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『悩める竜宮の使い』 作者: ぐう
ジャアァァァ・・・
「ふぅ・・・」
トイレから流れる水音。そしてそれが終わりきる前に開く扉。
中から出てきたのは竜宮の使いこと永江衣玖。かなりの長さを誇る羽衣がその身を包んでいる。
スタイルはかなり良く、彼女が慕える天子と比べればその差は一目瞭然と言ってもいい。
たまに空気を読めなかったりするのが玉に瑕なのだが、優しく面倒見がいいので、周囲からの信頼は厚い。
「それにしても困りましたね、この体質はどうにかならないのかしら・・・」
しかし、そんな彼女の表情は重く、何か深刻な悩みでもあるようだ。
並の男なら惹かれるであろう彼女が落ち込むほどの悩みとは何だろうか。
「あら衣玖、しょげた顔をしてどうしたのよ?」
「総領娘様・・・」
重い表情のまま歩いていたところ、天子に声をかけられて衣玖は顔を上げた。
「何か嫌なことがあったのか知らないけど、表情が曇ってるわよ」
「いえ、ちょっと考えごとをしてるだけです」
「ふーん、考えごとねぇ。ま、私には縁のない話かしら」
天子は衣玖のことを心配しているのかどうかは定かではないが、口調は相変わらずだ。
少なくとも全く気にかけていないという訳ではなさそうだが・・・
「あ、今日の掃除まだでしょ? 後でちゃんとやっておきなさいよ」
「かしこまりました」
天子はそれ以上追求せずに、家事の要求を押し付けて歩いていった。
今の衣玖としては詮索されないだけましだったのかもしれない。
(申し訳ございません総領娘様、いくら総領娘様といえどこればかりは・・・)
衣玖は心の中で詫びながら、平然と歩いてゆく天子の後ろ姿を見送った。
昼下がりの午後、衣玖は天界を離れて地上へと向かった。
誰にも打ち明けない悩み。だがそれを抱え続けるのにも限界を感じ、それをある人物に告げるため彼女は覚悟を決めた。
衣玖が降り立ったのは、一年を通して鬱蒼と竹やぶが生い茂る迷いの竹林。
「迷い」と言われるだけあって、凡人が入り込むとまともに出るのは至難に等しい。無論衣玖も同様である。
「すみません、永遠亭まで案内をお願いしてもらえませんか?」
「あれ? 天界の者がこの竹林に来るなんて珍しいな、どこか具合でも悪いのかい?」
衣玖が声をかけたのは、竹林の入り口に立っている銀髪の娘、妹紅だった。
彼女は竹林を把握している者の一人であり、普段はこの竹林の案内人として活動をしている。
もちろん衣玖が今尋ねた場所、永遠亭への道案内もお手の物としている。
「ええ、まぁ・・・」
「ま、誰にだって人に言えない何かがあるものだし、それ以上は聞かないよ。じゃあ私についてきて」
妹紅は天子と同様、これといった追求をせずに衣玖を竹林へと誘導した。
彼女も訳あって死ぬことができず、それに悩む身。それを考慮した上での応答だろう。
似たような地形ばかりの複雑な竹林が続く中、妹紅の後をついてゆく形で衣玖は歩いていった。
しばらく歩くと和風の大きな建物が見え、二人はその入り口までたどり着いた。
竹林の中にある唯一の建物のため見つけるのが簡単そうに思えるが、凡人が探そうとすると何故かそうはいかず、必ず迷ってしまうという。
「ほら、ここだよ」
「わざわざありがとうございます、お気遣い感謝します」
「いいよそんなに改まらなくても。じゃ、私はこれで」
頭を下げて深々と頭を下げる衣玖に、妹紅は笑いながら手を横に振った。
妹紅にしてみればいつものことだし、そんな大それたことをしていない。それによる返事だった。
立ち去ってゆく妹紅に頭を下げると、衣玖は永遠亭へと向かっていった。
永遠亭には通称「月の頭脳」という二つ名を持ち、医療に関しても幻想郷においてナンバー1の腕前を持つ八意永琳という人物がいる。
彼女にかかれば人妖種族問わず、ありとあらゆる病や怪我もお手の物。衣玖は自らの悩み解決に彼女への相談を考えたのである。
衣玖は早速、永琳の診察を受け、自らの悩みを打ち明けた。
「なるほどね。あなたの身体を検査させてもらったけれど、確かに腸が少し弱いみたい」
「そうですか」
衣玖が悩んでいたのは、天子などこれまでの少女たちのような便秘ではない。むしろ胃腸が活発化しており、それにより通じが近いことだった。
最近はそれが特にひどくなったようで、
朝のトイレはもとより、実は妹紅に竹林を案内されている最中も催しており、彼女にばれないように振舞っていたのだ。
そして永遠亭に到着すると、すぐさまトイレに駆け込んだのである。
「でも大丈夫よ。薬を出しておくから用法通りに飲めば落ち着くようになるわ」
「本当ですか? ありがとうございます」
どうやら薬の服薬でなんとかなるようで、衣玖は出された薬をもらって永遠亭を後にした。
それから衣玖は一日に決められた回数、錠数を服薬をした。
それにより一日に二回、多い時には三回以上あった通じも徐々に減ってゆき、一週間が経つ頃には通常通り一日一回のペースに戻ってきた。
衣玖は永琳に心の中で感謝し、いずれはお礼の品を持ち寄ることも考えた。
しかし、この処方された薬には思わぬ落とし穴があったことに、衣玖は知る由もなかった。
ある日のこと、衣玖はいつもの通り家事をこなしていた。
しかしそこは彼女が仕える比那名居家とは違う、全く別の場所だった。
ご飯を作っている最中だろうか、鼻歌を歌いながら食材を刻んだり鍋の中を混ぜたりしている。
「ただいまー」
「あら、おかえりなさい」
すると玄関から男の声が聞こえ、衣玖は返事を返した。
相手が何者なのかは知らないが、どうやら使いとしての仕事を離れ、男と生活を共にしたようだ。しかし元の仕事が仕事なだけか、主婦になってもすることは相変わらずのようである。
衣玖はコンロの火を止めて、玄関へと向かった。
「おかえりなさいあなた、お仕事ご苦労様でした」
「いやー毎日疲れるけど、衣玖さんの笑顔を見ると疲れが吹き飛ぶよ」
「んもぅ、『さん』なんてつけなくていいんですよ。私はあなただけのものなんですから」
新婚ほやほやなのか男との仲は良いようで、会話からしてそれがよく伝わってくる。
「おっ、美味しそうな匂いがするね」
「あと少しでご飯ができますから、もう少し待っててくださいね」
台所からの美味しそうな匂いに男は鼻を動かし、衣玖は最後の仕上げに台所に戻った。
やがて料理が完成し、テーブルには衣玖が作った料理の数々が所狭しと並べられた。
男はテーブルに並べられた料理の数々を吟味し、椅子に座った。
「今日もまた美味そうな料理ばかりだな、さすが衣玖さんだ」
「あなたったらいつもたくさん食べてくださいますから、今日も腕によりをかけて作ったんです。さぁ食べましょう」
そして衣玖も椅子に座ろうとした、その瞬間だった。
ぐるるるるぅ〜
「あっ・・・」
彼女の能力と相反して、空気を読まない腹音が二人の空間を包んだ。
これが空腹の音ならいい。しかしその音の後、衣玖は腹に痛みに似た違和感を感じた。これがどう考えても空腹な訳がない。
「ごめんなさい、私ちょっと・・・」
「あぁいいよ、衣玖さんが戻ってくるまで待ってるから」
衣玖は男に一言告げ、台所を後にしてトイレへと向かった。
便意はそこまでないのだが、男を待たせる訳にはいかない。衣玖は急ぎ足でトイレに入った。
そして便座の蓋を開けると、スカートをたくし上げて下着を下ろし、その上に座り・・・
ブブッ、ブチビチブビュブブッ
「んはっ、はふぅ・・・・」
肛門が勢いよく響き、そこから水便混じりの軟らかい便が一気に噴射された。
あれから通じの回数は少ないままだが、たまにこうして軟らかめの便が出ることがある。
どうやら便の量は少ないようで、今の一回の噴射で打ち止めになったらしい。
「さてと、早く出ないと・・・」
しかし男を待たせている以上、ゆっくりはしていられない。
衣玖はトイレットペーパーに手をかけるが、それは紙というよりは布に近い肌触りだった。
「・・・あれ?」
気がつくと衣玖は布団の上におり、そこはついさっきまでいたトイレではなかった。
そしてトイレットペーパーだと思って掴んでいたのは、布団のシーツだった。
おまけに辺りは真っ暗。どうやら衣玖は夢を見ていたらしい。
「なんだ、夢でしたか・・・」
男との幸せな時間もどうやら夢だったらしく、衣玖は愕然と肩を落とした。
果たして彼女がこんな夢のような幸せを掴めるのはいつの日になるだろうか。
「夢・・・はっ!」
その時衣玖はさっきまでのことが夢だったのことから、ふとあること気がついた。
とっさに布団をめくり上げると、そこには・・・
「そんな・・・私・・・」
そこにある光景だけは夢ではなかった。
敷き布団とロングスカートには茶色の液体がべっとりとペンキのように汚しており、掛け布団にも同じような茶色の跡が少し付着していた。
そう、夢でトイレだと思って力んでしまった拍子に、現実であるこの世界でも致してしまったのである。
「嘘ですよね・・・こんなの・・・うっ!?」
衣玖は自分が致したことを信じられず、首を横に振って否定しようとした。
しかしその時、この一週間の間に何度かあった便意とは比べものにならない便意が衣玖を襲い、お腹を締め付けるような痛みが走った。
出されたあの薬は欠陥品でも何でもなく、ちゃんとした下痢止めの薬である。
これまでの一週間、催す回数が減ったのも薬の効果で、それに関しては間違いなかった。
しかし何が原因なのかはわからないが、薬は衣玖の体中である特殊な変化を起こし、それは体外に出ることなく残り続けた。
そして重なる服用はある変化を蓄積させ、やがて急激な便意として今発揮したのである。
これは今までの患者には起こらなかったもので、恐らくは衣玖の体質によって突然変化を起こしたのだろう。
さすがにこれに限っては衣玖はもちろん、処方した永琳にもわからなかっただろうし、仕方ないといえばそれまでである。
もちろん衣玖はこの便意の原因が、薬の特殊な変化によるものと知らないのは言うまでもない。
「どうしてこんな・・・あぁ痛い・・・」
訳がわからないまま突然起きた腹痛、そして尋常じゃない便意。
お腹を押さえて歩く彼女の後ろには、ロングスカートから落ちた下痢便が茶色の雫としてポタポタと垂れてゆく。
訳がわからないのは正直なところだが、仮に薬のせいだとしても衣玖がそのことを永琳に責められるだろうか。
「何よこの臭い、くっさいわねぇ・・・」
「!」
その時、廊下の遠く、それもトイレのある方から天子の声が聞こえてきた。
足音は次第に衣玖のいるほうに近づいてきており、どこかに隠れようともお腹の痛みでまともに歩くことすらできない。
そして天子の足音は衣玖まで一気に近づき・・・
「うわっびっくりした! 衣玖、こんなところで何してるのよ?」
「そ、総領娘様、申し訳ございません・・・」
ついに見られてしまった自分の姿。暗闇故に天子はまだ状況が掴めていないようだ。
だが、天子に見られたことにより衣玖の肛門の力は急激に緩み・・・
「申し訳ございませんってどうしたの? 何かやらかしたの?」
「そ、その・・・あぁぁ出る・・・」
衣玖は目に涙を浮かべたまま、ガクガクと身体を震えさせ・・・
プッ・・・ブビブチュッ!
「あううっ! ううぅ・・・」
「きゃっ!?」
ごく小さな放屁音が鳴り、それから数秒後にまるで爆弾が爆発したかのような激しい排泄音が響いた。
天子はそれまで衣玖の状態を把握してなかったため、突然のことに思わず飛びのいた。
この排泄音ともに衣玖の下着とスカートに下痢便が叩きつけられ、その勢いに乗じて軟便が下着を更に茶色に染め上げた。
ブビュブッ、ブリブリビチ・・・
「ごめんなさい総領娘様・・・私・・・」
「衣玖、あんた・・・」
先ほどに比べて一気に小さくなった排泄音、そして外からのわずかな明かりでわかる彼女の足元に広がる茶色の水溜り・・・
天子はそれを見て、衣玖が何故謝るのか、そして変な臭いが何かをようやく理解した。
しかしそれがわかったところで、衣玖の排泄は終わる様子はない。
「衣玖、話は後よ。今は出るものを全部出してしまいなさい」
「は、はい・・・うんんっ!」
ブビチャッ! ブリュブッブブ、ビチュビビビ!
天子の指示を受け、衣玖はお腹に力を込めて残っているものの排泄に全力を入れた。
下着の中で暴れる排泄物の数々、そして一緒になって流れるおしっこは、衣玖を中心とした茶色の水溜りを一気に押し広げた。
今はただ、この悪夢から少しでも早く覚めたい一心で・・・
翌朝、後始末を終えた二人は改めて話し合った。
「ふぅん、お通じが近くなるねぇ。だからあの時何でもないって言ったのね」
「本当に申し訳ございません、片付けまでさせて総領娘様に汚い思いを・・・」
「ま、いいわ。私だって同じ穴の狢(むじな)、それにお通じに悩んだ身だからわかるわ」
他人を平気で見下す天子のことだから相当のことを言われる覚悟だったが、意外とそうでもなかった。
衣玖は心の中でほっとし、同時に心なしか腹が普段より軽いような気がした。
その後、衣玖の過剰な通じは治り、元の一日一回のペースへと戻った。
ただ、排便とともに出たであろう薬の変化のものは、一体何だったか。それを知る者は誰もいなかった。
今回は衣玖さんです。
今まで便秘を主体とする話が多かったので、あえてその逆にしてみました。
結果的に漏らすのはもうご愛嬌です、って今更こんな説明不要かw
\キャーイクサーン!/
ぐう
- 作品情報
- 作品集:
- 25
- 投稿日時:
- 2011/03/25 06:38:39
- 更新日時:
- 2011/03/25 15:38:39
- 分類
- 永江衣玖
- スカトロ
- お漏らし
本当に、こういった事態になると、関わった人の本質が分かりますね。
スカに関わった人は、みんな良い人達ばかりだ…。
さて、衣玖さんの中で突然変異した薬の件は、当然永琳の耳にも入るでしょう。
これがまた新たな波乱を巻き起こす予感…。
中庸という言葉が一番望ましいということですよね。よくわかる話です。
何だかんだで、実はどんな人も人情というものを持ってるんです。天子も致した身でありますし。
薬の効果が変化したものなのは衣玖さんは知らないので、えーりんが知るのもまたかなり先の話です。
>イル・プリンチベさん
もちろん健康なのに越したことはないのですが、そうはいかないのがまたミソなんです。
次はどんな少女が通じに悩むことやら。