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『東方ゲロ娘『危険な思想』』 作者: イル・プリンチベ

東方ゲロ娘『危険な思想』

作品集: 24 投稿日時: 2011/02/18 22:31:21 更新日時: 2011/02/19 16:05:28
―1― 東風谷早苗の悩み


 東風谷早苗は悩んでいた。早苗が幻想郷にやってきて間もなく3年たつが、妖怪の山にある守矢神社でやってくる参拝客のほぼ全ては天狗や河童などでもごく僅かな妖怪で、麓にある博麗神社と同様相変わらず人間の信仰を得ることが出来ていない。

 今まで守矢神社にやってきた人間は、異変解決をやっている博麗霊夢と霧雨魔理沙以外いなくて、幻想郷において自分以外の人間は守矢の教えを信仰していないことが最大の問題である。

 そして何よりも以前守矢神社を信仰していた妖怪達は、霊烏寺空の件以来全く来なくなったことで命蓮寺を信仰し始めたことによって、守矢神社の信仰を一気に失ってしまうという最悪な結果を招いてしまったので、神奈子と諏訪子は自分の存在を維持するだけで精いっぱいであるのだ。

 「今日も神社に参拝客がいっぱいやってきますね。ですけど、参拝しにやってくるのは天狗と河童などの妖怪で、やっぱり人間は一人たりとも来ませんね。はぁ…、守矢神社は人里と離れ過ぎているせいでしょうか、いままで霊夢さんと魔理沙さん以外の人間が今まで来たことがないのは、人里から離れ過ぎているせいでしょうね。」

 早苗は神社の石畳に落ちたゴミを箒で掃きとってから、守矢神社を信仰するのは妖怪の山に住んでいる天狗や河童などの妖怪たちなので、人間が自分以外いない現実に思わずため息をつくと、

 「博麗神社の事を妖怪神社と依然馬鹿にしたのですが、守矢神社だって天狗と河童がやってくる妖怪神社だという事は変わりありませんので、人間としてなんだか切ない気分です。それに最近神奈子様と諏訪子様の元気がありませんから、私が信仰を集めないといけないんですよね。」

 神奈子と諏訪子は早苗が幼い時から守矢の教えに関しての英才教育を施したので、外界出身の人間であるにも拘らず並大抵の妖怪にも勝るに劣らない実力を持ち、奇跡を起こせる能力を有していることで天候や環境を自らの都合のいいように変えてしまう事が出来るのだが、早苗自身の思想は守矢の教えが絶対であるという極端に偏った考え方をしているために人里の人間たちから狂人扱いされているので、

 「私が人里に守矢の教えを説いた時に、人里の人間たちは現人神であるこの私をあからさまに無視するどころか、どういうわけかキチガイ扱いしてブーイングを浴びせたり生ゴミを投げつけてきたりするんですから、信仰というものを理解しない人里の人間はアホなんですよ!」

 この間早苗は人里に訪れた際に、人里の住人に守矢の教えを説いたのだが、強引で相手の話を聞かない宗教勧誘のやり方だったために、人里の住人達は神を名乗る早苗の事が胡散臭く感じ危険性が高いと思ったので、早苗の事を妖怪扱いして一方的にフルボッコにされてしまったので、

 「この間人里に行った時なんて、ただ買い物をしに行っただけなのにあからさまに無視されたり、お前に売るものはないと言われたり、肥しを浴びせられたりしたんですから、普通の人間如きが現人神の私に向かってこんな事は許されていけないと思います!」

 早苗の守矢の教えをつたえるやり方は、無理矢理人を引き止め相手の有無を問わず自分の話を一方的に聞かせるので、人里の人間たちとの関係は非常に険悪なものとなってしまい、人里で買い物をするにもあからさまに不当な価格で売りつけられるならまだマシな方で酷い時は物を売ってもらえない有様だったから、

 「それに人里の連中ときたら竜神を必要以上にあがめるのに、私を始め神奈子様や諏訪子様を全くもって崇拝しないからわけのわからない連中だと思います。」

 もともと幻想郷に神社は博麗神社以外ないのだが、博麗の巫女が怠け者であることから人里の人間達は宗教を必要以上に信仰することがないが、神奈子と諏訪子の信仰パワーを確保するためにはどうしても人里方面で信仰をゲットしないといけないのだが、
 
 「はぁ…、もう人里に行きたくないです。あんな下衆と同じレベルに合わせるなんて我慢ができないです。」

 営業担当の早苗がこれでは守矢の信仰をゲットするどころか、逆にキチガイ扱いされてしまうのがオチだが残念ながらとの本人がそれに気づいていないので、

 「幻想郷の人間は弱いと思っていたのに、霊夢さんはおろか魔理沙さんですら勝てなかった私は、外界では崇拝されてしかるべき人間なのに、幻想郷では普通の人間として暮らしていかなくなるなんて思ってもみませんでした。私は守矢の現人神なのに…、こんな事になるんだったら幻想郷なんて来るんじゃなかった…。」

 幻想郷に来てサクセスストーリーを描くプランは霊夢と魔理沙によって見事に粉砕されたので、内心幻想郷に来た事を激しく後悔している一面があるのだが、

 「それでも神奈子様と諏訪子様の信仰パワーを増やすためには、妖怪の山の天狗や河童あたりの妖怪だけでは限界がありますから山の麓の住人の信仰をゲットしなくてはなりませんね…特に人里の人間たちから信仰をゲットできたら素晴らしいのですが、あいつらときたら私の事をキチガイ扱いするからわけわかんないですよ!」

 妖怪の山の方面ではこれ以上の信仰をゲットできる見込みがないので、人里に行って信仰をゲットしなくてはならないのだが、肝心要の早苗と人里の住民たちとの関係は最悪な状態だからこれ以上の信仰を得ることは絶望的に無理な状態であるせいか、

 「だけど人里に言って営業活動をするのは最近になって億劫に感じますし、あんな愚かな人たちがいっぱいいる人里なんかには出来れば行きたくないんですよね。それに、ここ最近になって天狗や河童は全く来ないからますます守矢神社の信仰がなくなっていると思いますので、ここは私が頑張らないといけないのですよね!」

 早苗は金輪際人里に行かないを決め込んでいたのだが、守矢神社の信仰をゲットする役割を担っているためにどうしても人里に通わなくてはならないので、

 「はぁ…、嫌でも人里に行ってあいつらの前で演説しないといけないと思うと非常に鬱な気分になります。」
 
 天を仰いだ後に頭を抱えた早苗は、信仰をゲットするためには文句は言っていられないので嫌でも人里の方に行かねばならないのだ。

 ―少女移動中―


―2― 早苗の演説、人里の人間たちの反応


 妖怪の山から人里につくまでどんなに急いでも30分以上かかるので、その間に今日はどんな方法で人里の人間たちが自分に注目するのかを早苗は考えていたのだが、

 「はぁ…、あいつらは私が大声を上げても無視を決め込んでいるから、あっと驚く方法をしないといけませんね!そうだ、いいことを思い付いた!サングラスをかけて偽名を名乗ったあの人みたいなカッコイイ演説をしたいから、人里の一番高い建物の教会の天辺から奴らを見下ろせばいいんですよね!決まりです!今日はこの作戦で行きましょう!」

 早苗は妙案を思い付くと誰から見ても気持ち悪い笑みするので、早苗の姿を見た妖怪はあまりの気持ち悪さに怯えて逃げ去っていくのは別の話だが、

 「よし!これをやれば私は間違いなく人里の人気者ですね。幻想郷は常識にとらわれない世界ですからね。」

 幻想郷の概念を間違って捉えてしまった早苗は、先程まで憂鬱な気分を患っていたにも関わらず、気分が良くなってしまえば疾風の如く飛び去ってしまったのだった。

 
 「人里の人間達よ!現人神の私ごと守矢の風祝を務める東風谷早苗はやってきました!いいですか皆さん、私のことを歓迎してくださいね。」

 人里の入口に久しぶりにたどり着いた早苗は、今まで狂人扱いされた事をすっかり忘れて人里の中心にある大聖堂に天辺に向かって飛んでいき、両手を広げ聖人のポーズをとりだすと、
 
 ―少女(スイーツ(笑))演説中―

 「人里の皆さん!こちらに注目してください!私は守矢神社の風祝を務める東風谷早苗と申します!」

 早苗が人里の人間達に向かって自分の存在をアピールするも、人里の人間達は『またキチガイが来たのか。』と言わんばかりにあえて無視を決め込むのだが、

 「いいですか!いまの幻想郷は妖怪が跳梁跋扈しているせいで人間の地位は依然低いままで、人里から出れば妖怪が容赦なく襲いかかってきます。私はこの目で妖怪が人間を襲い食べていたのですが、こんな事許されたままでいいのでしょうか!?いえ、許されていいわけがありません!私たち人間の尊厳が奪われ続けているのに、妖怪達は強欲でもっと妖怪を優遇しろと主張してくるのです!」

 ここまで一息をつかず早苗が演説するも、人里の人間達はすでに命蓮寺に信仰を捧げているものが大半で今ではすっかり聖白蓮の“人間と妖怪の平等化“という思想が正しいものと認識しているので、守矢神社を崇拝している早苗の思想が危険極まりないことが解っているために先程同様無視を決め込んでいるのだが、それを知らない早苗は一向に演説を辞めようとせず、

 「この間妙蓮寺の住職の聖白蓮が私に向かって、『今の幻想郷は人間が一方的に妖怪を退治しているので、妖怪達があまりにも可哀相なのではないか?』と信じがたいことを言ったのです!みなさん、聖白蓮の思想は我々人間を破滅に追い込む危険な思想です!私たち人間が譲歩し続けてしまう事に慣れ切ってしまったので、妖怪達は我々人間をより一層冷遇し続けていき最終的には人間を全滅させることでしょう。」

 早苗は唾やよだれをあたりにまき散らしながら演説しても、人里の人間は意識的に早苗の事を一切見ようとしなかったが、それでも早苗の姿は現人神そのものでどこか神々しかったので、人里の人間達はいつしか風祝を見ざるを得なくなるにつれて早苗はより雄弁になり、

 「今の幻想郷は妖怪の支配下に置かれていて、人間は圧倒的な弱者として存在しているんです!私はかつて外界に住んでいましたが、幻想郷は人間に極めて過酷な環境だという事が解りました。力のある妖怪が好き勝手に人間を襲った後に、人間の肉を食べている様を目の当たりにしてこれ以上の無い怒りを感じました。今の幻想郷の社会は妖怪にとって圧倒的に優遇された環境なので、聖白蓮が推奨する“人間と妖怪の平等化”を受け入れるわけがないことを確信していいきれるのです!博麗神社の信仰は血の底まで落ちたので、今更博麗神社を信仰しても手遅れですし、命蓮寺の言いなりになっては我々人間がより弱者の立場を歩むことになるので、何を信仰すればいいのかわからないですよね!?」

 自らの出生と早苗の偏った見解で博麗神社と命蓮寺を非難するも、肝心要の守矢の思想とはなんたるかを説明していなかったが、ここにきて人里の人間達に守矢神社を信仰するように仕向けようとするために、

 「いえ、あります!我々人間を救済してくださる神様がいますし、そして今だけでなくこれからの幻想郷にとって正しい教えと思想はこれ以外ありません!それは守矢の教え以外ありません!わたくしが何故皆さんに守矢の教えを説いてきたかというと、幻想郷において人間の地位向上を果たせるものだからです。現人神の私が崇拝する軍神の八坂神奈子様と、祟り神の漏矢諏訪子様を信仰していただけたなら、人間を食い殺すだけしかない粗野な妖怪から守るだけでなく、未だ貧困で苦しんで一日三回の食事も満足にとれないでいる方々は、当たり前のように人間として当たり前の権利を有することが出来ます。そうです。人間は健康的で最低限度の文化をもった生活ができるのです!これはどれだけ尊いことでしょうか。ですが、命蓮寺を信仰しても我々人間の状況は良好になるどころか逆に悪化の一途をたどっているではありませんか!」

 早苗が崇拝している神奈子と諏訪子の名前を出してから、守矢の思想を人里の人間たちに伝えようとした同時に、

 「この野郎!白蓮様はお前が言うほどの酷い人じゃない!実際の白蓮様は俺のようなならず者だった俺を真人間に更生してくださった偉大でお方だぞ!」

 成年男性は早苗が百蓮を非難したことに腹を立て、地面に落ちていた石ころを拾うと早苗に向かって投げつけると、

 「白蓮様は私のような力の弱い妖怪を受け入れてくださり、今まで人間に迫害されてきた地獄のような日々から私を解放してくれたんだ!」

 命蓮寺に住んでいて、たまたま買い物に来ていた多々良小傘が早苗に白蓮に出会った事で救われた事をいってから早苗に向かって弾幕を放つと、

 「僕のような半人半妖でさえ白蓮様は受け入れてくださったのに、恩を仇で返す人道に反した真似は出来るわけがないと思うんだがね。」

 引きこもりがちだった香霖堂の店主の森近霖之助は、自分のような人妖どちらにも属せず差別を受け続けた半人半妖の存在も白蓮に受け入れてもらえた経緯があるので、早苗が白蓮を非難した事に腹を立ててしまい、落ちていた石ころを拾って早苗めがけて投げつけると、

 「我々の生活が良くなっているのは、聖白蓮様が施しをしてくださるから以前とは比べようのない状態になったんだ!俺だって白蓮様のご尽力があって悪夢といえるホームレス生活から抜け出せたんだ!」

 かつてホームレスだった男も早苗に向かって石ころを投げつけると、

 「八坂神奈子は幻想郷に存在してはいけない邪神だろう!さっさと外界におかえりっ!」

 買い物に来ていたおばさんも早苗に向って石ころを投げつけると、

 「洩矢諏訪子こそまがいものの神じゃないの!いいかげんに外界に帰りなさい!」

 不良少女も早苗に向って石ころを拾って投げつけ始めると、

 「いっ、痛いです!やっ、やめてください!私はただ聖白蓮の行為が皆さんに対し凄く有害であると説いただけで…」

 早苗は人里の人間達に聖白蓮の思想が危険であることを説くも、人里はすっかり命蓮寺の思想を受け入れただけでなく白蓮の事を信仰している者が圧倒的に多くなってしまったので、白蓮の思想に反する早苗は危険人物とみなされてしまい、

 「人間や妖怪や半人半妖は皆対等な存在で、誰かが迫害されることがあってはならないし、また誰かが強大な権力を好き勝手に振り回してはならないのだ!お前は人間を尊重しているだけで、それ以外の存在を一切受け入れていないじゃないか!」

 「それにお前は現人神を名乗り信仰を集めようとするも、他の人間を一件尊重しているようで実際は軽蔑しているではないのか!」

 「貴様が崇拝している神は、外界で信仰を失ってしまったので幻想郷に着て信仰を手にしようとしたが、幻想郷には幻想郷のやり方があることに気づいていないのだろうな。」

 「人里には人里の掟がありそれは暗黙の了承で成り立っているもので、スキマ妖怪も巫女も吸血鬼も亡霊も月人もここではみな平等な扱いを受けれるのだが、この掟を背いたものは人里から排除されるのだ。」

 「確かに今までは妖怪が我が物顔で闊歩していて人間を食い殺していたが、それでも力の弱い妖怪は一方的に人間に退治された歴史があることを知らないようだな。」

 霧雨道具店の主の霧雨の親父さんや寺小屋の教師と人里の守り神を兼任している上白沢慧音や、幻想郷縁紀著者の稗田阿求を始めとした人里の有力者までもが早苗を非難したことで、さらに石ころと弾幕が飛んでくる量が増えてしまったので早苗は頭を抱えしゃがんでしまい、

 「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃい!ああああああっ!嫌あああああ!神奈子様、諏訪子様、私を助けてください!この愚かな人里の人間達に神の怒りを…」

 ブーイングと弾幕の嵐にすっかり意気消沈してしまった早苗は、神奈子と諏訪子に神の怒りを落とすように願うも、守矢神社を信仰するのは妖怪の山の妖怪達と山の麓に住んでいる僅かな人間だけなので、神の怒りを落とす奇跡は起こらなかった。

 早苗は人里の人間達に拒絶された事が堪えたのか、視界がぐらつき立つことさえままならなくなると、猛烈な吐き気を覚えてしまい胃の中にある不快感を排除したかったが今は人里から姿を消すことが最優先だと思ったので早苗は、

 「み、みなさん。もう二度と人里には来ませんのでこれ以上酷いことをしないで下さい!お願いです!」

 現人神を名乗りその戦闘能力と精神力は妖怪に匹敵する実力を備えている早苗であっても、同じ人間という仲間に拒絶をされた事で、精神的に致命的なダメージを受けてしまったので、大人しく妖怪の山に戻りしかなく乞食同然の格好で血路を開くも、

 「キチガイめっ!もう人里に二度と来るんじゃないぞ、わかったな!」

 人里から出ていく道中でも早苗は、容赦ないブーイングの嵐と、弾幕と石ころを雨のように受けてしまい、人里の人間達に追撃を受けてしまったことで体中傷まみれになり、新調された巫女服はぼろ雑巾に成り下がってしまった。


―3― 血路の果てと早苗の嘔吐


 「やっと人里から脱出できました…。それにしてもあの人たちは何なんですか?聖白蓮を崇拝し、私をキチガイ扱いするだけでなく神奈子様や諏訪子様の存在を否定するなんて、許されたものではありません!」

 ぼうほうの態で妖怪の山に戻ってきた早苗は守矢神社に帰還しようとしたが、人里で起こした吐き気をぶり返してしまいどうしようもなく我慢が出来なかったので、

 「なんでこんなところで吐きたくなるんでしょうか?凄く気持ち悪いです…近くにトイレなんてないですし、仕方ないのでここで吐くしかありませんね。」

 早苗は飛ぶ気力を無くしてしまい、野道で屈みこんでしまうとゲロを吐く前兆の表すゲップを何度か繰り返し始めた。

 「人間と妖怪は対等じゃないです!あいつらと私は仲良くなれません!人里の人間たちはどう考えてもキチガイですっ!事もあろうに現人神のこの私に向かって…誹謗中傷罵詈雑言をするだけでなく、神奈子様と諏訪子様を非難するなんて…。」

 早苗は負け惜しみで人里の人間達を酷評しながら吐き気を抑えようとするも、眩暈と吐き気は一向におさまらないどころかより酷くなってしまったので、

 「ウップ!あいつらは…キチガイですっ!ウエップ!この私を侮蔑するなんて…オエップ!」

 早苗の身体はさらに繰り返しゲップをしてゲロを吐きだそうとしているが、人里の人間達に守矢の教えをあそこまで否定されただけでなく、早苗が避難している聖白蓮を崇拝している事で人里での信仰を増やす見込みがないと思えた事が、悔しさと腹ただしさと自分の無力さが身にしみてしまい、早苗の頭の中で人里の人間に言われた事がグルグル回り出すとさらに眩暈と吐き気が酷くなりいよいよ我慢できなくなったので、

 「ガハッ!ガハッ!ウッ、ウゲエエエエエエエエッ!!!!!!オエッ、オゲエエエエエエエエッ!!!!!!」

 ボチョボチョボチョッ!!!!!ビチャビチャビチャッ!!!!!

 早苗の足元にゲロが落ちていったが、早苗の朝食の名残と思われる味噌汁の具材に使った大根と、胡瓜の漬物と思われる緑色をした個体と、消化され切っていなかった牛蒡らしき物体が紙面に落ちていったが、それでも早苗の気分が楽になることがないのでひたすら吐き続けてしまったので、

 「ウエエエエエエエエエエッ!!!!!オエエエエエエエエエエッ!!!!!」

 ボチョボチョボチョッ!!!!!ビチャビチャビチャッ!!!!!

 憐れな風祝はひたすら嘔吐をし続けるが、昨日の夕食にとった牛蒡まで吐き出された後にはひたすら胃液を吐き出すしかなかったためにあたり一面はゲロ特有の酸っぱいにおいが充満したために、

 「はぁ…、はぁ…、神奈子様、諏訪子様。信仰を集められなくて、本当に申し訳ございませんでした…。人里はすでに命蓮寺の信者が圧倒的に多く、守矢の教えを説こうとする前に私は危険人物として扱われました…。」

 早苗はゲロを全て吐き出してしまうと、今日の収穫を神奈子と諏訪子に報告する前に今日起きたことをすべて事細かく語り出すと、

 「とりあえずゲボを吐いたから胃の中はスッキリしましたが、口の中は酸っぱいにおいが充満して逆に気持ち悪いです。早く守矢神社に行って、今日の業務連絡を神奈子様と諏訪子様にしてから口をゆすいでおきたいですね。」

 ゲロを吐き終えた早苗は飛べるぐらいまで体調が回復したので、この場に長居は無用と思い疾風の如く守矢神社に向かって神奈子と諏訪子がいる拝殿にたどり着くと、

 「神奈子様、諏訪子様。早苗はただ今戻って来ました。神奈子様、人里はすでに命蓮寺の信仰が進んでおり私が守矢の教えを説くも、人里の人間達は私の話を聞くどころかあろうことに私を狂人扱いして一方的な暴力を受けることになりました…。本当に申し訳ございませんでした…。」


―4― 悲しみを憎しみに変えて


 早苗は起こられることを覚悟して拝殿にいる神奈子に今日の業務連絡をするも、いつもと違い神奈子の声がしないので様子がおかしいと思ったので拝殿の中に入ると、そこはもぬけの殻となっており神奈子の姿がなかったので、

 「神奈子様、どこに行かれたのですか?神奈子様、いられるのでしたら返事をしてください!神奈子様!」

 神社のどこを探しても神奈子の姿がないので、早苗は諏訪子を探してみることを試みたのだが、

 「諏訪子様、大変です!神奈子様がいなくなりましたっ!諏訪子様っ!どこにおられるのですかっ!?」

 いつもなら諏訪子は神社のすぐそばにある池で蛙と遊んでいるのだが、池にいても諏訪子の姿が見当たらないので、早苗は口をゆすぐことも忘れて幻想郷じゅうを飛び回り守矢の二注を探し回ったが、神奈子と諏訪子の姿が見えなかったのでやむなくして守矢神社に戻って拝殿に置手紙らしきものが置かれていたので、

 「御二方を尋ねてもどこにもいないので、情けないことに私は途方に暮れてしまいました…。ん?神奈子様の机に手紙らしきものがありますね。これは私宛ての手紙ですが、誰が書いたのでしょうか。とりあえず読んでみましょうか。」

 早苗は神奈子の机に置いてあった手紙を取り出すと、それに何が書かれてあるのかが気になったのと誰が書いたのかが気になったので、手紙の封を破らず誰が書いたのかを調べると、

 「この手紙は神奈子様が書かれたものですね。確かにこの筆跡は神奈子様特有の達筆ながらも独特の癖字ですから、間違いなく神奈子様が書かれたものですね。内容がどういうものか気になるますので、読んでみましょうか。」

 神奈子が早苗に宛てたの手紙だと判明したので、早苗は書いてる内容が気になったので迷わず読んでみることにした。

 手紙の内容は以下の通りである。


 ―少女確認中―

 
 東風谷早苗様へ

 早苗がこの手紙を読んでいるという事は、おそらく私たちは信仰を失ってしまったことによりこれ以上実態を維持できなくなってしまったと思うよ。私たちはかつて外界にいたんだけど、信仰を失ってしまったから私や諏訪子は実態を維持するだけで精いっぱいだし、外界から幻想郷に守矢神社を移すことで多くの力を使ってしまった上に、地獄烏に八汰烏の力を付与したことで河童から信仰を獲得できたんだけど、それ以外からの信仰は著しく失ってしまったから私と諏訪子は実態を維持するだけで精いっぱいだったし、人里は命蓮寺の手に落ちてしまったのでお前がいくら布教活動してももう手遅れだったんだよね。

 今日早苗が人里で布教活動していて、人里の人間達に酷い目にあった事は解っているんだけど、私たちの神徳がなくなってしまったからお前を守る事が出来なくなってしまったんだ。ごめんよ、本当にごめんよ。お前を風祝として教育してなければ、今頃外界で普通の人間として暮らしていただろうし、お前のような年ごろの娘だったら好きな人と交際してもおかしくなかっただろうね。

 でも私たちは早苗を守矢神社の風祝として教育してきた事によって、お前の人間としての幸せを奪ってしまったと思うと非情に申し訳なく思うよ。お前を現人神として育ててきた事により、帰ってお前に偏った思想を植え付けてしまったのが私の落ち度だとしか思えないんだよね。
 
 たぶん守矢の教えはこの世から完全になくなってしまっただろうから、私と諏訪子はもう二度と実態を取り戻せないから、もうお前を一人前の人間として導くために小言や忠告をしてやれないのが残念だけど、今まで現人神を名乗ってきた事にとって虐待されてきたのだから、もう神であることを忘れて一人の人間として生きて欲しいんだ。

 私たちが本当に後悔しているのは、本来外界で人並みの幸せを手にして生きていく早苗の人生をめちゃくちゃにしてしまった事なんだ。幻想郷に連れて行ってしまったのも私のエゴでもあるし、慣れない環境で信仰を獲得させようと無理強いしてしまった事も私たちがお前に押し付けてしまった事だし、幻想郷のルールに従わなかったのも私たちの身勝手さにすぎなかったんだよ。信仰を得るためだけに、郷に入りては郷に従えという諺を忘れてしまったことが愚かじみてならないんだよ。

 私たちが唯一望むのは、早苗が人間として幸せになってほしいことなんだ。そして私たちの事は忘れてもいいから、もう一度外界に戻っても普通の人間として生きていくのがいいと思うよ。外界で生きていくこともそれはそれで大変なのはわかっているけど、幻想郷で揉まれた早苗なら外界の勉学なんて生ぬるいものだから、何とかやって生きる筈だと思うし外界でやり直せると私たちは信じているよ。

 最後に言わせて欲しいのは、短い間だったけど私たちは早苗と同じ時間を共有できてよかったと思うよ。あと間違っても私たちが聖白蓮に殺されたなんて思わないで欲しいし、信仰を失ったのは私たちのやり方が間違っていた事に早苗も気付いてほしい。

 八坂 神奈子


 早苗は神奈子があてた手紙を読むと、愕然としてしまったのか立っていられなくなったので、

 「神奈子様、諏訪子様。私は御二方を信じてここまで頑張ってきたのに、こんな別れ方って酷すぎますよ!あんまりじゃないですか!」

 早苗は悔しさの余り右手拳で床を叩きつけるも奇跡が起こるわけではなく、拝殿に床を殴りつけた音が虚しく響き早苗の右手拳に傷がついて痛くなるだけだが、早苗は神奈子と諏訪子がいなくなってしまったショックの方が大きくて、

 「私のやってきた事は間違っていたんですか!?守矢神社の盛り立てるために今まで必死に頑張ってきたのに、神奈子様と諏訪子様はやってきた事が失敗だったとおっしゃるのですか!?」

 神奈子と諏訪子が消えてしまった現実を受け入れきれない早苗は、

 「いいえ!守矢はまだ完全になくなったわけではありません!そうです!現人神たる私がいるじゃないですか!神奈子様と諏訪子様は信仰を失っていなくなっただけで、私が信仰を集めるために尽力すればまだやっていける筈です!」

 「それに神奈子様と諏訪子様を死なせてしまった原因を作ったのは、あの聖白蓮が人里の人間達を誑かすことがなかったら、守矢の教えが非難されることがなかったんですよ!」

 「私の命に変えても、聖白蓮を殺す!うおおおおおおおおっ!」

 早苗は崇拝してきた神奈子と諏訪子を失った悲しみを、聖白蓮につもりにつもった憎しみをぶつけるために人里から少し離れた妙蓮寺に疾風の如く飛んでいった。

 ―少女移動中―

 妖怪の山から命蓮寺までは一時間ほどかかるので、早苗は命蓮寺に行く道中に自分が殺されてもいいから聖白蓮を葬り去ろうと画策していたがなかなかいい案が思いつかなかったのだが、

 「聖白蓮を殺すのは非常に難しいですよね…。毘沙門天の宿した寅丸星やナズーリン、雲居一輪、村紗水蜜、多々良小傘、封獣ぬえあたりの百蓮のババァを慕っている妖怪達がいますから、下手をしたら私の計画は頓挫をしてしまうでしょうね。」

 こう見えても悪知恵は働く早苗なので、

 「出来ればやりたくないんですが、命蓮寺に住み込んで隙を見つけ次第白蓮のババァを殺しせる筈です!あのババァはやたら人がいいから、ちょっと信者のふりをすればホイホイ住み込みを許してくれるはずです!」

 邪神がとりついたかと思わせる気持ち悪い笑みを浮かべた早苗は、

 「いいですか?私を怒らせたことが運の尽きなんですよ!ニックキ白蓮のババァはこの手で排除してもう一度守矢を再考させるのが私の夢であり目標でもあるんですからね!やっぱり私は現人神の東風谷早苗です!普通の人間でなく選ばれた人間なんですよ!ひゃ〜はっはっは!」

 狂気を宿した早苗は白蓮を葬る策を思い付いたので、早苗が出せる全速力で命蓮寺に向かったのだった。


―5― 愚者の暴走と非業の死


 ドンドンドンドン!ドンドンドンドン!

 夜も更けて真夜中に命蓮寺にたどり着いた早苗は、正門の前に立って激しい物音をたてて扉を叩き続けると、

 「ふわぁ〜、こんな時間に誰がやってきたんだい?普通は日を改めて訪問するものではないか?」

 ナズーリンは早苗が立てているドアの音にいち早く目を覚ますと、

 「面倒くさいんだけど、誰かに追われた人間か妖怪が助けを求めているかもしれないから、いかないといけないんだよなぁ…。」

 早苗に叩き起こされたナズーリンは、寝ぼけ眼でふらつきながら正門に向かって歩いてから正門の扉を開けると、

 「ふわぁ〜、こんな時間にやってくるなんてどうしたんだい?あれ!?誰もいないや。嫌がらせかい?間違いなく誰かが正門の扉をたたいたと思うんだけど、気のせいかなぁ?」

 普段は狡猾で頭が切れるナズーリンでも、寝ぼけて思考能力が落ちてしまえば危険を察知することは容易ではないので、

 「気のせいではありませんよ!ドブネズミめっ、死んでしまえ!」

 正門の真上に隠れていた早苗は、ナズーリンの後頭部めがけて香霖堂からパクッた大金槌で殴りつけると、

 グジャアアアアア!

 早苗はナズーリンの後頭部を大金槌で殴りつけてしまうとあたり一面に鈍い音が響きわたり、強靭な肉体を持つ妖怪のナズーリンといえど頭はつぶれてしまったので、断末魔をあげることがなく、

 「よし!これで正門は突破しました!あとは百蓮のババァの首を取るだけですね!」

 早苗は出血多量で意識不明に陥ったナズーリンを一瞥すると、百蓮の部屋めがけてかけ出していったが、
 
 「うらめしや〜。」

 「だ、誰っ!?」

 「さ、早苗さん!こんな時間にここにやってくるなんて、何をしようとしてるでやんすか!?」

 早苗が白蓮の部屋に行こうとしたその時、背後から誰かがいることがわかったので振り向いて見ると、

 「なんだ、唐傘お化けの多々良小傘さんじゃないですか。相変わらず紫色のダサい傘を使っているんですね。そこをどいてください、無駄な殺生をしたくはありません。私は聖白蓮の首を取れればそれでいいんです。」

 「わ、わちきはただ…物音が五月蝿かったから来ただけで…。」

 早苗が後ろを見ると、唐傘お化けの多々良小傘がいたのだが、今は白蓮を殺すことが目的で相手にしている暇はないので退くように促したのだが、

 「早苗さん、ここをどくわけにはいきません!今の私がまともに生きていられるのは、白蓮様が私のような妖怪ですら慈悲を施してくださったのです!」

 小傘は白蓮を慕っているので、自分の命に変えても少しでも時間を稼ぐために両手を広げ早苗を止めようとするも、

 「どけ!このクズめっ!」

 早苗は大金槌を横殴りにして小傘の頭めがけて叩きつけると、力の弱い妖怪でしかない小傘はナズーリン同様に断末魔をあげれず力尽きてしまったが、 

 「早苗さん!あなたは何という酷いことをしたのですか!?ナズーリンさんと小傘さんが大けがをさせてしまったなんて…」

 白蓮は不吉な予感がして目を覚ましてしまい慌てて玄関に行くと、ナズーリンと小傘が倒れてしまったのと早苗が血まみれの大金槌をもっていたので、

 「白蓮のババァ!あんたの命を奪えれば、神奈子様と諏訪子様が報われるんです!そして守矢の信仰を集めれば神奈子様と諏訪子様は甦り、幻想郷の信仰を守矢神社の物にすれば人間は幸せになれるんです!妖怪を擁護する命蓮寺の思想は絶対に受け入れられてはならないんですよ!だから、私の為に死んでください!」

 早苗が白蓮めがけて大金槌を振り回すのだが、大金槌は白蓮の頭を捉えるどころか白蓮の左手で受け止められてしまった事に早苗は戦慄を覚えてしまい、

 「早苗さん。守矢神社が信仰を失ったのは、自分たちのやり方が間違っていることに気づかないですべて相手のせいにするのはこれ自業自得なり。」

 バキッ!

 「ぎゃああああああっ!!!!!」

 百蓮は早苗のみぞおちめがけてパンチをくらわすと、愚かな現人神は猛烈な吐き気に襲われてしまったので、

 「オッ、オゲエエエエエエッ!!!!!ウッ、ウゲエエエエエエエ!!!!!」

 ボチョボチョボチョッ!!!!!ビチャビチャビチャッ!!!!!

 命蓮寺の玄関先は早苗が吐いたゲロにより、胃液特有の酸っぱいが充満したがそれでも白蓮は早苗の腹めがけてパンチをしながら説法を説くことにすると、

 「早苗さん、今のあなたの姿を見て神奈子さんと諏訪子さんが喜ぶと思っているんですか?逆にあなたが私を殺した姿を見ても浮かばれると思うのですか?」
 
 バギッ! 

 「うげっ!」

 白蓮はゲロを吐き終えた早苗の腹にボディーブローを食らわすと、早苗ただ悲鳴をあげるしかなく、

 「あなたが私を殺そうとした理由は、守矢神社の信仰を取り戻すことを大義名分としてのですけどこれはあなた個人の私的な感情から走った凶行にすぎません。これは自分勝手で配慮を欠いた軽率な行為です。」

 ドガッ!

 「ぎゃあ!」

 白蓮のボティーブローを直撃で受けてしまった早苗は、すっかり心身ともに弱りきってしまったが、

 「あなたは妖怪の事を軽蔑していますが、実際は力の無い人間の事を見下しているのではないでしょうか?自分が現人神で少しばかり力があるから、こうも傲慢になってしまったのですね。神奈子さんや諏訪子さんはあなたに謙虚であってほしかったと内心思っているでしょうね。南無三。」

 BAKOOOOOOOOOOOOOOOOON!!!!!!!!!!!!!!!!!

 「ぬわああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 白蓮が早苗にとどめをささんばかりのボディーブローが早苗の腹部に炸裂すると、

 「ガハッ!!!!!」

 早苗は吐血してしまうとあえなく失神してしまった。

 「守矢の二注は風祝を務める東風谷早苗に偏った教育を施してしまったから、自らの思想に反するものを非難するしかできない邪神とも言える現人神を生み出してしまったのでしょうね。」

 白蓮は早苗の体を縄で縛って動けなくしてから右肩に担いでから、懲罰室に早苗を放り込んでおくと、

 「この邪神の処分は人里の自警団に任せておくとしましょうか。どちらにしろ死刑は間違いありませんからね。いえ、もう神ではありませんから、ただの東風谷早苗という人間でしょうか。」

 早苗を懲罰室に放り込んだ後に玄関に急いで戻ってから、
 
 「ナズーリンさんと小傘さんが怪我をしていますから、急いで治療しないといけないですね。」

 白蓮はナズーリンと小傘の止血止めのツボをついてから、傷口に薬を塗った後に包帯を巻き終わると、

 「玄関が酷いことになっていますから、急いで掃除をしないといけないですね。明日は縁日を行う予定ですからゲロと血まみれの玄関じゃ今後誰も来なくなりますから、清めておきましょう!」

 白蓮は命蓮寺の住職でありながら、汚物を取り扱う事を率先として行うので弟子たちはそんな百蓮を尊敬しているので、百蓮に気づかれる前に掃除を済ませておくのが弟子たちにとって暗黙の了承となっているのだ。

 白蓮は早苗の吐いた汚物の処理を済ませると、自警団が来てもいいようにナズーリンと小傘の血液と早苗が使った大金槌をそのまま放置しておくことにした。

 「残念ですが、明日の縁日はこれで中止になってしまいましたね。明日は人里の自警団がやってくるから別の意味で忙しいことになりますわ。」

 ナズーリンと小傘は妖怪だから早々にしはしないので、あす以降は自警団に供述内容を述べればこれといった問題にはならない筈なので、

 「まだ寝足りないですけど、日差しが差し込んできたので仮眠は取れそうにありませんし、これから急いで自警団に連絡しないといけないですね。」

 早苗は人里の自警団に身柄を引き取られると、容赦ない尋問が続いたことにより事件の全てを供述して、人里の大聖堂のある広場に連行されてあえなく斬首刑に処せられてしまった。

 早苗の魂は三途の川を渡ることがなく怨霊と化してしまい、あえなく地獄に落ちてしまったことで灼熱地獄にいる獄卒の一人である火炎錨燐に取り入られてしまう末路をただってしまうのだった。

 FIN
―あとがき―

 ゲロ娘という企画が掲示板に書き込まれていたので、私も参加してみたくなりこのSSを書いた所存でございます。

 ちなみに私がこのSSでやりたかったことは以下の通りです。

 ・早苗ちゃんにゲロを吐かせたかった。

 ・早苗ちゃんに演説をさせたかった。

 ・早苗ちゃんは酷い末路を味あわせたかった。

 ・早苗ちゃんが毛嫌っている聖白蓮にフルボッコさせたかった。

 まぁ、内容はいつも通り滅茶苦茶ですね。やりたい事がやれたので今回のSSはよしとしますかね。

 NutsIn先任曹長様。コメントでも誤字の指摘の件ですが、大変申し訳ございませんでした。
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
24
投稿日時:
2011/02/18 22:31:21
更新日時:
2011/02/19 16:05:28
分類
東方ゲロ娘
東風谷早苗
演説
聖白蓮
1. NutsIn先任曹長 ■2011/02/19 08:23:53
目に付いた誤字報告:『白蓮』が何箇所か『百蓮』になっています。『洩矢諏訪子』が『守矢諏訪子』になっています。

守矢原理主義者の早苗さんの招いた守矢一家壊滅。
なんて良識溢れる人里の皆さん。
早苗さん、ゲロと一緒に毒を吐いているし…。
結局、二柱の神の願いは届かず、やってはいけないと遺言された無謀な事して処刑されると。
早苗さんの生涯は、現人神というよりテロリストのそれみたいだ。
2. ふでばこ ■2011/02/19 17:47:49
 私情もふくまれてるとはいえ、早苗さんは守矢神社の復興を図ろうとしたんですよね。
 まあ神奈子たちの最後の願いは届かなかったわけだけど……人間、驕りすぎはいけない。
 おつかれさまでした。面白かったです。
3. うらんふ ■2011/02/20 21:58:33
現人神は現人神でも邪神なんですね・・・
4. イル・プリンチベ ■2011/02/26 21:09:19
コメ返しです。
1>>NutsIn先任曹長様
テロリストみたいな言動をするのが早苗ちゃんじゃないですか。
早苗ちゃんは本当に痛い目にあっておくべきだと思います。
警告なんて素直に受け入れるわけがないのですから、こうなるのは当然ですよね。
2>>ふでばこ様
早苗ちゃんだから仕方ないんですよ。
守矢原理主義で凝り固まっているんですから、非業の死を遂げたっておかしくありません。
3>>うらんふ様
早苗ちゃんは紛い物の神でもあります。
幻想郷で排除されてもおかしくないと思います。
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