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『藍様のインタビューとジーザスの基地外コラム』 作者: イル・プリンチベ
前回のSSを読まれている方はこの項目を読まなくてもいいのですが、始めて読まれる方の為にヘスス・スアレス氏の事を簡単に紹介させていただきたいと思います。
名前 ヘスス・スアレス
性別 男
生年月日 1959年5月31日生まれ
職業 サッカー雑誌の執筆者、スポーツジャーナリスト
国籍 スペイン
愛称はジーザス・サッカー雑誌「ワールドサッカーダイジェスト」巻末の「ザ・ジャーナリスティック」というコーナーのスペイン編を担当しています。
本職はスペインのサッカー雑誌「Futbol Tactico」の執筆者の一人であり主にスペイン1部リーグ所属のクラブ「デポルディポ・ラ・コルーニャ」のインタビューや戦術批評を担当しています。
現役時代はガリシア1部リーグでプレーしていました。現役引退後、監督養成学校でF・バスケス氏に師事して指導者の道に目指した後に、州リーグのクラブで監督を務めた後現在は『オール・ヨーロッパ』誌に寄稿するなどして、現在はジャーナリストとして活躍いまして、指導者立場からの理論には定評があります。(Wikiより)
スアレス氏のサッカー観はとにかく攻撃的志向を持ち、サッカーは得点を取ることで勝つことを最重要視しており、点を入れたら守り切って凌ぐより次の得点を積極的に狙っていく攻撃的サッカーを好みます。選手起用は中盤の選手に質の高いパスを前線に供給することが出来る選手を好み、特定の個人に依存した形で相手の守備組織を切り崩すやり方を非常に嫌い、チーム全体で相手の守備を切り崩すことを好んでいます。わかりやすく言うならば、中盤を破棄したタテポン一発のロングカウンター以外しか攻撃のレパートリーのないチームを激しく非難しますし、トッププロレベルであれば2部リーグから1部リーグに昇格した弱小チームなら憂慮の余地を持つのですが、資金と戦力と伝統を兼ね備えたメガクラブがそれをやると容赦なく酷評します。
そのため、古典的イタリア的な守備的サッカー(俗称はカテナチオで、イタリア語でゴール前に“鍵をかける”ということを意味し、1点を取ったらフォワード以外のフィールドプレイヤーの全員が守備的に振る舞うサッカー)を非常に嫌っており、イタリア人監督で守備的なサッカーを志向していて、率いたクラブチームをすべて優勝させている“優勝請負人”の肩書をもつファビオ・カペッロ氏のサッカー観を非常に嫌ってます。
スアレス氏が好きな選手は主に、アンドレス・イニエスタ選手や、フェルナンド・ジョレンテ選手であり、逆に嫌いな選手は主に、ファビオ・カンナヴァロ選手やジェンナーロ・イバン・ガットッーゾ選手やファン・ボメル選手やナイジェル・デ・ヨンク選手です。
雑誌面で何かと気に障る問題があれば、ファビオ・カペッロの事を引き出すとあからさまに非難しだすと、匹夫、ペテン師、詐欺師扱いして紙面でありながら遠慮なく毒をブチ撒いてるコラムが私は大好きで、特にジーザスが憤慨している号のコラムを読むとメシウマ気分になれます。
―八雲紫のアジト 幻想郷と外界の境界あたりにあるマヨイガにて―
「あいかわらず紫様は式神使いが荒いなぁ…。何でもかんでも私に仕事を押し付けないで自分でやれることを自分ですれば、外界にいる東方Projectのファンにババァとか言われなくて済むのに、何でもかんでも面倒くさがる悪い癖が原因でより老けこんでしまうだろう。」
幻想郷の創立者の式神の九尾の狐の八雲藍は、人里を訪れて帰り道で自分の買い物の稲荷寿司を買うと共に、紫から常時購入している雑誌をリクエストされたので嫌々ながら本屋に行って買うはめになった。
「はぁ、紫様は何故『東方キャラクターダイジェスト』なんていう雑誌を読まれるのだろうか?ただ私達のスペルカードの考察と戦闘スタイルの分析と、スペルカード戦の試合結果の報告だけが書かれているだけ雑誌なのに、どうして紫様はここまで熱をあげる理由を聞いてみよう。私はあの雑誌を一度も読んだことがないのだから、その魅力が解らないだけかもしれないだろうが。」
藍は紫が何故ここまで『東方キャラクターダイジェスト』に熱を上げているのがいまいち理解できないので、この雑誌のどこが面白いのかを紫に問いただしてみようと思った。
「もうすぐで我が家につくから、霧雨道具店で買ってきた新種のお稲荷さんを食べれるのが楽しみだ。紫様から言い渡された仕事の依頼も済ませたから、私はやるべきことをやったと思う。」
藍は紫から言いつけられた結界の管理を行い、そのついでに自分のご褒美として稲荷寿司を買ったついでに『東方キャラクターダイジェスト』を本屋で購入したので、自分の職務を果たしたと思い自己満足しながら帰路についたのだった。
「紫様、ただ今戻りました。業務報告をいたしますが、博麗大結界は特にこれといった変化がなく以上ありませんでした。」
藍はマヨイガのどこかにある八雲亭に帰宅すると、すぐに紫に業務報告をして解放されるのを待った。
「藍、戻ってきたのね。わかったわ、結界にこれといった問題はないのね。ご苦労さんでした。ああ、そうだ。わかっていると思うけど、『東方キャラクターダイジェスト』を買ってきたよね!?まさか、自分の買い物をちゃっかりやっておいて、私が依頼した買い物を忘れたなんてふざけた真似をしているわけではないでしょうね!?」
藍を出迎えた紫は、藍の業務報告を軽く受け流すと、例の如く『東方キャラクターダイジェスト』を買ってきたかどうか藍に問いただした。紫は『東方キャラクターダイジェスト』の巻末のモノクロページに記載されている『ザ・ジャーナリスティック』のスペイン番記者のヘスス・スアレスのコラムが非常に大好きで、極めて適切な見解と面白みあふれる毒舌に魅かれてしまったのだ。
「以前から気になったのですが、何故紫様は『東方キャラクターダイジェスト』をあそこまで愛読されているのですか?私にはただ弾幕紹介とスペルカード戦術が記載されているだけの雑誌なのに、どうして紫様はあそこまでこの雑誌を愛読されるのでしょうか?」
紫は結界の状態より雑誌の最新号の方に関心を示しているので、藍は幻想郷の博麗大結界の管理を行っている妖怪の賢者がしがない雑誌に関心を猫夢中でいいのかと思うと、自分の計り知れない考えを持つ紫に畏敬の念を感じるとともに例えようのない不信感を持たざるを得なかった。
「藍、あなたはこの雑誌を何故読まないのかしら?この『東方キャラクターダイジェスト』で一番面白いのは、カラーページやインタビューでなく巻末にあるモノクロページのザ・ジャーナリスティックのスペイン番記者のジーザスのコラムなのよ!あぁ、2週間に一度しか読めないんだけど、昔は1カ月に1度しか読めなかったんだからいい時代になったものだわ。」
そう言われると、この間フリオ・サリーナス氏だったかアルド・セレーナ氏だったかオリバー・ケイの誰かが自分に会いに来てインタビューをしたことを思い出した。あれが『東方キャラクターダイジェスト』に記載されているされていることを思い出すと、目の前にある景色の色を失う心境に陥った。あの時は紫の気分を害してしまう内容を答えてしまったと思うと、藍はその場をどうやって誤魔化す言い訳を必要以上に考えてしまった。
「ゆ、紫様、一つ聞きたいことがあるのですが…」
「あれっ?最新号のカラーページのインタビューコーナーのFace To Faceなんだけど、藍のインタビューがあるじゃないの。カラーページはいつも後回しに呼んでいるんだけど、藍のインタビューがあったなんてゆかりん知らなかったわ。インタビューをうけたなら何で私に言わないのよ!まさかと思うけど、何か私に知られたらまずいことを言ってしまったわけではないでしょうね?」
紫が『東方キャラクターダイジェスト』の目次を確認すると、藍のインタビューがあったので今回は先に読むことにした。いつもならカラーページを後回しに読むのだが、藍のインタビューとあってはお気に入りのジーザスのコラムも優先順位が1つ下がってしまったのだ。
「ゆ、紫様、私のインタビューは金輪際読まなくていいですから、ヘスス・スアレス氏のコラムを読まれたらどうでしょうか。ありきたりでつまらないと思いますし、私は紫様には向かおうなんて一言も言ってません。」
藍はこのあいだ軽々しく受けてしまったインタビューを紫に知られたくないので、話をそらそうとしたのだが、紫は一切受け付けてくれない上にインタビューで答えた内容が気に触ってしまうのかと思うとこの場で自殺をしようと考えた。それでも紫は藍のインタビューが記載されているページをめくってしまった。
「藍がフリオにどんなことを聞かれたのか気になるわ!こんな楽しみが一つ増えると思うと、思わず興奮してしまうわぁ…。」
紫がインタビューを記載されているページをめくると、藍は自分の死を覚悟してしまったのか思わず天を仰ぐしかなかった。
―少女(ババァ)読書中―
「ふんふん、なるほど!ふふっ、フリオも結構嫌らしいことを聞いてくるわねぇ。藍はこんな事を考えているだぁ…。だけど、どれもこれもありきたりで疾しいことを一言も言ってないから全然面白みがないじゃないの!藍のインタビューは凡庸だから読んでてつまらないわ!こういうインタビューはね、もっと過激なことを言わないと世論を動かすことができないわよ。たとえが私を暗殺しようとか、加齢臭が酷くてたまらないとか!」
藍はテンパってしまったのか、この間受けたインタビューの内容を思い出せなかったので気が動転してしまい最悪な展開を考えてしまったのだが、紫が指摘するには平凡な受け答えをしていたようでこれといった問題を引き起こすものではなかったようだ。
「そんなこと冗談でも言えません!私個人の問題ではなく紫様の名誉にかかわってきますし、主と式神の確執説なんてメディアに知られたらマヨイガにパパラッチが押し寄せてきます!幻想郷に一大スキャンダルを引き起こしてしまうと、最悪幻想郷が崩壊しかねません。」
紫が求めていたことをしていなかったのは別として、自分の受け答え一つで状況が一変してしまうから藍は余計なことを一切言わなかった事を思い出していた。インタビューの内容は以下のものである。
―少女(式神)応対中―
フリオ・サリーナス(以下フリオ)「やあ、始めまして。私は『東方キャラクターダイジェスト』のインタビュアーを務める、フリオ・サリーナスだ。八雲藍さん、今日はよろしく頼むよ。」
八雲藍(以下藍)「改めて名乗らせていただきます、私は八雲藍と申します。」
フリオ「藍さん、そんなに硬くならなくていいんだよ。もっとリラックスして欲しいんだ。普段忙しくてまともに休んでいる暇なんてないと思うんだけど、もっと肩の力を抜いていいんだよ?」
藍「そう言われてもこれが性分なのですから、変えろと言われても今すぐに対応しきれません。」
フリオ「まぁ、この件に関しては仕方がないね。それでは読者が君に質問をしたいと言ってるからそれに応えてくれないかな?」
藍「いいだろう。」
フリオ「早速なんだけど、君の主である大妖怪の八雲紫について語ってほしいんだけど、プライベートの彼女はどういう人なんだい?」
藍「紫様は凄く頭が良くて、北極星が北斗七星を食べてしまう日数を当ててしまうといった新たな概念を生み出し答えることができる偉大なお方で、私ごときではとても太刀打ちできない実力を持っているお方だ。」
フリオ「彼女が幻想郷で最強の実力を持つ妖怪だという事は、ここでは知らないものがいないと思うけど君だって彼女の式神なんだからそれに見合った実力を持っているし、何よりも最強の妖獣でないか。君は式神でありながら式神を扱う事が出来るし、三途の川幅の算出に成功しているじゃないか。これはとてもすごいことだと思うよ。」
藍「いや、そんなことはない。私はいくら頭がいいと言われても、私ができる計算は今までにある計算方式を使ってやるものであって、紫様のように新しい概念を作り出す事はできないからまだまだ修行が足りないと思う。」
フリオ「なるほどね、君がある時の八雲紫の事を尊敬しているのはよくわかったよ。それでは君の式神である猫の妖獣の橙は、君から見てどう評価するんだい?」
藍「橙は私の娘のような存在で、目に入れても痛くないほど可愛いのだがまだ仕事を任せるには物足りないのでもっと教育して力を付けさせてやりたい。ただし、優しくするだけじゃダメだけど虐待する真似はどんなことがあってもしたくはないしやってはいけないことだと思う。」
フリオ「橙は君にとって娘みたいに可愛がっているんだね。でも児童虐待やペットの虐待は深刻な社会問題に発展してしまったから、僕にとっても非常に痛ましく思うし君の言うとおりに絶対にやってはいけない行為だよね。話を変えてしまうけど、ここからは読者からの質問でちょっと意地悪なことを君に対して失礼なことを聞くんだけど答えてくれるかな?どうしても答えたくないならノーコメントでも構わないからさ。どしどし言ってくれよ。」
藍「いいだろう。早速聞きたいことがあるなら言ってほしいものだよ。」
フリオ「それでは君の主の八雲紫は、長年生きている妖怪だけあって加齢臭が酷いと巷で言われているんだけど、八雲紫の傍にいる君から見て彼女の体臭は酷いものなのかな?それについては僕も気になって仕方ないよ。」
藍「紫様の体臭は噂されるほど酷いものではないし、鼻が曲がってしまう加齢臭などはなっているわけがない。これについて私は嘘偽りを言っているわけではないから、この噂は紫様の名誉を傷つけたい心無い輩どもが勝手に騒いでるだけにすぎない。」
フリオ「そうだよな、偉大な妖怪ほど敵は多いからね。もう一つは君が八雲紫から虐待を受けていると聞いたのだけど、これは真実かい?文々。新聞に八雲紫が君の事を虐待していたという記事が載っていたから、僕もこの剣が真実であるかどうかを聞きたいね。」
藍「そんなことはない!紫様は私に対し厳しくされるのも私の事を真剣に考えてくださってるから、たとえ殴られてもそれは私に落ち度があって紫様に何一つ問題はありえない。虐待の記事が天狗の新聞に記載されていたのだが、それは私が紫様の命令に背いたことことが原因であるからその件に関しての処分を受けたのだ。紫様が私にやった事はやり過ぎだというのは理解できるが、虐待をしていたというのは全くのデマだ。」
フリオ「わかったよ。これ以上は虐待疑惑の件に関して触れないけど、読者からもっと厄介な質問がリクエストされているんだけど答えてくれないかなぁ?」
藍「質問の内容次第だが、答えようと思う。」
フリオ「以前君は博麗神社の宴会で、酔っぱらった勢いで全裸になって『スッパテンコー』と叫んで暴れまわったと聞いたんだけど、この時の真相について答えてくれないかな?君の名誉にも関わることだし、嫌だったら無理に応えなくてもいいんだよ。」
藍「あの時は紫様と幽々子様と萃香様にお酒を煽られて酔っ払ってしまい、気付いたらいつも愛用している衣を脱ぎ捨て全裸になっていたんだ…。橙が言うには『藍様は「スッパテンコー」と叫びまわっていた』と言われたのがショックで3日寝込んでしまったんだ。私としても、非常に恥ずかしく思うし何よりも紫様の名誉を台無しにしてしまった事が情けなさすぎると今でも思う。間違いなく私は酔っぱらってしまうと、酒乱の癖があるかもしれない…。」
フリオ「そうか、そんな事があったなんて思いもしなかったし、僕自身も無理やり聞いて君に申し訳なく思うよ。君に憧れている読者に、一流の弾幕使いになるコツを教えて欲しいんだ。」
藍「強いて言うなら、日々の努力を怠らないことに尽きる。博麗の巫女のスタイルは天性の才能があって初めてできるものだから、彼女のスタイルはお勧めしない。自分より格上の相手には最大限の敬意を払い、格下の相手だとしても決して失礼のないように挑むだけだ。修行を怠ってしまうとすぐに抜かれてしまうし、自分の事を最強だと思い込んでしまうと、足元をすくわれ取り返しのつかない目にあってしまうから、自信を持つのと傲慢になって尊大な態度を取ってしまうのは違うから謙虚であるべきだと思う。常に相手から学ぶという姿勢を忘れてしまうと、人間おろか妖怪ですら実力というものは落ちてしまうのさ。だから自分の対戦相手にリスペクトを欠いてはならないということを理解して欲しい。」
フリオ「そうだよな。自分の力を過信してしまうと思わぬところで痛い目にあうもんな。僕もそれはよくわかっているし、自分の実力を過大評価している氷精と相手の力量を把握していない毒人形は、相手をリスペクトして学ぶ姿勢を持つ必要があるからね。」
藍「ははっ、それは言えてるかもしれないな。彼女たちはもっと相手に敬意を払い、より学ぶ姿勢を持つべきだろう。」
フリオ「最後に笑ってくれてよかったよ。それでは今日のインタビューはこれで終わるけど、最後に何か言いたいことがあるかい?」
藍「今までインタビューというものを受けたことがないから、最初はどうすればいいのかわからなかったけど非常にいい経験になったと思う。弾幕使いの勉強をしている読者の皆さんの期待にこたえれるようにより一層の精進をしたいと思う。」
フリオ「今日のインタビューは非常に有意義だったよ。君にとっても非常に不愉快になることを聞いてしまったけど、君は紳士的に振る舞ってくれたから非常に感謝しているよ。最後に藍さんと読者の皆さんにお別れしなくてはならないようだ。それでは来月まで、アディオス。」
藍「フリオさん、そして読者のみなさん。私は皆さんを博愛しております、アディオス。」
私は始めて八雲藍にインタビューをしたのだが、私は彼女にとって失礼なことを触れてしまったにも関わらず大人の態度で接してくれたので、特にこれといったトラブルが起こらず無事にインタビューを終えることができた。それに藍は式神であるという特性を持つのだが、口調は機械じみていても実際に話してみると非常にフレンドリーな妖怪だという印象を与えてくれた。それに自分の主である八雲紫に対して最大限の敬意を払うとともに忠誠を持っており、非常にまじめで好感のもてる妖怪だという事がわかった。私は彼女の活躍に期待せざるを得ないと思わされた1日だった。
―少女解放中―
「私としてはもっと過激にいってほしかったんだけど、まぁ仕方ないわね。それこそ私の事を叩きまくったっていいのよ?」
「紫様!それだけは無理です!勘弁してください!」
「貴女にはもっとユーモアのセンスが必要ね。会話の全てがジョークでもないと面白みがなくてつまらないじゃないの。」
「藍のインタビューに気を取られていたから、ジーザスのコラムを読み忘れてしまったわ!これを読まないとゆかりん仕事ができなくなっちゃうわ!」
藍のインタビューを読み終えると、紫はチヅルさんの“いつだって弾幕天国”のページを飛ばしてモノクロページのザ・ジャーナリスティックのスペイン番記者のヘスス・スアレスごとジーザスのページに進めて目を爛々と輝かせながらコラムを読み始めた。今回のジーザスのコラムは以下の内容となっている。
―コラムの内容―
・幻想郷の強者がもつ美しさあふれる弾幕の花、そして思慮の浅い未熟者の限界点
いつも私が博麗霊夢と売女ごと東風谷早苗を比較しているが、読者のみなさんがまたそれしか語ることがないのかと思わせてしまうのだけど、これといって私を唸らせてくれる面白みのあるスペルカード使いがなかなかいないのと当コラムの内容がどうしても霊夢と売女に偏ってしまうのは仕方のないことだが、今回のコラムは私が称賛してやまない西行寺幽々子と八雲紫と風見幽香について語りたいと思う。
私が霊夢と売女について当コラムで触れてしまうと、またそれかと賢明な読者のみなさんに言われてしまうのだが、最近の東方界隈でそれ以外の話題がなかなか見つからないのが現実で悩みどころでもあると思うのだ。意外性のある東方キャラについて語ると、私も東方Projectを愛する読者のみなさんに対し東方キャラ通を名乗れるのでそれは非常に誇らしい。今更であるが売女とその取り巻きについて語りたくもないのだが、守矢神社の一味がどうしても問題を引き起こす話題を提供するので、どうしても当コラムでの比重が重く取り扱わざるを得なくなり創造性を破壊する悪でしかない内容になってしまうのが悩みの種でもある。
何といっても私が最大限の称賛を贈りたいのは西行寺幽々子のプレイスタイルで、スペルカード同様蝶のように舞い蜂のように刺す戦闘方法は、雅にエレガンスの極みにあり何も考えていないようで、その実は相手の2手3手先を読んだ上で行動している事に脱帽せざるを得ないのだ。しかも最小限の動きで相手の攻撃をかわすだけなく、絶妙なタイミングでグレイスを見せている技量の高さは幻想郷でも幽々子以外いないと思うし、身体能力を売りで攻めるしか能のない鬼や天狗や吸血鬼と訳が違うのはいうまでもない。
スペルカードも美しさの極みがあり、なんといっても幽々子が主に使う死符『ギャストリドリーム』や再迷『幻想郷の黄泉還り』は見ているだけであまりの美しさに思わず見惚れてしまうほどだ。
幽々子は死を操る程度の能力を持っているが、別に能力を使わなくても強豪妖怪に勝てる実力と内容を上回る技術力を兼ね備えているので、無知で荒々しいだけの八坂神奈子や凡庸なカエルにすぎない洩矢諏訪子は、西行寺幽々子のスペルカード戦のVTRを見て幻想郷に適応することがなんたるかを再考すべきなのだ。
西行寺幽々子の素晴らしい活躍は、大事に月面戦争で亡霊という特徴を生かし1か月もの長きにわたる機関を潜伏し続けることができたのは、月の民が穢れを嫌う事を逆手にとってまさか月の宝物庫にあった1000年物の古酒を盗み取るとは思わなかっただろう。
紫のたくらみを見抜いた月の頭脳である八意永琳の裏をかいて洗練された味を持つ月の古酒を永琳に飲ませ、幻想郷では月人であろうが妖怪に怯えて暮らすしかないのだという事をこれでもかというぐらい味あわせたのだ。
もう一人は最近出番が著しく減っている風見幽香だが、彼女の戦闘スタイルは自分の状況が優勢であろうが劣勢を強いられようがどんな時でも笑顔を絶やさないことであり、またその振る舞い一つ一つが優雅に見えてしまい、VTRでみた時に思わず感嘆してしまった。
実際に幽香のスペルカード戦を生で見る貴重な機会があったので私は迷わずチケット代を払い会場に行ってその美しさに魅かれてしまい、弾幕ジャーナリストであることを忘れて風見幽香のファンになってしまったのだ。
幽香の魅力は圧倒的な妖力と身体能力を兼ね備えているだけでなく、圧倒的な身体能力を生かした単純な攻めしかできないイマジネーションの欠落した凡庸な鬼や吸血鬼のような品格の無い戦い方をするわけではない。
日傘を持ちながら終止笑顔を絶やさず、最小限の動きで最大限のパフォーマンスをするとともにとにかく貴婦人を思わせる“魅せる”戦い方をするので、戦闘中であるのにもかかわらず一つ一つの動きがどれをとっても品格を感じさせるのが素晴らしいと言わざるを得ない。
やることなす事が怠慢な死神のせいで60年に一度の周期で大量の幽霊が発生して花を咲かせた時に、自称最強を名乗る傲慢な氷精とやかましいだけの夜雀に全くやりたい事をさせずに一方的な力量と優雅さを見せつけた時は、風見幽香は健在であったことを証明した上に鴉天狗の一斉取材の時に一切近寄らせなかったのも彼女が幻想郷で上位の力を持つ妖怪だということを改めて理解させられた。
風見幽香最大のスペルの一つである『マスタースパーク』は、今となってはゴミクズで有名な霧雨魔理沙の十八番の有名なスペルとなっているが、もともとは幽香がオリジナルの持ち主であって魔理沙のようにミニ八卦炉に依存しなくてもいいだけでなく、より速いスピードで出せる上に威力も比較にならないほど強力なので、魔理沙のマスタースパークは威力と美しさを比較すると格の違いを見せつけられるだろう。
西行寺幽々子と風見幽香のエレガンスなスタイルに反対の位置づけにあるのが、魂魄妖夢と霧雨魔理沙と言っても過言ではない。二人に共通しているのは、創造性と独自性にかけている上に、猪突猛進で周りを見る余裕がなく現状を生き急いでいるように見えるのだ。――
魂魄妖夢のスペルカードは祖父の魂魄妖忌から受けついだもので、剣士としての技量は素晴らしい上にもともと持っているポテンシャルが高く、何といっても間合いを詰めるスピードは幻想郷有数で特筆した物なのだ。
私個人の見解ではなく賢明な読者の皆さんも同じことを思っていると信じているが、妖夢はどうしても同じミスを何度もしているように見えるので、あまりにも学習効果がなさすぎるのか、自分の持っているスキルを実戦に生かしきるインテリジェンスが足りないのか、相手の間隙の付き方が未だに解っていないのか、数手先のビジョンを見抜く思慮に欠けているのかのどれかに致命的な欠陥が見られると感じてしまう。
確実に言えることは、とにかく頭の使い方は妖精の水準レベルなので一つ一つの動作に無駄が多くそれだけで余計な体力を使っているのだ。白玉楼の警備も兼ねている事は重々理解するが、以前白玉楼の花見を見にやってきた博麗霊夢の事をロクに確認せず切りつけたのだからこれも軽率極まりない行為だと指摘するしかない。
今季のリーグ戦で妖夢よりポテンシャルに劣る面々の中で、怠惰で犠牲的精神とスタミナのなさに致命的な欠陥があるのに、長所を伸ばすだけで欠点を一切修正しなかった小野塚小町や、すべての面においてバランスが取れ完成度が高いも闘争心に欠け精神面に脆さがある逆転を許してしまう鈴仙・優曇華院・イナバや、身体能力が遙かに水準以下で欠点をインテリジェンスでカバーするしかないパチュリー・ノーレッジにやりたい事をやらせてもらえずあろうことに一方的に負けてしまった事により、トップクラスの弾幕使いになるためには基本に忠実なだけでなく、持っている技術を別の形に変える応用能力を身につけなければ、才能は開花することはなく凡庸な剣士のままで多くの時間を潰してしまうだろう。強いて言うならば、現時点の妖夢は狡猾さに欠けた白楼剣と楼観剣を使いこなせられない凡庸な剣士である。
妖夢が正しい指導を受けているならば、今あげた3人は敵でないレベルにあるのだがどういうわけかちょっとしたミスを連発してしまった事に動揺し致命的なピンチを数多く作ってしまうので、今の魂魄妖夢は東方弾幕リーグDivistion1でプレーする値はない。このままでは白楼剣と楼観剣の2本の名刀もその優れた切れ味を見せつけることなく錆ついてしまうだけでなく、弾幕リーグDivision2という名の地獄の泥沼に落ちてしまうだろう。自分のすぐそばに西行寺幽々子という手本がいるのに、何故妖夢は幽々子のいいところを吸収しようとしないのか私には到底理解できない。
博麗霊夢の友人である霧雨魔理沙について語りたいと思うのだが、『弾幕はパワーだぜ。』の信念がそれを物語っているので威力を重視したスペルカードを採用しているのにも拘らず、今一押しが弱い要因は人間であることの限界を感じざるを得ないことから、純粋なパワープレイで攻めてくる鬼や他に追従を許さないスピードを誇る鴉天狗やスピードとパワーを高水準で兼ね備えた吸血鬼に太刀打ちできるわけもなく、いいところを見せられず負けてしまうのだが、その信念に捉われ過ぎたせいか直線的でなおかつ攻撃パターンが妖夢と同様に単純すぎてバリエーション面において工夫が見られないので、魔理沙と戦いなれたりあらかじめ魔理沙の特徴を対策していたりすれば切り返しが非常に楽で、あっけなく攻撃をかわされた後に手痛いカウンターを貰ってしまうのだ。
魔理沙の敗因は決まってこのパターンで致命的な攻撃をもらい、負ける時はいつも同じパターンで負けているので、よりバリエーションを増やすためにスペルカードも相手の借り物でなく自分自身のオリジナリティあふれるものをもっと編み出さないとワールドクラスの弾幕使いになる前に凡庸な魔法使いでそのキャリアを終えてしまうだろう。
それ以外にも八雲紫やパチュリー・ノーレッジから学ぶべきところが多いのにも拘らず、彼女たちに対し最大限の敬意を支払うべきなのに、精神的に幼いこともあってか逆に避難している言動をしているのを目の当たりにすると私はどうしても腹ただしく感じてしまうので、霧雨魔理沙はスペルカードの開発より礼儀作法や倫理観について学ぶことから始めなくてはならないとつくづく思う。窃盗癖があるのも大きなマイナス点で『借りていくぜ。』と言って本を無断で借りていくだけ借りていって、挙句の果てに借りていった本を返さないで自分の所有物にしているのだから空いた口がふさがらないというのはこのことを指すのだろう。魔理沙は自分の研究のためにグリモワールが必要だというが、私に言わせればそれはただの犯罪でしかなくゴミクズであることを証明する結果論だと指摘せざるを得ない。
魔理沙の悪行は泥棒家業のみならず、博麗神社に遊びに来た因幡てゐにチョウセンアサガオを食べさせゲロを吐くことになってしまった因幡てゐを嘲り笑うだけでなく胃の掃除をしてやったと主張したり、同じ魔法の森に住んでいるアリス・マーガトロイドが所有しているグリモワールやいわくつきの人形を勝手に盗んだり、定番となっているヴアル魔法図書館からクリモワールの類を何冊も盗んでいりのだから、手に負えなくなってしまったのかもしれない。魔理沙は自分のやってきた事に恥を感じ、自分の罪を悔い改めて人間的に成長しないとこれ以降の人生は急降下して非業の死を遂げても何らおかしくないのだ。
賢明な読者のみなさんであれば、これだけの悪行をし続けた霧雨魔理沙は東方Projectにおいて主役として自機で出てくる資格はないと思われるし、今後の東方Projectに出る値がないゴミクズみたいな存在だという事を最早否定しない筈である。
読者の皆さんは比那名居天子について知らないわけがないと思うが、あろうことにもこの天人は博麗神社に要石を押して神社周辺に局地的な地震を起こし、あろうことにも博麗神社を乗っ取ろうとした強欲ぶりは許されざるを得ないほどの行為なので私も怒りを露にせざるを得なかった。
スキマ妖怪の賢者である八雲紫に本気を出させただけでなく機構を好き勝手に変えてしまった事で一昨年の秋の収穫は大凶作となる原因だったのにこの天子ときたら自分の暇をつぶすために起こした異変だったというので、私に指摘させれば極めて軽率な言動をした代償として多くの敵を作ってしまったと言わざるを得ない。
天界のみならず地上や地下世界の住人に報復行為として罵詈雑言の嵐を受けた後に集団リンチを受け終わった時に天子は『今の私は川を登って傷ついた鮭みたいな天人』といったものだが、私はわざわざ傷ついた鮭を捕まえようとは思わないし、八雲紫も西行寺幽々子もそこまでして天子にお灸をすえる真似はしないだろう。
しかも天人特有の傲慢な態度で相手に接してくるのだから、非常に腹立たしく感じる上に相手に行った事を自分で実現できないことがさらに許せないのだ。しかもこの比那名居天子は親の七光で天人になった半端もので、修行をせずに人間から天人となったことから地子の人格面は極めて人間そのもので強欲で目も当てられない存在だから、幻想郷をより良い環境にするためにはこの天人崩れを一刻も早く抹消するに限るだろう。
伊吹萃香が天界の一部を貸してほしいと言った時はあからさまに拒絶したのだが、その理由は天界には使われていない土地が山ほどあるのに、交渉をすることなく萃香と交戦状態に陥り会えなく負けてしまった事に自らの言動と行為にどうしても恥を感じないのかと思わされた。おそらく比那名居天子ごと愚女は、一人では何もできない愚鈍で無知であることが窺えるのだ。そうでもなければ遊び感覚で異変を起こす真似はしない筈だし、巫女やスキマ妖怪を敵に回す意味を知っていれば悪質な異変は起こせない筈である。
最後に八雲紫について少し触れたいのだが、彼女は冬の間冬眠していてその間の仕事はすべて式神の八雲藍に任せきりであるにも拘らず私は紫の事を純粋に称賛したいのは、結界の管理と運用を行っているのと妖怪社会をより発展させる為の貢献をしてきたのだから、せめて冬の間だけは休んでほしいものだと思うのだ。境界を操る程度の能力は我々のような凡庸な人間と妖怪では想像しがたい消耗をすると思われるので、八雲紫がフルシーズンを通じて活動をするとなると著しく寿命を削ってしまいそれこそ幻想郷が崩壊するのは必然的であると思われる。もう一つ忘れてはならないのが、紫が冬眠している間もそうでない時も式神の八雲藍の献身的な働きがあってこそ、我々幻想郷に住んでいる生き物すべてが何一つ変わりなく平穏な生活を送れることに感謝をしなくてはならないのだ。
博麗神社の巫女は相変わらず怠惰で仕事意識がないのだが、それを八雲紫と八雲藍が必死でカバーしている事に気づかないことに怒りを感じざるを得ない。八雲藍の式神の橙はまだ仕事を任せれるほどの能力がないのだが、近い将来は八雲藍の仕事を手助けできるようになってほしいと常に願う。
「ふぅ、東方キャラクターダイジェストに記載されているジーザスのコラムは読み応えがあって面白いわねぇ。藍、あなたのやっている仕事は私以外にも見ている人はちゃんと評価してくれるから、現状に満足せずより一層の向上心を持って仕事に取り組みなさい。」
「あなたがいないと、博麗大結界の維持ができなくなってしまうから居間やっている仕事は非常に重要なのよ。とりあえず『東方キャラクターダイジェスト』をあなたに貸すから、ジーザスのコラムはもちろん、パドバンさんやルドガーさんやヴェルドネさんのコラムも読んでおきなさい。でもオリケイさんのコラムは残念だから、呼んでも面白くないわよ。あの人言ってることが二転三転してて、一貫性がないのよ。」
紫は胡散臭い笑みを藍に見せると、『東方キャラクターダイジェスト』を渡してからスキマを展開しどこかに行ってしまった。一人取り残されたれた藍は唖然とするしかないのだが、霧雨道具店から買ってきた新種の稲荷寿司を食べ終わるとやることがなくなってしまったので、暇つぶしに『東方キャラクターダイジェスト』を読んでみることにした。
―少女(式神)読書中―
最初に特集が載っているカラーページから読んでみたのだが、たまたま今回は弾幕タイプ論だったので、マウリツィオ・ヴィシディ氏のマニアックな指摘による弾幕タイプ論を読んだ後に、さらに自分のインタビューを読み直して恥ずかしく思って顔を赤くしてしまい、チヅルさんのいつだって弾幕天国のコーナーを流し読みして、巻末にある肝心要のザ・ジャーナリスティックのコラムはじっくり時間をかけて読むことにした。藍はこのコラムを読めば、紫がいいたい事が何となくわかりそうだったからだ。
特集の記事はヴィシディ氏の指摘する弾幕タイプ論は的を射ているので、藍はわかっていても感心せざるを得なくなったし、たまたまタイプ別に分類されていたブレインタイプの古明地さとりとスピード姫海棠はたてとテクニカルタイプの風見幽香とパワータイプの星熊勇儀では確かにその戦い方も違うし、弾幕の質も異なるのだがヴィシディ氏の指摘は間違いないという事は藍の頭脳であれば容易に理解できたが、ここまで丁寧に分析されることに驚きを隠せなかった。
「うわぁ…、ここまで事細かく詳細に分析されてるならば、こののスペルカードは使えないんじゃないかと思わされる内容だった。だからこそみんなチューンアップして磨きをかけるんだな。私のスペルカードも欠陥があると思われるから、本格的に改造する必要があるだろう。」
藍はヴィシディ氏の特集とフリオ・サリーナス氏と自分のインタビューの記事を読み終えると、肝心要のザ・ジャーナリスティックのコーナーを読むことにした。ジャンルか・パドバン氏のコラムがあったが、紫は絶対にスアレスのコラムを読むようにと言ったので藍は指示に忠実に従ったのかページを飛ばしヘスス・スアレスのコラムを読むことにした。
「これ紫様がおっしゃっていた、ヘスス・スアレス氏の基地外コラムという奴だな。よし、気合いを入れて読まないと中身を理解できなさそうなので、覚悟して読むとしよう。」
雑誌のコラムを読むのに、わざわざ気合いを入れなくてもいいのだが藍は頬を軽くたたいて気合いを入れ直すと、ヘスス・スアレス氏ごとジーザスの基地外コラムを読み始めた。ここ最近は紫が言うにはおとなしめの内容であるといったが、書いている内容が過激であるとともに強烈な毒をまき散らしているジーザスの言い回しにいっさいの免疫をもっていない藍はただその内容に驚愕するしかなかったのだ。
「こ、これは…」
それもそのはず今回のコラムは、幽々子と幽香を称賛し妖夢と魔理沙を非難しただけでなく、天子を酷評しているうえに言葉の言い回しが非常に強烈で、藍の脳髄を激しく刺激するのでたかがコラムと思っていた藍の考えを180度変えてしまった。
ジーザスのコラムの魅力は、酷評するのも面白いがそれと同様に称賛しているのもそれと同様にインパクトがあり、攻撃的な姿勢を評価するだけでなく人格を兼ね備えた弾幕使いでないと評価しないので、賞賛されている西行寺幽々子は凄い亡霊で、風見幽香は偉大な花の大妖怪であることを改めて認識した。
それに避難している魂魄妖夢と霧雨魔理沙に関しての指摘は自分が思っていたのと相違ないだけでなく、彼女たちの成長に関するアドバイスもしっかりしていたのだ。やはりジーザスは一流の弾幕ジャーナリストなので、藍は、一流は一流を見抜くという事を改めて認識したと共に、紫が何故ジーザスのコラムを自分に読ませたのかがやっとわかった。
「紫様、申し訳ございませんでした。私は今までこのコラムを読んでいなかったので、紫様がおっしゃったことが理解しきれませんでしたが、今になってやっと理解できるようになりました。」
「私の仕事は博麗大結界の管理で、結界に異常があれば補修して問題を解決できない時は紫様に報告をして、結界を破壊しようとする者を撃退することにあります!ああ!私のやっている事は無駄な労働でなく、これ以上のない誇りだと思うのです。私はいざという時に紫様の代わりをこなさなくてはならないので、今まで以上に身命を縛して仕事に取り組まなければならないのです!」
「あら、ジーザスのコラムを読み終えたと思ったら、私の言いたかったことを理解したようね。ちょっと遅すぎたかもしれないけど、藍なら私の言いたい事をいつかは理解してくれると思ったのよ。」
いつの間にかスキマを展開しマヨイガに戻ってきた紫の足元に藍がひざまずくと、紫は藍に目線を合わせてしゃがみ込み抱きしめた。
「ゆ、紫様。私はこれからも紫様と幻想郷の為に身命を縛して職務にまい進したいです。しかし、私に言わせればそれも結果論でしかないんですが。」
「藍。わかってくれればそれでいいのよ。くだらないジョークを言えるようになったのは素晴らしいと思うわ。改めて聞くけど『東方キャラクターダイジェスト』は面白かったかしら?」
紫は藍の背中を撫でながら『東方キャラクターダイジェスト』がどうだったかを藍に聞いた。
「はい、凄く面白く感心することがいっぱいありました。ジーザスのコラムはもちろんですが、ヴィシディ氏のタイプ別理論も感心するものがありました。私ももっと精進して紫様の力になりたいと改めて思わされました。」
紫に聞かれた事で藍は率直に感想をありのままに述べた。
「よかったわ。わざわざ藍に読ませた価値はあったけど、白玉楼にもう一人問題児がいるからそいつにも読ませに行くわよ!藍、あなたも一緒にいらっしゃい!」
紫はその感想を聞いて、胡散臭い笑みを浮かべるとスキマを展開して蘭と一緒に白玉楼に行くことにした。
「はい、紫様。」
藍は今までは嫌々ながらついて行ったこともあったのだが、今回は迷わず紫と一緒に白玉楼に行くことに関しては一切のためらいをもたなかったのだ。
―白玉楼―
「今日は紫がやってくるから、西行妖で楽しい花見でお酒が飲み放題!」
白玉楼の主を務める西行寺幽々子は、自らの従者が作るディナーを心待ちにしていた。幽々子の食欲は幻想郷の住人であれば知らない者はいないので、並大抵の量だとどうしても足りないのだ。しかも友人の紫がやってくるので今から宴会が待ち遠しくして仕方なかったのだ。
「幽々子〜。遊びに来たわよ〜!今日も宴会でがっつり食べて限界まで飲みかわしましょう!」
「幽々子様、お久しぶりです。早速ですが鮑酒をいっぱい戴けないでしょうか?」
「藍、ずるい!私も鮑酒をいっぱい飲みたいわ!」
紫と藍がスキマから身を乗り出して白玉楼にたどり着くと、幽々子は藍が鮑酒を求めてきたので少しばかり驚いたが、何事もなかったように振る舞って妖夢に鮑酒を出すように命令した。
「妖夢〜、お客様が鮑酒をリクエストされているから早く出しなさい!」
紫と藍がやってきて間もなく鮑酒を出すように言われたので、妖夢は驚きを隠せず鮑酒の在庫がないとその場で誤魔化す事にした。
「申し訳ございません。鮑酒はここにありませんので、他のところを当たってください!」
妖夢は鮑酒をないことを主と客人に言うが、そんな青臭いことが通じるわけもなくすぐに紫と藍に宴会の会場に連れていかれ、あえなく身ぐるみをはがれてしまいまんぐりがえしの態勢を維持するために対になる手足を縄で縛ったのだ。
「あるじゃないの此処に。」
紫が全裸になって縄で縛られた妖夢に向かって鮑酒のありかを宣告する。
「紫様、酒の肴になるものを台所からくすねて来ましたので、つまみは女体盛りで堪能致しましょう!」
藍は台所に忍び込んで宴会に出す予定だった、ヤツメウナギの蒲焼きと地獄烏の焼き鳥とワーハクタクのローストビーフを始めとしたオードブルに使う料理を会場に持ってくると妖夢の身体を皿代わりにして、この日の為に妖夢が拵えた料理を乗せ始めた。
「妖夢、『東方キャラクターダイジェスト』の最新号のヘスス・スアレス氏のコラムを読んだかしら?今すぐ答えなさい!」
紫は少しきつめの口調で妖夢に対し『東方キャラクターダイジェスト』の最新号を読んだかどうかを聞いてみた。
「ゆ、紫様!こんなことするのはいい加減にやめてください!藍さんもどうしたんですか!ワルノリするにも程がありますよ!」
妖夢は紫に対しセクハラをされたのを激しく非難するが、紫は自分が聞きたい事を素直に聞かなかった妖夢の成長の無さを失望してしまい、ため息をついてしまった。
「妖夢、あなたは私に聞かれた事をすなおにこたえればいいのよ。」
「妖夢〜、早く解放されたいなら紫の言う事を素直に聞きなさい。」
「妖夢さん、今は紫様の言う事を聞いてください。」
紫と幽々子と藍は妖夢に向かって大人しく命令に従うように言うと、圧倒的な数的不利と劣悪な状況に観念したのか妖夢は『東方キャラクターダイジェスト』の最新号を読んだことを応えた。
「紫様、私は東方キャラクターダイジェストの最新号を読みました。これでいいですか!早く私を解放してください!幽々子様、藍さん、紫様を止めてください!」
妖夢はいつものように理不尽なセクハラ地獄に耐えかねているので、紫と幽々子と藍を激しく非難しているのだが、紫は妖夢を開放することをしなかった。半人前である妖夢は紫に言われた事を理解していないので、肝心なことを言わなかったのがそもそもの誤りであったことに気付いていなかった。
「妖夢、私は『東方キャラクターダイジェスト』の最新号に載っているヘスス・スアレスのコラムを読んだかどうかを聞いているのよ。」
紫は妖夢の頭脳レベルに合わせて、ゆっくり解り易く説明したのでやっと妖夢は自分が何を聞かれているのかを理解した。
「ああ、確か巻末に載っている基地外コラムですね。あんなもの読む価値なんてありませんから、私は一切読んでいないです。何であそこまで人の事をボロカスに叩くのか私には一切理解できません。だから、速く縄をほどいてください!」
妖夢はジーザスのコラムを読んでいないことを紫と幽々子と藍に告げると、あからさまに自分のすべき事はやったから早く縄をほどいてくださいを言わんばかりの視線を送りつけるだけでなく、縄をほどくように言ってきた。
「妖夢、あなたは一番大事なところを読んでいないのね。罰としてコラムの内容を理解するまでセクハラをしなくてはならないようね。」
紫が妖夢にジーザスのコラムを理解するまでセクハラをし続けると宣言した。この時の妖夢の顔色は真っ赤に興奮していた状態から、一瞬にして青ざめてしまった。
「ジーザスのコラムの毒を楽しめないあなたには、セクハラという名のお仕置きが必要ね。」
幽々子はジーザスのコラムを楽しめない妖夢のお仕置きとして、いつのと同じセクハラ地獄を味あわせることを妖夢に告げた。
「妖夢さん、私もやっとジーザスのコラムを理解できたのですから、妖夢さんも理解できると思ったんですがやっぱりまだ早いようで、冗談を楽しめないとジーザスはいつまでも酷評したままです。もっと心に余裕とユーモアをもたないといけないですよ?じゃあ、早速妖夢さんのお尻の穴に割り箸を入れましょう!」
藍は割りばしを持って妖夢ににじり寄ってくると、妖夢は完全にテンパってしまった。
「やめてください藍さん!気でも違ったんですか!そんなこと冗談でもやめてください!」
「今言った事は全て嘘で冗談です。そんな事をしたら幽々子様に怒られてしまいますからね。」
妖夢がセクハラをしようとする藍を激しく非難すると、藍はセクハラをするのは冗談だといった。言われた事をすぐ真に受けてしまう妖夢は、からかい甲斐がありおもちゃ扱いしやすいので藍は妖夢を弄って遊ぶことにした。藍は確かに幽々子様が妖夢の事をおもちゃ扱いしてセクハラ三昧する心境が解るようになったのだ。今後自分は橙を相手にセクハラをしてみようかと思った。
「藍ちゃ〜ん、いいのよ〜。妖夢のお尻の穴に割りばしをぶち込んでもかまわないわよ〜!」
「幽々子、私が入れたいんだけどいいかなぁ?」
「紫様、それはやりすぎですよ〜!でも妖夢ちゃんのお尻が可愛いからどうしても弄りたくなってしまうんですよね〜。」
「わかるわぁ、それ。藍ちゃん、遠慮なんかいいのよ〜!妖夢だからいくら弄ってもかまわないわよ〜。」
紫と幽々子と藍は酒が入っていないのにすでにエンジン全開で妖夢をセクハラしだすので、妖夢は理不尽に耐えかねて舌を噛み切ろうとしたが、藍に恵方巻きを猿轡代わりにされたので舌を噛み切ることができず、翌日紫が帰るまで一方的なセクハラ地獄をうけるはめになりましたとさ。
「妖夢、次に私が来るまでに、ジーザスのコラムの意味を理解できるように勉強しておきなさい!」
「い、嫌あああああっ!!!!!!!!!」
あとがき
イル・プリンチベです。いつも皆様にお世話になっておりますので、誠に有り難く思っています。相変わらず盆用極まりなくインテリジェンスを感じないSSですね。
今回のSSはまたジーザスの基地外コラムをネタにしたのですがそれだけではアレですので、元スペイン代表のサッカー選手で、かつて横浜マリノスでプレイしていたフリオ・サリーナス氏にインタビュアーを務めてもらい藍様に取材をして貰う事にしました。
ジーザスの基地外コラムに魅かれてしまったので、ジーザス特有の毒を私なりにアレンジして極力テンプレに乗っている項目を使わないようにして、前回の奴よりパワーアップさせたつもりですが、逆に劣化しているかもしれませんね。
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
23
投稿日時:
2011/02/04 10:24:37
更新日時:
2011/02/05 20:04:15
分類
八雲藍
西行寺幽々子
八雲紫
魂魄妖夢
比那名居天子
ヘスス・スアレス
フリオ・サリーナス
WSD
インタビュー
ザ・ジャーナリスティック
蹴鞠には興味ありませんが、なんてこった!!なんと的を得た雑誌だ!!
最高の批評家は、相手を批判するだけではなく、改善点も提示する、と。
少々、誤字が多かったですが読み応え有りました。
死んで楽になることも許されなかった妖夢がセクハラに耐えて、一層精進することを願います。