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『捜索 first』 作者: 皆無
気が付いたら俺は寝ていた。だが目が覚めた気がしない。
何故なら辺りが異常に暗いから。自分も見えない。ここはどこだ?
俺は立ち上がった。足場がどうなってるがわからないが立ち上がってみた。
歩いてみた。足音がガサガサ鳴るから恐らく森の中であろう。
ただ歩いても歩いてもそこに暗闇があるばかり。畜生帰りたい。
たまに木か何かに頭をぶつけながら俺は歩き続けた。
こうしてもう何分くらい歩いたか。地味に疲れて嫌になってくる。
何かに腰をおろし虚空を見つめた。ここはどこだ。何なんだもう。
「お困りのようね」
誰だ。女性の声が聞こえた。この空間で俺が見えるのか?
「そこの木に腰かけてる貴方」
畜生俺か。俺に話してたのか。なんでこんな嫌な予感しかしない。
「全く...返事くらいしたらどうなのよ...」
知らない場所で知らない女性にどこからともなく話しかけられて返事はしにくいと思うが...
「こんにちは。いや、こんばんはかしら?...フフ」
何かすぐそこにいるっぽい。顔が見えん。身体が見えん。イライラするななんか。
「何か言いなさい!」
何故怒られた。目の前の奴がちょっとでも見えてたら殴りかかってたところだ。
「...」
反応待ちか?反応待ちなのか?とりあえず何か言おう。
「こんばんは...」
たいして気が乗っているわけではないため凄い棒読みになった。
「やっぱりあんまり期待しないで良かったわ...」
やっぱりってなんだこの野郎。じゃあ何故さっき怒った。
「とりあえず姿くらい見せないと貴方も不安でしょうから...」
姿見せるって訳か。はいはい。なんか面倒臭いなコイツ。しかも不安じゃねぇし。
「よっ」
容姿が見えてきた。金髪の長い髪。周りの闇と同化するような黒い服。深く紅い瞳。顔は心から美しいと言えるほど綺麗だった。
「.........」
なんて反応するんだ今の状況。これで性格が良かったら結婚までもっていきたい。
「あらあら...顔が赤いわよ?」
マジか大変だ。いわゆる一目惚れってヤツじゃないか。
「しっかし変な子ね。あたしの闇の中で寝てたんだもの」
全部見てたのかコイツ。しかもこんなに暗いのお前が原因か。
「あぁ...この暗いのなんとかしてほしいって顔ね。」
当たり前だ。お前はいいかもしれないが俺には何も見えん。
「はい」
うおっ眩し!コイツ何の前触れもなく急に...
「確かに眩しいわね...」
って言いながら太陽光を少し手で隠し少し涙目なのが可愛い。畜生。
つか真っ昼間ぢゃん。どんだけ暗かったんださっきまで。
「いい天気ね」
そうだね。と言える気分じゃないんだけど。ここどこお前誰。
「貴方外来人かしら?」
なんか外人みたいな言い方だな。まぁこの辺りの人じゃないが...
「多分そう」
「絶対そうね」
あぁ...殴りたい。いちいちむかつくなコイツ。
「ここは幻想郷ってところよ。この世界には人間は勿論、妖怪とか天狗とか鬼とか神とかいるわ。念のため言っておくけどあたしは妖怪よ」
ええ〜…何それ...突っ込みどころが満載だ。何?お前人ぢゃないの?
「とりあえず貴方...何でここにきたの?」
知るか。いつの間にかいたんだから。誰の所為だ?
「また紫ババァの気まぐれかしら...」
紫ババァ?てかまたってなんだまたって。他にも連れていかれたのか紫ババァに。しかも気まぐれって...
「ちょっと何泣いてるのよ...」
えっ、泣いてた?くそぅ気付かなかった。
「まぁいいわ。貴方ここから帰りたい?」
う...そう言われるとなんか帰りたくなくなる。別に帰っても何もすることはない。帰らなくても失うものは何もない。
「ここに残る」
この世界で余生を楽しむのもいいかもしれない。
「フフ...貴方面白い!気に入った!帰りたいなら喰らうつもりだったけど生かしてあげるわ」
喰らうって...まぁ妖怪だもんなぁ...
「さっきから貴方の反応を見てたけど...貴方人見知り?」
そうだけど...指摘されると恥ずかしい...
「まぁいいわ。どうせ人里にもあてはないだろうから貴方はあたしについて来なさい。」
え〜…住むとこないの?...一緒にいてくれるのはありがたいけど...
「そうそう。自己紹介がまだだったわ。あたしはルーミア。ただの宵闇の妖怪よ」
ただのって...いちいち突っ込ませるなコイツ。
「貴方のことは興味ないからいいわ。貴方には手伝ってほしいことがあるの」
興味ないのに手伝ってほしいのか。図々しいな。
「何?」
俺は念のため聞いてみた。
「あたしのリボンを探して」
皆無
- 作品情報
- 作品集:
- 24
- 投稿日時:
- 2011/02/27 06:47:10
- 更新日時:
- 2011/02/27 15:47:10
- 分類
- 幻想入り
- ルーミア
ああ、なるほど、Exか。
今回の話は、覚醒シリーズと関連があるのかな?
って何を言っているんだ私は・・・・落ち着け、落ち着くんだ・・・・あーあーこちら地球、こちら地球・・・
ともあれ続きが気になる文章を書けるのは素晴らしいと思います