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『くたばれ幻想郷』 作者: ただの屍

くたばれ幻想郷

作品集: 26 投稿日時: 2011/05/15 00:53:54 更新日時: 2012/01/30 19:12:29
 ………何なんだ、あれは。
 そいつを初めてみた者は皆そう思った。
 山より高く雲より高い大男が居た。なぜ男だと分かったのかというとそいつは全裸であったので男根が見えたのである。胸は平らでありぼうぼうに伸びた髭面。髪は汚らしく伸び放題であり体全体から悪臭を放っていた。
 誰が呼び始めたのか怪物と今は呼ばれていた。
 怪物は現在動きを見せずにただ座っていたが被害は既に出ていた。怪物は魔法の森をクッション代わりにして座っていたので霧雨魔理沙とアリス・マーガトロイドは潰されてとっくに死んでいた。どうせレズなんだろうこいつらは。

 幻想郷の賢者共は怪物を排除する方針を採ったらしく、怪物が動き出す前に終わらせようと幻想郷中の実力者に呼び掛けた。
 怪物を恐れていたのだろうか、声を掛けた者は殆どが集まってくれた。怪物の周りまでやって来るとそれぞれ自分達で適当に位置取った。
 指揮を執っていたのは八雲紫。作戦開始の指示を出す。内容は一斉に力をぶつけるのみ。
 博麗の巫女やら現人神、御大層な神々方。亡霊や蓬莱人。鬼に妖精。その他大勢。
 妖力に神力に始まり、魔力だとか法力、気力。風力やら水力。呪力しまいには眼力なんてものまで持ち出してきた。
 手を休める事なくそれらの力が怪物に浴びせ続けられたのだが怪物はふうと溜息を吐いただけであった。何ともつれない返事。怪物の正面にあった木々の葉が全て吹き飛ばされた。

 ……お分かりいただけただろうか? この怪物は亡霊に死に誘われても、狂った吸血鬼に破壊を挑まれても、さらには如何なる力の集合の前に曝されても、まるで何の変化もみせないのだ。
 ははは、なんて、馬鹿馬鹿しい。きっとこの怪物は頭の芯まで腐りきった狂人によって生み出されたのだから道理が分からないのだ。相手が何をやっているか全くもって理解できていないのだ。こいつの親の顔が見てみたい。そしてこいつはこの幻想郷に放り出された。こいつは今からここで暴れ尽くし、壊し尽くす。殺し尽くす。ははは、なんて、清々しい。幻想郷の連中なんて道理という存在に自ら股を開いて力を得て生きてきた淫売の集まりだ。死ぬ時までも道理の腰に足を絡めて嬌声を上げる売女の群れだ。ははは、死んで当然の連中じゃないか。ははは。

 怪物がむんっと立ち上がる。尻についた木が重力に逆らって落ちていく。その木に潰されて多々良小傘がぽきりと折れて死んだ。
 立ち上がった怪物。非常識の大きさである。逆光によって顔を見る事ができない。もうそれだけのどうしようもない差があるのだがこの健気な連中が素直に諦めるなど有り得ない。必死になって頑張り続ける。しかしフランドール・スカーレットは自分の能力がもはや通用しないのだと悟ると気を狂わせて自ら日光を浴びて死んだ。レミリア・スカーレットもどうにもならぬ運命なのだ、皆死ぬと叫びながらキチガイの足取りでフランドール・スカーレットの後を追って死んだ。この時、十六夜咲夜が時を止めて主を救おうとしたが結局どうにもならなかった。そして主の仇をとるべく怪物と独り虚しく戦い続け十六夜咲夜は老死した。
 怪物は手刀を打ちこむように左手を地面に当て一気に右へと動かした。人里を巻き込んだその左手の移動は抉られた大地と木々、家々の残骸、力無き人々を皆殺しにしていく死の波。守銭奴腋巫女の博麗霊夢、勘違い現人神の東風谷早苗、その原因であるモンスターペアレントの八坂神奈子と洩矢諏訪子、使い走りの八雲藍。井蛙のチルノ、騒音公害屋のプリズムリバー三姉妹、死ぬまで半人前だった魂魄妖夢、地べたをかさかさと汚らしく這いまわるリグル・ナイトバグ、小骨の多い気の利かないミスティア・ローレライ、そんな奴らと一緒に肉を細切れにしながら一つになりながら死んだ。
 力しか取り得のない脳筋共が怪物に立ち向かう。怪物がすり足で移動する。アル中の伊吹萃香、アル中の星熊勇儀、アル中の茨なんとかという鬼が。鈍足の風見幽香が。あまりにも弱々しい三妖精や売春婦リリーホワイトなんかと一緒にすり潰されて無力のままに死んだ。あと大妖精とかいうのも死んだ。
 怪物が先程自分が作り上げた死の波の残骸を蹴り飛ばす。怪物の足、飛ばされた残骸。主無き今は職無しの紅美鈴、喘息の発作が始まってしまい結局何しに来たのか分からないパチュリー・ノーレッジ、豚足のレティ・ホワイトロック、盛り猫の橙、満月に発情する変態の上白沢慧音、この非常時においても他人の足元を見る救いようのない因幡てゐ、敵前逃走した鈴仙・優曇華院・イナバ、何一つ理解できないままに死んだ無知極まりないメディスン・メランコリー。木っ端共が儚く死んでいった。あと小悪魔とかいうのも死んだ。
 怪物が妖怪の山の麓に両手を差し込む。手首まで入ると一気に持ち上げる。完全に大地から離れた妖怪の山。山に残っていた天狗達が慌てて飛んで逃げていく。鼠のように無様な奴ら。怪物は山を逆さにし山頂から霧の湖へと叩きこむ。姫海棠はたては未だに山に引きこもっていたのでもちろん死んだ。山頂が湖面に触れると水が押し出され津波となって周りの連中を流していく。山頂が湖底を叩く。津波が地上を飲み込んでいく。名前さえも覚えてもらえない可哀そうな秋姉妹、えんがちょ鍵山雛、水は得意なんだとほざいた河城にとり、野次馬根性で見学しに来ていたキスメと黒谷ヤマメはその怒涛にぶつかって壊れて死んだ。ルーミアもリボンがどうたらとかそんな大逆転も無くあっさり死んだ。これで晴れて妖怪の山と霧の湖は完全に幻想郷から無くなった。怪物の一物が勃起して雲をかきまわす。
 山から飛び出した天狗共が今更な反抗をしてきた。怪物は蚊を払うように両手を振り回す。その手にぶつかった天狗は虫けらのように弾けて死んだ。吠えるだけの犬走椛、カメラを構えてシャッターを切り続けていた射命丸文、残り全ての天狗、あと天魔様とかいうのも死んだ。
 怪物は糞をひり出した。永遠亭が山のような糞の中に埋もれた。兎共はもちろん全滅。近くにいた八雲紫はスキマに逃げ込んだがスキマを閉じる前に大量の糞が入り込んできてそのまま圧殺された。稗田阿求はその凄まじき悪臭に耐えられなくなりゲロを撒き散らす。しかしいくら吐いても気持ち悪さが消える事はなく衰弱死した。
 怪物は糞を終えると射精を始めた。死から逃げた聖白蓮を始めとした命蓮寺の仏敵共、こーりんとかいう裸褌のゲイは精液に溺れて窒息死した。
 怪物は地面に両手を差し込む。引っこ抜いて天に放り投げる。地底界が日の光を浴びる。我関せずを貫かんとした地霊殿の根暗共と嫉妬馬鹿がバラバラになりながら地面に激突した。
 現在、自然なんてものは幻想郷からは見る影も無くなっていたので妖精共は生き返る事なく完全に消滅した。
 怪物は屈伸して全身のバネを使って飛び上がる。両手を真上に差し出す。指先が天界に触れると一気に引き寄せ天界を大地に振り下ろした。事務的に生臭い永江衣玖、不良で薬中のヤリマン比那名居天子は即死して内臓を撒き散らした。怠惰な天人共も皆死んだ。
 人間も妖怪も沢山死んだ。低級霊のバーゲンセールである。西行寺幽々子はとりあえず一度殺された後、このインスタントの出来そこないの霊達に死ぬまでレイプされて殺された。
 怪物は大声を上げた。声というより振動兵器。これまで運よく死ななかった奴らや新作に出てくる連中、野生動物などは鼓膜を破られ脳を揺さぶり壊され全身の毛穴から血を流して死んだ。
 怪物は背を仰け反らせ右手を伸ばし地獄を鷲掴みにする。地獄は怪物の片手に全て収まってしまった。怪物が自分の目の前で右手を開くと閻魔や死神が圧縮された罪深き赤茶の塊が落ちて地面にぶつかり崩れていった。
 怪物は本日二度目の射精をした。今度の精液は大変勢いよく飛び出した。雲を抜け怪物の頭をも通り越したその先の先。精液は月にぶつかり半面を覆った。月の二人の姫は精液に体の外も中も乱暴に犯されて死んだ。精液によって月の質量が大きくなり幻想郷と引かれあって落ちていく。月の落下。月は怪物の頭にぶつかると粉々の粉々になり幻想郷を月の砂場へと変えた。怪物は月にぶたれたせいで死んだ。怪物は体もでかけりゃ魂もでかい。復活を繰り返していた哀れな蓬莱人共の魂をすり潰して殺した。
 このあまりの出来事に龍神はショック死した。

 馬鹿馬鹿しき狂宴の終末。幻想の残滓。もはやこれ以上語る言葉は必要ない。今となっては一切が無意味。
もしかしたら書き殺し忘れられたラッキーなキャラがいるかも(旧作除く)。
ただの屍
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/15 00:53:54
更新日時:
2012/01/30 19:12:29
分類
ぼくのかんがえたさいきょうのもんすたー
1. NutsIn先任曹長 ■2011/05/15 10:31:04
不安が現実の物となってしまった!!
安住の地である幻想郷が、あっけなく壊滅してしまった!!
罪の無い住人達と共に……。

苦しんで、或いはそんな暇も無く、幻想郷は滅んだ。
許されざる所業を無邪気に行なった巨人も、また……。

産み落とした作者様、はてさて、貴方の本音は何処に?
2. 名無し ■2011/05/18 04:32:09
こちらにも 書いていたのですか 全く貴方の作品は えぐるのが好きだなあ 脳が天気でも この世界だけはきっと 彪が降っているのでしょうね
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