Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『胡蝶夢丸ナイトメア(Extraモード)』 作者: イル・プリンチベ
〜実験開始前〜
「ふふっ、私の計算通りであればこの配合で間違いない。」
永遠亭に住まう月の薬師こと八意永琳は、自信をもって今回やる実験の成功を確信していた。今回作っているのは、胡蝶夢丸の新型でより凶悪な悪夢を見る代物なのだ。人間と妖怪は体質が異なり、薬の成分が異なるために同じものを提供することが出来ないが、これは人妖共に使用できる画期的な薬であった。
「はっはっは、これは幻想郷初の、いや、全世界、いや全宇宙初の人妖共用できる精神安定剤、いや、精神崩壊剤よ。月人も地上人も妖怪もみんなこれで強烈な悪夢に襲われ、精神力の弱いやつなら確実に絶望の中で死ねるわ。名づけて胡蝶夢丸ナイトメア〜エキストラモード〜ね。未完成だけどこれのパワーアップ版の〜ファンタズムモード〜もあるけど、まずはエキストラの実験次第ね。場合によっては〜ファンタズムモード〜はお蔵行きになるかもしれない。」
「しかも、この新型胡蝶夢丸はありとあらゆる方法で飲ませることが出来るのよ。しかも、人妖両方に飲ませることが出来る画期的な薬だわ。今までの幻想郷の医療技術で不可能だったことを私が可能にした。ふふふっ、ははっ、ああ〜はっはっはっはっ、やっぱり私は偉大なる天才だ!スキマ妖怪の賢者も、七曜の魔女も、人里の守り神のワーハクタクも、河童のマッドエンジニアも私とは比較にならない!月の英知は偉大なのよっ!わーはっはっは!わ〜ははははははっ!!」
永琳の診療所の常連客には、精神を病んでいる人形遣いや、喘息で苦しむ七曜の魔女がいるが、そんな常連客相手に実験の結果が判明されていない薬を、いきなり世に出すわけにはいかないので、いつものごとく実験台の鈴仙・憂曇華院・イナバと因幡てゐと蓬莱山輝夜と藤原妹紅に無理やり飲ませることにした。何事も成功が確約されなくてはならない。
「さあ、楽しい実験の時間よ。」
永琳は秘密の地下室につくなり、拘束具につながれている2人を見下して言った。
「師匠。今日は何をするんですか?」
怯えながら私を見つめるのは弟子である鈴仙・憂曇華院・イナバだ。彼女には実験という口実でお仕置きをしている。お使いを依頼するも、欲しいものを入手できなかったり簡単な事務手続きの記入ミスをしたりする。その度にお仕置きとして薬の実験台にさせているが、それ以外にも弟子だから何かと口実をつけて薬を飲ませている。
「お師匠様。私が遊んでばかりいるっていうけどさ、肝心な時は役に立っているはずだよ。兎達の管理は私が責任をもってやっているじゃない。」
「今日はあなたたちに新しく作った薬を飲んでほしいのよ。というか、飲みなさい。あなたたちに新薬を飲まないという選択肢は存在しないし、参加を拒否するという権利は認めないということで。」
「やっぱりそうでしたか。今日は何の実験ですか?」呆れ半分でウドンゲが答えると、
「あぁ、またか。でも、お師匠様相手じゃ仕方ないね。」てゐはふてぶてしくも観念したかのような態度をとる。
「今日のあなたたちには胡蝶夢丸の新型を飲んでもらいます。もちろん実験の参加を拒否する権利はありませんし、それに私の目の前でちゃんと飲んだのを確認するわよ。だから、誤魔化そうとしたっても無駄だわ。あと、どのような効能があるかの質問は一切受け付けないということで。いつものことだけど実験開始まで2時間あるからそれまでゆっくりやすんでいいわよ。」
と、一方的に自分の主張だけをして実験の準備をするために地下室から一度出ていく永琳だった。この瞬間2人はいつも通りの展開になるんだなと内心思ったのだった。実験が終わった後は例のごとく地面にひれ伏すという屈辱を味わうのだが、以前は永琳に反抗して2人束になって襲いかかるも敵わないということがわかったので、仕方なく服従するしかなかった。
「胡蝶夢丸の新作ですか…凄く嫌な予感がする…」これから迫りくる恐怖におびえるウドンゲに、
「師匠も人の心があるから、今日はまだ楽だと思うよ。」とてゐはわずかながらも楽観視していたが、
「そうかしら?今のお師匠様はマッドサイエンティストです。私たちみんな絶対ロクなことにならないよ。」とウドンゲはてゐが楽観視したことを否定する。
「そう言われると、そうだね。お師匠様は、いつも以上に今日の実験を楽しみにしていたもんね。とんでもない悪夢を見ることになるね。いつも思うんだけどさ、本当にまともな医者に治療を受けてしかるべきなのは、私たちじゃなくは師匠でしょう?」とてゐが言うと、
「言えてる。」とウドンゲは相槌を打つ。
休憩時間が終わって永琳が実験室に戻ってくると、実験に必要な機材をイナバに持って来させ、機材の配置場所を指示し終わると2人をベッドに寝かせてから、体全体を拘束すると如何わしい雰囲気を放っているヘッドギアを強制的につけさせた。
このヘッドギアは、夢の内容をディスプレイ画面に表示することが出来る代物だった。ディスプレイ画面を始めとした電子機器を開発したのは、同じくマッドサイエンティスト仲間である河童の河城にとりだった。もちろん画像を保存できるDVDデッキなるものもにとり特製のものだった。
「余計な前座はこれで終わりにして、メインイベントを始めるわよ。」
と言うなり無理やり2人に新型の胡蝶夢丸を飲ませたが、あらかじめ8時間は強制的に眠らせる睡眠薬を混ぜておいたのだった。哀れな2人は飲ませてから1分もたたないうちに睡魔に襲われて実験室の床であるにも関わらす間もなく寝てしまった。
〜てゐの夢の世界〜
てゐは竹林を全力で走っていた。人里に住まう狩人から逃げるためだが、いくら走っても追手を振り切れない。こんなこと普段はありえないのだが、胡蝶夢丸の効果により追っては減るどころか逆に増えている感じがあった。
「はぁ、はぁ…人間のくせになんでこんなに足が速いのよ。私は妖怪兎よ、人間の追手なんてあっという間に振り切れるのにどうして…それにしてもあいつらこんなにタフだったの?私の全力疾走について行ってるしもうわけわかんない!それに、何で永遠亭につかないのよ!絶対おかしいじゃないの。」
狩人から逃げるために竹の合間を縫って、身を隠しつつ蛇行しながら走るも、追手は振り切れない。普通ではありえないがてゐは竹が人間を避けてるかのような感じがあった。そうでなければ人間如きが自分を追跡しきれるわけがないと思ったからだ。
「あっ!因幡の白兎だ!こいつの足は幸運を招くレアアイテムだぞ。絶対逃がすなよ!」
「こいつは因幡の詐欺兎だぜ。みんなこいつにだまされてエライ目にあってるじゃないか。ここであったが百年目、今日こそこいつを退治してやろうじゃないか!」
「そうだな。もちろん今日の夕飯は兎鍋だな。長生きして肉は堅そうだけど、健康マニアって聞いたから案外柔らかそうだ。」
「よーし、ライフルの射程距離圏内だったら撃ってしまおう。妖怪だから死にはしないが足止めにはなるし、こいつは妖怪のくせにそんなに強くない。遠慮なくやらせて貰おうじゃないか。」
狩人達の放つライフルを必死に回避するてゐ。それでも、追手から逃れるために大分走っていたので体力を消耗していたので、危うく左足に被弾しそうだった。ギリギリのところで回避したので、態勢を崩してしまい転倒しかねなかった。態勢を立て直そうとしたその時、腹部に違和感が走った。そう、急な腹痛を起こし下手をすれば周りに醜態をさらしかねない忌々しいあの感覚を。
「うっ、な、なんでこんなときにお腹が痛くなるのよ!今はそれどころじゃないっていうのに!」
狩人達から逃げなくてはならないのに、こんな時に大便をしなくてはならないのかと思うと流石にやりきれない心境に陥った。急な腹痛の原因を思い当ってみたが健康マニアの自分には思いつかないことだったが、ひとつ引っかかるものがあった。永琳が用意した箱の中に入っていたお菓子だった。「この箱の中にはとても危険な毒物が入っています。ゆめゆめ、開けることのないように…」と永琳が言ってたにもかかわらず、ウドンゲが「やめようよ。」といったにも関わらず好奇心が高じてあけてしまい調子に乗って全部食べてしまったのだ。その時は非常に美味く思えたが、狩人達に追い詰められている今となっては取り返しのつかない失態につながると思うと自責の念以外なかった。
「あたしの悪戯があたしを追い詰めることになったなんて…痛っ、もう我慢できないかも。」
てゐの走るスピードが急に落ちたので人間たちは一斉にライフルを放った。何とか回避するも、一発だけこめかみをかすめた。直撃を喰らわなかったことでほっとしたそのせいで肛門の締まりが一気に緩んでしまったと同時に、強烈な腹痛に襲われてお尻を突き上げる形で倒れてしまった。
ブブブッ!ブリブリブリッ!
「あっ、出ちゃう!ダメっ!」
肛門を閉めようとするも、永琳特製の下剤が入っていたのでそうはいかない。出ようとするものは何があっても止まることのない容赦のないものであり、永琳の実験とお仕置きで、この下剤を何度飲まされたのか忘れてしまいたいものだった。
ブブブ、ブブヒュー、バビュバビュバビュッ、ビビビッ!
「ああ、こんなところで漏らしちゃうなんて…でも我慢できない。」
永琳特製の下剤の効果は強烈で、抵抗を許さない代物だった。狩人から逃げ出さなくてはならないが、もうそれは敵わないということを受け入れざるを得なかった。
「どうしたんだ?コイツいきなり動かなくなったぞ!よし、一揆に仕留めちまえ!」
血気盛んな何人かの若手の狩人はてゐに襲いかかろうとするも、
「やめろ。お前ら下手に襲いかかると痛い目にあうぞ。こいつは妖怪だから何をしだすかわからん。いきなり妖術を使いだすかもしれないし、他の妖獣に変身する鵺かもしれない。んっ?なんか臭いぞ。俺は漏らしてないし…まぁ、とりあえずは近寄って様子を見よう。」
老練な狩人は今のてゐだったら容易に捕獲できるが、長年の経験からして追い詰められた妖怪は何をしだすかわからないので、慎重な対応を試みた。かつての同僚の狩人仲間は功を焦って命を落とし、自らも負傷を負った体験があった。そのため、妖怪を捕獲するためには細心の注意を払う必要があることを思い知らされた。しかし、今回のてゐの様なケースは今までなかったので、若手を死なせたくない一心もあっての対応策だった。距離をつめていくうちにそれも無用の心配だと悟った。なぜなら、大便をしている音と匂いがしていたのだから。
「あッ、こいつクソしてるぞ。スカートも茶色に染まって…ああ、もう因幡の白兎じゃない因幡の糞兎だ。情けないな、こんなところでクソ漏らしちまうんなんてな。」
若手の狩人がてゐを罵る。人間相手に醜態をさらすことになろうとは思いもしなかったからだ。その時強烈極まりない腹痛がてゐを襲った。肛門の筋肉を締めようと試みるも、排出の要求には逆らえないので漏らす以外の選択肢は存在しなかった。
ビビッ、ビビビッ、ビビビビー!ビビイビビビッビッ、ビビビビッビビッビー!!!
「こいつ下痢便漏らしてる。“因幡の糞兎”じゃなく“因幡の下痢兎”だな。」
「うわっ、くせーぞ!うー、たまらん!このままじゃ我々全員ノロウィルスに感染して下痢が止まらなくなるぞ。」
「兎鍋は中止だ。目の前の獲物を逃がしたくないが、この匂いには耐えられないので退散しよう。とりあえず、においのしない場所に避難しよう。」
「そうですね、こんな下痢兎食べたくないですよ。食べたら最後みんな食中毒だ。」
狩人達がいっせいに鼻をつまみ退散するほど、てゐの出した下痢便はとんでもない悪臭を放っていた。下痢便を出した本人も例外はなく吐き気を催し、その場で胃の中に入っていたものを一斉に吐き出した。
オッ、オゥエエエエエエー!ウォエエエエエエー!ボォウエエエエエー!
下痢便を出しながらゲロを吐き続けたので、てゐはこれ以降は“因幡の下痢兎”とか“因幡のゲロ兎”という不名誉な呼び名を得た。しばらく経ってから狩人達がてゐの様子を見に竹林にやってくると、なお下痢便を出し続けると共に、ゲロを吐き続けているので、竹林一帯はゲロと便の混ざった悪臭が漂っている。“迷いの竹林”は“汚物の竹林”と呼び名を変え、それ以降人里の人間は誰も竹林に訪れることがなくなった。そしててゐは今もなお下痢便を漏らし続け、ゲロを吐き続けているのだ。
めでたし、めでたし
〜ウドンゲの夢の世界〜
「レイセン、どこに行ったのよ!肝心な時にいなくなるなんて何考えているのよ!」
「依姫様!第4小隊はレイセンを残して全滅しました!」
「レイセン、お前は仲間を見捨てたのに自分だけはのうのうと地上で生きている。お前みたいな志のない玉兎は今すぐ粛清されるべきなのだ!!!」
「レイセン、怖いよ、助けてよ…」
「きゃあああああ!痛いよう!痛いよう!!ああああっ!!!」
「第2小隊全滅です!体調、副隊長ともども討ち死にしました!」
「こちら第3小隊、壊滅寸前です!!!大至急増援部隊の要請を!!!」
「右翼弾幕薄いぞ!!何やってんの!!外界の人間の兵器はいつぞやの妖怪なんかよりはるかに強いんだぞ!死にたくなければ、全力で戦え!」
「裏切り者!裏切り者!!裏切り者!!!」
「レイセン、月の都を守るための戦争なんだ!死んでいった仲間はおまえみたいに遊びでやってんじゃないんだよー!!!」
「わ、私だけが、な、仲間を見捨てて死ぬわけにはいかない!!」
「ごめんね…レイセン。私が、あなたを守ってみせる!きゃあああああああああ!!」
「依姫様!第一次防衛ラインが突破されました!」
「落ちろー!墜ちろー!堕ちろ〜!お、お母さん!わあああああああああああああ〜!!」
外の世界の人類が月面侵略時に、玉兎たちが防衛に当たるもあっけなくやられてしまうシーンだった。ウドンゲが絶対に思い出したくなく、忘れ去りたい忌々しい過去だった。ときどき悪夢として見るのだが、いつもより凄惨で陰鬱な代物だった。玉兎の仲間達の死の瞬間が脳内でエコーするのは、今なお耐えがたいものだった。主であった綿月依姫が月の都を守るために命をかけて必死に戦っているにもかかわらず、死の恐怖から逃げ出してしまう自分が今なお恨めしい。
「あ、ああ、ああ…ご、ごめんなさい。わ、私は、と、取り返しのつかないことをしたんだ。みんな本当にごめんなさい。だから許して…わ、私は、私は…生きていたいだけで逃げたわけじゃないことだけはわかってほしいの…」
ウドンゲは死んだ仲間達に向かって謝罪と脱走した理由を弁明したが、それでも決して許されるものではなかった。当然のことであろうが、戦争で戦って死んだ者の残留思念がウドンゲを容赦なく糾弾するのだった。
「だったらなんで戦わないのさ!」
「あんたが逃げ出したからみんな死んだのよ!」
「レイセンがサボったからいけないのに何をいまさら謝ってるのさ!謝るぐらいなら我々と共に戦って死ねばよかったんだよ!!」
「あんたは私たちより強いけど、戦うことが出来ない臆病者なのよ。そりゃ模擬戦や座学での成績はいいから依姫様に好かれていい気になってみんなの前で傲慢な態度をとってるもんね。実はあんたが皆に嫌われていることを知らなかったの?」
「レイセンはいい子ちゃんぶってるだけでしょ。でも、実際は一番肝心な時に使えない要らない子なんだよね。」
「そんなあんたが八意様の弟子になるなんて都合が良過ぎだけど、あんたは師匠のことを博愛しているみたいだけど、お師匠様はあんたのことを都合のいい実験台程度の認識でしかないのよ?」
「穢れた玉兎は穢れた罪人と一緒に暮らすのが似合っているわよ。だけど、輝夜と永琳も穢れた罪人だもんね。」
幻想郷の閻魔である四季映姫・ヤマザナドゥが現れ、ウドンゲにこういった。
「被告人鈴仙・憂曇華院・イナバ。閻魔としてあなたに死刑判決を下します。仲間を見捨てているにも関わらず、あなたはのうのうと地上で生きているだけでも万死に値する。そして、輪廻転生の輪から追放することを今日ここで宣言する。」
「そうだそうだ!」
「流刑地で毒殺にしちまえ!」
「人里の広場で公開しようぜ!電気椅子にかけてしまえ!」
「絞首刑がいいな。」
「ギロチンにかけてしまえ!」
「死刑執行後にさらし首にしちまえ!」
裁判所にいる閲覧客は幻想郷の住人たちとかつてウドンゲの同僚であった玉兎と永遠亭に住む妖怪ウサギたちであった。自分の同胞達に罵声を浴びせられたことのなかったウドンゲは驚きが隠せなかった。
閻魔に一方的死刑先宣告され訳が解らないのでウドンゲは、
「なぜ、私が有罪判決されなければならないのですか?そんな強引なやり方、絶対おかしいです!」
と閻魔に反論するも、周りの閲覧客から激しいブーイングが飛んできた。
「黙れ!貴様に基本的人権は存在しない。よって今の発言は認められないものとする。この閻魔に対し反抗的な態度!これだけでも万死に値する!!今すぐ刑の執行を、者ども連れてゆけ!」
閻魔が刑の執行を促すとすぐに死神たちがやってきてウドンゲの方に近づいてきた。
「はっ。」
閻魔に命ぜられた死神たちはウドンゲを拘束し処刑所に連れて来た。
「斬首刑、絞首刑、電気椅子感電死、毒殺刑、銃殺刑。あなたに生きる権利はないのでせめて死に方を選択権を与える。さぁ、どれにする?あぁ、もちろんあなたの処刑はすべて公開されるということは決まっていますし、処刑所には大勢の観客が待っているのですからね。」
処刑所に連れてこられたウドンゲに開口一番閻魔が聞いてきた。自分の生きる権利はないということと、極刑の選択を与えられているということが理解できた。ただし、楽に死ねる選択をさせてはもらえないだろうと思えてならなかった。ウドンゲはどれも選択したくはないが、自らの醜態をさらしたくない一心で考えに考えた上で毒殺刑を選択した。
「閻魔様…私の希望が通るのなら、せめて毒殺刑を選択させてください。私の亡骸を公開され、遺書や辞世の句を残すことは許されていないのならば、せめてそれだけを…」
自分の罪はどう考えても許されるものではないということはあらかじめわかっていたのと、己の死をもって償うことが出来ると思えば死を受け入れることは何の問題もなかった。もちろんのことだが、閻魔に対し哀願調で願い出たのは蛇足であろう。
「流石月の頭脳の弟子ですね。もちろん遺書と辞世の句の類は一切残させないし、処刑された後は勿論その亡骸を見せものにします。鈴仙・憂曇華院・イナバは、自分だけが助かりたいために仲間を裏切り地上に逃亡した穢れた玉兎であることを後世に伝えよう。そして私はあなたに、とっておきの刑を宣告します。あなたは死刑とし、兎鍋の肉となることを今ここで宣告する!」
四季映姫・ヤマザナドゥは、部下の死神に鈴仙をフェムトファイバーの縄で拘束させ、死刑会場に連れて行かせた。
死刑執行所は、博麗神社の宴会会場だった。今回の宴会の幹事は、普通の魔法使いの霧雨魔理沙が司会進行を兼任している。死神の小野塚小町に連れてこられ、叩き倒された。
「皆さん、お待たせいたしました!本日のメインディッシュは、玉兎の鈴仙・憂曇華院イナバの肉を使った兎鍋だぜ。大罪人の玉兎の肉を使った鍋は、もう二度と食べられないんだ!こいつの骨と肉と皮と毛も、食べれるところなら全部食べちまおうぜ!」
「兎鍋!ご馳走、ご馳走。兎鍋!ご馳走、ご馳走。玉兎の肉は年に一回大ご馳走!」
「イェーイ!メインディッシュは玉兎の兎鍋!サイコーだあ!!!イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!」
「ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!ウドンゲ!」
「ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!ブレザー、うさみみ、狂気の瞳!!!」
「裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!裏切り者!」
「死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!死―ね、死―ね、ウドンゲ死んじゃえ!」
宴会場は、異常にテンションが高く盛り上がった。会場全体が兎鍋をリクエストしていたので、最高級の食材の一つである玉兎の肉を食べれると思うと、その場にいた地上の人間や妖怪たちは大歓声を起こし、乱痴気騒ぎをやりだす始末だ。
「皆様ご静粛に!まずはメインステージに注目してください、これから食材となる玉兎の鈴仙・憂曇華院・イナバの肉の解体ショーを始めますので、二刀流の達人の魂魄妖夢さんにその剣の腕をご披露していただきます!それでは妖夢さん、メインステージの方へお越しになってもらうぜ。」
「妖夢、今の心境はどうなんだ?」
「そうですね、玉兎の肉を解体するのは初めてなので、お目汚しにならないように頑張ります。」
「わかったぜ。これからメインイベントの始まりだ!みんな、最後まで見てほしいんだぜ!」
妖夢はメインイベントが始まると、余興として剣舞を見せる。鈴仙は丸裸にされた後に、十時に固定され、殺される恐怖に怯え、尿失禁と便失禁をしてしまう。会場にいる人妖達は焦らされるも、ショーを楽しんでいるのでさらにテンションをあがっていく。
妖夢は盃を霊夢から受け取ると、盃に入っている液体を口に含み、剣舞をしながらそれを霧状にして刀に吹きかける。
「あれっ、この玉兎、おしっことうんちを漏らしてる。ダメだ、これじゃ解体ショーが出来ない。もう一回清め直さないといけないです。すいません、このダメ玉兎の体をきれいにしてください。」
妖夢がショーの中断を訴えると、会場全体が鈴仙に激しいブーイングをする。怒り狂った物は、その場に落ちていた石ころを投げつける観客がいるので、司会進行役の魔理沙はこの状況を収めるために、
「皆様、ご静粛に、大変申し訳ございません。玉兎が粗相をしましたので、清め直さないといけないので、ショーを中断してしまった事につきましてはこの場でお詫びするぜ。」
魔理沙が謝罪をして観客のヤジをおさえると、鈴仙は強制的に熱湯で体を清められ、改めて妖夢の解体ショーが再開される。
「それでは、右手を切ります!」
ジョバッ!!!
「うぎゃあああああ!!!!!」
妖夢は躊躇することなく鈴仙を切りつけた!右腕は、付け根から下が地面に落ちていった。鈴仙の右腕が、妖夢の楼観剣によって切りつけられると、妖夢は鈴仙の帰り血があたると白装束が真紅に染まっていく。この瞬間、宴会場は大歓声が沸いた。
「おおーーーーー!!!!!」
「いいぞーーーーー!!!!!」
「兎肉ーーーーー!!!!!」
「兎たべたいよーーーーー!!!!!」
「次は、左手を切ります!」
ジョバッ!!!
「ああああああ!!!!!うわああああ!!!!!」
妖夢は一切の迷いを排除して、鈴仙の左腕を切りつけた。右手と全く同じく、左手も付け根から下が地面に落ちていった。
「次は、右足を切ります!」
ジョバッ!!!
「あっ、あ、あ、あ、あ、あああああ!!!!!」
機械的に解体作業をするかのように、妖夢の顔色は全く変化がない。右足も両腕と同じく付け根から下が切られてしまい、地面に落ちてしまった。
「次は、左足を切ります!」
ジョバッ!!!
「あががっ、あぎゃっ、あああああ!!!!!」
左足も右足と同じく付け根から下が切断された。あまりの痛みに絶叫するするしかない鈴仙は、血の涙を流して意識を失っていた。
「最後に首をはねます。」
ジョバッ!!!
「……………」
妖夢の白装束は真紅に染まり、狂気の色を溢れかえしていた。
この時、仲間を裏切り見捨ててきた玉兎は、博麗神社の宴会会場でその生涯を終えた。鈴仙の解体ショーが終わると、妖夢は風呂場を借りて、体を清め直していつのも緑を基調としたワンピースを着ていた。そのあと、鈴仙の体をさらに細かく切り分けて、臓物も一つ残らず鍋に投入され、この日の宴会に参加しているすべての人妖に兎鍋が振る舞われた。
「兎鍋美味いぜ。」
「兎鍋美味いのだ―。」
「兎鍋、ごちそう、うまいうまい。」
「酒の肴に丁度いい。」
「あら、この兎鍋すごくおいしいじゃない。」
「僕は鍋はいらないから、ブレザーとつけ耳とミニスカートと縞パンがあれば満足だよ。これは僕のオナニーのオカズになりそうだぞ!」
哀れな大罪人の鈴仙は兎鍋にされて、その亡骸は余すところなく幻想郷の住人達の胃の中に収まり、後日便となって土に帰って行きました。
ブレザーとつけ耳とミニスカートと縞パンは、変態店主のオナニーのオカズに成り下がってしまいました。
めでたし、めでたし
〜実験終了後〜
実験開始から1日経過した後、永琳は専用の実験室で、てゐとウドンゲの夢が記録された動画を見て感想を述べた。もちろん実験の成果は、特別なノートと永琳専用のパソコンに記録されている。
「あら、思ったより面白いものが見れたわね。あの子たちは、これが忘れがたい強烈に残ったトラウマだったのね。実験終了後にあの子たちは、便失禁と糞失禁をして、体中の穴という穴から血液を出して、心拍数が0になりかけてたじゃないの。もう少し放っておいたら完全に死んでたかもしれないけど、蘇生薬と精神安定剤を打っておいたから、命に別状はないでしょう。この画像データをVHSとDVDとBDを焼きつけて売り付けたら、どうなるか楽しみだわ。」
永琳が椅子に座りながら体を伸ばすと、
「そういえば香霖堂に、最近ブルセラショップの委託コーナーが新しくできたって聞いたから、あの変態店主に交渉してみようかしら。私のパーフェクトボディで悩殺すれば、間違いなく上手くいくわ!」
「これからもっと面白い実験をしたいんだけど、妖怪兎2人だけじゃこれからの実験は無理かもしれないわ。そうだ!いいことを思い付いた。今度はいつも粗相ばかりしている、役に立たない蓬莱人二人を調教する必要があるわね。」
永琳は不敵な笑みを浮かべると、
「あの2人だったら、どんな実験でも耐えうる体を持っているから、私のやりたいことをやれるかもしれない。幻想郷の医療レベルの向上と、私の研究の成果を試す事ができればたぶん私の長年の夢がかなうかもしれない。まぁ、そのためにはあの2人を捕獲することから始まるわ!さぁ、今日も楽しい実験の始まりよ!」
あとがき
イル・プリンチベです。今回はえーりん先生に変態的な実験をやらしてみたくなって、ウドンゲとてゐに犠牲になってもらいました。
胡蝶夢丸ナイトメアの効果を高くしたら、人間も妖怪も死に兼ねないと思えるんですが、まぁ、そこは突っ込まないで下さい。
本来は輝夜と妹紅もやる予定だったんですが、面倒くさくなってやりませんでした。ダメですね。
ちなみにウドンゲとてゐを題材にした作品を投稿した理由は、兎年だからという単純なものです。
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
23
投稿日時:
2011/01/21 11:32:42
更新日時:
2011/01/21 20:32:42
分類
八意永琳
鈴仙・憂曇華院・イナバ
因幡てゐ
胡蝶夢丸の強化版
夢の世界
トラウマ
兎鍋
結局は、二人共失禁、と。映像が永遠亭の資金源になれて良かったね!!
トムとジェリー的蓬莱人をヤったあと、ファンタズムの栄誉は是非、開発者である永琳師匠に!!
貴方の一本筋の通った変態ストーリー、今後も楽しみにしております。
1>>オイラの作品に変態さと混ううs沌さがなくなったら、それこそ凡庸で面白みのない作品に成り下がってしまいますね。それが自分の作風ですから。
2>>下痢兎っていいですよね!