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『えーりんのお仕事 Part1』 作者: コプロ

えーりんのお仕事 Part1

作品集: 23 投稿日時: 2011/01/30 19:38:15 更新日時: 2011/01/31 04:40:30
「ふう…。今日も暇ね…。」



迷いの竹林。その奥にひっそりと存在している建物、永遠亭。

その中の実験室で八意永琳はつぶやく。

彼女の仕事は永遠亭を病院とした医療行為である。しかし、どういうわけか最近患者の数が減っている。

普通に考えればそれは良いことであるが、それでもここ一カ月一人も来ないとなるとやはり暇である。





なので彼女は医者をやりながらもうひとつ新しい「仕事」を始めた。






「師匠。新しい仕事が入りました。」


「何だ…優曇華じゃない。患者と間違えるからノックくらいして頂戴。」


「す、すみません師匠。」





優曇華。月のウサギの元兵士。敵前逃亡し、永琳らと共に地上に降りてきた。
現在では主に屋敷の警備と新しい「仕事」の助手として働いている。






「まあいいわ…。で? どんな仕事が入ったの?」


「あ、はい。今回は風見幽香さんからの依頼です。」


「内容は?」


「はい。最近射命丸が家の周りをうろついて盗撮行為を行っているようです。なので今後その行為が行えないくらいの威嚇をしてほしいと。」


「目標は射命丸か…。あのスピードは外だと不利ね…。」


「捕獲しますか?」


「お願い。ああ。後捕獲したら羽を折って頂戴。飛ばれると厄介だわ。」


「了解しました。」






そういうと優曇華は依頼書を机に置き、実験室から立ち去った。



彼女の新しい「仕事」とは、主に拷問、暗殺などの裏の仕事である。

表に出されると厄介なことになりかねない仕事を一手に引き受けているのだ。

大体は妖怪の間でのいざこざや、テリトリーの問題が多く、今回もその類の話である。

依頼書には細かい情報とターゲットの写真。さらに行動範囲や陰で行ってきたことのほとんどまで記載されている。

ちなみにこの情報は八雲紫からの情報である。彼女には報酬の五割という賄賂が渡っているので暗黙の了解を得ている。







「決行は今夜十一時から。まあ朝までじっくりやれば十分でしょう。」







数時間後、優曇華が戻ってきて状況を伝える。





「目標を捕獲しました。羽を折って地下室の椅子に拘束しています。」


「意識は?」


「捕獲の際、麻酔銃を使用したので現在意識はありません。しかし、一番弱い効果の物を使用したのでそろそろ戻るでしょう。」


「なるほど。」






永琳はいつものように手慣れた様子で白衣に着替える。仕事の際は必ず白衣に着替えるようにしているらしい。








「さてと…。楽しい夜の始まりよ。」

































薄暗いコンクリートで囲まれた正方形の部屋。その中心に射命丸が拘束された椅子がある。

椅子のほかにもなんだかよくわからない機械や、刃物が置いてある。





「ん…。こ、ここは…?」





麻酔が切れて射命丸が意識を取り戻す。






「あれ…?う、動けない…」


「お目覚めの様ね。」






廊下の奥から白衣を着た永琳と優曇華が現れる。






「あなたは永遠亭の…。そ、それよりなんとかしてください。私なんでかこんな状態で…。」


「なんでか…ねえ。」






コツコツと音を立てながら永琳は射命丸の椅子の後ろに回り込む。


そして













ブチブチブチブチッ












「!っがあっあああああああああああああ!」








射命丸の折れた羽をむしり取った。

根元からむしり取ったので、神経、筋肉がぶちぶちと音を立てて千切れていく。

血で手が赤く染まったが永琳は気にせず続ける。






「自分のやったことを覚えてないわけないでしょう?まあ。あんたが三歩歩いたら忘れるチキン頭のくそ野郎なら別だけど。」





コツコツとゆっくりした歩調で永琳は椅子の周りを歩く。





「盗撮。それを元にした脅迫。はたまたでっち上げの偽造写真での情報操作。ゲスもここまで来ると清々しいわね。」





その辺に置いてあった金槌でこんどはこめかみを殴る。




「っぎ!」




血が一筋。こめかみから流れ落ちる。


顎をつかんで無理やり正面に顔を向ける。





「ちょっとおいたが過ぎたわね。」





永琳の表情に射命丸の血の気が引いていく。






「ゆ、許してください!今後一切こんなことはしませんから!」


「ホントに?」


「は、はい!絶対です!」






永琳は射命丸の前髪をつかみ


思い切りむしり取った。






「あああああああああっ!」



思い切り引っ張ったので少し頭皮がはがれ、ブシュッと血が噴き出す。

一瞬で顔面が血で真っ赤に染まる。




「信じるわけないでしょう?どこまでもおめでたい人ね。」




手に付いた髪の毛を鬱陶しそうに払いながら台に置いてあるメスに手を伸ばす。


そしてそのメスで射命丸の肘にメスを入れる。

思い切り腕に突き立てるとゴリッという音がする。骨に届いたのだ。

そのままゆっくりゆっくり丁寧に手首まで切り開いていく。



「痛い痛い痛い痛い痛い!」


骨に沿ってメスを動かしたので筋肉線維は切断されただろう。

そして傷口に両手を入れて左右に開く。

ビチビチと嫌悪感を抱かせるような音と共に、水道を軽くひねった時のように血があふれだす。


「はい。くぱぁ。なんちゃってね。」


「いぎあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



凄い叫び声がこだまする。


「まだよ。だって始まったばかりじゃない。」


そういうと今度は傷口をカギ爪のようなものでひっかける。


「そーれ。」







ベリッ ベリベリベリッ ビッ



「あがっ! グッ!いいいいいいいい!」



傷口から皮を引っぺがす。ただでさえひどい出血だったがどくどくと血が床に流れ落ちる。

ビシャッとはがした皮膚を床に打ち捨てる。


「ひっ…ひっ… もっう…ゆる…して…」


腕の肉をむき出しにしながら懇願する。もはや血と涙で顔は無残なものである。

痛みのあまり過呼吸になっている。あくまで威嚇レベルなので殺してはいけない。しかし、最近フラストレーションがたまっていたので少しやりすぎてしまったかもしれない。

しかし思ったよりもろく、このままだと間違いなくショック死してしまう。




「そうねえ…。じゃあこれで最後にしましょ。優曇華。アレ貸して頂戴。」


「はい。師匠。」




優曇華から手渡されたのは黒い粉の入った瓶だった。




「さて。これから止血を始めますよっと。早くしないと死ぬかもね。」





黒い粉を少量瓶から出すと、出血の激しい傷口に擦りこむ。

射命丸は痛みのあまり声も出ずただただ痙攣している。




「よし。終わった終わった。優曇華。」




見ると粉はまんべんなく擦りこまれており、赤黒いグロテスクな状態だった。

そして絶望的な一言を告げる。








「チキンはグリルにしてやんなさい。」









優曇華がライターを取り出し、傷口に近づける。

その瞬間小さな爆発が起きる。







「っっっっっっっっっっっっっっっっっっ!」








射命丸は右腕が赤い炎でくるまれ手が炭化していきながら意識を失った。


黒い粉の正体は火薬。弾丸などの中身を集めたものである。






「仕事終了。優曇華。火を消したらそのゴミクズを山にでも棄ててきて頂戴。」


「了解しました。」






こうして今回の仕事は終了した。

幻想郷は平和な一日だったのだ。異変なんて何もない。


いつもの平和な日だった。




















後日、妖怪の山付近で右腕が使い物にならなくなった射命丸が発見された。

彼女はうわごとを呟きながら付近を徘徊しており、廃人と化していた。

その日、「新聞記者」射命丸文は消えた。
久々に書いたらなんというぐちゃぐちゃっぷり…
コプロ
作品情報
作品集:
23
投稿日時:
2011/01/30 19:38:15
更新日時:
2011/01/31 04:40:30
分類
えーりん
うどんげ
射命丸
裏のお仕事
ちょっとグロ
1. 名無し ■2011/01/31 07:08:54
特に口を封じるでもなく、よりにもよって妖怪の山に捨てるとか。
運よく廃人になってたからいいものの、そうじゃなかったらすぐに露呈するな。
2. 名無し ■2011/01/31 08:07:03
もうちょっと医者っぽい拷問の仕方だったら、より面白かったと思います。
火薬のくだりはランボーっぽくてむしろカッコよかったですw
3. 名無し ■2011/01/31 12:51:29
一応永琳は人間側扱いだから異変解決なんですねこれww
4. 名無し ■2011/02/11 15:42:18
読んでて思った
メスってなんかさっくりと皮を裂いて、肉や内蔵を表出させるイメージがあるから、のこぎりとかより時として怖いよな
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