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『プリズムリバー家におけるレイラの功績』 作者: みこう悠長
有機的な無機物。酷似した贋物だ。
隣にいる姉が有機生命体の培養細胞とナノマシンによるその操作を基底技術としたある種のギリースーツをまとっただけの無機模擬的生命体の実在オートマトンだと気付いたのはかくも些細な出来事によってだった。
何せ騒がしい姉達であって、喧々囂々と世の中に存在する音という音をガラスのコップに掬って持ってくるのだから家の中は色取り取りの騒音であふれかえって今にもオーバーフローしそうになっている。そんな日々を、たとえるなら豚肉のミンチをその腸に詰めて等間隔に分けていくその行為と同じように、毎日は著作権フリーの鯛焼き鋳型のようなもので、それはシューマン共振とは別枠の幻想の周波数で語るなら、長女はロボットで、次女はロボットで、三女はロボットで、ちなみに父母はロボットだった。
ロボットとロボットとロボットとロボットとロボットは各々別物で、厳密に区分するのであればシリアルb竄サれらを構成するパーツおのおのの持つ原子時計エングレイブド製造eemmdがアイソトープ的に異なるというだけであって、有意な差異はその程度であるといっても過言ではなかったのだ。所謂強烈な没個性であって、埋没・消沈・忘却のプロセスによって運用される教義的メタファを保持し、それを意識的/存在本質的に尊ぶ者達であって、私達人間とは大きくかけ離れている。少なくとも私が信奉する人間としての軸とは大きく歪んだ位置に立脚する、人間性のアンチテーゼであり、つまり、この後に記述する行為に及ぶに足る理由であって、私はそれが許せなかった。何故、人間性を失ったのか。否、何者かに奪われたに違いなかった。
これまでに記述したとおり、姉達と父母は全て統一フォーマットに裏打ちされた一であり、全てそれ以外ではなかった。なのに姉達がコップで掬っては便所なり台所なり食卓テーブルなり猫の餌入れなり一輪挿しなりリビングと寝室を区切る戸のレールの溝なり姉が連れ込んで食った男の残骸を隠した6874228への扉の取っ手穴なりに流し込んで行く流動的で比重の重い放射性音源には、その抽出主ごとに有意な差があり、それらが何を原因として発現する差異なのか、私にはまだわからないでいた。ちなみに父母は音を嫌い、姉達の持ってくる音を、毎晩奥歯と小指でせっせと削ぎ落として捨てようとするが姉達の勢いの方が勝っていて焼け石に水。父母は徐々にロボットとロボットから錆び付いた鉄屑に変わっていくのが、私の幼い眼からもありありと見て取れた。
さてそうした無機模擬的生命体実在オートマトンの三体と鉄屑は、なぜ私がそれを看破し得たかと言うと、つまり音であった。座る立つ食べる。見る聞く喋る。オナニーするイく、それぞれの間奏に、酷く耳障りな、ガラスを金属で擦るような音の中に、汚らわしい娼婦が父親方鉄屑に股を開いて誘う声と、ヒステリックにその二人を追い回して叫ぶ背骨と腰椎が金属疲労を起こして割れるときの刹那的な泣き声が混ざり合って飽和した色が混じって小さく、本当に小さく響くようになったからだった。
キーキーと啼く長女の生々しい泣き声の中にタスケテタスケテという無機質な機械音が、裏庭の大石をひっくり返したところにびっしりと住み着く地蟲の蠢きのように無秩序なりの法律を以って競い合っていた。それを聞くにつけ、私は脳髄の奥にチップを感じた。チップだ。何者かに植え付けられた、金属チップで、それは内部にシリコンとフリップフラップ回路といくらかのガラス質に微弱な電流でONとOFFとのスイッチを備えている。それを切り替えられるのは樹脂製の性器だけで、私は夜な夜な偽物と鉄屑に隠れてスイッチをONOFFONOFFONOFFOFFONOFFOFFOFFして姉達の正体を知ったり知ろうとしなかったりしながら騒音に満たされた腸詰め鯛焼きの毎日に体を許して逃げていた。
スイッチをONにすると、子羊然とした姉達が一挙手一投足の行動前後ディレイに際してあの啜り泣く機械音を上げるのが聞こえてくるのだ。そうしてさらにチップの存在を痛感するそのループは弁証法的三角階段を、踊り場で博麗神社町内会音頭を振りながら登っていく感じに近い。
鉄屑は既に錆の塊となって互いに触れ合うこともなく、崩れ去るばかり。腐食し、擦れて嫌な音を立てるのは姉達も同じだったが、低周波とルナティックウェーブの共振部分のみを抽出して奏でるシュランツじみた暴動は、もはや私のチップを破壊せんとする悪意にも等しく襲いかかってくる。
腹に据えかねる。
待て、そのチップは元々私のものではなくあの向こう側から来た奴等に植え込まれた、私たちを操作、いや、緩慢に潰滅せしめるための毒性デバイスであったはずではないか。それは私を脳から冒して破壊し、この家に溢れて耳障りな世界を色付ける姉達と音と共に解け合う、もしくは敵対的融合捕食によってその悪性を浄化することを、私が操作され実行し、その結果魂の終焉という結末を踏んだ後に、融解した脳のタンパク質を触媒に気化し、消滅する予定の筈だ。ならば、錆び付いた鉄屑の発する向精神的破壊音波の断続は、むしろ望ましい救済たり得たはずだ。
だが私には手遅れだった。
とにかく酷似した贋物とキーキー泣く錆の塊の救済のことしか考えられなかった。
酷く狼狽していたのは覚えている。奴に埋め込まれた金属チップは徐々に私の脳の中でその鍵爪を伸ばして、私という未成熟な魂を二つの左右非対称なサクランボか、もしくは卵巣へと変貌させていた。もはやONになったそれをOFFにする為のスイッチは自我の芽生えと肉欲にショート端子は絶縁皮膜を張り付けられて切り替えること能わず。必死にそのスイッチを弄くり回すも、切り替わることなくただただオーガズムの波がチップ爪を成長促進剤投与中毒として悪化の一途だった。
鯛焼きを踏み出そうとしたがアンアンで鉄に覆われた閉鎖空間の空に雨を求めても油のみ。私は救いを求めて教会へ駆け込んだのだ。その扉を叩き、答えたのは奴だった。ああ、奴だったのだ。私の脳チップ爪束縛の張本人。私は罵倒した。叫んで掴み掛かり、泣き叫んで弾糾した。何を?姉達と父母のことに決まっている。変貌した奴等への迸る嫌悪感だ。
おわかり頂けたか。一等上等な清廉潔白は私の下にある。私は一切自らの責任の下にある行動はしていなかった。ただ、ただ少し願っただけに過ぎない。油脂性の劣化複製に対するあくまで個人宗教観的な立場から、その者達に裁きを加え、そう、私はそう、嘗て幸せで笑顔に包まれ、一つの暖炉に皆で向き合って語り合ったあの幻灯機の映像を望んだだけ。それは感傷ではない。真実であって、それを取り戻すための聖戦はたった五人の悪魔をこの世から屠るだけで実現できたのだから。そう教えてくれたのは、チップから伝えられる空と星の向こうにいる、あいつの声だった。教会から私に神託を与え、スティグマのごとく脳に体に刻まれたその教えを、私は忠実に守っただけ。
研いだ刃物の使用について、それは厳に慎まれるべきであった。鮮やかな切り口は、彼の者の力を低い精度で模してしまうため、それは冒涜であり、それはイデオロギーとリテラシーの累乗的な拘束力を持つ宗教として犯すべからざる規範であった。それを遵守し、敬意を表し殉じる姿勢を示すために私は、豚を裁いた肉切り包丁を石で打って神饌を成すに相応しい刃とした。もう一方で雷艇を象徴した聖鎚を用意し、これにも性的象徴による一時的な聖別を施した上で、用いることと決めた。
脳が轟いていた。大声で粛正を歌い、鮮やかな世界と新しい温もりを求めて相応しい改宗と、有機的な無機物、酷似した贋物への先制攻撃をなせと。
私は操られていた。操られていた。望んだだけであってこのようなこと、望んだだけであった。脳の指令が私を絶望的に抵抗不能な信号として導出され、星を縫いつける神経組織と奥歯がパラレル接続されるプラグを伝って、奴が私を操った。操ったのだ!感覚の果てまで、思想の果てまで、思考の果てまで、希望の果てまで、夢幻の果てまで、髪の毛の一本一本に埋め込まれたイコンが私を束縛し繰り糸となって。
それでも、それでも百万の真実の中にたった一つの誤謬を生むことを恐れずに告白するのであれば、それは堪らない感覚であった。快感であった。鉄屑も贋物も、肉皮膜に包まれたロボットも、私を三千本の腕と四千語の呪いで、私を縛り付けた敵だった。
そのころには、奴によって姉達や父母がすり替えられていたということを全く翻し、悪性変化し、人の軸を失いけたたましい無機物へと堕落したのだというのが通説となっていた。
だから快感だった。悪を、ゴミを、邪魔者を、私を縛り付け、停止した死の泥の中に押し込んで私を犠牲にしようとしていた、堕落者達を殺すのは、とても、それはとても心地の良いもので、刃の一振り鎚の一打ちが都度私を昂揚と静謐の共存する解脱の階段を押し上げていく。
誠に残念であったのは、その無機物の中には、幾らかの生肉が含まれていたことだった。赤く染まった木綿豆腐には、ところどころに焦げ付きがあって、酷く醜い。だがそれこそが最後に残された人間らしさだっただろうことを考えると、それをぎりぎり内包していながらも結局表面的に無機物と堕していたそれらに、私は失望せざるを得なかったのだ。
まずは私とあの者を引き合わせる切っ掛けとなった父親の偽物だ。全く救いのないヤツだった。まさに肥え太った鉄屑となっていたそれは、今日も膨れた河豚のような腹を見せて寝ていた。お前が父さんを乗っ取る前、父さんはこの箱を持ってきた。それは、この侵略にいち早く気付いた父さんが、こいつらに対抗する手段として持ってきた最後の、最後の武器だったんだ。そうして私はそれを開け、こうしていま、こいつらを葬るために立ち上がったのだ。父さんの意志は、私が引き継いだ。
さて、鉄屑同士が既に触れあわず、互いに離れているのは私にとって好都合であって、かかっていた毛布を掴んで鼻と口らしき穿孔を抑え付け、素早く包丁で首元を撫でてやった。力を入れて素早く数度引くと、ざりざりに裂けた偽りの肉膜の下から赤いオイルが噴き出し、信じられないものでも見るような目で最後の演技を演じて見せた後機能を停止した。こうしてみるとあっけないもので、私の魂を縛り付けるワイヤーの一本とはかくも細く弱いものだと知った。何故早くこうしなかったのだろう。
二人より沿っていればこのことに気付いたかも知れない哀れな母親は、準備する出もなく鎚で頭を一撃。力を入れすぎて頭の四分の一くらいが無くなってしまったけれど、滑稽だったのはそれでもしばらく起動状態を維持していたことだった。何か音を発して動こうとしたので、父親の時と同じように毛布を発声装置の穴につっこんでそれを抑制した。流石に私も慌てて豆腐の中に手を突っ込んで、中にある筈の電源ケーブルを探り、それを引き抜くことで強制的に停止させようとしたが、ケーブルを見つける前にやがて止まった。
二機の錆び付いたロボットを機能停止に追い込んだことで、私はかなりの徳を積むことが出来た。同時に束縛する鎖から徐々に解き放たれ、この開放感は何物にも代え難い。残るは姉達を模した罰当たりな実在オートマトン三機だけだ。
長女の姿を偽るそれは、元々大人しく清楚で優しい姉だった。だがお前は違う。蔑んだように私を叱りつけ、私という魂を否定し、それをあたかも自分のものであるかのように操作しようとする邪悪なロボット。姉の姿を偽って私を操作しようとした罪深いそれは、しかしより強い正義と光によって二重操作された私の行いを止めることは出来なかった。喉に一刺し突き立てると、それはかっと目を見開いて私を見つめ、オイルを吹き上げている。喉に突き立ったそれを抜こうとしたので慈悲深い私はそれをずるりと抜いてやると、吹き上がるオイルの量は更に増し、あっという間に動かなくなった。試しに頭部パーツを割ってみたら、やはり白い肉が入っていたが、それまでの姉の振る舞いを見るに恐らく器官としての機能は失われて久しかったに違いない。偽モノめ。コレが報いだ。静かな優しさを湛えた姉を、返せ。
次女は明るく楽しく、家族の中でのムードメーカーだった姉を乗っ取った、寄生型のロボット。お前が姉さんを乗っ取り、家の中を照らすのを止めたせいで、鉄錆の崩壊と肉膜の腐敗を止めることが出来なかった。挙げ句毎日とっかえひっかえに男を連れ込んで獣みたいに腰を振って、こいつの部屋と来たら初めてスイッチをONにしたときのあの匂いか、偽父親の部屋の中の匂いがする。お前なんか姉さんじゃない。偽物。息の根を、止めないと。止めないと。母親型寄生体の時に失敗したみたいなやり損ねには気を付ける。一撃で頭を潰して、中の中まで操作系ナノマシンによる海綿状無機組織で満たされていることを確認しないと行けない。まだ大人しく寝息を立てているそいつの顔面ど真ん中に、鎚を思い切り叩き込む。ばきゃっ、と小気味のよい音を立てて顔の真んが床と同じくらいの厚さに潰れて、その下につながっているすっかりと乗っ取られた体が数回痙攣。右腕が高く跳ねたので、そのまま反撃を喰らうかと思い慌てて包丁で床に刺し付けると動かなくなった。鎚を持ち上げて頭部の内部構造を覗き込むと、悲しいほどに肉が残っていた。まだ、残っていたのか。でも、一切元の姉の面影は消えていたし、やはり完全に乗っ取られて、コレはただの養分を消費するだけの浪費肉塊だったのだろう。本当に残念。
でも残り一つだ。他にはもう誰もいない。ばれないように静かにやる必要はない。思い切りいたぶって、我がプリズムリバー家を崩壊に導いた侵入者に死ぬよりも辛い苦痛を与えてそれを後悔させてやる。それが私の善行で、そうすることで私は大きなカタルシスを得ることが出来る。最後に残った私は、あの人の言いつけ通りに、この家を元通りに建て直すのだ。私の使命は、侵略者を排除し、元の家を取り戻す。あの幻灯機の幸せを取り戻す。それが、私に残された、私の最後の使命だ。
最後の一人も全く静かに寝ている。
さあ、復讐と解放、そして新生の始まり。
鎚を脚目がけて振り下ろす。胡桃を割るよりも簡単に、小ぃ姉の姿を為した最後の侵略者の脚は、砕けた。目を覚ましたそいつは何か私の名前を叫んでいる。他の姉の名前も叫んでいる。残念、他の仲間も全部もう始末してあるよ。
だから、白々しく私の姉さん達の名前を、父さんと母さんの名前を、呼ぶな!!
もう一方の脚も潰した。だが油断は出来ない。奴らは脚など無くても飛ぶかも知れない。足を引きずったまま逃げるフリをするそいつの両腕も、鎚で思い切り潰す。びたびたともがいて逃げようとするけれど、もう逃げる手段はないね。無いね、ないね!!
ざまあみろ!私の家を、私の家族を、私の理想の家庭を、奪った報いだ!!
目を見開いたまま、私の名前を叫び罵倒する小ぃ姉の皮を被った化け物の上に馬乗りになり、包丁を突き立てる。お腹の辺りにざくざくざくざく、ボロボロにこぼれた刃を突き入れて、中にいるそいつの正体を引きずり出してやろう。深く突き入れた包丁を引いて押して引いて押して引いて、お腹の辺りから股間に向けて裂くと腕が入りそうな穴が空いたので、手を突っ込む。見上げると口らしき穴から血の色をした潤滑オイルをだばだば溢れさせて、私を欺くための機能停止状態を見せつけているが、その手にはのらない。いま、この中からお前の本体を引きずり出して、止めをくれてやる。
本当はここまでしなくても、頭を割って中央制御機関を破壊すれば済むのだけど、こいつには、こいつには私の恨み全てをぶつけて、もう二度とこの星にお前達の仲間がここないように、見せつけてやるのだ。処刑、後悔処刑。お前達に苦しめられた私は、だがお前の思い通りに操り人形とはならなかった。残念だったな!私はもっとすばらしい人に導かれて、お前の侵略に抗い、それを排除する。
無造作に突き入れ立てにそれは当たった。ずるり、引き抜くとそれは恐ろしく長くて、なるほど空間を強制的に拡張して中に巣くっていたのだろう。引きずり出しても引きずり出しても細長いその侵略者の死骸は続き、ようやく全てを引きずり出し終えたところで未練がましく擬態用肉質外骨格につながっていたので引きちぎってやると、私の中の金属チップが機能を停止した。
やった!私は、私はこいつらに打ち勝った!侵略者を排除し、聖戦に勝利し、私は最高の法悦によって第一の現世利益を得ていた。昇る、昇る、おちる爆ぜる。真っ赤になって暴れ回って、飛び跳ねたそれは、再び私の中に戻ってきて体中を歓喜に打ち震えながらダンスに興じていた。
全ての悪を打ち倒した私は、それを報告するために、オイルが体中をぬらしてぬるぬると動きづらいのにも気を止めずに、教会へと足を運んだ。
父さんが何処かから持ってきた、私と私の家を巣くってくれた箱。そしてその中から現れたあの人。あの人が留まっているキョウカイ。その人は境界の向こう側から優しい笑顔を暮れている。箱。その人は箱を私から受け取り、ぎゅっと抱きしめてくれた。なんて温かい、それは聖母に抱かれているというエクスタシーと慈悲の混沌だった。
その人は私に、家を造り直すように言ったので、私は姉達を作り直した。それは父さんが持ってきた箱の力によるモノで、それはやはり、この事態に備えて作り出された事態回収装置だったのだ。すっかりと乗っ取られて変容してしまった姉達を、私は箱を起動することで、再び作り出した。静かだが優しい姉、元気でムードメーカーの姉、少しうるさいくらいに活発な姉。三人を作り上げたところで、箱は機能を停止してしまった。父親と母親の再構成にはパワーが足りなかったようだ。
境界の人に頼んではみたけど、その人も特殊な事情があってこうして私に力を貸してくれているが、本当は宇宙の向こうで定められた法律を破ってまで私を助けてくれているのだという。流石にこれ以上の独断はユルされないと、父親と母親については残念だけど諦めて欲しいといわれ、私は仕方なくそれを飲んだ。だが、理想の姉が三人、戻ってきてくれた。コレであの幻灯機の中にあった幸せな家庭に戻ることが出来る。私は、ついに、取り戻したのだ。家族を。理想の家族を。私の理想の家族を。私の、私の理想だ。他のヤツの理想なんて知らない。私の理想は私だけのためのモノで他のヤツの理想なんて入ってくるな。私の世界が私の家族が私の理想が私の夢が崩れる。出て行け寄るな見るな近づくな。
こうして。
私は、父さんが持ってきたこの箱の力で
新しい家族を得たのです。
これが
私と私の家族
つまりプリズムリバー家の幸せな幸せな、姿なのです。
レイラ・プリズムリバーは、使命を、成し遂げました。
作品情報
作品集:
25
投稿日時:
2011/04/14 19:25:46
更新日時:
2011/04/15 04:25:46
分類
レイラ
その『箱』とやらは、幻想を具現化するモノかな?
手前勝手な虚構と戯れ暮らすための。
となると…『箱』は正確には『箱庭』で、『境界の人』はその管理人といったところか。
この長文を読んで、その内容は理解しがたい事と、レイラは手遅れな事は分かりました。
コーヒー吹いた