハイジャッカーを相手にするのは至難の業である。
「皆さん、こちらへ」
そう言うと、白蓮は床の間の掛け軸に手を掛けた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
白蓮の部屋。
白蓮はこの騒動の首謀者である設営業者の男と向かい合って座っていた。
白蓮には男の手下達が銃口を向けている。
「聖様、お客様はどちらへ?」
「……少し前に、帰りました」
五人前の膳を見ながら質問した男に、普段見せない険しい表情をした白蓮が答えた。
「聖職者ともあろう方が、嘘はいけませんよ」
男は取り出した小型拳銃――ワルサーPPK――を白蓮に見せながら、その遊底を引いた。
薬室に装てんされていた弾が飛び出し、新たな弾が代わって装てんされた。
銃弾を一発無駄にしたこのパフォーマンスは拳銃はいつでも使用可能だというアピールではあるが、
白蓮の硬い表情に変化は無かった。
その拳銃を白蓮の頭に向けても同様であった。
男は銃を白蓮に突きつけ、
白蓮は男を見据えることしばし。
男は親指で拳銃の遊底に付いているレバーを押し下げ、撃鉄を安全に落とした。
「……、分かりました。貴方の言うことを信じましょう」
男は座布団から立ち上がり、白蓮にも立ち上がるよう促した。
白蓮の部屋を脱出した妖夢達四人は、物置らしき部屋で今後の対応を相談していた。
相談の結果、なんとか命蓮寺を抜け出して自警団もしくは博麗の巫女に通報するという、無難なものに落ち着いた。
いざ四人が物置を出ようとしたとき、建物が揺れだした。
「え!? 地震!?」
揺れは直ぐ収まった。
いや、まだ微かに揺れている。
慌てて物置を飛び出し、手短な部屋の障子を開け放つと、
そこには、大空が広がっていた。
命蓮寺は聖輦船となり、飛行しているのである。
これでは、飛行能力も封じられている彼女達は脱出できない!!
さらに悪いことは重なるものである。
「貴様ら!! 何をしている!!」
短機関銃を持ったハイジャッカーに見つかってしまったのである。
ハイジャッカーとの間合いは、美鈴の拳法や妖夢が嗜んでいる合気道で立ち向かうには些か開き過ぎている。
「ほほぅ。こりゃまたべっぴんさんだ〜。俺にも運が向いてきたかな?」
ハイジャッカーは妖夢達を好色そうな目で品定めしている。
「本堂じゃ、みんなお楽しみ中だし、俺もちょっぴり遊んでもいいよな……」
だが、銃を持っているとはいえ、四人の相手は危険だ。
一人に絞って、残りは間引くか。
青臭いガキは論外だ。
永遠亭の妖怪兎は怯えた顔がそそる。
ポニーテールの赤毛はアソコの具合が良さそうな引き締まった身体をしている。
左右で髪を結った女はむしゃぶりつきたいオッパイを持っていやがる。
ハイジャッカーは油断無く銃を構えながら熟慮した結果、鈴仙にすることにした。
「おい兎!! そっちに行け!! お前らは動くな!!」
鈴仙を脇に移動させると、ハイジャッカーは短機関銃の用心金に置いていた人差し指を引き金に掛けた。
鈴仙は目を閉じた。
妖夢、美鈴、小町は目をしかと見開き、ハイジャッカーを睨みつけた。
パーン!!
ハイジャッカーは、
自分に何が起きたのか分からないまま、
ナニをすることばかり考えながら、
額に穴を開けて絶命した。
堅く目を閉じた鈴仙。
両の手で硬く握り締められた小型拳銃。
護身用にと師匠、八意永琳から賜ったブローニングM1910。
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交代の時間になっても現れない部下がいるので船内を捜索した結果、
死体となり、装備を剥ぎ取られた彼を発見した。
「どうやら、船内にネズミが紛れ込んでいるようですね」
リーダーでなくても、そう判断するのは容易であった。
本堂の大広間。
普段は講堂を使用するまでも無い説法や、寺の仲間達との打ち合わせに使用される部屋であるが、
現在は命蓮寺の女性達にとっての地獄と成り果てた。
「ふ、ふぐうぅうううぅぅぅぅぅ、ぶ!!」
寅丸星は、しゃぶらされているハイジャッカーの剛直から放たれた精液を、また飲まされた。
「ふひぃ〜〜〜〜〜。虎ってぐらいだから舌がざらざらだと思ったら、そうじゃないんだな」
ハイジャッカーの小さな発見を、精液交じりの唾を吐きかけることで称える星。
そして、何度目になるか分からない拳による一撃を顔面に受けることとなった。
「ご主人……、あぐうっ!!」
「余所見をするな、ネズ公!!」
ナズーリンは、その華奢な体には負荷ばかり掛かるような特大のマラをねじ込まれ、
星に手を伸ばした状態で意識を飛ばしかけたが、
「寝てんじゃねえ、ネズ公!!」
パンッパンッパンッ!!
ハイジャッカーの攻めでそれすら許されなかった。
「や、止めて……、お願い……」
たまたま命蓮寺に遊びに来て捕らえられ、散々慰み者にされた多々良小傘は、ハイジャッカー二人がかりで股を開かされた。
精液が滴り落ちる秘所に、三人目のハイジャッカーが小傘の本体とも言うべき茄子色の唐傘の先端を押し当てた。
「やや、止めて!! 止めて止めて止めて止めて止め……!! い、ぎゃあああああっ!!!!」
ズブリッ!!
小傘は、左右で色の違う目を限界まで見開き、
力任せにねじ込まれた唐傘によって、限界を超えて押し広げられた秘所にもたらされた痛みと僅かな快感によって、
口から精液と泡を吹きながら気絶した。
「お前等!! 姐さんを!! みんなを放せ!!」
自主的とはいえ、寺の警備を行なっていながら蹂躙を許してしまった雲居一輪は、
その責任感から決して暴力には屈しまいと、抗議の声を上げ続けている。
『入道を使う程度の能力』を封じられたために、雲入道の雲山を霧散させてしまったが、
まだ、彼女には白蓮と共に行なった修行で培った強靭な精神力がある。
ハイジャッカー達はそんな彼女のヴァギナとアヌスに肉棒をねじ込んだ。
ズブゥ!!
クプゥ!!
「あひぃっ!!」
すっかり出来上がった一輪の身体は、前の穴も後ろの穴もすんなりハイジャッカーを受け入れた。
ハイジャッカー達が腰を一振りする毎に、一輪の精神は快感で削られていった。
聖輦船の船長である村紗水蜜は、操舵室にいた。
「面舵一杯、ヨーソロー」
グリィ!!
「あうっ!!」
「取り舵一杯、ヨーソロー」
ググゥ!!
「あぐっ!!」
ハイジャッカーが操船と共に、両手、両足を縛られた水蜜をバックで犯していた。
彼が舵輪と共に腰を回すと、水蜜はあえぎ声を上げてもそもそと動いた。
逃げようとしているのか、具合を良くしようとしているのか。
聖輦船もその船長も、ハイジャッカーの意のままである。
封獣ぬえは『正体を判らなくする程度の能力』が無くなり、か弱い少女の本性を獣欲塗れのハイジャッカー達に晒していた。
「いやぁ!! お願い!! 酷いごどじないでえぇ!!」
スレンダーな裸身を痣と精液に彩られたぬえは、ただただハイジャッカー達に慈悲を乞う事しか出来なかった。
ハイジャッカー達は、ぬえの願いを真逆に叶えた。
ぬえの尻穴を犯しているハイジャッカーと左右の腕を抑えているハイジャッカー達の三人は、
聖輦船占拠の厳しい訓練で培ったチームワークを遺憾なく発揮して、
ぬえの上半身、特に顔面を床に叩きつけた。
力の加減はしているので、ぬえの顔は鼻血に塗れても鼻の骨が折れることは無い。多分。
ズンッ!!
バキッ!!
「ぎゃ!!」
ズンッ!!
バキッ!!
「げ!!」
ズンッ!!
バキッ!!
「が!!」
悪戯好きで快活なぬえの顔は、鼻血の他に、恐怖と苦痛と僅かな快感に染まっていった。
聖白蓮は、客間で犯されていた。
白蓮の豊満な体に欲望をぶちまけ満足したハイジャッカー達は、船内の警備及び逃走者の捜索に向かっていった。
彼らと入れ違いでリーダーが入ってきた。
「さて、聖様、いくつか聞きたいことがあるのですが」
「私も聞きたいことがあります」
客間の四隅に打ち付けられた無骨な楔に取り付けられた鎖で四肢を全裸で拘束された白蓮は、
気丈にリーダーと向き合い、問いかけた。
「では、聖様からどうぞ」
「何故、何故なのですか? 何故、私達にこのような仕打ちをするのですか?」
白蓮は、聖輦船占拠の根本にかかわる、シンプルな質問をした。
「え? ああ、まだ言ってませんでしたか」
リーダーは一瞬唖然とした表情をしたが、直ぐに己の説明不足に気付いた。
「実は、私も聖様と同じ、人妖は平等であるべきだと常々考えておりました」
「?」
「私は、人間にも妖怪にも平等に商いをすることを考えておりました」
「? あの……、先程から話が見えないのですが……?」
「もう少し、私の話にお付き合い下さい。
しかし、地上を隊商を組んで移動するとなると、どうしても人手が要りますし、
盗賊や人食い妖怪に襲われるリスクは馬鹿になりません。
幻想入りした銃器で武装していますが、それでも心許無い。
そこで、この聖輦船です。この船を手に入れたおかげで、安全な移動手段、居住スペースが得られたのです。
あと、『商品』もね」
「貴方!! まさか……、売り物にしようとしているのは……!!」
「そうです!! 貴方たちですよ!! 聖様!!
私は聖輦船を移動売春宿にして、幻想郷はおろか、魔界や地底で、種族を問わず平等に愛を振りまくのです!!」
リーダーは恍惚とした表情で、とんでもない事をのたまった。
彼とは反対に、絶望した表情で絶句する白蓮。
「な、なんと傲慢で強欲で色欲に塗れた邪悪な考えを……!!
貴方!! 人も妖怪も平等だと言いましたよね!!
『商品』にされた者はどうなのですか!?」
「聖様でも実現できない全員の平等化。当然、私にも無理です。
だから、一握りの者だけを平等に扱うことにしました。
すなわち、女好きの金持ちだけをね」
目の前の男は、
要するに、命蓮寺、いいや聖輦船と白蓮、それに彼女の弟子達を非道に扱って、
金儲けをするといっているのだ。
平等思想も何もあったものではない。
絶望した白蓮に、今度はリーダーが質問した。
「では、今度は私が聖様にお尋ねします。
お前のとこにいた、薄汚ぇドブネズミは何処行きやがったああああぁぁぁぁぁ!!」
リーダーは寺にあった鋼鉄製の錫杖で、白蓮を打ち据えた。
一撃。
バキッ!!
しゃらん。
二撃。
バキッ!!
しゃらん。
三撃。
バキッ!!
しゃらん。
錫杖はリーダーの手の汗と白蓮の血ですっかり滑ってしまったが、
結局、白蓮は口を割らなかった。
寺の者にも同じことをするといっても、白蓮は頑なだった。
奴ら、苦痛を功徳だと思っていやがる。
これ以上やっても白蓮の『商品価値』が下がるだけなので、
リーダーは割けるだけの部下を使って、地道に捜索するしかなかった。
この間も、聖輦船をハイジャックした一味は、
その人数を減らしていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハイジャッカー達は、再び白蓮の私室にやって来た。
考えてみれば、目的であった白蓮の身柄を確保できたため、この部屋は捜索していない。
床の間の掛け軸に目が留まった。
「まさか、な」
ベタではあるが、部下の一人に掛け軸を捲るように指示し、
リーダーと残りの部下達は銃を構えた。
部下が掛け軸を捲った。
そこには、なんと!!
壁しかなかった。
その場にいた皆は、期待外れと妙な安心感に包まれた。
リーダーは忌々しく思い、意味ありげでありながら実はなんでもなかった掛け軸を鷲掴みにして、床に叩きつけようとした。
かちっ。
掛け軸が掛かっている、壁の留め金がスイッチになっていた。
うぃ〜〜〜〜〜ん。
掛け軸が掛かっていた場所の横にある棚。
それがスライドして、隠し通路が現れた。
僅か数秒ではあったが、一同、開いた口が塞がらなかった。
次に彼らが感じたのは、意味不明な羞恥心と怒りであった。
「行けっ!!」
次々と短機関銃を持ったハイジャッカー達が隠し通路に突入する。
銃声。
銃声。
銃声。
次々倒れ伏すハイジャッカー達。
この銃声は、彼らが装備しているMP40短機関銃のものだ。
奪ったものを使っているのだ。
ハイジャッカー達も闇雲に打ち返す。
狭い通路。
跳弾で増える犠牲者。
こう着状態が続くこと、数十分。
「無駄な抵抗は止めろ!! こちらには寺の女共がいる事を忘れるな!!」
そうだ、最初からそうしていればよかった。
こちらには人質としても使える『商品』がいるのだ。
耳を澄ます。
相手は沈黙を守っている。
「脅しではないぞ!! お望みなら、見せしめに誰か殺してやるが、誰が良い?」
やはり返事が無い。
「……先程の銃撃戦でくたばったのでは?」
楽観視する部下に、
「そうやって、我々を誘い出そうとする手なのかもしれませんよ。
貴方、試してみますか?」
そういわれて黙る部下。
また無為に流れる時間。
痺れを切らしたリーダーは、先程楽観的な発言をした部下と他一名に、抜け道に入るように命じた。
部下達も緊張感からかごねることも無く、それでいて用心深く、忍び足で抜け道に入っていた。
仲間の屍を踏み越え、一番奥で倒れていた死体を避けた時、彼等の一人が何かを踏んだ。
ワイヤーだ!!
彼らは身を硬くした。
……何も起きない。
そろそろと目を開け、ワイヤーの先を探すと、そこには短機関銃が固定してあった。
さらにもう一組、同様のブービートラップがあった。
二挺の短機関銃は、共に弾切れだった。
畜生!!
短気を起こした彼等の一人は、弾切れの銃を通路の奥に投げ捨てた。
銃が落ちた場所には、三組目のブービートラップがあった。
銃声。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハイジャッカー達が隠し通路のトラップでロスした数十分で、
彼等の敗北は確定した。
ハイジャッカー達がいくら訓練を積んだとはいえ、常日頃、命のやり取りを行なっている妖夢達四人に叶うはずもなかった。
特殊能力を封じたことで驕りが生じたのも致命的である。
彼女達は、直接的な戦闘も得意としていた。
妖夢は普段から剣術を始め、様々な武術を学び、実践している。
鈴仙は穏やかな性格から、普段は『狂気を操る程度の能力』で招かれざる客にお引取りいただいてるが、
いざとなれば、その抜群の射撃センスを披露することになる。
ちなみにブービートラップの仕掛け方は、因幡てゐに散々やられたものを参考にしている。
美鈴は格闘戦のプロであり、お遊びである弾幕ごっこのほうを不得手としている。
小町はああ見えて、船上で護送する霊が暴れた時に取り押さえられるよう習得が義務付けられている狭所格闘術と、
一見お飾りに見える大鎌を扱うための槍術の使い手である。
『商品』の見張りはずさん極まるものだ、とは美鈴の弁。
部屋の入り口にいたただ一人の見張りは注意力散漫だったので、
美鈴は簡単に近づき首をへし折ることが出来た。
中の連中は『商品』の味見に夢中だったため、
妖夢と小町は簡単に近づき、鉄パイプやデッキブラシで手足の骨と股間を粉砕することが出来た。
重要人物であるはずの白蓮が監禁されている部屋も同様に見張りが味見をしており、
鈴仙は簡単に近づき全身に短機関銃の9mm口径弾を浴びせかけることが出来た。
かくして、命蓮寺の面々は、易々と救助された。
連中の銃で武装した白蓮達には、どこか安全なところに隠れてもらい、妖夢達は操舵室の村紗救出に向かった。
今度は簡単にはいかなかった。
怒りに燃えるリーダーを含むハイジャッカー達の残存と、甲板で鉢合わせしたのだ。
鈴仙が甲板中央で仁王立ちになり、短機関銃を短連射する。
MP40はフルオート射撃のみしか出来ないが、鈴仙のフィンガーテクニックで必中の銃弾が繰り出された。
見通しの良い場所に立っている娘一人に、ハイジャッカー達は徒に屍の数を増やしていった。
鈴仙は一端物陰に隠れると、缶詰の付いた木の柄のようなものを取り出し、
柄の缶が付いている側と反対側のボトル飲料の蓋状のものを外した。
柄の中からは液体ではなく紐が出てきて、鈴仙は力いっぱい引き抜くとそれを先程から一箇所に固まっている集団に放り込んだ。
M24型柄付手榴弾。
それが鈴仙が投げた物体の名前である。
投げ込まれてからの短くて長い数秒間。
愚かにも、連中からは手榴弾警報が叫ばれることは一度たりとも無かった。
ドンッ!!
たった一度の爆発で、いよいよハイジャッカー達は壊滅状態に近づいてきた。
彼らに忍び寄り、滅びをもたらす死神は三人いた。
妖夢の二本持った鉄パイプが、
美鈴の鋼の拳と脚が、
小町のデッキブラシが、
殆ど戦意を喪失した、外道共の命を刈り取った。
打ち止めになった銃を投げ捨て、鈴仙は妖夢の元に向かおうとして、
拳銃を妖夢に向けた。
妖夢はうろたえなかった。
鈴仙を信じているからである。
ぱんぱん。かち。
拳銃から放たれた残り二発の銃弾は、妖夢の背後で手榴弾を取り出したハイジャッカーの両目を打ち抜いた。
本当は三発目でデコを撃とうとしたがそこで打ち止めと相成った。
今度こそ、ハイジャッカーは全滅した。
リーダーを除いて。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
流れ弾でくたばったハイジャッカーの操船担当者を退けて、妖夢は村紗の戒めを解いた。
「た、助かりました〜」
「大丈夫かい? ……あ、あんたもだけど、船!!」
現在、聖輦船を操船している者はいない。
「しばらくなら大丈夫です。ドンパチ始まったあたりでコンニャロメが自動操縦に切り替えていましたから」
村紗は外道一味の成れの果てを足蹴にしながら答えた。
「聖様達なら無事、助け出しました。連中の武器を渡して隠れているように言いましたから一安心です」
「不埒者共は? 全滅?」
「いいえ、まだリーダーが見つかっていません。そいつが宝塔を持っているらしいです」
その証拠に、まだ皆の『能力』が使えない。
「とりあえず、しかるべき筋……、博麗神社は遠いですね。守矢神社に着陸して、そこの巫女に船内を捜索してもらいましょう」
村紗はコンパスと地図と外の景色を見比べて、そう結論付けた。
その頃、聖輦船を占拠せんとしたハイジャッカーのリーダーにして唯一の生き残りは、
操舵室から50mほど離れた第二艦橋の屋根にいた。
リーダーは、10kg以上ある金属製の凶器を設置した。
ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
雨だれのような轟音が響き、操舵室の窓が粉砕された!!
毎分1,500発の7.92mm口径弾のシャワー!!
MG42汎用機関銃!!
独裁者伍長の電動ノコギリの異名を持つ機関銃に、操舵室の五人はぐうの音も出ない!!
バタリ。
村紗が崩れ落ちた。
奇跡である。
銃弾の嵐を受けて、一発しか腹に食らわなかったのだから。
出血こそしていないものの――幽霊だから当たり前である――、顔が真っ青である。
「あそこから!!」
鈴仙は、バッグから取り出したコンパクトの鏡をガラスの無くなった窓に向け、角度を色々変えて、
機関銃の位置を確認した。
鈴仙は、
小町を見た。
口の端をゆがめて笑みを浮かべているが、視線が定まっていない。
美鈴を見た。
猛禽類の目をして、
怯えた兎のように震えていた。
妖夢を見た。
皆を守るため、無茶をしそうな雰囲気。
「じゃ、ちょっと煩いのを黙らせてくるわね」
鈴仙はバッグを置き、弾切れの拳銃を置き、体中のポケットから不要なものを投げ出し、
鹵獲した短機関銃を引っつかむと、操舵室のドアに手を掛けた。
「うどんさん!!」
妖夢は鈴仙に抱きつき、
ほんの刹那の口付けを交わした。
「……行ってきます」
鈴仙は、飛び出していった。
逃げ隠れする兎ではなく、
獲物の喉笛に食らいつかんとするネコ科の肉食獣の俊敏さで。
「……」
妖夢は、最早鈴仙の姿は死角に隠れてしまったので、
代わりに彼女が置いていった荷物を見つめた。
鈴仙は、マストの影から第二艦橋の屋根を窺った。
二脚を立てた鋼鉄の武器に動きは無い。
鈴仙は、さらに距離をつめるべく極力見つからないように姿勢を低くして疾走した。
その頃、妖夢は操舵室を飛び出した。
「妖夢さん!!」
「半人前!!」
美鈴と小町の叫びが空しく響いた。
ようやく第二艦橋の前まで辿り着いた。
鈴仙は右手に短機関銃の銃把を握り締め、
左手でたどたどしく屋根に続くはしごを上り始めた。
後一段で上りきるところで、鈴仙は右手だけ出して短機関銃を乱射した。
ひとしきり撃つと、鈴仙は一気に上りきり銃を構えた。
そこには、
弾が装てんされていない機関銃しかなかった。
額から汗が一筋。
「うどんさん!!」
鈴仙は跳躍した!!
ターーーーーン。
外れ。
第二艦橋から、
ライフルを装備したリーダーが潜むマストへ、見事取り付いた。
マストの見張り台に潜んだリーダーはあせった。
慌てて手にしたKar98k騎兵銃のボルトを操作して、次弾を薬室に送り込む。
小銃に取り付けられたZF41スコープのクロスラインに、忌々しい兎が重ならない。
ええい、ままよ。
殆ど適当に引き金を引いた。
ターーーーーン。
至近距離からの7.92mm口径弾は、鈴仙の手にした短機関銃に命中した。
鈴仙は機関部に被弾して役立たずと成り果てた銃を放り出し、なおもマストを登った。
もう、仕留める手段は無いと言うのに。
もう、あせる必要の無くなったリーダーは、次弾を装てんしたライフルを鈴仙に向けた。
それでも鈴仙は上るのをやめない。
そんな鈴仙を追い抜いていく小柄な人影。
「妖夢!!」
ほんの刹那の差でゴールしたのは妖夢であった。
リーダーは第一目標を、銀髪少女に変更した。
ターーーーーン。
妖夢はマストから真っ逆さまに転落した。
鈴仙はマストを登りきった。
リーダーはライフルに次弾を装てんした。
鈴仙は拳銃をリーダーに向けた。
拳銃は、妖夢が落ちる時に鈴仙に投げてよこしたブローニングである。
リーダーは嗤った。
その拳銃に弾は入っていないことを知っていた。
打ち切るところを双眼鏡で見ていたのだ。
鈴仙は微笑んだ。
妖夢と一緒に白蓮の部屋の隠し通路にトラップを仕掛けるとき、
妖夢が落ちていた銃弾――リーダーのワルサーから飛び出した.380ACP弾――を偶然拾っていたのだ。
それを何気なくポケットに仕舞ったまま忘れていたが、鈴仙が置いていったブローニングに装てんして、
決死の覚悟で届けたというわけだ。
鈴仙は銃のインジケーターを一目見て、弾が込められている事を知っていた。
リーダーはニヤつきながら、ゆっくりとライフルを鈴仙に向けようとした。
鈴仙は素早くリーダーの頭に狙いをつけ、拳銃の引き金を引いた。
パーーーーーン。
リーダーはライフルを取り落とし、ニヤついたまま見張り台から落ちていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「妖夢!! 妖夢ぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!!」
滑り落ちるようにマストを降りてきた鈴仙は、妖夢を探していた。
「妖夢ぅぅぅ……」
「うどんさん……」
返事は直ぐに帰ってきた。
鈴仙は半ばびっくりしながら声のした方を向いた。
妖夢が二人いた。
そのうち一人の輪郭がぼやけ、巨大な人魂状になった。
妖夢の半霊である。
鈴仙は、あの時、撃たれて鈴仙に拳銃を渡したのは半霊の方だと、ようやく理解した。
「あぁ……、妖夢……、心配しましたよ……」
「ごめんなさい……、私、未熟者だから……、これくらいしか……、方法を……、うぅ……」
手に回収したらしい宝塔を持った妖夢は片膝を付いた。
「妖夢!!」
鈴仙は思い出した。
妖夢の半霊は独立した存在ではなく、妖夢自身でもあることを。
半霊のダメージはそのまま肉体の方にも行くことを。
「妖夢……、ごめんなさい……、無茶させて……」
「うどんさん……、いいえ、これは私が至らなかったばかりに……」
「お二人さ〜ん!! 取り込み中のところすまないけれど、急いで操舵室に戻って〜!!」
お互いの傷を舐めあうカップルに割り込む陽気ながらも緊迫した声を上げる美鈴。
何事かと疲弊した身体を引きずり、途中から美鈴が二人を両脇に抱えて操舵室に戻ってきた。
改めてみると、操舵室の各種装置が被弾していた。
おまけに船長の村紗が瀕死である。
「キャプテン!!」
「村紗さん!!」
「村紗!!」
「船長!!」
「水蜜!!」
多種多様な呼び方で村紗を呼びながら、操舵室に駆けつけた命蓮寺の面々+小傘。
全員、村紗と似たり寄ったりの負傷をしている。皆、無事に地上に帰れたら、永遠亭で要精密検査だ。
で、今直面している問題は、
操船する者がいないことだ。
「誰か!! 誰か、船を操れるものはいないのですか!!」
白蓮が悲痛な声を上げた。
妖夢は左を見た。
鈴仙は左を見た。
美鈴は左を見た。
小町は、自身を指差した。
「へ? あたい!?」
「「「そう!!」」」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
犬走椛と河城にとりは、川辺で寛いでいた。
にとりの工房の休みに椛の休日が重なった貴重な日。
川辺は些か寒いが、鍛えている椛と水辺が好きなにとりにとってどうと言うことはない。
椛は少し奮発して上物の酒を持ってきた。
にとりは契約農家が育てているきゅうりをふんだんに使った弁当を作ってきた。
「椛、口に合うかなぁ?」
普段無愛想な椛は、にとりの差し出した一品を咀嚼して、微かに微笑んだ。
「よかったぁ。自信作なんだ」
これは、にとり秘伝のたれに漬け込んで作った、特製のピクルスであった。
椛はさらにピクルスを頬張り、酒を一口ちびり。
嫌味にならない酸味と昆布らしい出汁がきゅうりの味を引き立て、さらに酒が進む。
もちろん、椛の隣ににとりが座っている所為でもあるが。
「ん」
にとりはカットしていないきゅうりを一本銜え、もう一端を椛に差し出した。
血で血を洗う修羅場をかいくぐってきた椛ではあるが、にとりと付き合い始めてからしばしばあるこういったイベントには、
未だ羞恥を感じる。
だが、愛しいにとりの可愛い仕草に負け、椛はきゅうりの端を銜えた。
ぼりぼり。
ぽりぽり。
きゅうりを食べ進める二人。
徐々に近づく二人の唇。
後一口二口で唇が触れ合おうとした時。
椛の耳が、ぴくん、と動いた。
二人は弾かれるように同じ方向を向いた。
口からきゅうりが落ちた。
川の上流から巨大な船が下ってきた。
聖輦船が川の水面に船底を接触させて、驀進してきたのである。
「!!」
「ひゅいっ!!」
にとりは腰が抜けてしまった。
椛はにとりをお姫様抱っこをすると、川下に疾走した。
速い速い!!
足場の悪い川原でも、椛は平原を疾走する狼の如く、にとりをしっかり抱きしめて走った。
だが、聖輦船も速い!!
その大質量を凶器として、前方を疾駆する椛を押しつぶさんとしていた。
先程まで二人が静かに愛を育んでいた場所は跡形も無い。
川原に敷いていたレジャーシート代わりのブルーシートも、
日本酒の一升瓶も、
にとりお手製のきゅうり尽くし弁当も、
指しかけの将棋盤も、
巻き起こる風圧と船底の接触によって消滅した!!
次は初々しい恋人達が同様の末路を辿ろうとしていた!!
この追跡劇も終わりを告げようとしていた。
川が途切れているのである。
轟々と音を立てて膨大な水流が落下する、
九天の滝があった。
椛はためらい無く、その身を投げた。
「ひゅう〜〜〜〜〜いぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!!!!!」
にとりの悲鳴は、滝の轟音に直ぐにかき消された。
そのコンマ数秒後、
聖輦船も滝壺に落下した。
……と思ったら、ギリギリで上昇に転じて、ふらつきながらも川沿いに一定の高度を維持して飛行を開始した。
その一部始終を、滝の岩壁に張り付いて見届けた椛とにとり。
椛はオフの時も常時携行している剣鉈を岩壁に突き立て、それを右手一本で掴み、
左手はにとりを抱いていた。
両方の手に、それぞれが掴んでいるものを離す気配は微塵も無い。
椛は千里眼で聖輦船をざっと見たが、操舵室らしき場所に大勢が詰めていた。
部屋の破損は酷く、負傷者もいるようだ。
椛は右手を曲げ、深々と刺さった剣鉈を足場にして、岩壁を登り始めた。
にとりは左手で抱いたままである。
休暇は切り上げざるを得ない。
先程見たことを上層部に速やかに報告する必要があると判断したからだ。
だから、今しばらく、にとりの温もりを感じていたかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よ〜し!! 大体コツが掴めてきた〜!!」
小町はノリノリで舵輪を小刻みに動かしていた。
操舵室には大勢がいたが、賑々しいのは小町一人だけであった。
他の皆は沈黙していた。
ほんの少し前まで、具体的に言えば滝壺に落下したあたりまでは悲鳴が響き渡っていたが、
今では皆、ぐったりしていた。
負傷者達は心身の傷に塩を塗り込められた気分であっただろう。
「じゃあ、守矢神社は遠ざかっちゃったから、博麗神社に行くけど、いいよね。うん、あたいが決めた!!」
普段から見せていれば四季映姫・ヤマザナドゥの評価も上がったであろう、やる気を出している小町の決定に、
誰からも反論は無かった。
かくして椛とにとりのカップルの次には、博麗神社が災難に見舞われることとなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
辺りはすっかり暗くなった。
博麗神社。
……だった場所。
小町は聖輦船を境内に着陸させるつもりだったらしいが、
どういうわけだか、船は本殿を押し潰していた。
「あ……、あぁ……、あは、あははははははははは……」
聖輦船を見上げ、涙と涎を垂れ流しながら笑っている紅白の装束を着た少女が、
おそらく、楽園の素敵な巫女、博麗霊夢だろう。
彼女の足元に、『賽銭箱』とかすれた文字が書かれた木切れが落ちていた。
船からタラップが下りてきた。
続々と命蓮寺の面々と、とんだ休暇になった妖夢、鈴仙、美鈴、小町が重傷者に肩を貸しながら降りてきた。
宝塔は今、力を大量に使ってしまったため使えないが、しばらく間をおけば自分達に掛けられた封印を解くことができるだろう。
そう、白蓮は言っていた。
「これからどうします?」
「永遠亭に戻って、師匠を呼んできます。これだけの負傷者ですから、運ぶのもままならないでしょう」
妖夢の問いに鈴仙はそう答えた。
鈴仙の目は、医療に携わるもののそれになっていた。
「じゃあ、私も紅魔館から助っ人を連れてきます。炊き出し要員くらいにはなるでしょう」
美鈴の提案は有り難かった。
「それじゃ、あたいも渡し舟の準備を……」
「「「それは駄目!!」」」
このような状況で、小町に仕事熱心になっては欲しくない。
「本日は、皆さんにご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません」
四人に白蓮と命蓮寺の者達が頭を下げた。
小傘も巻き込まれた身であるが、どういうわけか一緒にお辞儀した。
「いえ、困った人は放ってはおけませんから」
「い、いえ……、気にしてませんから……」
「いえいえ、あの手の外道は許せませんので」
「まぁ、また飯と酒、ご馳走してよ。美味かったから」
「ええ、宜しければ、またいらして下さい」
四者四様の返答に、白蓮は笑みを以って答えた。
それにつられて、その場の皆も笑い出した。
悪が栄えた試しは無い。
最後に笑うのは、正しいものと、正しいものを守る者達だ。
しかし、悪はしぶとい。
リーダーは生きていた。
鈴仙の放った拳銃の弾は角度が悪かったのか、彼の頭蓋骨に穴を開けるに至らなかった。
さらに、転落しても奇跡的に軽い打撲で済んでいた。
そのときの衝撃で気絶していたが、たった今、息を吹き返した。
忌々しい雌共め。
地獄で鬼相手にケツを振りやがれ!!
リーダーは第二艦橋に置かれたままのMG42を持ち出し、
隠しておいた7.92mm口径弾が50発繋がった弾帯を装てんした。
甲板から下を見る。
彼の素晴らしい計画を邪魔した連中が『商品』と群れていた。
もう、この『商品』は廃棄処分だ。
MG42を腰だめにして、安堵の笑いに溢れた彼女達を挽肉にしてやろうと舌なめずりをした。
死ねえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
「おい、そこの蛆虫、ウチの門番達に何をしようとしている?」
リーダーが凍りついたかのように動かなくなった。
背後からの恐怖が拘束となって、機関銃の引き金に触れた食指がピクリとも動かない。
「あらあらぁ、私の可愛い庭師が何時まで経っても帰ってこないと思ったら、
貴方があの子の休暇を台無しにしたようねぇ?」
甘い甘い声が聞こえてきた。
その甘さは、さしずめ、死の味と形容できるものであった。
「ようやく使えるまでに成長した私の弟子を手に掛けることは、
師匠である私を敵に回すこと。解ってるわよね」
手術用のメスのような、鋭利な言葉の刃が心を抉る。
遥かな高みにいるものが、度し難い下等生物を見下すような、そんな視線を感じる。
「仕事をサボり気味の彼女が人の為に一肌脱いだのは、評価に値します。
しかし、貴方ときたら……、まあいいです。続きはこちらに来てからにしましょう」
全く妥協というものを許さない、無か有の二種類しかない厳しい、公平な世界。
そんな所からやってきたような、断罪の使徒の声。
彼女達がここに現れたのは、椛から異常事態の件を聞いた射命丸文が、各勢力の長に迅速に連絡したためである。
なんだかんだで部下思いの彼女達は、聖輦船の着陸現場に駆けつけた際、
不審な行動をとる下衆野郎を見つけたといった次第である。
……畜生畜生。
……畜生畜生畜生。
……畜生畜生畜生畜生。
……畜生畜生畜生畜生畜生。
畜生!!
リーダーの理不尽な怒りが、背後のプレッシャーに打ち克った。
「糞共めぇ!! まずはてめぇらからぶち殺してやるあああああああああ!!!!!」
機関銃を構えながら後ろを振り向き――――!!
「あら?」
「聖様、どうしましたか?」
「流れ星……」
「珍しい流れ星ですね。下から上に飛んでいます。
……誰かが『羽衣』を使って月に帰ったのかな……?」
「ああいうのは吉兆の昇り竜だとか、お館に出入りする白黒魔法使いが言っていたような……」
「休暇の最後に、めでたい締めくくりだねぇ」
普段、未熟者だの役立たずだのと呼ばれている者達で、臨時に編成された軍隊。
関係各方面に救援要請を行い、
事件の被害者たちが医療機関、永遠亭に収容されたことにより、
その任は解かれることとなり、彼女達は原隊に復帰した。
その後、彼女達の待遇が向上するかは、彼女達次第である。
ふう…、仕事が忙しくて、こんなに日数が掛かってしまいました。
ああ!! 参考資料のMP40のストックに赤錆が!!
2011年1月4日(火):明けましておめでとうございます。本文の一部修正及び、皆様のコメントへの返答を追加させていただきます。
>1様
命蓮寺メンバーの拙い描画の陵辱シーンで喜んでいただき、光栄です。
>2様
別にあの四人は身内を殺された訳ではないですけど、確かに彼女達に勝てるのは彼女達の上司や主位でしょう。
>3様
ドアのロック及び警報設置を行なうような相手だったら、さらに戦略、戦術が要求されますね。
エアダクトを這い回り、わざとアラームを作動させてのこのこ出てきた敵を四方から銃撃するとか…。
ハイジャッカー達は特殊能力を使えなくして、白蓮達の身柄を押さえ、聖輦船を上昇させれば、
誰も手出しできないと思ったのでしょう。
>ヨーグルト様
どうも。鉛弾での命を賭した弾幕ごっこ、お気に召したようで。
私の趣味丸出しな作品になってしまいました。
>スリップスカル様
これら銃器は、たまたま私の手元に立体資料がありましたので登場させました。
次点では、陸上自衛隊の89式小銃や5.56mm軽機関銃を考えていましたが、
東方に合うのはやはり独逸製の古くても洗練された銃器です。
蛇足ですが、『ポテトマッシャー』の紐が柄の中に入っていたことに気付いたのはつい最近のことです…。
MGの銃声、判ってくれましたか。
映画『ケルベロス 地獄の番犬(Stray Dog-KERBEROS PANZER COPS)』では、海外ロケで本物のMG42を使用して、
バレル交換シーンまであるのに銃声がアレでしたが…。アニメ『人狼』での重低音の銃声は良かったですけれど。
なんだかんだで四人全員が活躍できて良かったです…。
>6様
危うく、小町の活躍の場を忘れるところでしたよ…。
ハイジャック物等の飛行機パニック映画で、旅客機のパイロットが全員殺された時、
セスナしか操縦経験が無い人とか、各種戦闘機の操縦経験があると思ったらプレステの話だったゲーマーが、
機を操るシーンを思い浮かべて書きました。
寅さんが宝塔を無くすのは、最早伝統です。
>イル・プリンチベ様
デリヘルというより、お店そのものがお家にやってくるような物です。
四人が犯られると…。
妖夢と鈴仙が泣き叫びながら陵辱されるヤツはよく有りますが、美鈴と小町は直ぐには思いつきませんね…。
ハイジャッカー達は、弱い者にはとことん強く、強者に当たった途端に無様を晒す、そういう下衆野郎です。
>穀潰し様
拙い陵辱シーンが好評のようで。
このシーンがあるからこそ、犯った連中を容赦無くぶち殺せると言うものです。
MGの銃声もまた、好評とは…。
最高責任者しか履歴を知らない『ただのコック』はハイジャッカーにとって要注意人物です。
>9様
トン寺ハウスの命蓮寺は売春宿。
少なくとも現在の東方で移動可能な拠点を持つ勢力は命蓮寺だけですから、
キャラバンのような使い方は出来ないかな〜と思っていたら、こういった話になってしまいました。
NutsIn先任曹長
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/26 13:55:36
更新日時:
2011/01/04 02:19:24
分類
妖夢
鈴仙
美鈴
小町
みょんうどん
聖輦船ジャック
命蓮寺メンバー+小傘の陵辱
ブービートラップで半壊滅状態になるハイジャッカー
災難だったもみにとりと霊夢
未熟者達の上司によるトドメ
陵辱シーンで勃起したのは俺だけではないはず!!!
殺傷型だけじゃなくて音による侵入者検知のブービートラップを使ってなかったのは
人数と武器の優越で油断していたのか。
ありとあらゆる銃器とキャラを駆使して、戦闘シーンも迫力ありますね ^^
こういったものも大好きです。
MG42の銃声って本当に"ダアアアアアアアアア"って聞こえますよね。あの音は大好きです。
しかし全員かっこよかったなぁ。自分もいつか、こんな作品を書けるようになりたいな。
そして確かに能力なしでもやってける面子だ
これは中々楽しかったし、各自見せ場があってよかった
しかし星、すんなり宝塔とられんなやw
オイラとしては、この4人組が性奴隷になるバットエンドも見たかったような、そうでないような複雑な気分です。
しかし、ハイジャッカーが肝心なところへっぽこすぎて笑える。
にしてもギロチンの音は何時聞いてもいいなぁ。
そしてこの作品に触発されて、「ただのコック」がアップを始めたようです。
ゴクリ