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『永遠のアリス』 作者: 零雨
最近誰かに見られているような気がする。
そんなことを思うようになったのはつい最近のことだ。
最初は気のせいかと思っていた。
しかし、自分の家の家具や本の位置が少しずれたりし始めてから、おかしいと思うようになった。
つい最近にも私の人形が寝る前とは違う位置に移動していた。
私が指示したわけではない。
さすがに恐ろしく感じた私は寝る前に人形に自宅の周囲を見張らせているのだが、
相変わらず奇妙な現象は続いた。
そして私は同じ魔法使いである、霧雨魔理沙に私の護衛を依頼した。
そして、今に至る……。
コンコン、と玄関をノックする音が聞こえる。
昨日依頼した件で魔理沙が来てくれたのだろうと思い、ドアを開けた。
「おう、アリス。魔理沙様が来てやったぜ。」
魔理沙が笑顔で言う。
「今日は頼むわよ、魔理沙。私は最近まともに寝れてないのよ。」
私がため息をつきながら言うと、
「もちろんだ。この私に任せなさい。で、当然お礼も用意してくれてるんだろうな?」
私の本を横目で見ながら魔理沙が言う。
「分かってるわよ。1週間なにもなく過ごせれば、私の本を1冊あげるわ。」
「おお、了解したぜ。1週間、快適な睡眠を提供してやるぜ。」
「じゃあ今夜から頼むわよ。念のために上海を一緒につれていってね。」
「シャンハーイ」
「よし、一緒に頑張ろうぜ、上海。」
「ガンバル」
「まあ、夜までゆっくりくつろいでいいわ。頼むわよ、魔理沙。」
そして、夜になった。
激しい轟音で私は叩き起こされた。
外で、光が迸った。
「うわああぁぁぁああぁあああ!!」
「魔理沙!?」
悲鳴が聞こえて、あわてて外に飛び出した。
そこで私が見たものは、
おなかを貫かれた魔理沙と、血塗れの上海人形。
「上海……!?」
私が思わずつぶやくと、上海はこちらにクルリと振り向いた。
顔に笑みを貼りつかせて。
「アリスー。マリサイラナイ。ワタシダケデジュウブン。」
上海は私が指示もしていないのに喋り出した。
「ワタシ、マイニチミハッテタ。アリスノコトヲミハッテタ。アリスヲマモル。」
私はショックで声が出なくった。
上海に自我が芽生えただけでなく、私を安心させようとしていたこと。
そして、それを勘違いして魔理沙を死なせてしまったということ。
上海がほほ笑みながら近づいてきた。
「ワタシ、アリスヲマモルネ。モウ、ニンギョウモアヤツレルヨ。」
そう言って、指を鳴らすと、私の人形たちが、自宅から飛んできた。
「アンシンシテネ、アリス。ワタシガマモッテアゲルカラ。」
狂気に満ちた瞳で上海がそう言った。
私はこれから安心という名の牢獄に入れられてしまうのだろう。
まさか、こんなことになるとは思ってもいなかった。
もう、私の役目はないだろう。私が死ねば、上海がすべてを仕切るようになるだろう。
そして、人形遣いは永遠に続いていくだろう……。
私はそこまで考え、意識を手放した……。
7作目。アリスと人形のお話
月日の流れは早いもので、気がつけば初投稿から1カ月です。
これからも、ゆっくりと書いていくので、よろしくお願いします。
零雨
- 作品情報
- 作品集:
- 26
- 投稿日時:
- 2011/06/14 12:06:33
- 更新日時:
- 2011/06/14 21:06:33
- 分類
- アリス
- 魔理沙
- 上海人形
人の形をした化け物を作っちまいましたか。
アリス、呆けていないでとっとと手前のケツを拭いやがれ!!
人形遣いを名乗る人形など、
万人に慕われる名君くらいにありえない。
私は初投稿から……、まだ九ヶ月か。まだまだです。