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『魔理沙、30代、独身。』 作者: うらんふ
「今日はアナルオナニーしよう」
魔理沙はそう思い、指を自らの肛門にあてた。ぷっくりとした肛門には弾力がある。指を入れようとしても、なかなか入らない。
「・・・濡らさなきゃ」
魔理沙は指を唇に持ってくる。唾液をためて、舌から垂らす。
(・・・匂う)
先ほどまで肛門に触れていた指だ。自分の中の、一番汚い部分に触れていた指だ。
(・・・私、変態だな)
どろりとした唾液が指から手首のあたりにまで伝い落ちる。透明な唾液には泡がまみれている。匂いもある。体の中の匂い。
「ん」
そのどろどろの指を、肛門にあてる。一度。二度。指を押す。今度はさして抵抗もなく、魔理沙の肛門は自らの指を飲みこんでいった。
「はぁ・・・あ」
右手の人差し指を、奥深くまで入れる。肛門の入り口を超えた先、直腸の中はがらんとしていた。腸壁もつるつるで、時折、魔理沙が力を入れるたびにきゅっとしまるだけだ。
「かがみ・・・鏡・・・」
肛門に指を入れたまま、魔理沙は空いた手で小さな鏡を取り出した。ことり、と壁に立てかける。角度を調整して、自分の姿がよく見えるようにする。大きな鏡ではない。ごく普通の、ありふれた小さな鏡だ。
その鏡に、今、自分の肛門が移っている。
(わぁ・・・)
入っている。
はっきりと、指を飲みこんでいる。
(こんなに、肛門って、広がるのか)
にゅるりと、もう一本の指をさしこんでみる。人差し指と、中指。唾液にまみれてにゅるにゅるのその指が、するりと魔理沙の体の中へと入り込んでいく。
「あ・・・」
アナルオナニーの快感は、普通の快感とは違う。
はっきりとした性感帯があるわけではない。普通のオナニーなら、自らのクリトリスを中心として一気に絶頂へと導かれるのだが、アナルオナニーの場合は、ずんずんとした緩やかな快感の波が広がっていくだけで、はっきりとした絶頂がくるわけではないのだ。
「・・・気持ちいい」
だがそれは、終わりがない、ということもあらわしていた。
終わらないオナニー。背徳感のあるオナニー。
(・・・うんちしてるみたいだ)
指を入れる時、普段は「出す」ことにしか使われない肛門が、逆の使われ方をして、つらい。犯されている、してはいけないことをしている、という感覚に襲われる。
指を出す時、直腸の中には何もないはずなのに、まるで体の中身がすべて出されるかのような強い排泄感が続く。
入れて、出して、入れて、出して。
「あ、あ、あ、あ」
その光景を、鏡ごしに見る。
(私、お尻の、穴で)
ぷちゅ。くちゅ。
指が出し入れされるたびに、唾液と、少し茶色く染まった液体が飛び出していく。
とろりとした愛液が、秘所から漏れ出し、肛門に伝い落ちていく。
(私、気持ち、いい)
犯してはならない穴を犯す感触。してはいけないことをしてしまう感覚。
このまま、自分が、駄目になってしまえばいい。
「あぁっ」
体勢を変える。魔理沙は四つん這いになり、お尻を壁の方に向け、そのままぎゅっと指を奥まで押し入れる。指ごと、壁に体をあてる。奥まで、奥まで。
(私を、壊して、しまいたい)
アナルオナニーに絶頂はない。ずっと、オナニーをしている間、排泄感を含んだ快感が続いていく。頭を馬鹿にしてしまいたい。もっともっと、背中の筋からすべてを溶かしてしまいたい。
すべてを、忘れたい。
けれど。
忘れることは、出来ないのだ。
どれだけ長い間、アナルオナニーを続けていたのだろうか?
いつの間にか、日も暮れていた。窓から夕暮れの光が差し込んできて、部屋の中をオレンジ色に染めている。時計の影の位置も変わっていた。もう、こんな時間だ。
「ん・・・」
魔理沙は、肛門から指を引き抜いた。
にゅるっとした感覚の後、唾液とも、腸液とも分からない、ぐちゅぐちゅの液体が糸となって肛門と指を一本の線でつたう。
テレビの音がする。何かよく分からないニュースを言っている。まどろんだ瞳でテレビを見ると、紺色の背広をきたさえない顔のニュースキャスターがどこか知らない国のニュースを語っているのが見えた。
魔理沙は肛門から引き抜いた指をみた。ずいぶん長い間肛門の中に入っていた指はふやけていた。鼻を近づけ、匂いを嗅いでみる。指の匂いは、何ともいえない匂いがした。
ぺろり。
舌を這わす。苦い味がした。
「あぁ・・・」
魔理沙は口内に指を含み、舌先で指をなめとり、目を閉じた。
(私は、壊れない)
明日が来てほしくない。このままアナルオナニーを続けていたら、現実と幻想がぐちゃぐちゃに溶けて混ざって何とかなるのではないかと思っていたのだが、そんなことはなかった。
体力が尽きて、動くことはできないのに、ただ、時間だけは無情にも流れていく。
「・・・会社、行きたくないな・・・」
昨日した、自分の失敗を思い出す。
簡単なミスで、大きな損害を会社に与えてしまった。その報告をしなければならない・・それが嫌だ。憂鬱だ。
体をよじる。
フローリングの床が冷たい。全身から噴き出していた汗はすでにひき、開け放たれた窓から潮風が入ってきている。
「・・・海の匂い」
(そういえば、幻想郷には海はなかったな)
もう10年以上も前に出た、故郷のことを魔理沙は思い出していた。
あの頃は若かった、という言葉を使うのはもう若くない者の言葉だとは分かっているのだが、もう30を過ぎた自分が若くないことぐらい分かる。
何かが変わる。幻想郷を出れば、何かが変わる。
そう信じていた。でも、現実はそうではなかった。
今の自分は魔法使いでもなんでもなく、ただの、会社の、事務員。それも出来のいい事務員ではない。
若い子たちが入ってきて、自分の方を見て何か言っている光景をよく目にする。直接は言ってこないから、だからこそ、何を言われているのかを想像すると鬱になる。
私だって、若い時はあったんだ。あんたらだって、いつかは同じようになるんだ。
また、横になる。
目の前に、携帯が転がっているのが見えた。もう2年も機種変更していない。一昔・・・いや、携帯の世界の世代交代は早いから、ふた昔以上の携帯だ。
(携帯なんて、電話とメールが出来ればいいんだ)
そう思って、ため息をついた。
その、電話も、メールも、友人からは入ってこない。休みの時に携帯が鳴る時は、仕事で何かトラブルがあった時だけだ。
休みの時の携帯なんて、いらない。
でも、無視していると、事態はもっともっと悪くなるから、休みの日に携帯がなると、嫌でも見なければならなくなる。それが、嫌だ。携帯に、私が携帯されているのではないか?本当の主人は、私じゃなくって携帯じゃないのか?そんな想像までしてしまう。
「ん・・・」
体がだるい。長い間アナルオナニーしていたからだ。前の穴は使わない。前の穴をつかったオナニーは、ただの快楽のオナニーだからだ。魔理沙がしたいのは、オナニーなのか、」自分で自分を犯すことなのか、分からなくなっていた。
誰も自分を犯してくれる人なんていない。
始業と終業の間、私はひとりぼっちだ。仕事が終わってからも、独りぼっちだ。
「私は・・・」
その時。
ならないはずの、携帯がなった。
仕事、ではない。もう仕事時間は終わっている。もしも仕事の電話がなるなら、もっと前の時間になっていたはずだ。
友達?まさか。私に連絡をするような友人なんて、いるわけがない。
出会い系のメール?それもない。以前、あまりにも多くの迷惑メールが来ていたから、もうメールに対するフィルタリングをかけているからだ。
なら、誰?
魔理沙は手を伸ばし・・・先ほどまで肛門の中に入れてい指を伸ばし・・・その携帯を手に取った。
メールが一件。
差出人は・・・河城にとりだった。
■■■
「懐かしいねぇ」
にとりはそういうと、油まみれの帽子に手をやった。ギラギラ光る太陽が、にとりの顔を照らしている。
ここは幻想郷。
10年ぶりの幻想郷だ。
魔理沙は会社を休み・・・無断欠勤だ・・・幻想郷へと来ていた。
再び来れる日が来るとは思わなかった。八雲紫のスキマを使わせてもらえるとは思わなかった。空が青い。抜けるような蒼さだ。同じ日本なのに、どうしてここの太陽は、こんなに熱いのだろう?
「突然呼んで、悪かったねぇ」
にとりはそう言いながら、「にとりラボ」と描かれた看板のかけてある建物の中に入ると、中からきんきんに冷えた麦茶の入ったコップを二つ持って出てきた。
「連絡取ろうかどうか悩んだんだけど」
そう言いながら、コップを差し出す。魔理沙は少し躊躇した後、そのコップを手に取った。冷たい。水滴がコップの表面についている。
「やはり、魔理沙を呼ばないわけにはいかないと思ってさ」
ごくり。
一気に、麦茶を飲み干す。喉の奥を冷たい麦茶が流れていくのは気持ちいい。
「結婚式、か」
「そうなんだよ」
にとりはそういうと、近くの椅子・・・というよりも、何だかよく分からないガラクタの上に腰かけると、上目づかいで魔理沙に語りかけた。
「やっぱり、一番、知っている間だからねぇ」
アリスとパチュリー。
この二人が、今度、結婚するというのだ。
「なんていったって、一緒に地下にまでいった4人だもんねぇ」
そういって、にとりは笑う。
10年前と、同じ表情だ。
私もつられて笑った。
私の顔は、10年分の時の刻まれた顔だ。
「正確な日取りはまだ決まっていないんだけど、とにかく、まずは伝えておこうと思ってさ」
あの二人、そんな気が回らないからねぇ、と言って、にとりは冷たい麦茶を飲みほした。あの二人が気が回らないんじゃなくって、にとりが気がきかないだけだよ、と私はいった。
にとりは笑った。
「魔理沙、口調がかわったねぇ」
「そう?」
「変わった変わった」
外見も変わったけどね、ともにとりは言った。まったく、屈託のない笑顔で。
「〜ぜ、と言わなくなった」
「・・・いろいろあってね」
魔理沙の表情が少し曇る。社会に出て、一番最初に強制されるのはしゃべり方だ。すべての仕事の基本・・・大量生産される、働く機械としての、基本。
「それで、どうする?」
足をぶらぶらとさせながら、にとりが聞いてきた。いかにも、私の仕事はここまでだ、といったような表情だ。
「どうするって?」
「言わなくても分かっているだろうに」
そして、ケラケラと笑う。
「あの二人に、会うのかい?会わないのかい?」
魔理沙は答えなかった。
答えなんて・・・この幻想郷に再び足を踏み入れた時点で、決まっているからだ。
■■■
鬼のいる館。
この場合の「鬼」とは、日本古来の「鬼」ではなく、西洋から来た鬼・・・すなわち、吸血鬼のことだ。
魔理沙が紅魔館についたのは、日もだいぶ暮れてからだった。
「ま、ちょうどいいか」
人間にとっての夕方は、吸血鬼にとっての朝だ。
失礼にはあたるまい。
「それにしても・・・」
こんなに、遠かったかなぁ。
昔なら、箒にのって、空を飛んで、すぐにこれたのに。途中で湖を超えて、そこにすんでいる氷の妖精からちょっかいを受けて・・・門には、門番のくせに眠っている妖怪がいたから、それを見下ろしながら空から館の中に・・・
「魔理沙さんじゃないですか!」
妄想が終わる。
門の前に立っていた、一人の妖怪が目に留まる。
紅魔館の門番、紅美鈴。
10年前と変わらぬ姿で、そこに立っていた。
「いやぁ、懐かしいですねぇ」
そういって頭をかいている美鈴を見て、ふと昔を思い出してしまう。あぁ、そういえば、私にも、こんな時があったなぁ。
「とにかく、お久しぶりです」
そういって、美鈴が手を差し伸べてみた。
魔理沙も手を伸ばした。少し、昔と変わった腕。
10年ぶんの皺が刻みこまれた、腕。
「中にはいられますか?」
「いいのか?」
「もちろん」
美鈴は、にこりと笑った。
「私の仕事は門番です。外敵は退け、大事なお客をお通しするのが、私の仕事です」
こつ。こつ。こつ。
足音が響く。
(そういえば、こんな所だった)
10年前は、何度もなんども通ったこの通路。
目の前を先導してくれているのは、小悪魔だ。
10年以上前から変わらない姿で、小悪魔が先導してくれている。
(本当に、よかったのか?)
魔理沙は思う。
パチュリーの思いにも。
アリスの思いにも。
答えなかった自分が、二人を祝福することができるのか?
そんな資格が、あるのか?
(分からない)
分からないけど、二人に会わなければならない確心だけはある。でなければ、私は、始まらない。
(始まらないというか)
もう、終わっているのかもしれないけど。
自嘲気味に笑った時。
「つきました」
先導していた小悪魔がとまった。
図書館の扉。
重くて、大きい扉。
すべてを、拒絶するかのような、扉。
「皆様、中でお待ちです」
ごくり。
私は、唾を飲み込んだ。
いいのだろうか?私なんかが、ここに来ても?
悩んで、悩んで、悩んで。
魔理沙の悩みなど関係なく。
ぎ・・・ぎぎぎぎぃ・・・
扉は、開いた。
■■■
小悪魔は一緒に中に入らなかった。
「では、ごゆるりと」
と言って一礼すると、魔理沙の後ろで図書館の扉を閉めたのだ。
ばたん。
一瞬、目の前が暗くなる。部屋の暗さに、目が慣れていないためだ。しばらくの間、魔理沙はその場で立ち止まっていた。ゆっくりと、ゆっくりと、目を慣らす。最初は何も見えなかったのだが、別に明りがないわけではない。本を傷めないように、照明を最低限のものにしているからだ。
(・・・パチュリー、本が大好きだったよな)
魔理沙はそう思いながら、笑みを浮かべた。
(借りていた本、結局、返していないな)
歩き出す。足音が響くが、先ほどの廊下とは違い、足音は無数の本の中へと吸収されていった。
(まぁ、私は嘘はついていない)
こつ。こつ。こつ。
(死ぬまで借りていくだけだ・・・私はまだ)
こつ。こつ。
(死んではいない)
「魔理沙」
「魔理沙」
声が二つ。
同時だった。
二人の少女が、こちらを見つめている。
紫を基調とした服装に身を包んだ魔法使い。
カチューシャをつけた、人形遣い。
パチュリー。
アリス。
(あぁ)
10年前と、同じ姿だ。
「お久しぶり」
魔理沙はいった。
乾いた声だった。
昔、この二人からの愛情を一身に受けていた女性がいた。それは、魔理沙自身だ。若さに満ち溢れて、努力家で、自信家の、黒白の魔法使い。
昔の魔理沙だ。
(今の私じゃない)
いったい、今、自分はどんな表情をしているのだろう?
ひきつっているのか?
笑っているのか?
「魔理沙」
「魔理沙」
どちらでなかった。
魔理沙はただ、泣いていた。
「じゃぁ、嘘だったっていうのか?」
出された紅茶をすすると、魔理沙はいった。
「当たり前じゃない」
すねたような顔をしているのは、アリスだ。10年前と同じ顔、同じ表情で、魔理沙を見つめている。
「どうして私が、こんな魔女と結婚なんてしなければいけないのよ」
「・・・同じ言葉をかえさせていただくわ」
魔理沙の右隣に、アリスは座っていた。そして左隣には、パチュリーが座ってる。
「こんな陰気な人形遣いなんて、私の方から願い下げだわ」
「陰気って・・他の誰に言われても、パチュリーにだけは言われたくないわね」
「むきゅー」
「おい」
口調が、ついつい、昔に戻る。
「喧嘩はやめようぜ」
「でも・・・」
アリスが、魔理沙の袖をつかんだ。
「久しぶりだから・・・」
魔理沙が幻想郷を出てから10年。一向に戻る気配はない。
だから・・・アリスと、パチュリーと、にとりの3人で、一芝居を打ったというわけだった。
「そんなことしなくても」
呼んでくれれば帰ったのに・・・と言いかけて、魔理沙は言葉をとめた。本当か?本当に帰ったのか?
何より、ここ数年、お前は・・・幻想郷のことすら、思い出していなかったじゃないか?
「私は、魔理沙のことが好き」
アリスはそういって、瞳をこちらにむけてきた。すんだ瞳だ。その中に迷いはない・・・魔理沙がいつも、仕事で見る目とは、違う目だ。
「・・・私も」
パチュリーも、おずおずと・・・しかし、しっかりとした口調で、いった。
「魔理沙が・・・好き」
好き、という言葉を聞くのは、何年ぶりなのだろうか?
昔はいつも聞いていた。
この二人から、聞いていた。
けれど、幻想郷を出て、10年がたち・・・その間に、いったいどれだけの数、「好き」という言葉を聞けたのだろう?
「私は・・・」
魔理沙は、息を吸い込んだ。
気持ちいい。
この二人にはされるのは、気持ちいい。
二人とも、純粋に、自分のことを、好きと言ってくれている。
(でも)
自分の、手を見る。
10年分の、皺の刻みこまれた腕を。
どうして自分は幻想郷を出たのだ?
「私は・・・」
魔理沙は、唾を飲み込んだ。
ごくん。
「・・・ごめん」
涙が落ちる。とめどなく落ちる。
昔なら、肌に吸収されていた涙も、30を過ぎた乾いた肌の上では、吸収されることなくそのまま落ちていく。
「違うんだ」
種族が、違うんだ。
若くて、きれいなアリス。
若くて、可愛いパチュリー。
「見てくれよ、この手を」
魔理沙は、手を伸ばした。
かさかさの、手。
「寿命が、違うんだ」
アリスが、そっと魔理沙の右手を握りしめた。
パチュリーが、そっと魔理沙の左手を握りしめた。
「それがどうしたの?」
「愛なんて、続かない」
続くわけがない。
永遠なんて、ない。
すべてはいつか、幻想になるのだ。
「私が先に死ぬから・・・なんて、きれいごとじゃない」
魔理沙はぼろぼろぼろぼろ泣いていた。
「嫌なんだ。みんな若くてきれいなままなのに、私だけおばあちゃんになっていくのが」
「妬ましいんだ」
「絶対、そんな気持ちになる」
「そう思って、私は逃げたのに」
「アリスやパチュリーの為なんかじゃない。私が嫌なんだ」
「だから、逃げたのに」
ぼろぼろ。
ぼろぼろ。
「どうして、放っておいてくれないんだ」
ぎゅ。
アリスが、魔理沙の右手を、自らの服の中、胸の上にあてた。
「魔理沙、分かる?」
アリスのブラの中身に、魔理沙の手は触れていた。そこには、アリスの堅くて小さな乳首があった。
「私の、乳首」
「・・・うん」
「今、私ね、すごくドキドキしているの」
アリスが笑った。
「魔理沙に触れているから」
「・・・私も」
パチュリーが、魔理沙の左手を、自らの秘所へといざなった。
「私も、濡れている」
「・・・うん」
「魔理沙に、触れているから」
吐息が伝わってくる。
二人の吐息。
「自信なんて持たなくてもいいよ。たとえ何になっても、たとえ、魔法でカエルになっちゃっても、私は、魔理沙のことが好きだから」
くちゅ。
「魔理沙の手、きれい」
あ、あ、と、あえぎ声をもらしながら、パチュリーがいう。
「全然変わっていない」
「変わっているよ」
「ううん」
くちゅ。
「変わって・・・いない」
濡れている。
アリスも。
パチュリーも。
魔理沙も。
二人の少女に、一人の中年。
アリスと、パチュリーと、魔理沙。
三人の少女。
アリスと、パチュリーと、魔理沙。
くちゅ。
くちゅ。
ちゅ。
三人は、溶けていった。
図書館が、3人の匂いで充満していた。
10年分の思い×3
すべての書物が湿度でやられてしまいそうだ。
糸と、粘膜と、唾液と、液と。
ぐちゅぐちゅで、ぐちょぐちょで。
何度も何度も絶頂して。
いって。
それでも終わらなくて。
やがて。
老婆が入ってきた。
「パチュリー様」
「・・・」
「パチュリー様」
「・・・うん」
とろりとした瞳で、パチュリーが答えた。魔理沙の胸の中で、まどろみながら、老婆に向かう。
「なぁに?」
「もうお食事の時間です。お嬢様もお待ちですよ」
「・・・後でいく」
「駄目です」
老婆は、しっかりとした口調で答えた。
「今日は、必ず一緒に食事をとるようにとの、おおせつけですので」
「どうして?」
「お嬢様、妹様、パチュリー様」
老婆は言葉を続ける。
「アリス様、魔理沙様」
メイド服の老婆は、言葉を続ける。
「みなさんで、一緒に食事をとりたいとのことです」
「・・・分かったわ、咲夜」
咲夜と呼ばれた老婆は、そのしわがれた顔で、にこりと笑った。
「魔理沙、お久しぶり」
「・・・咲夜・・か?」
「ふふ・・・魔理沙、だいぶ老けたわね」
「・・・お前にだけは言われたくないぜ」
「あら」
咲夜は、腰に手をやると、答えた。
「人間だから、仕方ないでしょう?」
「・・・そうだな」
魔理沙も、笑った。
■■■
目覚ましの音がなる。
魔理沙は手を伸ばした。
「・・・あと五分・・・」
なんと、べたべたな言葉。自分で自分に、そう言い聞かせる。
(・・・べたは大事なんだぜ。べたになるということは、それだけ需要があるということだ)
誰に言うこともなく、魔理沙はそういい、しばらく布団の中にいた後、おもむろに跳ね起きた。
「よし!」
パジャマ姿だ。バーゲンで買った、2900円のパジャマ。
もうだいぶ長い間着ているのでよれよれになっているが、愛着がわいているのだから仕方ない。
眠い頭で、それでも元気を出そうと、魔理沙は背筋を伸ばした。そして大きく深呼吸をする。
一回。二回。三回。
「うん」
目が覚めた。
自分で自分を、そうだますことにする。
魔理沙はテレビの電源をつけた。ぶぅんと音がして、朝のニュースが流れる。
紺色の背広を着たニュースキャスターが、どこか知らない国のニュースを話していた。それをBGМ代わりに聞きながら、魔理沙は鏡の前に立った。
30代の女の顔が、そこにあった。
眠たそうな眼をしている。
「まずは顔を洗うか」
蛇口をひねる。冷たい水が出てくる。最初、その冷たい水で顔を洗い、少し目を覚ました後、温度を調節して生温かい温お湯に変える。
「・・・課長、怒っているだろうな」
仕方ない。
あれだけの失敗をして、説明もせず、無断欠勤したのだ。
何を言われても仕方がない。
自分が、悪いのだから。
「でも」
ぱんっと、顔を叩き、タオルで顔を拭いた。
「したのは、全部、自分だ」
責任を取らなくてはならない。自分のしたことには、すべて責任がかえってくる。逃げても、にげても、どこに逃げても、必ず帰ってくるのだ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
魔理沙は、叫んだ。
「嫌だ!」
「怖い!」
「逃げたい!」
顔を叩く。
水しぶきが飛び散る。
嫌だから。
怖いから。
逃げたいから。
だから。
「さて、会社に行くか!」
逃げない。
だって、自分は、人間だから。
魔理沙は歩いた。
着替えよう。
スーツに着替えよう。
魔法使いなら箒にのる。
社会人なら、スーツを着る。
「なんだ、結局、同じじゃないか」
形にしばられている自分。
それもまた、いい。
形からでも入れれば、それでいい。
中身は、後から自分で注いでいくものなのだ。
「人間だしね」
魔理沙は、携帯を手に取った。
その待ち受け画面は。
テーブルを囲んでいる者たちの姿。
吸血鬼が。
吸血鬼の妹が。
魔法使いが。
人形遣いが。
門番が。
メイドが。
自分が。
みんな。
少女のように、笑っている、そんな光景。
おわり
他の所で別名義で書いていた作品の転載です。
「この国では成長途中の女性のことを『少女 』って呼ぶそうだね。だったら、やがて『魔女』になる君たちのことは『魔法少女』って呼ぶべきだよね」
・・・きゅうべぇ・・・
うらんふ
作品情報
作品集:
24
投稿日時:
2011/03/05 11:33:11
更新日時:
2011/03/05 20:33:11
分類
魔理沙
アリス
パチュリー
にとり
アナルオナニー
転載
やがて『魔女』になる君たちのことは『魔法少女』って呼ぶべきだよね
人生は、アナルオナニーに似ている。
ぱっとイける幸せはそうそう無い。
ただ、ぬるい刺激を受け続けるだけ。
ケツの穴かっぽじったら、大人のお・し・ご・と・タイ〜ム!!
ケータイ持ったか!! 財布は持ったか!! 定期券は持ったか!!
よし、ケツを蹴っ飛ばしてやるからビジネスしてきやがれ!!
ケツ拭く紙にもなりゃしない、報告書に手前の手柄を書きたてろ!!
士官学校出のアホ上司をほめ殺せ!!
よし!! 覚悟完了したクソッタレから、戦場で遊んできやがれ!!
おうおう、遊んできてやんよ!!!!!
帰ってきたらキンキンに冷えたビールで絶頂すっから補給路しっかり頼んだぜ!!!
まさかの
ハッピーエンドだったからよかったものの、鬱エンドだったらいたたまれない。