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『ちるだい』 作者: 島根
長い年月が経ち、チルノも成長した。
弾幕ごっこではとうの昔に、最近では様々なことで彼女のペースに合
わせることができなくなった。
少し屈んで話していたのが見上げなければならなくなったのはいつだ
ろう。
それに伴って彼女の行動範囲も広がり、この湖に帰ってこない日も多
くなった。
私は怖かった。
彼女の中から私の存在がどんどん薄くなって、いつか見えなくなって
しまうのが。
だから、私は逃げた。
忘れられるのが怖かった。
忘れられるくらいなら先に忘れてしまおうと思った。
かくれんぼは得意だった。
チルノを避け、会わないように画策し、時には紅魔館にまで足を向け
た。
すっかりチルノとの接触がなくなったとき、それを自覚した瞬間涙が
流れてきた。
独り何度も何度も何度もチルノに謝り、嗚咽を漏らした。
チルノの顔を見なくなって1ヶ月、恐ろしいことにもうこの状況に慣
れ始めてきた。
そもそも1人遊びや刺激の強い弾幕ごっこが好きだった彼女はもう忘
れてしまったのかもしれない。
よく妖怪や一部の人間にちょっかいをだすのを楽しんでいたみたいだ
し、私と遊ぶときは彼女なりに合わせてくれていたのかもしれない。
ただただ単調に、ずっと平和に一日を消化した。
そんな日が続いたある日、私はひょんなことから「かくてる」という
ものを手に入れた。
道具屋をやっている半妖が落していった本を気まぐれに届けてみたら
、そのお礼としてもらったものだ。
曰く「ジュースみたいに甘い奴だから妖精でも飲めるだろう。本当は
ジュースでもあればいいんだが、あいにく今はなくってね」
甘いというからにはおいしいのだろう、私は蓋を開けてみた。
少し舌で舐めてみると、オレンジのような甘い味に加えて独特な風味
がした。
しかしとてもおいしかったので私は一口、もう一口とすぐに飲み終え
てしまう。
すっかり満足し、さあ帰ろうと立ち上がったところで異変が起きた。
急に天地がひっくり返ったのだ。
そこで私は自分の身体がすっかり火照っていることに気がついた。
風邪かなと思ったがとても良い気分で、ふわふわと浮いているよう。
空に浮かぶ雲もぐるぐると変化し、魚になったり巫女になったり。
暖かくて眠くなり、私はそのまま眠りに落ちた。
何かが聞こえる、懐かしくも感じる声。
「みぃつけた」
目を覚ますと、とたん襲ってくる頭痛。
覚醒はしたものの目は閉じたまま、身体も動かすことができずただた
だ頭に鈍痛が走った。
けれども誰かが私の髪を梳いていて、少し快い。
「おはよう、大ちゃん」
この、声は・・・。
「大ちゃん? ねぇ、起きたんでしょ」
少し責める様に言われてますます目を開けることができなくなった。
「・・・・・」
「まったくもう、大ちゃんはかくれんぼ上手いなぁ、見つけるまでこ
んなにかかっちゃった。ずっと探してたんだよ? いつも会える場所に
行ってもいなくって、こんなに時間がかかっちゃった。最近かくれん
ぼやってなかったからなぁ、腕がなまっちゃったのかも。ねぇ大ちゃ
ん? ねぇ、起きたんでしょ? ねぇ」
そこで両手首のひりひりと焼けるような痛みに気づいた。
でも熱いんじゃない、冷たい、すごく冷たい・・・。
「ああ、大ちゃんがどこか行っちゃうんじゃないかと怖くなっちゃっ
たの。でもこうしておけば何所にもいかないよね?」
痛い、痛い、痛い、痛い。
「チルノ、ちゃん・・・・・?」
「あ、大ちゃんおはよ!」
目を開けると、吐息がかかる位置までチルノが近づいていた。
久しぶりに見るチルノはニコニコとしているが、どこか冷たく見えた
。
彼女はこんな風に笑っただろうか。
「もう、大ちゃんったらあんなところで寝ちゃったりして危ないわよ
! それとも私がなかなか見つけられないからって寝ちゃったのかな」
手首と足首が痛い、冷たい、冷たくて痛い。
「もう大丈夫! 大ちゃんのことはちゃんと見つけてあげたからね!
でもあんなに見つからないなんて・・・大ちゃん、ずるいよ! だからず
るできないようにこうしとくからね!」
「あ、うああ・・・・・」
両手首と足首に氷が張り付いていた。
それはベッドの柵へと繋がることで氷の枷となっている。
「さて、ずるした大ちゃんにはオシオキが必要だよね? どうしようか
なぁ、そうだなぁ・・・」
「や、やめて・・・」
「そうだ! 凍らせちゃおう! 大ちゃんをこーるどすりーぷしておけ
ばもう何処にもいけないよね!」
パキパキと空気の凍る音がした。
手首と足首に張り付いていた氷が、その体積を増し始める。
手首から肘へ、肘から肩へ。
足首から膝へ、膝から腰へ。
「い、いや ち るの ちゃん やめ」
「んー?」
凍結が止まる。
既に氷は私の頭と首、胸周りの僅かな領域以外を侵食していた。
歯が震え、呼吸が荒くなる。
「ごめ ごめん な さい ゆるし 」
「大ちゃん、もうずるしない? どこにも行かない?」
震える身体で何度も頷く。
チルノはその様子を見てニッコリと微笑んだ。
「うん! じゃあいいよ!」
チルノが氷に手を触れると、そこから吸い取られるように氷が無くな
っていく。
瞬く間に覆う氷が消え、身体に自由が戻る。
冷えてしまった体温はまだ戻らなく、身体を抱きかかえて体温を取り
戻そうとする。
「ずっと一緒だからね」
チルノはそう言うと、後ろから抱きかかえるように寄り添ってきた。
「今度は許さないからね」
その体温は相変わらず冷たかった。
神綺は魅魔と戦い、相打つ形で決着。お互いに一時的な眠りについた。
その間魔界を任されたのは夢子、しかし夢子は神綺に対して主従以上の感情を持っていた。
永い永い時間、神綺と会うことが出来ず、かつ日々魔界を取り仕切っている夢子の心は壊れ始めてきた。
そんななか夢子の補佐役として動いていたルイズがある日、夢子の様子がおかしいのに気づいた。
夜、ルイズは夢子の部屋に行き、カウンセリングをするとついに夢子は暴発。
神綺への感情の暗い部分をぶつけられ、暴力的に抱かれるルイズ。
その日から夢子とルイズの関係は壊れた。
表面上、他の者からみたら問題ないように見えたが、目を忍んでは夢子はルイズを呼び出し組み伏せる。
夢子は「神綺様・・・神綺様・・・」と呟き、ルイズは情が移ってしまう。
しかし行為は暴力的、ルイズの身体は服で隠れているところに傷だらけ。
ある日、とうとうサラが目撃。
密かにルイズに思いを寄せていたサラは後日ルイズに話をする。
合意の上だ。でも他の皆には言わないでくれ。と言われたサラは、だったら自分にも身体を開けと暴走。
しかしルイズの身体中にある傷を見て何も出来ず、震えるルイズを抱きしめて就寝
そんな話をだれか書いてください。
島根
- 作品情報
- 作品集:
- 23
- 投稿日時:
- 2011/01/18 03:18:26
- 更新日時:
- 2011/01/18 12:18:26
- 分類
- 大妖精
- チルノ
服はそのままで
逃げるという行動に移せたぶん大ちゃんは歪まなかったが、
チルノは情愛のやり場を失ってやばい方にいっちまったんだな