「チクショウ・・・今日はイライラするわ・・・ッ!」
今日の神綺様はご機嫌が斜めのご様子です。
こう謂う時は下手に刺激しない様に気を付けなければならない。
「神綺様、今日はご機嫌が宜しくない様ですが・・・?」
朱を強調するメイド服を着ている彼女は夢子。
魔界神神綺が作り出した最高傑作なのだ。
「今日、魔界に攻め込まれた時の夢をみたわ」
「あ、あの忌々しい事件ですか」
「なぜ私はあの雌犬どもに負けたのだ!?私は神だぞ!!この世界(魔界)の支配者なんだぞ!!」
ギリギリと歯軋りをし、妖怪も逃げ出すような恐ろしい形相。
今にも暴れ出しそうな状況だった。
しかし暴れては使用人達は困る。
後片付け大変なので夢子はなんとかして神綺を宥めようとする。
「し、神綺様!お、落ち着いて下さい。美しいお顔が台無しでございます。え、笑顔!」
にっと笑って見せるが、神綺の発するオーラに当てられて引き攣った笑顔になってしまった。
「そういえば夢子・・・あなたは私が作り出した最高の作品よね?」
「は、はいっ!私夢子は神綺様が作り出した魔界一の最強メイド!どn」
「だったらなぜお前はあの雌豚どもに倒されたのだ!?」
バキャッ!!
叩かれた机は神の力に耐えきれず、ブッ壊れてしまった。
「ヒッ!」
「お前は私の最高の作品!最強の作品!どこがいけないんだ!?どこが悪いんだ?!」
背中から禍々しい六枚の翼が生えだす。
神綺が弾幕を展開する時の合図だ。
「失敗作なぞ私の世界にいらない!!完全こそが全て!!完全こそが美しい!!!」
逃げなければ殺される!
生存本能が語りかけ、夢子はその場から逃げようとしたが、床に倒れた。
疑問に思い、足を見てみると・・・足がなかった。
「あ・・・?」
「夢子・・・貴様逃げようとしたな?貴様の主である私の命令に歯向かったな?」
断面からちょろちょろと赤い液体が噴き出していた。
鉄臭い臭いが広がり、赤い水溜りが広がる。
「あ、あぁぁぁぁ・・・・」
「やはり貴様は失敗作だったな・・・貴様を作るのにどれ程の時間を費やしたか分かって
いるのか?!やっと素晴らしい作品ができたと思ったらアッサリ下等生物である人間に
やられて・・・」
「も、申し訳ありません神綺様!だ、だから・・・だから・・・」
「命乞い・・・」
ギリッ・・・。
「まさかここまで不出来とは・・・死ね!貴様はもういらん!!」
神綺は壁にかけている剣を取る。
這ってでも逃げようとする夢子の背中を踏みつけ、心臓を狙う。
「ぐえぇっ!!」
「この親不孝者が!」
ドスッ!
刃が夢子の背中に深々と沈む。
心臓を貫き、肋骨を切断しそのまま突き抜けた。
「ごほっ!じんき・・・あ"っ・・ざま・・・・・・」
「こいつだけではない・・・ユキ・サラ・ルイズ・マイ、こいつらも作り直す必要がある」
魔界神は娘達を城に召集させた。
また作り直す為に。
かくしてリメイクされた魔界は、現在の東方自機キャラ達に蹂躙される事となるが、これはまた別の話。
シンプルな話と挿絵なのに、神綺様の狂気が滲む作品でした。
結局今回の連休は、
停電やら遅配の荷物受け取り等のゴタゴタで実家に帰る事もできず、
深夜はテレビでNHKを見ているうちに夜が明け、
地震速報がある度に対ショック対応姿勢をとり、
ようやくパンは入荷し始めたがレトルトやカップ麺は相変わらず品薄の店に買出しに行ったり、
お絵かきやSSを書いたりしているうちに終わろうとしています。
まさか、こっちのセカイも作り直されるのか…っ!?