ヘスス・スアレスの論調で東風谷早苗（八坂神奈子と守矢諏訪子も含む。）をひたすら非難してみました。

　ヘスス・スアレスの論調で東風谷早苗（八坂神奈子と守矢諏訪子も含む。）をひたすら非難してみました。

　　このＳＳを読む前にヘスス・スアレス氏の事を、簡単に紹介させていただきたいと思います。


　
　名前　　　　ヘスス・スアレス

　性別　　　　男

　生年月日　　１９５９年５月３１日生まれ

　職業　　　　サッカー雑誌の執筆者、スポーツジャーナリスト

　国籍　　　　スペイン


　
　愛称はジーザス・サッカー雑誌「ワールドサッカーダイジェスト」巻末の「ザ・ジャーナリスティック」というコーナーのスペイン編を担当しています。

　本職はスペインのサッカー雑誌「Futbol　Tactico」の執筆者の一人であり主にスペイン１部リーグ所属のクラブ「デポルディポ・ラ・コルーニャ」のインタビューや戦術批評を担当しています。

　現役時代はガリシア１部リーグでプレーしていました。現役引退後、監督養成学校でＦ・バスケス氏に師事して指導者の道に目指した後に、州リーグのクラブで監督を務めた後現在は『オール・ヨーロッパ』誌に寄稿するなどして、現在はジャーナリストとして活躍いまして、指導者立場からの理論には定評があります。（Wikiより）

　スアレス氏のサッカー観はとにかく攻撃的志向を持ち、サッカーは得点を取ることで勝つことを最重要視しており、点を入れたら守り切って凌ぐより次の得点を積極的に狙っていく攻撃的サッカーを好む。選手起用は中盤の選手に質の高いパスを前線に供給することが出来る選手を好み、特定の個人が相手の守備組織を単独突破することを嫌い、組織で相手チームの守備を切り崩すことを好んでいる。

　そのため、イタリアの守備的サッカーを非常に嫌っており、イタリア人監督で守備的なサッカーを志向していて、率いたクラブチームをすべて優勝させている“優勝請負人”の肩書をもつファビオ・カペッロのサッカー観を非常に嫌ってます。

　スアレス氏が好きな選手は主に、アンドレス・イニエスタ選手や、フェルナンド・ジョレンテ選手であり、逆に嫌いな選手は主に、ファビオ・カンナヴァロ選手やジェンナーロ・イバン・ガットッーゾ選手です。

　雑誌面で何かと気に障る問題があれば、ファビオ・カペッロの事を引き出すとあからさまに非難しており、匹夫、ペテン師、詐欺師扱いしています。



―博麗神社にて―

　

　「あ〜、いつも通り暇ね！誰か神社にやってこないかしら。」

　いつも通りお賽銭箱の前で寝そべっている博麗霊夢は、異変も起こらない退屈な日々にウンザリしていた。神社の参拝者がやってきて、お賽銭を入れてくれたら儲けものだが、妖怪がやってきたら妖怪退治をしようと思っていたそんな矢先である。

　「お〜い、霊夢！東方キャラクターダイジェストの最新号が発売されたから、早速買ってきたぜ！」

　やって来たのは友人でもあり、腐れ縁で付き合いの長い霧雨魔理沙だった。買い物袋を持っているので、おそらく人里に行って買い物を済ませてきたことがうかがえる。東方キャラクターダイジェストは、スペルカード戦の弾幕の美しさと、スペルカードの順番の戦略性や、それそれのキャラクターの弾幕タイプを詳細な指摘と評価がのっている雑誌である。
　
　「何だ、魔理沙か。あんたならカラーページしか読まないから、買うだけ無駄なじゃないかしら？」

　霊夢は魔理沙にいつも横やりを入れるのは、いつものやり取りであって嫌みを含めて行ってるわけではない。実のところ買った当日に自分に読ませてくれるので、内心有り難く思っているのだ。　

　「なんだよ、つれないなぁ。霊夢だって、東方キャラクターダイジェストをいつも私から借りて読んでる癖に何言ってるだか。私は東方キャラクターダイジェストのカラーページより、モノクロページのザ・ジャーナリスティックが好きなんだぜ！とくにヘスス・スアレス氏のコラムを読むと、とにかく脳汁が出てたまらないんだぜ！あっ、オリケイさんは論外な。あの日と言ってることがブレブレなんだぜ！」

　もちろん魔理沙は霊夢の言ってることを真に受けることなく、皮肉を込めたジョークで切り返している。こうでもないと幻想郷ではやっていけないのだ。

　「魔理沙、あんたわかるわね！ジーザスのコラムは、スペクタクルなスペルカードと弾幕美を好むからいいのよね。それに弾幕ごっこの概念は一貫して初志貫徹を貫いてるんだから素敵だわ！」

　霊夢は魔理沙の口から、『ヘスス・スアレス』の名前が出てくるのを聞いて、顔が明るくなった。霊夢は弾幕ごっこのジャーナリストであるヘスス・スアレスのコラムの熱狂的なファンで、その独特な辛口の指摘と言い回しが書かれているコラムを読むのが宴会で酒を飲む次に好きなのだ。

　「今のモノクロページの執筆陣だったら、パドバンさんやヴェルドネさんやルドガーさん達のコラムも捨てがたいぜ！おっと、私は早速ジーザスのコラムを読むからな！霊夢、お前にはあとで読ませてやるからちょっと待ってろよ。」

　魔理沙が言ったジーザスとはヘスス・スアレスの相性であり、アルファベットの綴りがＪｅｓｕｓであることが起因している。魔理沙が言うように他の執筆陣のコラムも非常に読み応えがあり、ジーザス程でなくてもそれ相応にインパクトがあるので公表を得ている。ちなみにオリケイさんは主張していることにブレがあり、手の平返しが目立つので霊夢も魔理沙も評価していないのだ。

　「わかったわ！ジーザスのコラムを読んだら、私に貸してよね。」

　―少女（魔理沙）読書中―
　
　「おっ、今回のジーザスのコラムは東風谷早苗についてか！なになに……？おおっ！おおおっ！ぷっ…、あ〜はっはっは！ははははははっ！スゲェぞ！今回のコラムはスゲェぞ！今回のコラムは神だぜ！今回のジーザスのコラムは大当たりだぜ！これは早苗に読ませざるを得ないぜ！」

　「ま、魔理沙。そんなに面白いんなら早く私に読ませなさいよ！ジーザスのどんなこと言ってるのか、気になっちゃうじゃないの！」


　魔理沙が『東方キャラクターダイジェスト』を読んで、涙を流しながら笑っているので、霊夢は魔理沙が呼んでいると思われるジーザスのコラムの内容が気になって、自分も一刻も早く読みたいので魔理沙に早く読み終わるように急かした。

　「悪い悪い、今回はいつもより面白すぎたからな。まぁジーザスのコラムは逃げないからあわてるな。」

　「早く読ませてよ！中身が気になっちゃうじゃないの！」

　「おお、いいぞ！霊夢、今回は大爆笑ものだから覚悟しろよ！」

　魔理沙はジーザスのコラムを読み終えると、霊夢に『東方キャラクターダイジェスト』と渡すと左目をウィンクして右手の親指を突き上げた。

　「ありがと、じゃあ、早速ジーザスのコラムを読むわね！カラーページは後で問題ないし。」

　霊夢は魔理沙から『東方キャラクターダイジェスト』を受け取ると、カラーページを無視すると、巻末の方にあるモノクロページのザ・ジャーナリスティックのヘスス・スアレスのページを真っ先に読んだ。

　―少女（霊夢）読書中―

　「くっ、ふふっ、ぷっ…、…………、ひっ、はっ、あ〜はっはっは！ああ〜はっはっは！何これっ！早苗の事叩きまくりじゃないの！ジーザス、あんた凄いわ！超ウケるんですけど！これでご飯は１０杯いけるわ！あ〜はっはっは！ああ〜はっはっはっはっは！！！！！」

　「な、言ったとおりだろ？早苗について評価した部分は、的確であるとともに凄く面白かったんだがな。」

　「これは早苗に読ませなきゃいけないじゃないの！魔理沙、いいわね？」

　「あたぼうよ！今から守矢神社に突撃だぜっ！」


　霊夢と魔理沙はジーザスのコラムを読み終えると、顔を合わせるとうなずきあって疾風の如く勢いで守矢神社の方面に向かっていった。

　
　―少女移動中―


　ジーザスのコラムの内容は以下の通りである。早苗をよく知る者は、その評価が的確であると感じるだろう。


―コラムの内容―


　私は東方Project第１０段『東方風神録』で初登場した、守矢神社の風祝を務めている東風谷早苗という人間について、私は評価もしたくないし話もしたくない。なぜなら語る価値がないからだ。

　この売女は幻想郷に来てまもなく博麗神社にやってきて、第１３代巫女を務める博麗霊夢に対しあろうことか、巫女の座を降りるように脅迫してきたのだ。これは博麗大結界を崩壊させる危険性が極めて高く、幻想郷の秩序を乱す許されない行為である。

　博麗の巫女にスペルカード戦を挑むも、圧倒的な実力差を見せつけられた挙げ句の果てに、まともな反撃も許されず大惨敗を喫したのは記憶に新しい出来事だ。しかも、美しさも強さも欠けた秘術『グレイソーマタージ』や、取るに足らない大奇跡『八坂の神風』は、言うまでもなく非情に醜いだけの対応が容易なだけの汎用なスペルカードである。極めつけは、奇跡『ミラクルフルーツ』や神徳『五穀豊穣ライスジャワー』のネーミングセンスのなさと弾幕の醜さは史上類にみない最低最悪のスペルカードであるといえるだろう。

　何といっても、博麗霊夢の神霊『夢想封印』と神技『八方鬼縛陣』強さも美しさも圧倒的に劣るのだ。博麗霊夢と売女を比較するまでもないが、弾幕の華やかさと威力においてだけでなく、すべての面において完敗していた。霊夢と早苗はお互いスペルカードを５枚ずつ宣言したが、霊夢は１つしか使わなかったのに対し早苗は５つ全部を使い最後の１つはラストスペルを使ったのだ。私がＶＴＲ上で二人のスペルカード戦を見て目を覆いたくなるのは、この売女がラストスペルを使ったにも拘らず霊夢に全くダメージを与えれなかった事だ。

　この売女は幻想郷に住んでいる人間の実力を過小評価した事によって、痛手を被ったのだがそれも当然の出来事であるのだから、外界にいた時は絶対的な存在だったといっても、幻想郷では一人の汎用な人間として生きていかなければならないのである。自ら目の当たりにした現実を受け入れてこそ、幻想郷の住人としてやっていかなければならないのだと私は思うのだ。

　私はこの売女が奇跡を起こす程度の能力をもっているというが、神徳を得ることが出来なければ実際は何の役にも立たない代物であると思われる。早苗は幼い頃から、口伝でしか伝えられていない奇跡を呼ぶ秘術をマスターしていたというが、私に言わせてみたら子供だまし程度の稚拙な能力でしかなく、汎用な人間程度の分際で現人神を名乗ることに恥を感じないのか、私にとってこの売女の存在は犬も食わない代物だ。

　この売女を知る周囲の者は、性格はいたってまじめで自分の力に自信を持っている上に、現人神にふさわしい人格と品性を兼ね備えているというが、私の見解では、この売女は自らを一人の汎用な人間でなく偉大な神としてとらえており、自分の器がどうであるという事を正しく理解していないのだろうか、傲慢で自らの力量を過大評価していると言い切れる。現人神を名乗るなら、それ相応の品格を兼ね備えてはならないはずなのだが、あろうことかこの売女は外界にいる１０代後半の少女のそれでしかない。いや、むしろそれよりはるかに稚拙だと見受けられる。間違いなくこの売女は、自分が神であることより人間であることを自覚するべき必要に迫られている。

　守矢の２柱の加護があるから力の強い妖怪を退治出来るのであって、東風谷早苗の個人能力は幻想郷基準の物差しで見ると汎用な人間以下のそれでしかなく、一切のプラス修正を排除したならば、紅魔館のメイド長を務める完全で瀟洒な従者である十六夜咲夜はおろか、普通の魔法使いである霧雨魔理沙よりその実力と資質は２ランクも３ランクも劣るだろう。

　東風谷早苗が祭っている八坂神奈子も、信仰を得るために外界から幻想郷にある妖怪の山に守矢神社を移したのだが、妖怪の山に住んでいる天狗や河童の信仰を集めて神徳を強めていったので、これは幻想郷のパワーバランスを崩しかねない危険性の高い行為だ。そもそも幻想郷は様々な種族の妖怪と人間と幽霊や亡霊などが、お互いをけん制し合っている今の均衡のとれた状態が最良の状態である。あろうことか、独断で旧地獄にいる地獄烏の霊鳥路空に、八咫烏の神の力を与えてしまったのだ。八雲紫や八意永琳を始め、幻想郷に存在する各勢力の頭領達は秩序を乱す守矢神社を激しく非難したが、不幸中の幸いとして危険性がなかった事で事なきを得たのだったがいささか軽率であることは間違いない。

　博麗霊夢と霧雨魔理沙と売女東風谷早苗が魔界に行った時に、聖白蓮の封印を解いてしまった後で、聖白蓮が命蓮寺を設立した際に神奈子はあろうことか百蓮を危険人物として警戒するという神の癖に軽率で不遜である考えをもっているのだ。誰もがその実力を認めていようが、私にとって八坂神奈子という神は、以前の圧倒的で輝かしい力を失った汎用な軍神でしかなく、私が何かの宗教や神教を崇拝する権利を選べるなら、絶対に守矢神社の神はどんなことがあろうが信仰しない。

　どんなに信仰を集めて力があることを誇示しても私に言わせると、八坂神奈子も汎用な神の一人でしかなく幻想郷にいる資格がないのだが、もう一人の祟り神である洩矢諏訪子も八坂神奈子同様、汎用で無能な神でしかなくいち早く信仰を失って、次に生まれ変わるならば幻想郷に住まう妖怪ガマでなく、外界に存在する人間が起こす環境破壊の影響を受けた生まれつき体の一部分に障害を持ったカエルであることがふさわしい。いまさらだが、わたしは八坂神奈子と洩矢諏訪子は東方キャラに値しないと思うのだ。

　純粋な東方Projectファンにとって、早苗の思考するスペルカードや周りに対して配慮を欠いた痛々しい行為は犬も食わない代物にすぎない。力のない妖怪であるにもかかわらず、多々良小傘に一切の敬意を払うことなく尊大極まりない態度で接したのだから、まさかハイスイカーであるとともに、賢明な『東方Project』のファンのみなさんまでもが、そのような陳腐な考えを持っているはずがないと信じているが、流石に売女東風谷早苗の言動の痛々しさに腸が煮えたぎるような心境を覚えるのではないだろうか。

　そもそも幻想郷において人間という存在は、神はおろか妖怪より目下の立場であるので常に畏敬の念を持ち、尊敬語と謙譲語を使い分けて話すべきなのに、あろうことかこの売女は、ナズーリンや多々良小傘、雲居一輪、雲山、村紗水蜜、寅丸星に対してタメ口で話しかけたのだ。今回のスペルカード戦で哀れな多々良小傘は守矢の２柱の加護を受けた現人神に敵う筈もなく、ラストスペルを放ち逆転勝利を狙うも、守矢の２柱の力を得た売女の一方的な猛攻を抑えきれず何も出来ないまま破れ去ってしまった。これにより東風谷早苗の熱心なファンは、小傘のような下級妖怪が守矢の風祝を崇拝するべきだというが、しかし私に言わせてみればそれは結果論でしかない。

　元々は、風の神様を祀る人間の分際であるにも拘らず、秘密の多い秘術を扱うのか雨や風を降らす奇跡を起こしているうちに、恐ろしい事に周りの人間達は秘術を行う人間自体を信仰するようになっていったのだ。嘆かわしい事に風の神様が起こしていた奇跡を、いつの間にかこの売女が起こしていると勘違いし始めたのだ。私にとってどうしても理解できないのは、この売女風谷早苗が祀り上げる守矢神社の２注である八坂神奈子と洩矢諏訪子は、何故東風谷早苗の持つ欠陥の目立つ人格面を改善するよう教育しなかったのか最大の謎である。

　私が東方星蓮船と東方非想天則をプレイするなら、何があろうと東風谷早苗を絶対自機として使う事はない。そもそも弾幕ごっこもといスペルカード戦は、美しくなければならないのに、ただ勝利にこだわりを持ち過ぎていて見るに耐えられない代物であるからだ。今後も東風谷早苗のスペルカードは、一切の美しさを排除しているものであると考えられるし、機能美を優先した性能になるだろう。私は弾幕ごっこが完全な実力主義の争いに成り下がるのを黙っていてはいられないから、それならルールを無視した殺し合いをやった方がまだマシだと思うのだ。ペテン師である東風谷早苗の実力と実績は評価に値するものだが、今後の彼女が幻想郷で上手く生きていくには、人間的な成長と妖怪とすべての神に対しての畏敬の念を支払うべきなのだ。まさかハイスイカーで純粋な『東方Project』のファンである賢明なみなさんは、あろうことかこの詐欺師を評価しているとは私は思えず、今後の早苗の成長にも限界を感じるはずなのだ。

　最後に私から言わせて貰うと、ここ最近の霧雨魔理沙の急激な成長は称賛に値するし、スペルカード戦において美しさと強さを兼ね備えるようになった。以前の彼女は『弾幕はパワーだぜ』が口癖で、動きが直線的で戦闘パターンが単純で相手に見破られやすかったのだが、持ち前の火力に磨きがかかったうえに広範囲の攻撃も覚えたのだ。天性の才能にはそれほど恵まれていないのに、一世一代の天才である博麗霊夢にいい勝負を挑めるまで成長した事に驚きを隠せない。そんな彼女の弾幕美と力強さを素直に称賛したいと思うが、後は独自のスペルカードを開発するだけで彼女は、完全に覚醒するだろう。この頃（了）



―守矢神社にて―


　「どうだ？東方キャラクターダイジェストは面白いだろう？読みたいなら貸してやってもいいぜ。」

　「早苗、勉強になったでしょう？」

　「な、何なんですか？このコラムは！現人神であるこの私を非難するだけでも重罪なのに、あろうことか神奈子様と諏訪子様までここまで誹謗中傷罵詈雑言を述べるなんて、何を考えているんですか？このコラムを書いた人は！そしてこのＳＳを書いた人は！存在自体がマチガイで、考え方がキチガイですよっ！」

　「それがあんたの評価じゃない。神奈子と諏訪子にどっぷり依存しているところなんて、もろにあたってるじゃないの。」

　「それがお前の評価だぜ。素でやり会ったら私に勝てないだろうな。幻想郷の情勢を理解していない奴に読ませても時間の無駄だったかな。」

　「何言ってるんですか！ゴミクズの分際で！」

　「スイーツ（笑）が何言ってんだ？東方キャラクターダイジェストは、弾幕ごっこの指摘にはうるさい執筆陣が多いんだぜ？それも重度の弾幕マニアが読むもんだから、一般人向けの雑誌じゃないんだ。まっ、私から見てもお前の弾幕なんて酷く耐えがたいものなんだがな。」

　「実際あんたなんて、語る価値なんてないのよ！このコラムを書いている人は、正しい見解をもっているじゃないの。この人に評価されるってことはある意味凄いってことなのよ。まぁ、あんたは酷評された上に目をつけられたから、何かと非難の対象になるわよ。」

　「ああああああああ！！！！！ムカつく！！！！！こんなものっ！破り捨ててやるっ！」

　自分のことを酷評された記事を読んだ早苗は、怒りで我を忘れてしまい魔理沙の所有物である『東方キャラクターダイジェスト』を破り捨ててしまったのだ！

　「お前、人のものになんて事してくれるんだ！どう弁償してくれるんだ！」

　香霖堂でのアルバイトの収入で買った雑誌を、早苗に破り捨てられたので流石に怒ってしまった。

　「そうよ！私だってもっと繰り返し読みたいコラムがあったのに！魔理沙のものなのになんて事してくれるのよ！」

　万年金欠病の霊夢は、『東方キャラクターダイジェスト』をもっと読みたかったのに、それを早苗に台無しにされたので我慢ならす怒ってしまった。

　「現人神の私をコケにしてくれた貴方がたはここで死んでもらいますよ！神徳『五穀豊穣ライスシャワー』！！！！！」

　怒りで我を忘れてしまった早苗は、霊夢と魔理沙に弾幕を放った。だが、歴戦の勇士の二人は早苗の弾幕を難なくかわし、攻撃一辺倒の早苗に狡猾極まりないカウンターアタックの一撃を喰らわせた。攻撃の美しさはあると言えないのだが、最小のリスクで最大の成果をあげれるからだ。

　霊夢と魔理沙は早苗よりはるかに実力のある格上の人間なので、力量の差はいかんともし難いものがあり、弾幕ごっこも例外ではなく、強者がカウンターアタックを使ってくるとどれだけ恐ろしい事になるか容易に想像できる。

　「そらよっ！醜い攻撃をすることしか考えていないおマヌケな風祝の早苗ちゃんに、魔理沙さんが弾幕ごっこの美しさがなんたるかを教えてやるぜ！魔符『スターダストレヴァリエ』！」

　「早苗、ショートカウンターの効率の良さとスペクタクルな弾幕を見せてあげるから、これは弾幕ごっこの勉強代としては有り難過ぎて、割に合わないほど安すぎるぐらいよ！宝符『陰陽宝玉』！」

　「ぎゃああああああっ！！！！！」

　ピチューーーーーン！！！！！

　霊夢と魔理沙のスペルカード攻撃を回避できず直撃でくらった早苗は、２０メートルほど吹っ飛んだ後に受け身を取れなかったので、石畳に背中を強打してしまった。

　「ゴブッ！！！！！」

　背中を強打した事により一時的に呼吸困難に陥り、汎用な風祝の早苗は血反吐を吐いて失神してしまった。

　「早苗、雑誌の事はこれで忘れてやるから、この弾幕は勉強代として有り難く思うんだぜ？わかったか？それにしても、汚くて見るに堪えない弾幕だぜ！ジーザスの指摘は確かだな。」

　「早苗、幻想郷でやっていくには、最低でもこれぐらいの力は持ってないとダメなのよ？わかったかしら？いきなりラストスペルを使って勝負に行くのは理解できるけど、見た目が麗しくない弾幕を張っても、ここじゃ評価を勝ち取れないのよ。ましてや弾幕ごっこにおいて、スペクタクルさを求めるジーザスはあんたみたいなやり方を酷評するだけね。」

　霊夢と魔理沙は、血反吐を吐いて失神した汎用な売女の姿を見ると、霊夢は金目の物を奪って、魔理沙はグリモワールのようなレアアイテムを奪ってから、妖怪の山を下りて帰路についたのだった。

　守矢神社の境内に残ったのは、霊夢と魔理沙に身ぐるみはがされ全てを失った汎用極まりない売女である風祝の醜態だけだった。本来なら、神奈子と諏訪子が早苗を助けようとするはずだが、神奈子と諏訪子は幻想郷での信仰が少ないため、早苗を救うまでの神徳を発揮することができず、愛する風祝の早苗が霊夢と魔理沙に一方的にやられるのを見ても、涙を流しながら指をくわえて見ているだけしかできなかったのである。

　「おお〜ん！うおお〜ん！済まない早苗…、我々の信仰が少ないから、神徳を発揮できないせいで酷い目にあわせてしまって……、おお〜ん！うおおお〜ん！！！！！」

　「あ〜う〜！！！！！ごめんね早苗！お前のことを助けれない無力な神の私達を許しておくれ…、あああああ〜ううううう〜！！！！！」

　信仰を失った神はその力を発揮して神徳を見せるどころか、自らの肉体と精神を具現化した存在を維持するだけで限界を感じるのだ。幻想郷は誰でも受け入れる理想郷でもあるが、力のない存在は容赦なく粛清淘汰される残酷な世界でもあることを忘れてはならない。

　幻想郷のパワーバランスの一角を担うほどの力をもつ妖怪は、それほど力のない妖怪や人間を襲い捕食するし、むしろ力のない妖怪でも人間を襲い捕食するのだから、人間たちは妖怪を退治しなくてはならない。スペルカードルールがあって、完全な実力主義が否定されたとしても食物連鎖のピラミッドがなくなるわけではないので、現状としては弱者の立場であれば強者に怯えて暮らすしかない完全実力主義の弱肉強食の世界なのだ。


Ｆｉｎ