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『シュルレアリスムの狂気』 作者: シ骸中尉
「最近変わりましたね。小町」
「何がですか?」
「サボらなくなったし、後、前より生き活きしてますよ」
「そうですか。じゃああたいはこれで」
何かが変わった?あたいは何も変わっていない。
「子犬のワルツ」が流れる。あたいの家。フィルム。ビデオカメラ。釘
撮影。滑油式?。芸術的エロス。セクシーランジェリー。黒。糸。ギニョル。
地下地下地下。飼育。ネクロフィリア。ペドフィリア。アレアレアレ。性的嗜好。
薔薇で満たした風呂。蓄音機。クラシック、帝国ホテル?。仔作り。
ワタシ。私。あ。あた。あたい。シュール。私。家。帰宅。男。女。セックス。
歪んだ子犬のワルツを弾くのは「操り人形」になったアリスだ。
指に釘が打ち込まれ、それに繋がった糸で高速で上下左右に動く。
肩にも、腕にも、脚にも釘と糸があって、上下左右に動いている。
でも糸の先にある機械がちょっとバカで、たまに止まる。
勝手に早くなったりもする。後遅くなる。よって、この人形(ギニョル)の
奏でる子犬のワルツは早くなったり遅くなったり途切れたりする歪んだワルツになる。
子犬ならぬ狂犬である。叫び声が曲を汚さないように口は縫いつけた。
それに合わせて踊るのは男女の交わり。肉と肉がぶつかり合う音。
女ー白蓮の嬌声が、ピンクの照明に照らされた回転ベッドから聞こえる。
なた、他のベッドでは紫と幽々子が複数(といっても2人)の男に犯されている。
三人とも快楽に堕ち、快楽と精液を貪っている。
照明に一つの風呂が照らされている。中は赤ワインと紅薔薇で満たされている。
中には死んだ魚のような眼をした衣玖が浸かっている。死んではいない。
ダンサーは常に美しいままであるべきだ。電気をショックを与えれば、
すぐに陽気に踊り狂う。
モナリザの壁と、ゲルニカの床に散らばる薔薇の造花。
その先では古明地姉妹の芸術的死体がある。胴体は心臓と子宮以外の不要なものを
取り除き、代わりに値のように鮮やかな薔薇を詰め込んでいる。
2人を乗せた回転ベッドは薔薇で埋め尽くした。
ムンクの叫びに見守られているのは燃え上がりそうな紅い薔薇と蔓に包まれた空だ。
制御棒から出ている薔薇を全身に巻きつけたその姿もまた、芸術的で
エロスティックで官能的だ。
乱暴に大妖精の死骸を犯す。締まる事も濡れる事もない冷たい秘裂に
熱く滾る肉棒を押し込む。激しく腰を振り、滑らかにする為にローションを
注入する。昨日射精した精液が口から秘裂から溢れていく。
幼い子宮は何度も突かれた為子宮口は広がり、その中までも犯されていく。
両腕を掴んでバックで腰を振る。肩が異音とともに柔らかくなったが、
気にせずより激しく動く。
精巣から熱く滾る精液が肉棒の中を突き進む感覚。本能がより腰を振らせる。
肩が柔らかくなり、関節が増えた大妖精の幼い子宮に熱い精液を注ぐ。
精巣の中身が無くなりそうな位精液が妖精の幼い死骸に注がれていく。
膣からペニスを引き抜いたと同時に精液が溢れていった。
手を離すと、糸が切れた人形のように力無く倒れた。どうやらもう駄目のようだ。
チルノが入っていた気がするゴミ箱に使えなくなったダッチワイフを叩き込んだ。
白黒に点滅する壁の前に立っているのは椛と文とはたてだ。
三人には首輪と黒い下着を着けさせている。
突然あの狂った旋律の子犬のワルツが聞こえた。すると三人はガクガクと身体を震わせて
奇妙な踊りを始めた。
文は手足と首をバタバタガクガクさせた。まるで電気ショックのように。
はたてはヘヴィメタルのように激しいヘッドバンキングをしている。服装と
回数を考えなければ実に綺麗なお辞儀にも見える。
椛は地面に倒れるとだだをこねるように手足をバタつかせ、身体を激しく
震えさせている。
ワルツが終わると、三人はまたさっきのように並んだ。
劇団イヌカレー風の異空間のような世界が見える。
立派なカイゼル髭を蓄えた蝶が薔薇を手入れしている風景を描いた
実に和む絵が飾ってある。薔薇と工場と工事現場をモチーフにした壁の模様。
笑いながら天子とフランが陽気に踊っている。
薬で幻覚を見ている2人には、この場所は現実のものとなる。
そして最後、薔薇と彼岸花で飾られて、眠るように死んでいるのは小野塚小町だ。
開かれた胸には薔薇が詰められ、永遠にその美しさを残すために防腐処理を施した。
服の一部はゴシックドレスの一部と取り替えて、元もとの美を損なわないように
蝶の刺青を刻み付けたそれは、芸術的死体と言っても過言ではない。
ワタシーあたいはこのように美しい少女の死体を弄んで芸術作品を創作する事を、
芸術的死体への昇華と呼び、芸術の一つにしよう。
あたいーワタシは何だ?目の前にある芸術はあたい?私は誰?
小野塚小町?ワタシ、ワタシは?あたい?
「さぁ、狂気のパレードが来る。キミの名の下に」
薬、ワタシ、あたい「異臭と共に」飲みすぎた?「白百合の様に」
芸術的狂気、安定剤、一日三錠、心「アレがリバティー」ワタ、ワタシ
「ユートピアのパロディ」飛び降りる瞬間が何度もリピートされる
人形が腐っていく、ワタシ、あたいの、身体、セルロイドの皮膚が、燃え、燃えていく
紅い糸の、髪が、抜けて、いく、ブリキの内臓がこぼれ、ていく。
「滑油式」ドロップス、原材料、三歳男児の脳1/4、18歳女性の処女膜
5歳女児の子宮、砂糖(250g)、カルメ焼き(失敗作)数個、成人男性の精液(150mリットル)
ウォッカ(3リットル)、生理食塩水(1リットル)、薔薇適量
紙人形がダンボールの上で踊っている。燃えながら。
プラスチックかセルロイド製の子供たちが笑いながら焼け爛れていく。
ワタシーあたいはライターを持っている。鼻血が手を汚す。
とくん、とくん、とあたいの心臓が弱く拍動する。眠くなってきた。
後ろからあたいを襲っているのはーーーワタシだ。
ワタシはあたい。あたいはワタシ。薬品を染み込ませた布を口に押し付けられている。
後は、ワタシが何もかもやってくれるだろう。
ワタシ、あたいは小野塚小町を死姦しながら眠っていたようだ。
薔薇とワインを混ぜた香水の香りで目を覚ました。
身体に絡みついた蔓を払って立ち上がると、ワタシーあたいは来た道を戻った。
野人のような下男にはもったいない淑女と一夜を過ごすために。
ゴミ箱にダストシュートしたはずの大妖精の頭を踏み潰した。
「ぐぎゅっ」とか聞こえた気がする。
白黒のタイルを歩くと、顔上半分が消失した東風谷早苗が身体を真っ赤にして
やってきたではないか。
ネクロモーフに見えたので大鎌で三つに切り分けてやった。
生きたクーラーの散るのに挿したバイブでクーラーの温度を調整して
「帝國オペラ」の日程を確認してようやく目的地に到着した頃には何をしようか
忘れてしまった。
なので、あたいーワタシは鎌を大きく振り上げて、白蓮に覆いかぶさって
腰を振る男優の背中目掛けて振り下ろした。
白蓮が悲鳴をあげる。無理も無い。突然男が血を吐き、身体から
赤く染まったクチバシのような刃が飛び出たのだから。
男は白蓮の方へ崩れた。頭を掴んで白蓮から離して、ベッドから引きずり降ろした。
突然の惨劇に三人の淑女と二匹の犬は怯えていた。
ワタシーあたいーワタシーあたいは血だらけの白蓮を優しく抱きしめた。
ワタシーあたいはこの後の夜伽は良く眠れる事を祈った。
後で、犬二匹も処分しよう。芸術的美術的淑女には似合わない。
そこから先は覚えていない
気がつくとあたいーワタシは手錠をかけられて車から降りていた。
カメラのフラッシュが眩しい。
ここは何処だ?ワタシは?あたいは?
騒がしい男女の声。「・・・容疑者・・・誘拐監禁暴行殺人・・・自宅から
大量の惨殺死体が・・・容疑者の同僚は容疑を認めており・・・同僚が殺されたのを
・・・「自分も殺されると思った」・・・自首・・・」
ワタシは誰?あぁそうか、ワタシはあたいではなかったのか?
取調室?
「何故、あんな事をした」
刑事風の男が聞く。愚問過ぎる。
「ワタシーあたいがした理由?そんなものはない。あたいーワタシは
ワタシのままに行動しただけで、あたいは特別な理由があってやっていたわけじゃない。
でもーーー強いてあげるなら、芸術的〇〇の実現かな。
ずっとやってみたかった。ワタシーあたいがあたいーワタシになった時
ワタシは六角アルミホイルに包まれた心臓を握りつぶした。
あたいはワタシのままに芸術へと昇華させた!何を?頭から蛆の如く
沸いて溢れ出すインスピレーションが!」
もう、止まらない。ワタシがーあたいに、昇華する!?
「さぁ!今こそ小学五年生の少女が空高く舞い上がり(?)
大きく上げた靴が大宇宙へと飛びだっていく!(?)
もう何も怖くない!ワタシが信じるあたいを信じろ!」
極彩色のパレードが始まる!狂気の異臭を放って異人さんの国から!
「ふざけるな!お前のせいで何人死んだと思っている!」
男があたいーワタシの胸倉を掴んで床にたたきつけた。
そのまま馬乗りになった。
「何が芸術だ!お前がやったのは歴史に残る犯罪だ!この狂人め!」
「正義の名の下に暴れるお前の姿に乾杯ワタシには見えるぞ正義の裏に
潜む背徳の心が。ワタシはただしたい事をしただけで何も非は無いお前もいつか
気付くだろう・・・人の心を占めるのは狂気だという事に!」
あたいがワタシにそういう。そう人は決して美しいものではない。
何がいい子だ何が天才だ何が聖人君子だ皆仮面をつけて笑っているんだ。
仮面を剥がせばそこにあるのは頭がいいだけのサルだ。
上る。階段を上る。ワタシは死ぬ。あたいは首を吊って死ぬ。
でも、何も怖くない。死ねば無に帰れる。もう何も考える事は無い。
こうなるまでワタシーあたいはずっと部屋にいた。あたいーワタシは
色々な病気だったそうだ。裁判ではワタシーあたいは何も言わなかった。
全て真実だから。遺族が泣いている。何も思えない。あの芸術は全て壊されたそうだ。
もう、あたいーワタシには何も無くなった。無理に生きる必要も無い。
輪っかの前で、ワタシーあたいは哂った。これがあたいーワタシの最期かと。
あぁなんて惨め。ワタシーあたいはようやく死ねる。
誰も見てない中、あたいーワタシは小さくダブルピースした。
ガゴンッという音を最後に、ワタシはあたいではなくなった。
「ほら。これでワタシは芸術的死骸になった」
終
シュールさをただ追求したかった短編。
果たしてワタシーあたいが小町だったのか
それともただのなりきりだったのか分からない。
全ては芸術的混沌とシュルレアリスムのままに。
シ骸中尉
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/16 05:45:51
更新日時:
2011/05/16 14:45:51
分類
シュール
はたまた猿の小芝居かもしれない。
そしてあたいと私と小学五年生の少女のために
弔わん。
ガンガンに心をかき乱す文章は大変気持ち良くなれる
暢気に生を消費するより、皆の記憶に残るほうが良いでしょう。
藝術って、こういう作品を指すのですね。
今は単なるグロ。
実は淡白な作品。
夢に見そうなグロ。
つまらないクロシロより素晴らしい!!
迫力あるこんな作品は、神の祝福を受けなければ作れません。
上手くは言えないですけれど……。
つまり、こういうこと。
苦しみから生まれる快楽。
死から生まれる誕生。
今、この時も、何処かで!!