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『霊夢「私、お寿司だーーーい好きっ!! ルンルンルン♪ ひゃんっ♪ お寿司気持ちいいのぉぉぉおお♪」』 作者: フェイトちゃん
漫然とどこまでも続く頑丈な白壁。
硬質なリノリウムの床にローファーの硬質な足音が反響する。
遥か高い天井には旅客機のそれが目じゃない程の巨大なプロペラが威圧的な音ともに空気を掻き混ぜている。
殺風景な空間には家具一つ無く、白一色で埋め尽くされていた。
「東京ドーム三個分のスペースはあるわ」
2、3歩分の先を歩く八雲紫は日傘を差して自慢げに振り向いた。
屋内なのにアイデンティティを保つため、彼女は日傘を手放そうとしない。
いつもの導師服に身をつつんだ胡散臭い姿は、白一色の世界でも強烈な怪しいオーラを放っている。
――――東京ドームって何かしら??
紫に続いて、延々と続く白い空間を練り歩く博麗霊夢は疑問を言葉に出さずに視線だけで紫に返事を返した。
先程から、紫の説明がちょちょ切れで飛んで来るが、霊夢はほぼ上の空で受け流す。
広大過ぎる真っ白い空間は、霊夢にとっては早くも興味を維持できる対象では無かった。
興味を惹くものが無いばかりか、空気が重く感じられる。
その場の流れでそのままついて来てしまった事を軽く後悔する。はっきり言ってしまえば、乗り気ではなかった。
これなら、神社の縁側で茶を飲んだり香霖堂で遊んでた方が有意義だったように思える。
しかし
「東京ドームだと??? それは食べれるのか????」
そんな霊夢とは対照的に霧雨魔理沙は興味津津に紫の話に聞き入っている。
紫のすぐ隣を歩き、あれは何だこれは何だとピョンピョン跳ね回っては頻りに紫に尋ねている。
その様はまるで観光客そのもので、物珍しいものがあればすぐさま飛びついてバタバタと煩い。
ただ只管に、だだっぴろいだけの空間に凄まじい興味を見せる魔理沙のことが、霊夢には理解できない。
魔理沙の質問攻めに対して当の紫は面倒くさそうに、あれはコントロールね、これはリネン室ね、と簡潔な言葉で返す。
表情から煩雑な感情が如実に滲みだしている。霊夢には嬉しそうな笑顔を向けるが、魔理沙には目を合わそうともしない。その労力すら惜しいかの様な。
「東京ドームは、、、、、、、、46755平方メートルの空間よ」
元より、魔理沙は招かれた客では無かった。
紫が誘ったのは、霊夢と霖之助の二人である。
神社に霊夢がいないのを隙間から確認して、香霖堂にて二人を発見し誘ったその場に魔理沙がいた。誘ってもないのについてきた。
ただそれだけのことである。面白い事が起こっているのに、自分が関われないなんて許せない、そんな野次馬根性で金魚の糞のようにホイホイついてきた。煩わしい。
――――どこか適当な所で魔理沙を切り離さなくては
紫の思考回路は、施設の説明をしながらも40%はその問題のために働いていた。
この広大な空間から別場へ移動、魔理沙を惹きつける……
ゴウンゴウンゴウウン
頭上の巨大なプロペラが騒音を撒き散らす。
――――何を考えて紫はあんなでっかい扇風機を天井につけたのかしら。全然涼しくないし、頭痛くなるわ
霊夢の頭の中身を右から左へと紫の説明が抜けていく流れていく。
天井と同じく白一色のプロペラは扇風機などでは無いのだが、そんな事実は霊夢にとってどうでもいい。そもそも霊夢の思考は
――――大体何なのよ、この施設は、来るんじゃなかったわ
言葉にならない程度の初歩的な疑問がつまらなさと共に渦巻いていた
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魔理沙と二人で霖之助に駄々を捏ねたり甘えてたりしていたが、突如紫が現れて
『はーい、こんにちわ、ご機嫌如何かしら?』
『うわ、紫ババアがでたぜ』
『今、霖之助さんと話すのに忙しいから帰ってくれない??』
『面白い所に連れてってあげるわよ〜??』
と尋ねてきた
魔理沙は一も二もなく、行くぜと脊髄反射で参加表明をして、元気に挙手してみせた。
霊夢も暇だったのでとりあえず参加することにしたが、これが失敗だった。
霖之助は参加しないと断ったのである。
『え!? 霖之助さん行かないの??』
何でも道具の修理を頼まれていて仕事が立て込んでいるとのことだった。
確かに霊夢と魔理沙が香霖堂を訪れた最初の時点から、小道具を手にずっと作業に取り組んでいる。
その時現在も、傘の骨組に魔力増幅装置を取り付ける術式を忙しそうに組んでいた。
『そんな仕事後回しにしたら良いじゃない』
『香霖も行こうぜ? 貴重な宝があるかもしれないぜ??』
『宝は無いわよ魔理沙、、霖之助さんもいらっしゃってくださいませんか?』
霖之助は首を振るだけで、応じてくれなかった。
『そんなの後回しでいいじゃない』
客の依頼が大事というのもあるが、傘の修理が終わらないと命が危ういらしい。
『じゃあその客が逆上したら、私が退治して霖之助さんを守ってあげるから、霖之助さんのこと、ずっと、守るから、ね?』
それでは、お得意様を失うことになると溜息が返ってきた。
その後も、魔理沙や紫を一緒になって5分程説得したが、結局霖之助が首を縦に振ることは無かった。
一度参加することを表明してしまった以上、それを取り消すのは明らかに霖之助と二人でいたいという事を表現してしまうのではないか、魔理沙や紫にからかわれるのではないか
その恐れから、参加を取りやめその場に残る選択肢を霊夢は選べない。
夢中だった。
霊夢は霖之助を参加させる説得に夢中だった。
紫がどこに案内してくれるのかは二の次だ。
霖之助とお出かけできる。
二人っきりでは無いものの、普段腰の重たい霖之助と外出できる事は、霊夢にとって魅力的なものでしかなかった。
無縁塚で物拾い(本人は供養と称する)に行った時の活き活きと楽しそうな霖之助の表情が霊夢の心に焼き付いている。
屋内にじっと閉じこもって知的な雰囲気で読み物をする霖之助もクールで魅力的だが、屋外で知的好奇心を発揮する霖之助も迸る若さを感じられて、霊夢には堪らなかった。
が、しかし、夢中過ぎて肝心なことを聞き逃していた。
一体どこへ行くんだ?
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「着いたわ」
紫の言葉が、霊夢を中途半端な長さの回想から現在へと引き揚げた。
ふと顔を上げれば、今まで殺風景だった世界が大きく切り拓かれ色鮮やかな商店街へと変貌していた。
時間にして二時間程歩き詰めで辿り着いたこの商店街は恐らく、、、外の世界の物だろうか、毒々しいケレン味溢れる看板や騒々しいBGMを垂れ流して、来訪者を歓迎していた。
幻想郷では見慣れない、外界の衣服に身をつつんだ外界人の家族連れが楽しそうにウィンドウショッピングに勤しんでいる。
店内からは客引きの威勢のよい声が飛び交い、録音と思しきアナウンスがお値段色々大特価大特価ですと繰り返している。
「おおおおおお?? ここはどこだ!? あれは何だ!!???? 私は誰だ!!!?????????」
魔理沙のテンションが頭悪い人のそれでウナギ登り。
神奈子の御柱程のサイズの鉄柱の先でクルクル廻り続ける看板や、夕暮れに鈍く輝くネオンに目をキラキラさせている。
嗚呼、いつのまにか、もう夕方なのか。
「さぁ、食べるわよ」
そう言って、紫はスタスタと一軒の店舗へと歩き出す。
黒地に白の格子模様の入った城のような建物。
模様こそ、かつて戦国時代に存在したと言われる城そのものであったが、どうも構造自体は別物のようだ。
稗田の文献にあった幻想郷とは無関係の代物のお城。戦の象徴。霊夢はそれを想起させる建物に訝しながらも入らざるを得なかった。
―――― 一体どんな戦いが待っているのかしら?
霊夢は武者震いを抑えられなかった。
「「「いらっしゃいませーー」」」
「ただいまの待ち時間は0分となっております。お席に案内させて頂きますね〜〜」
寿司、と言うらしい
愛想の良い店員達に案内されて、4人掛けのテーブル席に腰掛けた。
そのすぐ隣を、直方体に丸められた白米の上に、ヌラヌラと光沢を放つ怪しい食材が流れてくる。
円型を切り欠いた形状のプレートが何枚も組み重なり、ベルトコンベアの要領で、、、その、『寿司』を運搬している。
寿司は同じ所をノロノロとしたスピードで何時までも回り続けている。
それを時折、テーブルから手を伸ばした客が受けとり食す、、そういうシステムらしい。
「何か、、、臭うぜ??」
魔理沙の言う通り、酢のような臭いがする。
もしかして、白米の上に乗る、この『ネタ』と呼ばれる部分が腐っ――
「それは酢飯の臭いね、ささ、気にしないで好きに食べなさい」
早速、紫はテーブルに付随している蛇口からお茶を淹れた。
「おおおおおっ!! この絵に触れたら、絵が変わったぜ!??」
魔理沙はディスプレイを弄び、次々と変わる画面に目を白黒させて歓喜している。
「食べたい寿司があったら、その画面で注文するのよ、注文せずに流れてくるのをそのまま食べるのでもいいけど」
紫はそう言いながら、ディスプレイから魔理沙の手をどけると、
オクラの軍艦やウニアボガドの軍艦のゲテモノを次々と注文し始めた。
紫の慣れた手つきを見る限り、時折この店に訪れるのだろうか。
紫を一瞥した後、霊夢は流れてくる寿司を一生懸命に観察した。
どのネタも幻想郷ではお目にかかれない海産物ばかりだ
河童巻きならば、河童の所で見たことがあるけれど、鯛や蟹などは全くの初見。
海産物を生の切り身でそのまま食す文化は幻想郷では、川のすぐ側でしか行われていない。
生魚を食すにあたって、鮮度を保つ方法が氷精や魔法に頼る以外無いためである。それでも、やはり寄生虫などのリスクが伴うため一般的でない。
「紫、これは??」
「それはウニね」
「ウニ??」
「黒い球体に無数の棘が生えてる生き物よ、それはその卵巣」
「はぁ? 海にはそんな生物いるの?」
「球体に無数の棘だったら、生物というよりむしろ弾幕だな」
「食用以外にも、学生が雌雄の受精実験に使用したりするわね」
「受精実験って!? おい、紫の変態、何恥ずかしいこと言ってんだよ!!??」
「煩いわね大声で、あんたの方が恥ずかしいわ、で、これは食べれるの??」
「当たり前じゃない霊夢、寿司は食べ物よ?」
結論から言って、ウニはあまり美味しくなかった。食べ慣れない味であったのも確かだが、やはり霊夢の舌に合わなかった。
コリコリして舌の上に独特のヌメリと生温い感触が残る。それに見てくれも悪い。
紫が言うには
市販されるものは、死んでから時間が経っているため、生臭さがあったり、保存や型くずれ防止のためにミョウバンやアルコールが添加され、食味、風味が劣ることも多い、とのこと。
「最初に言いなさいよ」
「あ、でもこの店は無添加主義だから、ミョウバンやアルコールが添加されてるかどうかは微妙なラインね」
その後、霊夢、魔理沙、紫の三人はディスプレイで注文したり流れてくる皿を捉えたりで、たらふく喰った。
寿司の消えた空の皿が山山盛盛とテーブルに積み上げられる。
寿司皿だけでなく、赤出汁やうどんの容器も三人分。
「テーブルが皿で一杯だぜ?」
「そこに入れなさい」
「そこ?」
「皿の排出口があるでしょ?」
紫が指さした先、湯の蛇口の下に丁度皿が入るサイズの口が開いている。丁度新聞受けの様な投函口が。
「へぇー、これは便利だぜ……っと、うわぉあ!?」
皿を五枚投入したところで、急にディスプレイが変わり何やらルーレットの様なものが映しだされる
「紫、これは…?」
「黙って見てなさい」
楽しげなBGMと共に当たりと外れを往復するルーレット。
しかし
「っあーー!! 惜しいぜ! 外れだぜ!!!」
外れだった。
その後、6回計30枚のチャレンジがあったがいずれも外れだった
「なんだこれ、期待させておいて外ればっかりだぜ、まぁ旨かったからいいや」
「結構食べたわね」
「満足してもらえたらなら連れてきた甲斐があるってものだわ」
食事終わっての、微妙に幸せな食休みの優しい眠たいムードが三人を包み込む。
その時、流れてくる寿司にふと違和感を感じた魔理沙。
「…なぁ」
此方へ向かってベルトを流れてくる一貫の寿司を魔理沙が指す。指先がプルプル震えている。
しばらくあって、その皿が手元まで運ばれてくるのを見計らって
「…これ」
魔理沙はその皿を取り上げてテーブルにコトリと置いた。
「何、あんたまだ食べる気??」
「霊夢、これ………何か、、変だぜ??」
「何がおかしいのよ?」
「感じないのか?? この寿司明らかに怪しいだろっ???」
「物珍しいのは分かるけど、魔理沙あんたさっきから煩いわよ」
「霊夢、…………これ、、、この寿司、、、、動いてる!!!」
「はぁ? 寿司が動くわけないじゃ…」
動いたのか。
寿司が移動したのか。
動くわけない。寿司が動くわけない。
しかし
真っ赤に半透明なマグロを乗っけた酢飯。が
僅かに皿の中心から外れた位置、皿の端に移動している。
確かに、魔理沙が指を差した段階では、寿司は皿の中心に位置していたはず。
――――寿司が動くわけ
ムニュ ムニュ ムニュ ムニュ
「きゃあああっ!?」
思わず霊夢は叫び声をあげた。
動いた。
寿司が動いたのだ。
頭? を左右に振っているのだ。
霊夢はそのまま立ち上がって寿司をマジマジと眺めた。
赤いマグロは酢飯と一体化して、ゆっくりと皿の上を蠢いている。
一口サイズの寿司はグニョリグニョリと皿の上を蠢いている。
どこか眩しくない薄暗い所を一生懸命に探しているようだ。
寿司の這い摺り回った後には、キラキラと照明を反射する粘膜がひかれている。
マグロの切り身は、その躯を右に左にうねって、皿の上を蠢いていた。
「こ、こここ、ここれは何よっ!? 紫!!??」
霊夢は半ば半狂乱になって、紫に問い詰めた
「あーーー、この店は無添加主義なんだけどねぇ……」
前もって予想がついていたのか紫は特に取り乱した様子もなく
どこか遠い目をして面倒くさそうに言葉を紡ぐ
「……鮮度も重視してたみたいね」
「うわあわぁぁぁ、、アレモコレモ、、アレモコレモ、、、ウフフアハハハハッハ!!!」
魔理沙は気でも違ったのか、次々とベルトから『蠢く寿司』をテーブルの上にバンバン並べる。いや、叩きつける。
その反動で、エビや卵巻きやイクラがテーブルの上に無造作に転げ回る。
”新鮮な寿司”がベチョリベチョリと卓上に着地する。どれもこれも水っぽく、怪しい光沢を放っている。
「動いてる動いてるよおおおおおおお、、、気持ち悪いもん喰っちまったぜ、、、ぁぁぁっぁぁ」
テーブルに転がった寿司は、卓上に引っくり返っていたが、ややあって、モゾモゾ動くと、ネタを上にして姿勢を立て直した。
そして、卓上にギラギラ粘着いた粘膜を張り巡らせながら、卓上を徘徊していく。
エビの上に乗った卵巻きがお互いの上に乗ろうとして、ベチョベチョと絡まり合う。
イクラの中からモタついた濃度の高い気泡がブクブクと溢れだして、赤い液体で周囲を汚した。
湯呑みを登ってボチャンと湯の中に落ちた寿司が緩慢な動きでもがく。
中には、糞をする寿司もあり、茶色く生臭い糞がチラホラと寿司の中に混ざりだす
「おわわわわあわあああああ、動くぜ動くぜ、、寿司がああああああ!!!! おええええええええええええええウゲエエェェェッェ気持ち悪いあああああああああああああああくsくそjすおsjすあおぁおおおおお!!!!」
魔理沙の勢いはヒステリーに留まることなく、次々と卓上に寿司がぶちまけられていく。その眼は完全にイカレタ眼。痙攣を起こしている。
「ちょっと!? 紫!! これはどういうことなの、、説明しなさいよ!!!!」
次々と卓上でブルブルと身を震わせる寿司に恐れ慄きながらも霊夢は、紫を問い詰めた。
そういえば、紫はゲテモノ寿司ばかり食べて、定番の寿司は何ひとつ口にしていなかった
「これはーーーー『ナメ寿司』ね」
「あー? なめずし??」
「そう、見ての通りナメクジと寿司の合いの子ね」
言われてみれば、卓上を右往左往する寿司は、ナメクジそのものである。
粘着質にヌチャヌチャ光沢を放つ姿も、這った後に残される粘膜も正しくナメクジのそれある。
「っっっっっっ!!!!!!!!! 何て物喰わせるのよっ!!!!!!!!!!!!!」
「なめ寿司はクモ膜と新皮質が好物なのよ」
「はぁ?? 何言って、、、」
――ズキン
突如霊夢の頭が激しい痛みに襲われる
鋭い痛みが
「え、え、、何??? 頭痛いぃ……」
「ホラ、鏡」
紫が差し出した鏡に、霊夢は信じられない光景を見た
いつの間にか剥き出しになった、霊夢の脳にマグロとエビとウニとイクラと卵巻きの寿司が張り付いてる。
「いいいっ!? い、いい、いい、いいい、いやぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「アハハハハ、霊夢、脳味噌剥き出しだぜアハハハッハハwwwwwww ホラホラ、寿司喰いねぇwwwww」
魔理沙は楽しそうに、ナメ寿司を次から次へと霊夢の大脳に並べていく。
霊夢の可愛い桃色の脳味噌に乗りきらなかったナメ寿司がボトボトと落ちて、霊夢の巫女服の上を這っていく。
「やめてぇぇ!! やめてよぉおぉ、、私の脳味噌の上を這い回らないでぇぇぇぇ」
霊夢は半泣きになりながら、脳上のナメ寿司を掻きだそうとするが
一部の寿司は(特にマグロとウニ)、霊夢の脳に深く喰いこみ、ゼリーの中に埋まった果物のようにボコリボコリと自分の場を形成している。
耐えがたい頭痛に見舞われながらも、紫の差し出す鏡を必死に覗きこんで霊夢は、脳味噌からナメ寿司をかきだした。
「痛いぃぃ、、、頭痛いのぉぉ、、ゆかいいりも間理さもお助けて、、助けてよよよぉぉ」
もはや泣きべそをかきながら、二人に頼み込んだが
魔理沙は相変わらず楽しそうに、ナメ寿司を霊夢の脳に張り付け並びたて
紫は鏡を持ちながら、プルプル震えて今にも吹き出しそうな顔をしている。
巫女服に落ちたナメ寿司はそのまま霊夢のサラサラした黒髪を這って、脳天へ到達しようとナメクジのスピードながら元気に上を目指している。
霊夢の頭は、脳から分泌される粘液とナメ寿司から分泌される粘膜でベッチョベチョになって目もあてらない酷い姿と異臭を放っている。
「霊夢、可愛いわよ」
「アハハハハハ、、、紫の言う通りだwww、、、しおらしくて可愛いぞ霊夢!!www あああ、塩をかけたら縮むのかなwwwwwwww」
「ええぇぇっしし、塩??」
「なめくじなんだろ?? その寿司? じゃあ塩だぜ塩」
「塩、、塩。。。。ぁぁぁぁああ」
卓上に設置された調味料を必死に調べるが、醤油と甘タレぐらいしかない。
ここは寿司屋だから当たり前である、寿司に塩をかけて食べる人はいない。
「霊夢、この場に塩なんて無いわよ、寿司屋なんだから。もう醤油でいいんじゃないかしらぁ??」
「そうだな、霊夢、醤油かけてやるよwww」
そういって魔理沙は醤油の容器を掴むと上部のノズル部分を取り外した。
「ぇぇええぇ、ちょっとまってぇぇ魔理沙待ってぁぁ、やめてやめてよぉ」
「大丈夫だって、霊夢。ちょっと滲みるかもしれないけど我慢我慢」
魔理沙の腕が迫ってくる。
魔理沙の醤油が迫ってくる。
ビンに並々注がれた醤油はノズル部分を失って、波打つ度にタップンタップンとその液体を右へ左へ迸らせ、テーブルに黒い水溜りを作る。
そのまま醤油のビンは霊夢の頭上へ―――
「お願いだからやめてよぉ待って待ってまって いやいあややおいあやああああ、、あああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
霊夢の頭蓋の中で、ナメ寿司と醤油と脳漿が一緒くたのグジャグジャになって溢れだした。
ボゴボゴと気泡が溢れだし、ナメ寿司が霊夢の脳味噌から溢れだしてくる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」
「あら、美味しそうな白子ね、頂きますナンチャッテ」
霊夢は薄れ行く意識の中
ゲラゲラと楽しそうに笑う魔理沙と紫を見ながら
――――こんな事になるなら……霖之助さんに処女を捧げておけば良かったわ……
そう思った。
死んだ。
霊夢は死んだ。
……惜しいっ!
あーー
霊夢ちゃんと一緒にお寿司食べたいなーーー!!
可愛い霊夢ちゃんと一緒にお寿司食べたいなーーー!!
フェイトちゃん
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/15 16:10:24
更新日時:
2011/05/16 01:10:24
分類
霊夢
魔理沙
紫
気持ちいい
たまに一人で行き、ルーレットの無いカウンター席で2,000円前後食べます。
確かこの店には塩があったような気が……。
……このお話のおかげで、しばらくこの店を見るだけで吐きそうになってしまいました。
責任とって下さい!!
あと霖之助はたぶんいらないって言うよ