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『大雪の妖怪の山 前編』 作者: ぐう
春の足音がそこまでと思いきや、突然の大雪によって幻想郷は再び白銀の世界となった。
天の悪戯かはたまた冬を司る黒幕か、原因はともかくかなりの雪が三日三晩降り続けた。
そしてようやく雪がやみ、幻想郷に青空と春の日差しが戻ってきた。が・・・
「あぁもう家から出るだけでも大変だったのに、こっちまで雪かきだなんて」
渋々とスコップで雪をかき分けるのは、白狼天狗の椛。
普段は山の見回り兼警備を仕事としているのだが、辺り一面銀世界となったこの山では、とても警備の仕事などできるはずがない。
そこで椛をはじめ、この山に住む大半の妖怪が雪かきを半強制的にさせられているのである。
「こんな尋常じゃない大雪、幻想郷中の妖怪集めたって終わらないって・・・」
ブツブツと愚痴りながら雪かきを続ける椛。ただでさえ自分の家の雪かきですら一時間以上掛かったのに、この山一帯の雪かきなど何時間・・・いや何日掛かっても終わりそうな気がしない。
しかしそう思っているのは自分だけでなく、周囲のかったるそうに雪かきをしている妖怪たちもまた愚痴やため息を吐きながら作業をしていた。
「まぁ頑張ってるのは私だけじゃないから、やるか」
椛はスコップを持つ手に力を込め、仲間たちとともに雪かきを再開した。
椛が担当になったのは、烏天狗たちが新聞を発行している事務所の周辺。文やはたての新聞もここで作られている。
別に烏天狗たちは飛んで配達に行くことができるため、本来なら雪かきをする必要はないところ。
しかし、仮に直接事務所に新聞を購入する人がいるかもしれないということで、椛はこの場所の雪かきを任されたのである。
事務所からは烏天狗たちが忙しそうに出入りを繰り返し、その姿はまるでヒナ鳥のために巣へエサを運ぶ親鳥のようだ。
いくら高速で飛べるとはいえ、こんな寒い中を何度も何度も往復するのはそれはそれで辛い話。
幻想郷のあちこちに新聞を配達しなければならないため、彼(彼女)らの苦労も一入(ひとしお)なものだろう。
「ご苦労さま、差し入れです」
「あっ文さん、ありがとうございます」
雪かきをしばらく続けていると、椛の横に一人の烏天狗が降り立った。
幻想郷最速と名が知られている文々。新聞の記者、文だった。
文はどこかで買ってきたであろうホットコーヒーを手渡し、自らも口にした。
「こんな寒い中ずっと雪かきだなんて、腰が痛くなりませんか? 私は家の前だけでギブアップでした」
「身体を慣らしながらやってますから大丈夫ですよ。文さんこそ配達は寒くないですか?」
「もう寒いこと寒いこと。おかげでお腹が冷えて5回はトイレに行きました」
二人は別々の仕事の話をしながら、ひと時の休息を共にした。
椛の睨んだとおり、やはり新聞配達のほうも決して楽ではないことが文の証言で明らかになった。
ごりゅりゅりゅ〜
「うっ! ま・・・またきた・・・」
突然変な音が鳴り、椛が音のほうを振り向くと、文が血の気が引いた顔をしながらお腹を押さえていた。
休憩中でさえこの腹下り。仕事中の文の苦労が想像するだけでひしひしと伝わってくる。
「椛ちょっとごめん・・・私トイレに行ってきます」
「大丈夫ですか文さん? そんなに何度もトイレに行かれるのなら少し休まれたほうがいいですよ」
「そうですね、トイレが終わったらそうします・・・」
文はお腹をさすりながら、少し離れた事務所まで歩き出した。
そんな文の姿を心配そうに、椛は見つめていた。
「何か事務所が騒がしいけど、気にしてる暇ないわ」
それからも椛は雪かきの作業を黙々と続けた。
少しすると事務所の中から何か騒がしい声が聞こえてきたが、雪かきに集中している椛にはどうってこともないようだ。
「ん、あれ何?」
更に少しすると、既に雪かきした道を桶みたいなものがぴょこぴょこと跳ねてくるのが見えた。
はたから見るとどう考えても普通ではないそれに、椛は殺気を感じて刀を抜いた。
「な、何奴!」
「待って! 斬っちゃやだぁ!」
「えっ?」
椛はその跳ねる桶らしきものを斬ろうと身構えるが、その桶は突然しゃべりだした。
声に椛が戸惑っていると、中から緑色の髪の少女が顔を出した。
「なんだ、キスメさんじゃないですか。驚かさないでくださいよ」
「ごめんなさい、私恥ずかしがりやなものですから・・・」
その緑髪の少女は髪の両側を結んでいる、欲に言う「ツインテール」が特徴的だった。
彼女はキスメ、気が小さい釣瓶落としである。
椛は桶の正体がわかったところで、ようやく刀を鞘に収めた。もう少し遅かったら、危うく斬ってしまいかねなかった。
「ところでこんなところまでどうしたんですか?」
「あの、私・・・新聞を買いにきたんです」
「わざわざ新聞を買うためにここまで来たんですか、それはご苦労さまです」
どうやらこの大雪でなかなか新聞が届かないようで、キスメは自ら購入に来たらしい。
よく見ると彼女が来たであろう道中には、丸い桶の後がいたるところに残っていた。
「新聞でしたら事務所で申請すれば売ってもらえますよ。何なら私が案内します」
「わぁ、ありがとうございます」
椛はキスメが内気なのを考慮し、購入を手助けしようと案内した。
キスメは嬉しそうにぴょこぴょこ跳ねながら、椛の後についていった。
「この辺りあまり雪ないけど、椛さんが雪かきされたんですか?」
「そうです、結構大変だったけど・・・は、ふぁ・・・」
すると、突然椛の鼻がむずむずと動き・・・
「ふぇっくしょい!」
盛大なくしゃみを放った。が・・・
(・・・ん、あれ? もう夜になったの?)
気がつくと辺りは真っ暗で何も見えない。春が近づいたとはいえ、日が沈む時間はまだ早い。
しかし真っ暗にしては何か勝手が変だということに、椛は少ししてから気がついた。
(何かに周りが覆われているような・・・しかも寒い・・・)
真っ暗にしては周囲はおろか星空すら見えず、何よりも身体が動けない。
更に周りを覆っているものは、妙な冷たい肌触りを椛に与えていた。
(まさかこれって雪? そういえば・・・何だかお腹が冷えてきたような・・・)
椛がようやく自分の状況に気がついた頃・・・
「椛さーん、大丈夫ですか!?」
キスメは自分が入っていた桶から抜け出し、一生懸命桶で雪を掃っていた。
先ほどの大きなくしゃみをした拍子に椛は近くにあった木にぶつかってしまい、その振動で落ちてきた雪に埋もれてしまったのだった。
キスメは誰かを呼んでこようとも考えたが、彼女の内気な性格とあわただしい事務所の内部からしてそれはできないと感じ、自分ひとりで救出することにした。
ぎゅうう・・・
「あうぅぅ・・・」
しかしいくら雪をどかせど椛は出てこず、それに加えて着流し一枚の薄着であるキスメがお腹を冷やすのは時間の問題だった。
それでもキスメはトイレに行こうともしないで、ただ椛救出のために桶で雪をかき続けた。
「うぅ・・・お腹痛いけど、椛さん助けなきゃ・・・」
そうしてキスメが必死な頃・・・こちらは・・・
ブビチッ、ブブビュビビビブ・・・
「あぁだめ・・・もうだめ出ちゃう・・・」
雪に全身を、当然お腹も包まれて身動きがとれない状況では、お腹が痛くなろうともどうしようもない。
椛はこの状況に一切抗えず、あっけなく限界を迎えてしまった。
ブリュリュ・・・ブピピッ、ブビブブブ・・・
「お腹痛い・・・ああうぅぅぅ・・・」
雪の中からの助け声も聞こえるはずなどなく、聞こえるのは自分の下痢便がもれている音だけだった。
見えはしないものの、下着もスカートも、そして自慢の尻尾も下痢便で汚れているのは間違いないだろう。
すると、突然椛の背中が軽くなり
「わっ、わわわっ!」
「あぶっ!」
そのまま後ろに倒れてしまった。
「あいたたた・・・ん?」
気がつくと椛は雪の外に放り出され、横には雪の入っている桶が転がっていた。
そして椛のお尻の下には、キスメが下敷きにされていた。
「あわわわ、ごめんなさいキスメさ・・・ん?」
しかし椛はキスメを見て口が止まった。というのも・・・
「も・・・椛さ・・ん・・・」
キスメはピクピクと痙攣しており、それと同時にブチュブチュという音が横たわっている彼女からなりだした。
音の後、キスメの股の間から茶色の液体が流れ出し、それはさっき椛が出してしまったのと同じ臭いを放った。
「わ、私のお腹の上に・・・あぁぁ」
「お腹の上? ・・・っ!?」
椛は最初訳がわからなかったが、少しして状況を理解した。
よく見るとキスメの着流しはお腹の部分が茶色に汚れており、それは椛が下痢便を漏らしたまま尻餅をしたことにほかならなかった。
そして椛の尻餅の拍子にキスメのお腹は圧迫され、そのまま排泄まで促進させてしまったのだった。
「ご、ごめんなさいキスメさん! 私のせいで何てことを・・・」
「い・・・いえ、私のことは・・・」
椛は自分もお尻を茶色くしていることを忘れて、下痢便を出し続けているキスメに謝った。
その間椛は、無意識のうちに残りの便を出していることに気がつかなかった。
椛は偶然持っていたポケットティッシュを取り出し、下痢便にまみれた自分とキスメのお尻を拭いた。
「本当にごめんなさい、私を助けようとして下さったのに、私ったら本当に最低なことを・・・」
「もういいんです・・・それに椛さんが雪に埋もれたときはどうしようかと思ったけど、無事でよかった」
しかしキスメは怒ってないようで、自分に恥をかかせた椛を許すほどだった。
椛はキスメへの感謝を込めて、彼女のお尻をより丁寧に拭きだした。
「とりあえずうちの事務所を借りて、そこでシャワー使いましょうか」
「はい。ところで何か事務所のほうがあわただしくないですか?」
「そういえばさっきよりうるささが増してるような・・・何でしょうか」
ひとまず下痢便で汚れた服を洗いに事務所に向かおうとした二人だったが、そこで彼女たちが見たのは・・・
最近暖かくなったかと思いきや、雪が降ったりと天候に落ち着きがないです。
そんな訳でこんな話を書いてみたのですが、相変わらずだな(ひどさ的な意味で)
でも大晦日から元旦のあの記録的大雪はトラウマでした。雪かきのシーンはそれをモチーフにしてみました。
ぐう
- 作品情報
- 作品集:
- 25
- 投稿日時:
- 2011/03/10 13:46:57
- 更新日時:
- 2011/03/10 22:46:57
- 分類
- 犬走椛
- キスメ
- スカトロ
- お漏らし
椛とキスメとはまた変わった組み合わせですね。
ポケットティッシュで足りるんですか?
白狼天狗は、マーキングとかの関係で、ちり紙一枚を効率よく使う方法を知っているんですかね?
ほんとうに、ぐうさんの作品は心優しい人妖がヤッちまいますね。
さて、事務所ではどんな悲劇が!? 後編を楽しみにしています。
>>ポケットティッシュだけで足りるんですか?
偶然に足りるんですこれが。山頂の神社の緑巫女による奇跡だと思えばw