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『異常の中の正常は異常』 作者: ゆう宮 杏
ある朝、霊夢はいつものように起きた。
背伸びをして、部屋が妙に血なまぐさい事に気づき、目を開ける。
―――部屋が真っ赤に染まっていた。
「ひっ…!?な、なによ、これ……?」
「あれー?霊夢、起きたんだ」
そこには霊夢の友人の霧雨魔理沙と、東風谷早苗が立っていた。2人とも、手に大きな斧を持って。
そして、霊夢の布団の横には、血で汚れたふたつの首が置かれていた。
…ひとつは、銀髪で右目がえぐれ、左頬の皮膚が剥がされた十六夜咲夜の首だった。
もうひとつは、きれいな青髪が赤黒く汚れ、両目に銀のナイフが突き刺さっているレミリア・スカーレットの首だった。
周りには、2人の切断された四肢が散らばっている。
「い…っ、さく、やぁ…っ…レミ…リ……ッ、い、いやああああああああああああああああああああああ!!?」
「まったく何騒いでんだよ霊夢、このぐらい幻想郷じゃ常識だろ?」
魔理沙はふざけて大げさに耳をふさぎ、早苗は霊夢の顔がつぼにはまったらしく、けらけら笑いだした。
思わず霊夢は自分の布団を2つの首にかぶせ、2人からできるだけ遠ざかるように後ずさった。
そのスカートには、大きな染みができていたが、幸い2人は気づいていなさそうだ。
「あー、私なんだかお腹空いてきちゃいましたぁ。さすがに2人バラバラにするのは体力要りますね」
そういうと早苗は床から細くて小さめの腕――レミリアのものだろうか――を拾って、そのままかじりついた。
「ひ…っ!?」
もう悲鳴が枯れそうだった。
「魔理沙さーん、これ、生でもけっこういけますよ!やっぱり、吸血鬼だと違うんですかねぇ」
「本当か?それならわざわざミニ八卦炉使わなくてもいいから、助かるんだけどな」
そして魔理沙もレミリアのものらしき腕にかぶりついた。
2人の口の周りには、大量の血がついていた。
―――これは夢?
私は今、ものすごくおかしな夢を見ているのかな?
そう思って霊夢は自分の頬をつねる。…痛かった。
「霊夢さんもどうです?もう咲夜さんのしかないですけど…って、そうだった、霊夢さんはたしか足のほうがー…」
そう言いながら早苗は、床に落ちている誰かの足らしきものを掴む。
「い…、も…もう、やめてえええええええええええええええええええええええええええええっ!!」
その瞬間、部屋の空気が凍りついた。
「霊夢…さん?あの…どうしたんですか?」
早苗は心配そうに霊夢の顔を覗き込んだ。その瞳は、何の穢れも知らずに蟻を殺す、子供のような瞳だった。
すると、いきなり魔理沙がぎょっと目を見開いた。
「霊夢……お前、まさか……狂っちまったのか!?」
その言葉を聞いた瞬間、霊夢の中で何かがおかしくなった気がした。
「う、うわあああああああああああ!!霊夢が狂った!!」
そういうと魔理沙は、霊夢を床に押し倒した。
「!!?」
「いいい異常者は、殺せって…、神奈子様と諏訪子様が言ってたもん!!」
…もう、なにがなんだかわからない。
―――あれ。
「早苗、同時にだぞ!?同時に斧を振り下ろすんだぞ!?」
そう言いながら、魔理沙は霊夢の体を床に押さえつけた。
―――もしかして。
「分かってますよ魔理沙さん!!しーっかり脳天ぶち壊さないとですからね!」
そう言いながら、早苗は震える手でしっかり斧を握り締めた。
―――狂っているのは。
そう言って2人は斧を構えて……。
―――わたし?
ぐしゃっ。
初めまして、ゆう宮杏という者です。
初投稿なので慣れませんが、よろしくお願いします。
ゆう宮 杏
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/12 13:14:09
更新日時:
2011/05/12 22:14:09
分類
微グロ
霊夢
早苗
魔理沙
霊夢、逝く刹那に正常に戻れそうな気配がしましたが……。
あの世では、魔理沙や早苗のように、真人間として小町や四季様に応対しましょうね。
無様な姿が似合う