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『在りし日の根も葉もない噂』 作者: シ骸中尉
「もし幽々子の姿を模した生体兵器を作るなら」
「クリームヒルト・グレートヒェンよ、お前は美しい」
まず、彼女を西行寺幽々子へと昇華させるには何が必要で
何が不必要なのかを見出さなければならない。
例えば感情や、能力、そして意思人格思想まで。
西行寺幽々子の姿をした生体兵器では意味がない。
そう、作者には意味が無い。
それだったら「クラリッサ」のように陽気に爆弾を抱き抱えて敵地に
突っ込ませるために孤児を引き取って調教した方がよほど意味がある。
「善悪の彼岸」
彼女に不必要な感情は・・・恐怖かもしれない。
よって、特別な薬品で恐怖に関連する感情を削除した。
そしてそれはすぐに間違いだと気づいた。
全てに恐怖しなくなったそれは思いっきり壁に自分の頭を打ち付けて自害した。
死すら怖がらなくなったのだ。
対処法として、削除ではなく抑制する事にした。
すると、自分の中にある西行寺幽々子に少しだけ近づいた気がした。
また、それにある暗示のようなモノをかけた。
「死を恐れない」ように暗示をかけたのだ。
結果として、もう少しだけ近づいた気がした。
「恋の病気は愛で治せるのか」
敵に、生体兵器への恐怖心を抱かせて、それが配備された区域には
入りたがらないようにするには、「異常な行動」をさせるべきだ。
そう思った。
自傷行為、突然全裸になる、奇声を上げて奇行をする、
いろいろな方法が挙げられたが、こういうモノにした。
「彼(彼女)は誰からも誰よりも愛されたがっている。
だから目一杯愛せ、溢れるばかりの愛を捧げろ」
・・・そう、敵を愛させたのだ。
敵を愛する、それは彼(彼女)と一つになる事、
それは殺す事、殺して独占する事で始めて、ようやく、
彼あるいは彼女を愛する事ができるのだ。と。
教えたのだった。
結果として、彼女達は様々な形で愛を囁き奏で呟き見せ付けた。
ある彼女はもげた自分の腕に花束を握らせて愛する者に
腕ごと捧げた。
ある彼女は全身を切り裂かれながらも決して愛する者から離れず
愛の接吻を続けた。
ある彼女は爆風で吹き飛び、飛び出た臓器を両手に
笑顔で愛する者に見せた。
ある彼女は蜂の巣にされても逃げようとはせず愛する者に
這い寄ってまで愛の言葉を呟き続けた。
ある彼女は押し倒した愛する者の胸に愛を込めて
ナイフを突き立てた。
ある彼女は目の前の民間人ーーー愛する者達に向けて
笑顔で機関銃の銃口を向けて掃射した。
ある彼女は街の一部ごと「愛する」為にそこを吹き飛ばした。
ある彼女は捕まえた愛する者に愛の言葉を囁きながら
首筋に噛み付いた。
ある彼女は手榴弾を持った愛する者を抱きしめて
一緒に吹き飛んだ。
「時よ留まれ!お前は永遠に美しい!」
そして、完成したそれは予想以上の「戦果」を挙げた。
結果としてその時の標的だったテロリスト集団は
ほぼ全員が精神病を患ったり、自殺した。
それが投入されて僅か数日で、その区画は制圧された。
民間人も、テロリストも、味方すらも「愛されて」。
後に政府軍がそこへ視察に来た時、我が目を疑ったという。
至る所で彼女と敵兵、更には民間人や味方の惨殺死体が見つかったのだ。
どれもこれも目を背けたくなるような惨状だったと、
その時来ていた二等兵は語っている。
「ある一人のテロリストに何体もの生体兵器が絡み付いてる
ように見えたんだ、皆首筋に噛み付いていたりして死んでいたよ」
そして、その時居合わせた全員がこう言った。
「生体兵器は皆笑顔で死んでいた」と。
「僕らの庭で幸せが翻る」
実験は成功した。彼女の性能は認められ、今やアンブレラの
B.O.Wを越えようとしている。
彼女は恋のキューピッドのように、敵に愛を捧げ続けるだろう。
目の前のある一つのカプセルには、彼女の母がいる。
母、それは彼女のように幽雅で美しくて賢い女性。
母、それは彼女達を産むだけの「機械」となった人間。
母、それは彼女達を産むために生み出された存在。
それが、にっこりと微笑んだ気がした。
これでもう全て終わらせた。
後は彼女達を解き放つだけだ。
目の前の母に微笑み返して、ゆっくりと彼女達と
此処の「鎖」を砕いた。
それは所謂制御装置である。
彼女達は極めて極端な感情操作により
実の所、制御が難しい。
もし、制御不能に陥ったら・・・?
それはきっと素晴らしい事になるだろう。
私にとって、それはきっとーーー
「お父様お父様お父様お父様お父様お父様お父様
私を私を私私私私私私」
「愛して愛して愛して愛して愛してくださいまし」
「嗚呼お父様!ありがとうございますわ!私達に自由を与えてくれて!」
愛おしい記念日になるだろう。
ある研究所に派遣されていた民間軍事会社の傭兵と
連絡が取れなくなってから数週間後
アンブレラ社は何故か特殊部隊を投入。
恐らくは研究記録などの奪取を試みたと思われる。
しかし、中は荒れ果て、辺り一面血の海で、
死体は殆ど原形を留めていなかったという。
また、潜入した際に何らかのセキュリティーシステムが
起動したような事もなかったという。
なお、潜入した彼等との連絡は途絶えている。
最後の通信には、女の狂ったような笑い声が聞こえたという。
また、購入された生体兵器に関してだが、
ある日を境に突然暴走。
数時間暴れ回った揚句逃走したという。
「マヨヒガ、或いは八雲紫の家」
「というお話が外の世界にあったのよ」
「紫様、本当にそれは居たのですか?」
「さぁ?外の世界は濁った幻想だらけですわ」
「濁った幻想とは?」
「所謂根も葉も無い嘘や都市伝説よ藍」
「でもね、例えその通りじゃなくても、もしかしたら本当
かもしれないわね」
三途の河の水先案内人の小野塚小町の首筋には、
何故かバーコードに見える痣がある。
「TH-04-OK-00123559」とも読み取れる。
たまに彼女は不可解な行動をする。
虚ろな目で、運ぶ幽霊を愛でるのだ。
時には行為に及ぶ事もあるという。
本人はその時の記憶が無いらしい。
「時よ留まれ!お前は永遠に美しい!」
研究所の壁に書き殴られていた一文。恐らく血で書かれたものかと
思われるが詳細は不明である。
鏡を用意して欲しい。そうだな、確か自分の全身が映るくらいの
大きな鏡がいいな。
なに、ただ鏡に映った自分に向かって・・・確か「お前は誰だ?」と
聞いてみたまえ。宇宙の真理が見えるそうだ。
何処かで見た話だよ。
久しぶりだな諸君。地震はどうだったかね?
私は大変だったといえば大変だったよ。
後、これは東方SSでいいのだね?
シ骸中尉
作品情報
作品集:
25
投稿日時:
2011/03/29 13:25:06
更新日時:
2011/03/29 22:25:06
分類
どう分類すれば良いのか分からない・・・
あの日、私が居住する地域も自身に見舞われました。
震度そのものは経験が有りますが、あの長時間の揺れには恐怖を感じました。
幸い、ガス、水道、電気、通信及び、貯蔵した武器弾薬は無事でした。
この物語は、東方の物語で宜しいと思います。
これは中尉殿の幻想郷の物語なのですから。
中尉殿の『愛』を痛感いたしました。恐怖を感じるほどに。
冥界の姫の前段階は、死神ですか。
相変わらずのクオリティー…