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『こいしのゲームにハマッたさとり』 作者: NutsIn先任曹長
幻想郷の地下世界。
地霊殿の当主、古明地さとりは退屈をもてあましていた。
旧灼熱地獄の管理や間欠泉地下センターの仕事は、さとりのペット兼幹部の火焔猫燐や霊烏路空が主にやってくれている。
現在のさとりの仕事といったら、さとりと同じく地底世界の有力者の一人である星熊勇儀との打ち合わせと称した宴会や、
地上世界との親睦会という名の宴会に出席するぐらいである。
はっきり言って、さとりじゃなくても勤まる、いやむしろ、あまり酒を嗜まないさとりには向かない仕事である。
だから、それら宴会にはお燐やお空を代理に出席させている。
さとりは自身の『覚り』の能力ゆえ、人付き合いを避け、正直な動物達をペットとして育ててきた。
以前はさとりが自ら行なっていた動物達の世話は、今は人型に変化できる程に長じたペットが引き受けてくれている。
『王国』と揶揄されるほどに大規模となった大勢のペット達の面倒は、最早さとりの手に負えるものではなくなり、
地上や外界の効率的な組織運営とペット達を心身共に健全に育てるための方法を学んだ『担当者』達に任せきりになっていた。
さとりには、唯一の肉親である、妹のこいしがいる。
だが、そのこいしはサードアイを閉ざして『覚り』の能力を捨ててから、無意識操作能力に目覚め、
さとりを含めた誰からも認識することをできなくする事ができるようになった。
こいしには放浪癖があり、いつも何処かへ出かけてはふらりと帰ってくる生活を送っていた。
地上との交流が再開された現在は、地上にも足を運ぶようになり、
ペットにしたいほどに気に入った黒白魔法使いと弾幕ごっこに勤しんでいるらしい。
そのせいか、最近、さとりはこいしの姿を見かけていない。
つまり、さとりは妹の世話すらやれないという事である。
いよいよもって、さとりのやる事は無くなっていった。
さとりが何もしなくても、させてもらえなくても、潤沢な資金は得られるし、組織運営も恙無く行なわれている。
額に汗して働く者から見れば、まるで夢のような生活。
しかし、さとりにしてみれば、これは見るべき夢の無い夢の生活であった。
「はぁ……、退屈ね……」
さとりはもう何度も読み返した、ラノベなる外界の陳腐な文庫本のページをパラパラとめくりながら挿絵だけを眺めていた。
ちらり。
さとりは机の上に置かれた時計に目をやったが、食事にもおやつにも中途半端な時間であった。
ふと、さとりは、最近こいしが自室に篭って何やらしていた事を思い出した。
「こいし……、なにやら楽しげな一人遊びをしていましたね……」
夜中、さとりがこいしの部屋の前を通りかかった時、明かりと陽気な音楽が聞こえてきたが……。
「確か、あれは外界の――」
「さとり様」
「ひゃっ!?」
物思いに耽っている時に声を掛けられ、さとりはビックリしてしまった。
「さ、さとり様、大丈夫ですか!?」
「うにゅ!? さとり様、どうしたんですか!?」
「あ……、お燐と、お空ですか」
さとりは、同様にビックリしたお燐とお空に慌てて取り繕った。
「べ、別に、ちょっと考え事をしていただけです」
ふうん、と、お燐もお空も納得したようだ。
「あ、ところで、さとり様」
「ん? 何ですか、お燐?」
お燐は、一抱えほどある無地の段ボール箱を愛用の猫車から取り出した。
「これ、黒白の友人の河童から預かった、こいし様のビデオゲームですが」
思い出した。
こいしが一人で遊んでいた玩具。
映像装置と繋いで、一人で、或いは遠方の者と遊ぶことができる機械。
河童が外界の式神を参考に開発した、幻想郷の技術の結晶。
電源と通信回線が必要なため、それらを配備している有力者しか使えない、贅沢な娯楽。
「さとり様、これで遊んでみます?」
「え?」
お燐からの提案に、キョトンとするさとり。
「さとり様、最近お暇なようですし」
「うにゅ」
お燐やお空からも、さとりは暇なように見られているようだ。
地霊殿当主として、これは威厳にかかわることである。
だが、これは事実だから仕様が無い。
「ですが、これはこいしの――」
「大丈夫ですって。きっとこいし様も喜ばれますよ」
「うにゅうにゅ。こいし様、さとり様が大好きだから、許してくれると思いますよ〜」
二人がこいしの名を出して勧め、さとり自身も幻想郷最先端の遊戯に興味があったので、挑戦してみることにした。
「――そこまで言うなら、ちょっと遊んでみましょうか」
さとりの返事に二人は嬉しそうにしながら、さとりの机上にゲーム機とモニタを設置し始めた。
配線を終え、ゲーム機に光る円盤や樹脂製の小片を差し込み、電源を入れた。
ブゥン。
低い唸りを上げて、ゲーム機は起動し、モニタに何やら設定画面らしきものが表示された。
そのあたりのことは良く分からないので、全部お燐にやってもらった。
八雲紫から支給されたパソコンと同じようなキーボードとマウス、それにボタンのたくさんついたゲームパッドで操作するそうである。
「……難しそうね」
ボタンだらけの操作機器にげんなりしたさとりであった。
「慣れれば苦にならないと思いますよ。多分」
「にゅ〜、うにゅにはちょっと無理っぽそうですけど〜」
何事も経験だ。
さとりは思い直し、萎えかけたやる気を奮い起こした。
「まだ試作品とかで、ゲームはこの……冒険ゲームだけですけど」
画面には、
『Seek HEX 101 Cut!!』
という、タイトルらしき文字が表示された。
「基本操作はパッドで、他の人との会話やウィンドウ操作はキーボードやマウスを使うそうです。
詳しくは取説を読んでください」
簡素な取扱説明書を箱から取り出してさとりの側に置きながら、お燐はそう説明した。
「ありがとう、じゃあ、やってみますね」
「それじゃ、あたい達は仕事に戻りますね」
「うにゅ、さとり様、ばいばい〜」
ゲーム機のセットアップをしてくれたお燐と、彼女の助手に徹したお空は、手を振りながら部屋を出て行った。
さとりは改めてゲーム機の画面に向き合うと、両手の指をワキワキとうごめかせた。
じゃあ、いっちょ、やってみますか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこは、0〜Fの16進数で構成された電子の世界であった。
血湧き肉躍る広大な空間で、数多の冒険者達はその持てる技術を駆使して、様々な冒険に挑戦する。
……という設定らしい。
テキストが下から上にスクロールするのみのデモ画面をさとりは律儀に全て読み、とりあえず世界観は理解した。
ゲーム開始を選択すると、最初に自機キャラ(アバターというらしい)の作成を行なうことになった。
さとりは色々と考え、SF風にアレンジされた白い甲冑に身を包んだ戦士を作成した。
名前は、『White Knight』。
さとりは外界の経済紙に載っていた用語をなんとなく思い出し、このキャラを生み出した。
さとりの分身である『White Knight』は、酒場のマスターや道往く人達のアドバイスに従い、
なけなしの金で初期装備に不足分の装備を追加し、医薬品を購入した。
準備は万端、とは言えないが整った。
さとりは震える手で、いくつかの選択可能なクエストの中から最も簡単な物を選択した。
『White Knight』は、平和な町から危険に満ちた空間に転送された。
栄えある最初のクエストは、森の中で指定されたアイテムを一定数拾ってくるという物であった。
結果は――、見事に失敗した。
レベル1の『White Knight』にとっても雑魚である、低レベルの敵モンスターに棒立ち状態のまま倒されてしまったのだ。
開始地点に戻された『White Knight』は、再び先程のクエストに挑戦した。
さとりは取説の戦闘時の操作方法が記されたページを開いたままにして、敵との遭遇に備えた。
早速、雑魚敵が現れたので、さとりは『White Knight』を操作して攻撃を開始した。
かなりの手傷を負いながら、『White Knight』は敵を屠ることができた。
さとりのパッドを操作しながらの掛け声やオーバーアクションは、
生憎と『White Knight』の行動には反映されないようだ。
初めて『White Knight』が獲得した僅かな金と経験値に、さとりはにんまりと微笑んだ。
ようやく始めてのクエストを完遂した時には、夕食時になっていた。
今日は、というか今日も、さとり一人きりの食事なので、冷や飯をお茶漬けにして漬物と一緒にかっ込み、
軽くシャワーを済ませた後、さとりはいそいそとゲーム機の前に戻ってきた。
次のクエストの始まりだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『White Knight』はいっぱしの冒険者に成長した。
『彼』にも冒険者仲間ができ、しばしば一緒に冒険に出かけた。
技巧派の斥候兵『Rainbow Six』。
気は優しくて力持ちの凶戦士『Purple Bear』。
口八丁手八丁のプレイボーイな魔術師『Copper Head』。
彼らは道中馬鹿を言い合いながら、和気藹々とクエストをクリアしていった。
村を苦しめる盗賊団を血祭りに上げ、
邪教のカルトの教祖と信者全員を虐殺し、
魔物の巣食う洞窟に毒ガスを流し込み、
連続殺人事件の真犯人である未亡人を輪姦して、
それから――、
それから――、
とにかく、毎日がやりたい放題の充実した日々であった。
仮想空間上の話ではあるが。
「こんちわ〜。博麗の巫女の視察よ〜。さとり〜、いる〜?」
地霊殿に、博麗霊夢が遊びにやってきた。
応対に出たお燐と共に霊夢はさとりの部屋にノックの後に入ったが、
「うげ!? あんた、何やってんの?」
荒んださとりの様子に仰天した。
「最近、さとり様はすっかり変わられてしまいました」
お燐は霊夢にそういった。
さとりの部屋は別に荒れ果ててはいない。
むしろ、机の周り以外は片付いているくらいである。
まるで、机周辺以外には足を踏み入れていないようであった。
ベッドなど、シーツがピンと張られていて、使われた形跡が無い。
食事は偶に手の開いたお燐が差し入れているが、それ以外の時はインスタントやバランス栄養食や菓子で済ませているのだとか。
それを証明するかのように、唯一荒れ果てている机の上やその周りに空の容器や空き缶、空き瓶が散らばっている。
肝心のさとりであるが、ぼさぼさの髪にかさかさの肌、三つの目に隈を浮かべて、
キーボードやゲームパッドを操作しながら、画面内の白騎士のケツを食い入るように見つめている。
「ちょっと、さとり、大丈夫?」
霊夢の問いに、さとりは答えない。
「お客様が来てんだから、茶の一杯も淹れなさいよ」
こんな状況でも厚かましい霊夢の物言いに、キーボードを素早く叩き、『お友達』との『会話』に忙しいさとりは、
三つの目を画面から逸らすことすらせずに部屋の隅を親指で指し示した。
そこには小型の冷蔵庫があり、中にはコーラの瓶がぎっしり詰まっていた。
ぷしゅ。
ごくごく。
霊夢は一本頂戴して、ひとまず喉を潤した。
「例のアレ?」
「ええ、あんなにドハマりするとは思わなかったにゃ〜」
霊夢とお燐は、画面以外に視線を向けることをしないさとりを、呆れ半分、蔑み半分でしばらく眺めていた。
さとりを見るのに飽きた二人は、それぞれの仕事に戻っていった。
さとりは画面を見ながら、へらりと笑った。
『White Knight』に『お友達』が卑猥なジョークを言ったようだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
楽しい時間が終わろうとしていた。
ゲームに用意された256のクエストを、『White Knight』は全てクリアしたのだ。
「終わった……」
『White Knight』の言葉に感慨は無かった。
ただただ、空しさしかなかった。
「まだ終わってないぜ」
『Rainbow Six』が言った。
「え!?」
「最後のクエストがあるって事だよ」
『Purple Bear』が言った。
「わくわくドキドキが詰まったパイは細かく切り分けられ、皆で仲良く平らげたが、
最後の一切れ、257番目の取って置きがあるのさ」
『Copper Head』が言った。
さとりは慌ててクエスト依頼画面を表示した。
256のクエストは全て『Complete』になっているが――、
リストの最後に、257番目のクエスト『業の王との一騎打ち!!』が追加されていた!!
そうか!!
さとりは合点がいった。
このゲームのタイトル『Seek HEX 101 Cut!!』とは、
16進数の101は10進数の257、
――つまり『257番目の切片を探し出せ!!』という意味だったのか!!
『Copper Head』のパイの例えは上手いと思った。
「じゃあ、頑張れ!!」
「行って来い!!」
「お前ならできるさ!!」
三人の友は『White Knight』に声援を送ってきた。
「どういうことだ?」
皆でクエストに挑もうと思っていた『White Knight』は疑問を投げかけた。
「こいつは、正義の騎士様しか挑戦できないのさ」
「俺様みたいな業の深いジョブじゃ駄目なんだよ」
「『White Knight』!! 見事、王の首を挙げてみせろ!!」
ぐすっ。
『White Knight』――さとりは、涙ぐんでしまった。
「みんな……、有難う。今まで楽しかったよ」
「何言ってんだ、今生の別れじゃあるまいし」
「俺達、いつまでも一緒だよ」
「嫌がっても、首に縄つけて引っ張ってやるぜ!!」
そうだ、私は一人ではない。
三人の仲間達と一緒だ。
いつまでも。
『White Knight』は、最後のクエストを受けた!!
「行ってきます!!」
「おう!!」
「お前の雄姿、見させてもらうよ!!」
「クエストをコンプリートしたらパーティーだ!!」
『White Knight』は一人、決戦の場に転送されていった。
最後のパイだ。
味わって食うことにしよう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここか……」
『White Knight』は、広大な大広間に来ていた。
磨き上げられた床。
天井には広間全体を照らし出している、宇宙人の宇宙船と見間違うような、大きなシャンデリア。
壁には無数の鏡がはめ込まれており、広間がより広く見えた。
大勢の紳士、淑女がダンスパーティーを行なえそうな空間。
だが、ここで行われるのは、
白き騎士と、
彼の眼前に佇む黒き王との、
殺し合いである。
最初に動いたのは、業の王であった。
『White Knight』から距離を取ろうとした。
させるかっ!!
『White Knight』は王を追撃した。
繰り出した光の剣は、僅かに王に届かない。
業の王は軽やかに『White Knight』の攻撃を悉く回避した!!
くそっ!!
何とか王に肉薄して繰り出した、当たれば大ダメージを与えられる溜め攻撃も避けられた!!
たたらを踏んだ『White Knight』に、王が弾幕を放ってきた。
ぐっ!!
『White Knight』は広範囲にばら撒かれた弾幕を避けられなかった。
一発は微々たる物だが、数発も喰らえば無視できないダメージを被る。
『White Knight』はそうやってダメージを受け続け、
気が付けば、ライフが三分の一ほど減っていた。
やむを得ず、『White Knight』は回復薬を使用した。
ライフは全回復した。
回復薬はまだ余裕があるが、こうやって持久戦に持ち込まれると、いずれ尽きるだろう。
『White Knight』は、左手の盾に内蔵されたミサイル・ランチャーの準備をした。
直撃をしなくても着弾地点から広範囲に被害を与えることができる。
だが、先程使用した時、業の王は易々と爆風から逃れた。
ミサイルの残りは一発。
よし。
『White Knight』は、壁際を素早く移動して翻弄する業の王を広間の中央に追い立てた。
広間には遮蔽物は無い。
広間の角に陣取った『White Knight』は、最後のミサイルを発射した。
ミサイルは狙い過たず、
広間の天井にぶら下がった、
シャンデリアの基部に命中した。
轟音を立てて落下するシャンデリア。
巨大なシャンデリアは床に叩きつけられ、照明器具としての役目を終えた。
その瞬間、
シャンデリアだった物に、
無数のガラスの破片を撒き散らす、兵器としての役目が与えられた。
『White Knight』は、広間の角で防御姿勢をとっていた。
かんっ!! かんっ!!
ガラス片が『White Knight』の甲冑に、盾に甲高い音を立てて当たり、砕けた。
静まり、薄暗くなった広間を、『White Knight』は見渡した。
業の王がいた。
やった!!
王の移動速度が目に見えて落ちている!!
破片のシャワーは、王に少なからずダメージを与えたようだ。
『White Knight』は盾をパージして、両手で剣をつかみ、王に切りかかった。
おおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!
雄たけびを上げて『White Knight』は王に剣を振るった!!
ざくっ!!
手ごたえ有り!!
『White Knight』はさらに斬撃を繰り出した。
王は何とか致命傷は避けたが、浅手をいくつか受けた。
王は弾幕を撒き散らしたが、弾数が明らかに少ないし狙いも外れている。
いける!!
『White Knight』は、回復薬で全回復をすると、助走をつけて業の王に体当たりをした!!
薄い弾幕を突破して、『White Knight』のタックルは王に決まった!!
王の身体は宙を舞い、鏡張りの壁に叩きつけられた。
これで王の動きが止まった。
『White Knight』は、業の王に止めをさすべく、蹲った王の前に歩を進めた。
左手で王の首をつかみ、『White Knight』は高々と王の身体を吊り上げた。
後はじわじわと左手に力を込めるだけである。
すると、業の王の身体に変化が起きた。
!?
画面を凝視していたさとりは仰天した。
「こいし!?」
『White Knight』が縊り殺そうとしている者。
さとりの唯一の肉親である、妹の古明地こいしであった。
体中にガラスの破片が刺さり、
体中に切り傷を作り、
いつも笑顔を湛えている顔は苦痛に歪んでいた。
「こいし!? どうして!? 何で!? どういうことなの!?」
さとりの動揺が伝わったのか、
『White Knight』は右手の剣を床に落とした。
「待って!! 今降ろすから!!」
さとりは『White Knight』を操作して、こいしを床に下ろした。
こいしは立っていられないのか、そのまま座り込んでしまった。
こいしは苦しそうに喘いでいる。
さとりは――『White Knight』はしゃがみこみ、こいしの顔を覗き込んだ。
かわいそうなこいし。
誰が、誰がこんなことを。
こいしはさとりの――『White Knight』の顔を覗き込んだ。
こいしは口を動かした。
おねえちゃん。
声は聞こえないが、確かに伝わった。
ああ、そういうことか。
さとりは気付いた。
このゲームを作った者の悪意を。
よくも私を騙したな。
さとりの顔は、怒りに歪んでいた。
こいしの背後の鏡。
そこには、
業の王が、
今まさに『White Knight』の首に禍々しい剣を横薙ぎにするところが映っていた。
『White Knight』はこいしの首を再びつかみ、吊り上げ、鏡に叩きつけた。
びしぃっ!!
鏡にひびが入り、こいしの姿は業の王に戻った。
『White Knight』は左手で王の首をつかんだまま、
瓶の蓋を開けるように、右手で頭をつかむとゆっくり回し始めた。
死ね!!
ごぎごぎごぎぃっ!!
首の骨が砕ける音。
なおも回し続ける。
死ねぇ!!
ぶちぶちぶちぃっ!!
首の筋肉がねじ切れる音。
なおも回し続ける。
死ねえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
ぶちぶち、ぶつんっ!!
遂に首が胴体から離れた。
やった……。
やった……。
いぃ、やっっったあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
『White Knight』は、業の王を討ち取った!!
首を高々と掲げ、凱歌をあげた!!
『White Knight』の身体は光に包まれた。
さあ、帰ろう。
友の待つ、町に帰ろう。
友と勝利の美酒を酌み交わそう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おかえり!!」
「おかえりなさい!!」
「すげぇや!! 遂にやったな!!」
三人の友が『White Knight』を取り囲み、最後のクエストをコンプリートした事を讃えた。
「ありがとう、これも君達のおかげだよ」
『White Knight』は皆に礼を言った。
「とんでもない!!」
『Rainbow Six』が言った。
「これは全て、君の功績だよ!!」
『Purple Bear』が言った。
「見事な戦いっぷりだったよ!! 感動した!!」
『Copper Head』が言った。
『White Knight』は感激していた。
素晴らしい仲間に恵まれた。
だが――。
「これで、お別れだね」
『White Knight』は残念そうに言った。
「何言ってんだよ?」
『Rainbow Six』が言った。
「僕達は友達さ」
『Purple Bear』が言った。
「今後も宜しくな」
『Copper Head』が言った。
みんな……。
さとりは感激していた。
画面が暗転、エンディングが始まった。
涙で見えなくなりそうだったので、さとりは手で両目を、ティッシュでサードアイを拭った。
エンディングのムービーは、とてもリアルな物だった。
轟音の後、もうもうと立ち込める粉塵の中、疾駆する『White Knight』の雄姿!!
光り輝く剣を敵に振り下ろす『White Knight』!!
ざくっ!!
「ぎゃっ!!」
悲鳴を上げる小柄な体。
え?
業の王が、こいしに化けていた。
でも、
でもでも、
これはもっと後のほうではなかったか?
『White Knight』は、こいしに体当たりを仕掛けた。
「がっ!!」
こいしの体は床をバウンドして、壁に激突して止まった。
「う、うぅぅ……」
苦しそうに呻くこいしの首をつかみ、吊り上げる『White Knight』。
「ぐ、るじぃ……」
ふいに『White Knight』が剣を落とすと、こいしを床に下ろした。
「げほっ、ごほっ……」
苦しそうに咳き込むこいしを、しゃがんで心配そうに見つめる『White Knight』。
「……お姉ちゃん?」
ああ、こいしは、分かったのだ。
『White Knight』は、姉であるさとりだということに気付いたのだ。
何と麗しい姉妹愛!!
なのに、
『White Knight』は――さとりは、
こいしの首をねじ切り始めた。
止めて!!
「ぐがげげぎ!!」
ごぎごぎごぎぃっ!!
首の骨が砕ける音。
なおも回し続ける。
止めてぇ!!
「ぶ、が……」
ぶちぶちぶちぃっ!!
首の筋肉がねじ切れる音。
なおも回し続ける。
止めてえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
「……」
ぶちぶち、ぶつんっ!!
遂に首が胴体から離れた。
「ああああああああああっ!!!!!」
さとりは、
自分が座っていた椅子を振り下ろし、
ゲーム機をモニタごと、叩き壊した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さとり様」
さとりは幽鬼のような貌でゆらりと、声のしたほうを向いた。
「ゲームクリア記念の商品が届いています」
「うにゅ!! おめでとう、さとり様!!」
お燐とお空が笑みを讃えて立っていた。
お燐はリボンで口を縛った紙袋を持っていた。
玩具でも入っていそうなファンシーなパッケージ。
だが、下のほうが赤黒く染まっていて、同じ色をした液体を滴り落としているから、
中身はそんな夢のある物ではないだろう。
さとりはお燐から包みを受け取り、のろのろとリボンを解いた。
緑がかった灰色の毛むくじゃらな物が入っていた。
さとりは、のろのろと両手で中身をつかみ出した。
予想通りだった。
「あぁ……、こいし……」
さとりは服が汚れることもかまわず、
妹の頭を抱え込むと俯き、
その場に崩れるようにしゃがみこんでしまった。
「あの……、さとり様……」
お燐が恐る恐る声を掛けた。
「……何?」
「こんな時に申し訳ないのですが……」
お燐は少し言いよどんだが、きっぱり言った。
「今日限り、さとり様のペットを辞めさせて頂きます」
「うにゅも〜!!」
「……へ?」
涙でぐしゃぐしゃになった顔に呆けた表情を浮かべて、さとりは二人を見た。
二人とも、ニヤニヤと笑っていた。
「あたい、霊夢の飼い猫になることになったんで」
「うにゅは守矢の子になるの〜!!」
「え?? 何?? どういうことなの??」
さとりはこいしの首を抱えたまま、お燐とお空の顔を交互に見た。
「言葉の意味のままですが、さとり様」
「うにゅ〜? さとり様、馬鹿になっちゃった?」
何? 何考えているのだ、二人は?
さとりは、ここではたと気付いてしまった。
二人の考えが、分からない。
さとりの『心を読む程度の能力』は常時発動している、筈である。
だが、全く、二人の心が読めない。
何時から?
!!
お燐とお空が、
あのゲーム機を持ってきた時から……!!
「やっと気付いたみたいね」
「がっ!?」
振り向いた途端、さとりは動きを封じられてしまった。
「な、何故……、です、か……」
それでも、こいしの頭を抱きかかえたまま、
さとりは相手を見据えた。
「何故ですか……、霊夢っ……!!」
楽園の素敵な巫女、博麗霊夢は腕を組み、薄ら笑いを浮かべながら、さとりの疑問に答えてやった。
「あんたの妹の行動、地上じゃ問題になってんのよ。知らないの?
窃盗、暴行、器物破損、その他色々!!」
知るわけないか〜、と霊夢は続けた。
「幻想郷の各勢力の代表を集めて話し合ったのよ、あんた達の処遇」
さとりは、最近の幻想郷の情勢に疎かった。
実務も付き合いもお燐達に任せきりだったから、当然だ。
「それでも地霊殿、いいえ、古明地姉妹を庇ってくれる者もいたのよ。でも――」
霊夢は部屋の入り口を見た。
さとりも同じほうに何とか目を向けた。
からからから……。
四人の少女が入ってきた。
そのうちの一人は、車椅子に座っていた。
「よう、親友!!」
『Rainbow Six』こと、アリス・マーガトロイドが言った。
「会えて、僕、嬉しいぜ」
『Purple Bear』こと、パチュリー・ノーレッジが言った。
「パーティーに招待しに来たぜ、『White Knight』!!」
『Copper Head』こと、河城にとりが言った。
「あ、あうあう……」
車椅子に座った普通の魔法使い、霧雨魔理沙は、うめき声を上げながら、涎を垂らしていた。
「魔理沙、さん……?」
「そう、魔理沙よ。これ、あんたの妹がヤッたのよ」
「こいし、が……?」
霊夢は、さとりの襟首を捻り上げ、口付けできそうなくらいの至近で睨みつけた。
「そうよ!! あんたのクソ妹が、魔理沙を壊したのよ!!」
「そんな……」
「本当よ!! 私、魔理沙とこいしの弾幕ごっこを見ていたから!!
魔理沙が負けて、こいしに連れて行かれたところを見ていたから!!」
アリスが叫んだ!!
「むきゅ!! 妹様から聞いたわよ!! こいしが魔理沙をペットにしたってね!!
アリスの話もあって、嫌な予感がしたのよ!! むきゅむきゅ!!」
パチュリーが、魔理沙とこいしの共通の友人であるフランドール・スカーレットの発言を披露した。
「心配した二人と一緒に魔理沙を探して……、ようやく山の中の小屋で見つけたよ……。
その時、魔理沙は、もう……、ひゅい〜、生きていたのが不思議なくらいだったよ……」
にとりが、ぼそぼそと、感情を押し殺して言った。
「これで、あんた達の処遇は決まったのよ!!
敗者から自由を無期限で奪い、重篤な障害を与えたスペルカード・ルール違反!!
幻想郷じゃ大罪よ、これ!!
さとり、何他人事みたいな面してんのよ!!
イカれた妹を野放しにしたあんたも同罪よ!!」
霊夢は、親友を壊した者の共犯者を締め上げた。
心底嬉しそうな怒り顔だった。
私情を挟むことが許されない、絶対中立の博麗の巫女の立場で、公に友の敵を討てるのだから。
「古明地を潰すことが決まった後、お燐とお空を呼び出して、この事を話したわ。
最初は拒否したけれど、事情を話すと二人とも協力してくれることになったわよ。
その時にお察しの通り、あんたに心を読まれないように術を施したわ」
「にゃん。あたい達がこいし様の非道ぶりを散々御注進したのに、全然聞いてくれないんだから」
「にゅ!! うにゅ達が必死こいて働いているのに、さとり様ったらお小言ばかり」
「このように、あんたの忠実なペット達は、一皮剥けばあんた達を嫌っていたって、わ・け」
「そ……、そんな……」
さとりの絶望する様を、楽しそうに見物する一堂。
「どうだった、私達の共同制作したゲームは?」
にとりが、彼女達三人が作り上げたゲームの感想をさとりに求めた。
「途中で気付くかと思ったわ」
「むきゅ、気付いたら、少なくとも貴方は助かったのにね」
アリスとパチュリーが、妙なことを言った。
「な、何の、事……?」
「業の王」
アリスが最後のクエストに登場した敵の名を言った。
「むきゅん、業の王を英語で言うと『King of Karma』……」
「おまえの妹、古明地こいしのイニシャル『K.K』にかけたのさ」
パチュリーとにとりが解説した。
「でも、何だったのかしら、あれ?」
「む、きゅ……、こいしの『無意識を操る程度の能力』が、ゲームのプログラムに干渉したとしか……」
「ひゅい〜、まさかゲームのキャラデータに自分を投影するとは……」
あの時、『White Knight』の目の前でこいしに姿を変えた業の王。
あれは、一瞬の奇跡。
こいしは、さとりに戦っている相手の真の姿を見せたのだ。
「だけど、流石に鏡のデータまでは改変できなかったようだけれどね」
げらげら。
三人は笑った。
こいしの詰めの甘さを。
さとりが奇跡を無駄にしたことを。
さとり自身も、己の愚かさを笑いたい気分であった。
「それにゲームのタイトル。あれ、アナグラムになってたのよ」
アリスが酷薄そうな笑みを浮かべながら言った。
「『Seek HEX 101 Cut!!』って、隠しクエストの他に、もう一つ意味があるのよ、むきゅん」
パチュリーが得意げに言った。
「『101』はイチゼロイチではなく、『IOI』――アルファベットのアイオーアイとするのさ」
にとりは感情を出さずに言った。
「『SEEKHEXIOICUT!!』、これの順番を変えると――」
「『EXECUTEKOISHI!!』、『Execute Koishi!!』となるのよ。むきゅ」
「つまり、『こいしを処刑しろ!!』となるのさ。楽しかったかい、妹の処刑ゲームは?」
こいしのゲーム。
こいしが遊ぶゲームではなく、
こいしで遊ぶゲームだった。
「あ、あ、あぁ……、ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
さとりは泣き崩れてしまった。
いや〜、こいしをとっ捕まえるのは骨だったわよ。
私の白騎士人形、良くできてたでしょ?
むきゅ、私がプログラムしたゲーム、バグ無かった?
ひゅい〜、外界の式神の構造の勉強になったよ。
さとりの耳には、最早何も聞こえてこなかった。
「さて、お次はあんたの番よ、さとり」
霊夢は、号泣していてこちらの言うことなど聞いていないであろう、さとりに向けて、ぼそりと言った。
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地霊殿は解体された。
従来の地霊殿の業務は、お燐やお空といった優秀な元ペット達が引き継いだ。
古明地姉妹がいなくなっても、何の不都合も無かった。
さとりに与えられた罰は、妹を地霊殿当主自ら誅した功績により、温情に満ちたものであった。
さとりは、霧雨魔理沙の介護を命じられた。
刑の期限は、魔理沙が回復するまで。
「あ、あうぅ……」
魔理沙がうめき声を発した。
さとりが動くよりも早く、台所でお菓子を作っていたアリスが走ってきて、さとりを蹴り上げた。
げしっ!!
「くっ!!」
「さとり、魔理沙がしたみたいよ!! 早くなさい!!」
「……はい」
痣だらけの裸身を晒しながら、
鎖つきの首輪をつけたさとりは、
四つんばいでベッドに寝たきりの魔理沙の元に向かった。
布団を捲り上げ、
パジャマのズボンを下ろし、
魔理沙からおむつを脱がした。
「きゃっきゃっ」
さとりが舌で魔理沙の股間を清めると、魔理沙は嬉しそうにはしゃいだ。
「むきゅっ!! 何、魔理沙にセクハラしてんのよ!!」
ばしっ!!
「っ!!」
魔理沙の側にいたパチュリーは、読んでいた本で魔理沙の頭をはたいた。
両手で持って振り下ろされた本は、かなり分厚かった。
魔理沙に新しいおむつをはかせ、使用済みの物は丸めると口に銜え、表の井戸端に運んだ。
井戸端に置いてあった、洗い物を入れた篭がひっくり返っていた。
「洗濯物が散らばっているぞ。とっとと拾って洗え」
「はい……」
洗濯物を踏みにじっていたにとりに、さとりはそう返事することしかできなかった。
「う……、ありす……」
「え!?」
「ぱちゅりー」
「むきゅ!?」
「にとりぃ」
「ひゅい!?」
魔理沙の家は歓声に包まれた。
井戸端で黙々と洗濯をしているさとりの元にも、喜びの思考が伝わってきた。
普段、憎悪しか向けられることの無かったさとりも、久しぶりに暖かい気持ちになった。
もうすぐ、さとりは開放される。
魔理沙が回復したら、
さとりは、殺される。
魔理沙の心と体の傷が癒えるにつれ、
アリス、パチュリー、にとりの三人は、
さとりを始末することを具体的に考え始めていた。
もうすぐ。
もうすぐ、こいしにあの世で詫びることができる。
白騎士が正義の名の元に、さとりを成敗する日も、近い。
今回のお話は、直接の戦闘能力は低いさとりが仮想空間で活躍して、現実世界の悪を成敗する話です。
2011年6月7日(火):ちょっと、さとりをいぢめ過ぎたかな? 厳しいご意見、頂戴いたしました。
と言うわけで、コメントの返答です。
>1様
少々説明不足でしたね。
こいしが無意識を免罪符に、地上で好き勝手しているのに、さとりは何もしないことに、皆、苦々しく思っていたのです。
そして遂にこいしが魔理沙を……。
>2様
私、人の自由を奪う行為が大嫌いであり、そういう輩に地獄を見せるのが大好きです。
>3様
ゲームのタイトルを適当に思いついたら、アナグラムになりました。
>4様
人付き合いが苦手なさとりだったらハマりそうだな〜と思って。
>5様
もし、さとりの視野がもっと広かったら、この悲劇は起きなかったかも。
アナグラム、こんなにウケるとは思いませんでした。
>6様
さとりとネットの相性は抜群な様で。
さとりは魔理沙王子とダンスをすることはありません。
その前に、カボチャの馬車ならぬ、死神の渡し舟に乗るでしょうから。
>7様
別にさとりに恨みがあるわけではないんですけどね。
>8様
そこまでさとりが悲劇のどん底に堕ちるとは……。
本当に、さとりが嫌いというわけではないんですよ。
>9様
各方面に親交がある魔理沙という人間は、正義のための犠牲にもってこいですね。
>ヨーグルト様
こいしの処刑ゲームを使った陰謀に嵌められたさとりでした。
現在、また戦闘描写がある作品を執筆中ですので、お楽しみに。
2011年8月23日(火):遅ればせながらコメントの返答を追加いたしました。
>11様
コメント有難うございました。
原作ではこいしの言動に改善の兆しがありましたが、
この作品では、無邪気に非道を行なっている危険人物ですので、
唯一の肉親に処刑されるという屈辱を味わっていただきました。
NutsIn先任曹長
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/22 02:58:42
更新日時:
2011/08/23 01:19:27
分類
さとり
こいし
お燐
お空
魔理沙
アリス
パチュリー
にとり
霊夢
ゲーム内でのさとりの活躍
こいしが本編に登場してるのかどうかもわからんくらいあっさり処理されてたり
さとりの行動が全体的に極端過ぎるのは産廃だから仕方ないってところでしょうか。
定期的に視察したり仕事熱心そうな霊夢はよかった、と思ったが終盤の展開を見ると
ただ魔理沙の敵の有様を見たかっただけなのか?
もっと理不尽なのが……と思ったけどそれはいつもの霊夢シリーズか。
あぁ、悲しき古明地姉妹!何て愚かなんだろう。可愛いなあ。
こいしを処刑しろ!
↑米にも挙げられていますが、アナグラムには圧巻。
凄い、としか言いようがない。
しかし、サードアイを持つ、さとりにとって
媒体越しの交流はどれほどかけがえないものだったのか
それを考えてしまうと同情してしまう。
最後に介護しているさとりは、不覚にもシンデレラを彷彿させられた。
ということは、魔理沙は王子様?
やたらと優遇されてるキャラとの差がありすぎなのはちょっと・・・
古明地姉妹の処分の理由なんて完全に後付けだし。単に悪役作りたかっただけじゃん。産廃とはいえ気分悪い
権力者が定めた悪者を成敗するだけの職業軍人だよ
やっぱり曹長様のは戦闘シーンが毎回迫力あって楽しいですよね。
こいしはフランや幽香の比にならん危険人物である以上
このぐらいされてもまだ足りないくらいだ
なんて考え方の奴もいるって事だけ作者様に伝えておきます
思わず読みふけってしまいました