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『一緒に遺体の』 作者: もやし
今日はあの人が死んでしまった
訂正、正確には死んでしまったのは何日か前で
正午、いつもこの時間に昼食を持ってきてくれたあの人は姿を現さず、別の子が持ってきてくれた
昼寝をしていてもあの人の怒声が聞こえなかった、ナイフが飛んでこなかった
私はそれであの人の死を認知した
私の心の中のあの人は今日死んでしまった
それから何日経っても私の想いはあの人から離れることは出来なかった
彼女の死を認める事は出来たけど、離れ離れになる事は認められそうにない
門をあの白黒に破られる度にお嬢様に叱られ、その後慰めてくれた、自分の事を好きだと言ってくれた
誰よりも自分を心配してくれたあの人と別れるなんて
私はいつのまにか霊廟にいた、あの人の墓の前に立っていた
そして私はあの人の遺体が入っている棺を霊廟から運び出してしまった
絶対に誰にもバレてはいけない、絶対に誰にも渡さない
これからはあの人の遺体と一緒に過ごすんだ、きっと彼女もそれを望んでいるはずだ
「...ふう......」
誰にもバレずに自分の部屋に持込た、ここに運ぶまで誰かに感づかれそうになったけど
『気を使う程度の能力』で気配を消しその場を凌いだ
運んでる途中でかいた顔の汗を洗い、私は棺に目を向けた、そして...
あの液体を手に入れるには数日掛かりそうだ
私は彼女をひとまず冷蔵庫にいれる事にした
「.....あぁ、どうか泣かないで下さい...何日かの辛抱です、何もしないままでは
貴女の綺麗な身体が腐ってしまいます」
それからまた数日が過ぎ、ようやく私はあの液体を手に入れる事が出来た
思ってたよりも値が高かったけど、私はお金なんて気にならない
貴女が永遠に今の姿でいてくれるのなら、お金なんて惜しまない
私はその液を風呂一杯までいれ彼女を浸からせた
「どうですか?...え?匂いが気になりますか?ふふ、それなら大丈夫ですよ...」
その後彼女に香水を何度もかけてあげた、それでも匂いが残っている、畜生
怒っているみたいだ、私は慌てて謝罪する
「も、申し訳ないです...あ!そうそう、新しい服を用意したんです、これ」
誤魔化すようにそう言って私は彼女にメイド服を見せる、いつも彼女が着ていた服
それを見た貴方はどこか嬉しそうな顔をする、そんな彼女を見ると私も嬉しくなる
私は彼女の着ているドレスを丁寧に脱がし、それを着せ、化粧もした
そして彼女をベッドに寝かせその横で私が寝る、幸せだ
いつもの用に門番の仕事を終えて私は部屋に戻る
「.........!!」
ベッドに横になっている彼女に口付けしようとした私はある物を見て肩を震わせた
...クソッタレ、あの液体じゃ眼には効果がないのか...?クソ、クソッ
...どうしよう、私のせいで綺麗な瞳が台無しになってしまった、どうか嫌わないで下さい
私は取り敢えず義眼を彼女の両目に差し込み取り出した瞳は自分の胃にしまった
「必ず近いうちに綺麗な眼を手に入れます、それまで我慢して下さいね...」
爪が何個が剥がれ落ちてしまっていた…身体も所々腐っている
...どうにかしなければ、あの液だけでは身体を腐るのを完全に防ぐ事は出来ないみたいだ
どうにかしないと、どうにか...!なんとか腐敗を防がないと...!
あぁ…こうして悩んでる間にも愛しい貴女は朽ちていってしまう
苦悩している私は、とある閣下の言葉が頭をよぎった
そうだ、蝋...!あれならどうにかなるかもしれない
屍蝋化した死体はずっと同じ形を保つと聞いた事がある
「一日待って下さい!何とかなりそうです!」
仕事を終え部屋に戻った私は早速持ってきた蝋を彼女に.........
...野郎...蛆が沸いてやがる...ここ最近あの液に浸からせてなかったせいかな
...誰がてめえらなんぞに食わせるかよ糞がよおおお!!!
蛆如きが調子に乗るんじゃねーぞ!!!あぁぁぁ!!
...丸一日かけて私は蛆を一匹残らず取り除き針で刺して始末した
彼女の可愛らしいアソコに巣食っていた下衆共は踏み潰してやった、くふふ、ざまあみろゴミ共が...
傷んでる部分にやっと蝋を埋め終えた、これで大丈夫だ、腐敗は止まるはず
しかし寝たままの状態で、しかもこんなボコボコした形のまま固まってしまってはきっと彼女は悲しむ
悩んでいる私の顔を貴女は心配そうな目でジッと見つめている
「ご心配なく、きっと元の身体に戻るようにします」
身体を綺麗に削り終えた私は彼女をソファーに座らせる
これで永遠に貴女は私のそばに居てくれる、ずっと一緒だ
安心した私はベッドに倒れるように寝転んだ、そしてあの人の顔を見る
「...なんだか疲れちゃいました…あはは、一足先に今日は休ませて頂きますね…
今日は、とても疲れました......おやすみなさい...」
仕事を終え、ソファーでくつろごうとした私よりも先にあの人は窓を見つめて座っていた
昼間の晴れた日にはここから色々な景色を見る事が出来るが今は夜
紅茶を入れて彼女の前に置く、それでも彼女は窓の方をジッと見ていた
「どうしたんですか?そんなに窓ばかり見て」
あまりに夢中に見ていたので私は少し微笑む、そして私も同じ様に窓を覗き込んだ
窓の先は何もなかった、ただ闇が広がっていただけだった
それでやっと、私はあなたの居ない現実を思い出す
「...あ、あれ?...?」
何時の間にか私の頬に涙が伝っていた、おかしい、涙を流す必要はない筈……
私はあなたのそばに居れて幸せなのに、なんで泣いているんだろう
葬儀の時だって泣かなかったのに、これからずっと一緒なのに、どうして、何で
「...ご、ごめん、なさ...な、なんでか、な...止まら、な...」
止めよう止めようと思う度に溢れ出てくる
泣いている私を気にもとめず、彼女はただ雨の滴る窓をずっと見る
遺体が墓にない事が発見されるまで、美鈴はそれを繰り返し続けた
( ^ω^)初めて書いた小説がこれだよ!! そして皆様初めまして、もやしです
もやし
- 作品情報
- 作品集:
- 23
- 投稿日時:
- 2011/01/23 15:47:04
- 更新日時:
- 2011/01/24 00:47:04
- 分類
- 美鈴
- 咲夜
- 小暮
嫌いじゃないよ
いや、病んでれは大好物だけどね
…さっきゅんは人間だからね
いつかこうなるんだよね…
あと初めてとは思えないほどの出来だけど初めてがここってなんか色々心配になるよ!
それにつければどうにかなると思ってるとはww
それでも永遠亭あたりに頼らないのはばれると不味いという気持ちの方が強かったんでしょうか?
テレビ番組だと美談のように紹介されてたけど、実物はトラウマになるくらい気持ち悪いし、
下腹部に筒が設置されていて、そこに体液が付着してたとか聞くともうね
>1様
この二人は暗い話が良く似合います( ^ω^)
>2様
こんな駄目文に有難うございます!なんか
色々有難うございます!w私は平気です★
>3様
何の躊躇いもなく頼るというのも考えましたが
今回はあえてさけました
>4様
あのお医者さんは何としても一緒にいたかったんでしょうね!
けど、元ネタがあったにしろ、おもろい話しだし、美鈴の感情が伝わってきて上手かった
この美鈴、馬鹿だけど切ないな