B級シアター

　〜自動販売機詐欺〜

　
　あたい良い事思いついたの。聞いてくれる？

　yes
　
　自動販売機の中に隠れてさ、客の入れた金を盗むの。

　yes？

　天才だよね。

　yes！

　
　自動販売機詐欺作戦が始まった。
　
　この偽物自販機はお手軽なダンボール製で、中にはチルノが入っている。
　おや？馬鹿な客が、飲み物を欲しそうな顔でこちらを見ていますよ。

　小さな覗き穴からそれを見ていたチルノがなにやら準備を始めています。

　「ママー！ジュース飲みたーい！」
　「いいざますわよ。」

　チャリーン！　←100円が入る音。

　ダンボール製の取り出し口に紙コップが落ちてきます。そしてその中には琥珀色の暖かい液体が！

　「やったー！おいしろうなジュース！」
　「よかったざますわね。」

　ダンボールの中でチルノは100円をニヤニヤしながら見つめていた。
　我ながらあたいってば天才ね。ｷﾘｯ！

　そんな時、自転車に乗った男性が自販機の近くを通り過ぎます。彼の手には火の付いた煙草が。

　「うひいい。煙草うめぇええ。ポイッ！」
　
　ヒューン　←煙草が宙を舞う音。

　ボォオオオオ！！！　←自販機に煙草の火が燃え移る音。

　あじいいいいいい！！！　←チルノの悲鳴。

　ビチャー　←チルノが熱で溶ける音。　

　わぁ！おいしそうなチルノジュースが出来上がりましたよ。　

　モォオオ！　←通りかかった牛達の声。　

　数ヵ月後。
　
　チュピーチュピー！　←牛達の乳と液体化したチルノを搾る音。

　ジャァアア！　←おいしいチルノミルクがビンに注がれる音。

　「ママー牛乳飲みたーい！」
　「いいざますわよ。」

　チャリーン！　←100円が入る音。　
　
　「ああおいしい！」
　「よかったざますわね。」

　ブシャアアアアア！！　←チルノミルクの断末魔。




　〜コミュニケーション難民〜

　
　みなさんごきげんよう。私はアリス･マーガトロイド。
　実は今友達の霧雨魔理沙が我が家の玄関に来ているんです。
　嬉しくなった私はそそくさと魔理沙が待つ玄関まで駆けていきました。
　
　扉を開けると、にっこりと微笑んだ魔理沙が鼻に指を突っ込み、フゴフゴと言っています。
　これは、『こんにちは』のサインなのです。
　それを見た私はすぐに両手で頬をつねった後、上目蓋を摘み上げて微笑みます。
　これは、『よおこそ』のサイン。
　
　私は魔理沙を客間へと案内します。途中魔理沙が、突然拍手を始め、舌で床を舐め始めました。
　これは、『お腹減ったよ』のサイン。そう言えばもうお昼です。何かご馳走してあげましょう。

　私が作ってあげたのは、ほかほかのグラタン。それを見た魔理沙が嬉しそうにグラタンに唾を吐きかけました。
　まぁ魔理沙、『おいしそう！』ですって！うれしい！
　そう思った私は体を滅茶苦茶に動かし、喜びを魔理沙に伝えました。
　
　食事が済んだ後、魔理沙は眠いのでベットを貸してほしいとサインしてきました。
　もう魔理沙ったら･･･いいわよ。いくらでも貸してあげる。と、思って私はサインを出そうとしました。
　ところが、『貸してあげるわよ』のサインを私は忘れてしまったのです。でも大丈夫。私の手元には
　「これで安心。サイン百科」と言う本が握られています。さてさて･･･そのサインとは････

　私は魔理沙の口ににそっと自分の唇を重ねました。

　魔理沙はちょっと照れたように微笑み、私の服を脱がせていきました。
　これは、『一緒に眠ろう』のサイン。
　困ってしまったわたしは、思いっきり魔理沙の腹部を蹴り上げました。
　これは『嫌よ馬鹿』のサイン。魔理沙は苦しそうにお腹を押さえて咽かえっています。

　まぁ酷い。『このヴォケナス野郎、かかって来い。』ですって。ちょっと痛い目に会いたい様ね。

　私は魔理沙の髪の毛を掴み上げ、喉をくすぐってやりました。
　魔理沙は苦しそうに動き回ります。

　とどめに私は、魔理沙の顔面を腕で殴り、窓ガラスに強く打ち付けました。
　ふう、すっきりした。　えっ？今のは何のサインかって？

　『この物語、終了』のサインなの。じゃあね。おやすみ。

　


お粗末！