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『おててはしっかりあらおうね』 作者: ただの屍
夕食後、レミリアは己の部屋の中の御手洗い場に居た。
食事中に納豆が手に付いてしまったのでその手を洗うためであった。
今でも手に納豆が付いたままという訳ではなくキチンと拭きとったのだがレミリアには手を洗わねばならない理由があった。
レミリアには潔癖症の気は無いのだが、手に付いた汚れだけはどうしても一度洗わないと気が済まない性質であった。そのままでは落ち着けなかった。その行為は決して合理に基づく行為ではなく、ある種の強迫観念であった。だからレミリアは絶対に手を洗わなければならなかった。
もしかしたら、「レミリアは吸血鬼なのに手を洗うの?」とお思いになるかもしれないがハッキリ言ってそんな事はどうでもいい事である。
レミリアは吸血鬼でもあるが少女でもある。少女が自分の手を洗う事は何も不思議な事ではない。
少女レミリアは白く細く美しい少女の手で水栓を優しく捻った。
蛇口の下に両掌を合わせて水が出てくるのを待ったが、水は一向に出てこなかった。
あれ、とレミリアが思い始めた時。ごぼっと一度音を立てて、それからごぼごぼっと大きな音を立てて黄緑色の液体が蛇口から出てきてレミリアの両手を覆った。その液体はレミリアの手首から爪の先までを取り囲んだ。レミリアは両手を軽く左右に振ったが液体は離れようとはしなかった。それは強い粘着力があって、そして意思のようなものが感じられた。レミリアが両手を引き離そうとすると液体とは思えない力で抵抗してくるのだ。
(これは一体何? 生物? スライム?)
その問いの答えの欠片が激痛とともにもたらされた。強酸の液体に手を突っ込んだような痛みがレミリアを襲った。
「あ……ぐ………うううっ」
その液体はレミリアの両手の皮膚が剥がし、食べていく。切り取って飾っておきたくなるような美しさを放っていたレミリアの両手は、今や獣に食い荒らされたようなぼろぼろで惨めな姿に変わり始めていた。
「いぎ………あ……はっ……」
その液体はレミリアの血を吸って己を真っ赤に染め上げていく。
「たっ………ぎ……がっ………」
液体は余す所なく血に染まった。腹から漏れたのであろうレミリアの血がぽたぽたと零れて床を汚していく。
「はぁ………はぁ………」
点の汚れが面へと成長する。レミリアは手の筋肉を噛み千切られ、己の骨を見る羽目になった。自然と涙がこぼれ出て血の海の上に川を作った。
この時、レミリアはやられっぱなしの状況に対して怒りが芽生えた。
(このっ、離れろっ)
レミリアは両手を力の限りに振って反撃した。手首がぶちりと千切れて液体ごとべちゃりと血に落ちた。すぐに液体が地に落ちた両手の断面を覆い隠す。
レミリアはその様子を見下ろしながら液体を靴で踏みつけた。
(そんなに食事が好きならこうしてやる)
右足で自分の元両手をぐりぐりと踏み砕き、液体と混ぜ合わせる。更に、骨を粉にして液体に食べさせた。
「ふんっ」
レミリアは足の甲で液体を容赦なく蹴りぬいた。勢いよく飛んだそれは壁にぶつかり、真っ赤な液体を部屋にぶちまけた。それを見たレミリアは満足気な表情を浮かべた。
「咲夜ッ!」
レミリアはメイド長の名を呼んだ。
「はい、お嬢様」
瞬く間に咲夜がレミリアの目の前に現れた。
「あなたも既に見たと思うけどアレは私が処理するから」
レミリアは吸血鬼の口調でそう言った。涙はとっくに引っ込んでいた。いつからだろうか、レミリアは吸血鬼の空気を震わせ、吸血鬼の雰囲気を従わせていた。吸血鬼ならば両手なんぞは一夜で元通りになるだろう。
吸血鬼レミリアは吸血鬼の笑顔で咲夜に命令した。
「あなたは水栓を閉めて頂戴」
俺:おててをしっかりあらわないわるいこどものところには、れみりあおばけがりょうてをうばいにくるんだよ
近所のガキ共:ぎゃーーーーー!(泣き叫ぶガキ、急いで手を洗いに行くガキ、両手を必死に隠すガキ、悪ふざけをして隣のガキをからかうガキ)
近所のガキ共:ぎゃーーーーー!(失神するガキ、発狂するガキ、己の首を絞めるガキ、体中を掻き毟るガキ)
俺:(その様子を見てにんまりとする)
ただの屍
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/24 11:52:13
更新日時:
2011/05/24 20:52:13
分類
れみりあ
やがて幻想郷中の人妖を大勢食って巨大化し、何とかチルノが凍らせて粉々にして氷室に隔離した事で収束した、
と思ったら、誰かがそいつを一片、瓶詰めにして隠していたりして……。
てなところまで妄想しました。
吸血鬼の威厳を以って従者に命令したことは、問題の根本の解決、という意味か。
子供にパニックをもたらす悪いお兄さんは、おじさんのドラグノフSVDでおつむをて〜〜〜〜〜ん、だ!!
…的な流れを妄想した。タイトルだけで。
でもその予想を(色々な意味で)斜めに行った作品だった。Nice!