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『幻想郷の少女たちの忌むべき悪習』 作者: イル・プリンチベ
―0― 未成年の人間の少女たちと妖怪達がアルコールを大量摂取した事でもたらす悪影響
今も昔も幻想郷の少女たちにとって、弾幕ごっことアルコールは切っても切れない関係である。毎月行われる恒例の宴会の博麗神社で、大小問わず異変解決後の屋台や居酒屋で、少女たちは焼酎と清酒と葡萄酒を煽っているのだ。
未成年である彼女達の飲酒をする習慣は、今なおも幻想郷の弾幕少女の証しとして定着している忌むべき悪習でありおそらく今後も変わらないものだろう。
幻想郷には酒が大好きな少女と酒が手放せないアルコール依存症の少女がいる。決まって酒の旨味を知って大好きになれば、必ず酒が手放せないアルコール中毒になってしまう。
有名な弾幕少女であればその多くがアルコール依存症で、博麗霊夢に霧雨魔理沙、魂魄妖夢あたりが代表的な顔ぶれで、強大な力を持つ妖怪の八雲紫や伊吹萃香や星熊勇儀も例外ではないのだ。
「酒が飲めなきゃ幻想郷でやっていけない」と言わんばかりに博麗神社で定期的に行われる人間と妖怪ともに入り乱れた宴会は、恐ろしい事に11日連続で行われることもあるのだが、皆二日酔いでアルコールが抜けきっていないのにも関わらず、“帰り酒”や“煽り酒”や“一気飲み”なんかに走ってしまうのだ。
幻想郷の弾幕少女に禁酒や禁煙を命じても、彼女達は「酒は百薬の長、タバコは精神安定剤じゃないの」と言って決してそれを止めようとはしない。一人でも必ず何かと理由をつけてアルコールと煙草を摂取しようとするのに、幻想郷の弾幕少女が二人以上いれば必ず小さな宴会が行われ、彼女達を23名同じ場所に1カ月以上閉じ込めておくと毎日乱交パーティが行われ誰であれ制御不可能になってしまうのだ。
そもそも外界と違って幻想郷には娯楽らしいものが少なく、日々の鬱憤を晴らすためにどうしても飲酒という手段を取らざるを得なくなることに問題がある。
なぜなら幻想郷の少女たちは、アルコール依存症かセックス依存症のどちらかに走ってしまう傾向にあり、セックスをするにも避妊するという意識が希薄なため未成年者の妊娠や出産も日常茶飯事だという深刻な社会問題を抱えている。
話をアルコール依存症関係に戻すが、アルコールを摂取することによって脱水症状を起こし、1リットルのビールを飲めば1.3リットルの水分を排尿により失われる。若く健康な肉体をもち、しっかり睡眠を取った翌朝、水やお茶を飲んで失った水分を補給すれば彼女達は身体の異常を感じないのだ。
しかし、激しい痛飲を長年しすぎてしまうと、気づかないうちに重大で深刻な問題をその身体に引き起こしてしまう。何より体重が増加することは避けて通れない。特にテクニカルかつ繊細な弾幕使いや無駄な動きをなくそうとする弾幕使いだったら、二度とスペルカード戦を挑めない位の命取りになってしまう。これは妖怪も例外ではないのだ。
そして何よりもスピードとスタミナが著しくダウンすることは明白なので、長期戦や連戦に耐えきれなくなり余計な弾幕に被弾しやすくなるのだ。長年生きた大酒飲みの妖怪は、例外なく肉体の劣化という形でパフォーマンスを落とすことで、自分の肉体が衰えた事を悟ると精神を病みそのまま死んでしまうのだから。
とある鴉天狗は深刻なアルコール依存症を患ったことで体重が増加した事により以前ほどのマッハ1を出せたスピードがマッハ0.4以下に落ち、そしてスタミナも著しく落ちてしまった事により1日じゅう飛び続けれなくなってしまったのだ。ちなみにこの鴉天狗は非業の死を遂げてしまった事は言うまでもないだろう。
それよりもっと酷い状態に陥るのは人間の少女で、人間の肉体的に完成されていない時に飲酒をしだすのだからより性質が悪い。身体面に影響が出て発育不良に陥りやすく本来ならば色気づいてもいいのに、それが未だに見られない事態になってしまうのだ。現に博麗霊夢はもっとバストサイズが大きくてもおかしくないし、霧雨魔理沙は一回りも二回りも体が大きくても問題はない。むしろ今の彼女達は同世代の少女と比較すると華奢で小柄すぎるぐらいだ。
ここ最近の話だが、博麗霊夢は人間離れした強力な能力によってスペルカード戦だと負けることがなかったが、激しい痛飲を繰り返してきた事によりその肉体が年齢に見合わないほど劣化し、霧雨魔理沙は妖怪相手にも後れを取らないと自負する自慢のスピードとスタミナがここ最近になって急激に衰えてしまった。
以前の霊夢と魔理沙と比較すると、霊夢と魔理沙の下腹部と臀部には余計なぜい肉が目立ち始めているだけでなく、少しばかりの戦闘ですぐに息を切らせてしまうのだ。
とある妖怪とのスペルカード戦で霊夢は両膝の人体とアキレス腱に大怪我を患ってしまい全治させるのに1年8か月も要してしまい、懸命なリハビリ生活を乗り越えなんとかして復帰するも、言うまでもなく全盛期と比較するとより動きが緩慢になってしまったのだった。
「弾幕はパワーだぜ!」という信念を持ち続けている魔理沙も、霊夢ほどテクニカルでもなくどんな時でもあきらめない闘争心とスピードで押し切ってしまうタイプなのだが、自慢のスピードとスタミナが著しく下がったことにより、今まで圧倒できた下級妖怪相手でも負け越してしまうという過酷な現実を突き付けられてしまったのだった。
自分の身に何があろうが飲酒を止めれない彼女達はある意味精神的に弱くもあるが、先程も述べたように娯楽が圧倒的に少ない幻想郷では仕方のないことではないかと同情酌量の余地がある。
それでも生活か困窮しようが病気を患っていようが禁酒を医者から言われようが、飲酒を止めれない幻想郷の弾幕少女達は真性のアルコール依存症ではないだろうか?少なからず私個人の見解ではただの酒が好きなだけだとは思えないのだが。
―1― 巫女さんと魔法使いさんの怠惰な日常生活
「おーい、霊夢。今日も一杯呑もうじゃないか」
日が暮れた夜。博麗神社に遊びに来た霧雨魔理沙は、博麗神社の巫女である博麗霊夢に酒を酌み交わすように促すと、どこからか盗んできたと思われる酒瓶と“つまみ”となる焼き鳥を差し出した。
「いいわよ。私もこれからいっぱい呑もうと思っていたんだけど、一人で呑むよりは二人以上で呑んだ方が美味しいじゃないの。でもその前に一服。」
霊夢は袖の下から煙草を一本取り出すと、ライター代わりになるミニ八卦炉を魔理沙に出すように促したのだった。
「わかったぜ。私にも一本よこすんだ。」
魔理沙は霊夢の袖の下に小銭を入れると、ミニ八卦炉をスカートに付属しているポケットから取り出し最小出力で火を起こせば、ちゃっかりと霊夢に煙草を一本手渡すように煽り出したのだった。
霊夢は内心魔理沙に煙草を渡すのが嫌だったが、小銭を手渡された以上無下にはできなかったので仕方なく魔理沙に煙草を渡した。
魔理沙も霊夢からもらった煙草に火をつけると、例外なく煙草を吸い始めるのだが幻想郷の不良少女であれば煙草を吸うぐらいどうといったものではない。
―少女喫煙中―
「ふぅ〜。でも魔理沙の事だから、そのお酒はどこからか盗んできたんでしょう?」
霊夢は魔理沙と一緒に酒を飲む誘いを承諾すると、魔理沙を居間の方に来るように促すも差し出した酒瓶は不法な手段で入手したのだという事を忘れなかった。
「ふぅ〜、そんな酷いこと言うものじゃないぜ。このお酒は、人里の酒屋からちゃんと合法的な手段で手に入れたものだ。私はそんな疾しいことをしたり、嘘をついたりしたことは一度もないんだぜ」
魔理沙は霊夢からもらった煙草に火をつけ一服を思う存分に堪能すると、もちろん手に入れてきた酒が合法的であることをさりげなくアピールするのだが、
「はぁ〜、泥棒家業に手を出してる犯罪者がいくら真人間の素振りを見せたって、全くもって説得力なんてあるわけがないじゃないの」
もちろんこれもいつものやりとりで、霊夢は魔理沙が盗みを働いていると言ってきかないのも二人の間では恒例行事となっている。
勿論、部屋中煙草の煙が充満しているのだが、そんなことを一切気にすることがない不良少女の二人である。
「そんなことより早くいっぱいやろうぜ!私の身体は酒を欲しているんだ!ああっ、辛抱たまらんぜ。さあ、今すぐ、酒を、浴びるほど、呑もうぜ!」
魔理沙は霊夢の話を聞かず早く酒を飲もうと促し出すと、
「そうね!私の身体も酒を呑めと言って聞かないのよ。今日はお月さまが綺麗だから、月見酒といこうじゃないの」
霊夢は月が見えるように部屋の扉を開けると、
「賛成だ。今日は月見酒といこうじゃないか。いやぁ〜風流だねぇ」
魔理沙は霊夢の杯に清酒を目一杯注ぐと、
「魔理沙にしては気が利くじゃないの。それじゃ、遠慮なく頂くわ。」
霊夢は杯を受け取ると、お返しに魔理沙の杯に清酒を目一杯注げば、
「「今日は月見で…」」
二人は綺麗な三日月を見て不敵な笑みを浮かべてから、お互いの杯をカツンと鳴らせてしまえば、
「「乾杯!!!!!」」
何かのタカが外れてしまったのか、杯に入っている清酒を共に一気飲みしてしまったのだった。
―少女飲酒中―
あれから二時間たったのだろうか、霊夢と魔理沙はくだらない雑談を交わしながらも酒を煽っているのだがつまみにはロクに手を出していない。魔理沙が持ってきた清酒を飲み潰してもまだ飲み足りないのか、霊夢は千鳥足で倉庫にある酒瓶を6本ほど持ってくるも、それももはや二本を残すだけとなってしまった。
「霊夢。今日はいつも以上に酒が美味いぜ!この調子だとあと5本ぐらいは余裕でいけるだろうな」
魔理沙はすっかり顔を赤らめて“出来上がった”状態になってしまうも、まだ酒が飲み足りないのかもっと飲もうと霊夢に言うと、
「魔理沙。5本なんてしょぼいこと言わないで、ここはガツンと10本でも20本でも飲まないと気がすまないじゃないの!さぁ、もっと飲むわよ!」
霊夢も魔理沙と同じく顔を真っ赤に染めて“出来上がった”状態で、完全にテンションがハイになっているために、自分が飲み過ぎている事に気が付いていないのだ。
「おうよ!そうこなくっちゃな!だけど霊夢。ご飯はお茶わんにせいぜい一杯ちょっとしか入らないのに、酒になるとガンガン飲めちまうのはどうしてなんだ!?」
魔理沙はご飯だとあまり食べれないのに、酒になるとどうして大量に呑めるのか言ってみたところ、
「そりゃ、もちろん、ご飯よりお酒の方が断然美味しいからに決まってるじゃないの!」
霊夢は白いご飯よりお酒の方が美味しいのだとハッキリ言い返せば、
「そうだよな!ご飯よりお酒の方が美味いからに決まってるもんな!だって、私達の生活に酒は欠かせないもんな。」
魔理沙もそれに同調してしまうのだった。
「酒を呑みかわせばだれとでも仲良くなれるうえに不用意な争いをしなくて済むから、私達にとって酒を呑みかわすという事は最高のコミュニケーション手段じゃないの。だから幻想郷で酒を呑めないと話にならないじゃないの!」
霊夢は酒を呑む理由を魔理沙に言うと、
「酒の旨味を知らない早苗が哀れに見えちまうぜ!こんな美味しいものを不味いと言ってるようじゃ、あいつは幻想郷に適応したとは言い切れないぜ」
魔理沙は外界から幻想郷にやってきた守矢神社の風祝の東風谷早苗が下戸であることに同情せざるを得ない気分になったのだが、
「それに私は巫女だから、神様と会話をする時にお酒は絶対に欠かせないじゃないの」
霊夢は職業上において酒はマストアイテムであることを上げたのだった。
その後の霊夢と魔理沙は、二人で熱燗20本を飲んでから魔理沙が紅魔館からくすねてきた赤ワインと白ワイン1本ずつ飲みほした後に、霊夢が八雲紫からもらった梅酒ゼリーをデザートとして二人合わせて6個も食べたのだった。
酒を飲んだ翌日の朝一番に霊夢と魔理沙はトイレに駆け込むのは、必ず二日酔いになるまで飲み続けるからだ。
当然の如くゲロを便器にまき散らしてしまうのだが、それでも夜になるとまたどこかで酒を飲まざるを得なくなるのである。彼女達にとってお酒は欠かせないものであり、決して手放せれないものなのだ。
一人でいても酒を呑む。祝い酒、自棄酒、呑む理由なんてどうでもいい。呑める限り呑む。
二人いれば小さな宴会。浴びるほど呑めば会話が弾む。
大勢いれば大宴会。みんな浴びるほど呑むから、修羅場になり安全地帯はない。誰であれ酔いつぶれるまで呑ます。徹底的に呑ます。
缶、瓶、樽、それらがすべて空になる。
お猪口が、杯が、酒枡が、パインドグラスが、ワイングラスが、みんな床に落ちている。
酒の名残が、床に、地面に、便器に、建物に、場所を問わず落ちている。
幻想郷の弾幕少女たちが宴会をすると、みんな揃って必ず酒を浴びるほど呑むから収拾がつかなくなる。毎日痛飲するほどアルコールを呑むから、彼女達の知らないうちに体を蝕んでいることなど気に留めることがない。
―2― 悪魔的接待を受けた巫女と魔法使い
「美味いぜ!ここのご馳走はいくら食べても食べ足りない位だ!」
白黒のエプロンドレスを身にまとった少女がワインを片手に鳥の丸焼きのレッグ(鴉天狗の肉を使用)に齧り付くと、
「そうよ!こんな美味しいもの、普段絶対に食べられないんだから食い溜めしておかなきゃ損というものだわ!」
紅白の巫女服を着た少女も、白黒の少女に負けず劣らず赤ワインをラッパ飲みしながらステーキ(ワーハクタクの肉を使用)を口の中に放り込み続けている。
「不思議だぜ。酒を飲んでいるのに、どういうわけか知らないんだがご飯が無性に食べたくなるぜ!」
ローストチキンを食べきった白黒のエプロンドレスの少女は、河童巻き(妖怪河童を使用)を一本丸ごと取り出してから、なんと恵方巻きの食べるやり方で蛇のように飲み込む感じで胃の中に無理やり収めようとしていると、
「そうよ!やっぱりご飯ものを食べないと落ち着かないのじゃないの」
ステーキを喰らい尽くした紅白の巫女服を着た少女は、稲荷寿司(妖獣の狐を使用)を取りだし口の中に放り込みだしてしまったのだった。
「お嬢様、本当にあの二人をこのままにしておいて本当によろしいのですか?」
十代後半に見えるメイドの少女が、見た目十代前半ぐらいにしか見えない蝙蝠の羽を生やした少女にどう対処すればいいのか聞くと、
「いいのよ。二人は私が勝手に呼んだだけだし、何より大切なお客様だから丁重にもてなして頂戴」
蝙蝠の羽を生やした少女はメイド服を着た少女に向かって、二人の人間は自分が呼んだから丁重にもてなすように指示したのだった。
この日は紅魔館で野外パーティを開いているのだが、紅魔館の住人でない人間の少女が二人ほどいる。
人間の少女二人はいつもだったら絶対に食べられないご馳走をたらふく貪るだけでなく、普段は口にすることのないヴィンテージ物のワインを浴びるほど飲んでいるのだった。
「咲夜、あの二人を見てごらんなさい。とっても幸せそうな顔をしてるでしょ?私は貧しい二人の為に少しばかり施しをしておいたのよ。わかるかしら?」
蝙蝠の羽を生やした少女は、咲夜と呼んだメイドの少女に向かって自分が貧困層の二人に対し救済処置を施したのだと言ったのだが、
「いえ…、その…、そうですね。お嬢様、確かにあの二人はお金らしきものをあまり持っていませんが、飲まず食わずの生活をしているわけではありません。確かに自分の作った料理を相手に評価してもらえるというのは嬉しい限りですが」
咲夜は二人の少女の生活状況をある程度把握しているため、お嬢様に向かって自分が解っている現状を大まかに説明すると、
「だから咲夜は何もわかっていないのよね。私とフランとパチェとあなたと美鈴と小悪魔の6人がどんなに頑張っても、あの2人が飲み食いする量の半分ぐらいしか胃の中に収められないわよ」
蝙蝠の羽を生やした少女は、咲夜に向かって自分たち二人が食べる量を合わせてもあの二人の少女の一人分に満たないと指摘した。
「レミィったらまた人間に“悪魔的接待”をしているのね。それ、いくらなんでもやり過ぎだわ」
紫色の長髪をして紫色のローブを身にまとった小柄な少女は、蝙蝠の羽を生やした少女に向かってレミィと呼んでまた“悪魔的接待”をしているのを見て、どのような結末になるか想像すると身の毛がよだつ思いがしてならなかったのだが、
「パチェ。ガリガリのやせっぽちの血を吸ったって美味しくないから、少しでも美味しく頂きたいから私は最善を尽くしているの」
レミィと呼ばれた蝙蝠の羽を生やした少女は、紫色の長髪をした小柄な少女をパチェと呼び近い将来捕食する二人をより美味しく頂きたいのだと言うと、
「レミィって本当に残酷なのね。でも、そんなレミィが素敵過ぎるから私達は友達になれたんだもの」
「今すぐあの二人を食べちゃえばいいのに、“悪魔的接待”を施してから食べちゃう考えがクールすぎて痺れるわ!」
パチェは残酷やり方で相手を捕食するレミィに敬意を払うとともに、どこか畏怖の感情を改めて覚えさせられるのだったが、それこそ自分がほれ込んだ偉大な吸血鬼だと確信が持てたのだった。
「レミィ。私、レミィに内緒であの二人の座っている椅子の下に特殊な体重計をしかけておいたんだけど、パーティが始まる前と今現在を比較したら紅白の巫女が7キロほど飲み食いして白黒の魔法使いが6.5キロほど飲み食いしてるわ」
「あとついでに、巫女と魔法使いが使う食器とグラスに特集な魔法をかけておいたから、あいつらは満腹感を知らずにまだまだ飲み食いし続けるわよ。たぶんこの調子で生き続ければ、間違いなくパーティ会場に配置した料理全部食いつぶしてくれるはずだわ」
パチェはレミィに内緒で、紅白の少女と白黒の魔法使いが座っている椅子の下に飲み食いした分量が解る特殊な体重計と食器とグラスに特殊な魔法をしかけておいたことを告白したら、
「やっぱりパチェは私の考えている事を理解してくれるのね!このまま食べさせ続けたら、普通の人間だったら壊れちゃうよね?咲夜の作る料理が凄く美味しいから私達にとって自慢できるものだから、咲夜の料理あってこそ始めて“悪魔的接待”ができるというものだわ」
「でも、パチェと咲夜は私にとって唯一の肉親であるフランと同じぐらい大切な存在だから、あいつらみたいに酷い事は出来ないわ」
レミィは飲み食いし続ける紅白の巫女と白黒の魔法使いを軽蔑のまなざしで見ると、そばにいるパチェと咲夜が自分にとって肉親に等しいぐらい大切だと言うと、
「お嬢様にそう言って頂けるなんて、私にとってそのお言葉が何よりの報酬でございます。ですが“悪魔的接待”はお嬢様の魅力あってこそ招待客との取引が成立するものですので、お嬢様が偉大な仕事人であれば私はしがないメイドで一介の作業員でしかありません」
咲夜にとってお嬢様の賞賛の言葉が何よりの報酬なので、思わず感無量となってしまうもやはり自分はメイドでしかないという事を主張した。
「そんなことないわ!作業者が品質の高い品物を作ってこそ信頼というものが始めて出来るのよ。私たち3人が協力し合ってこそ、この“悪魔的接待”を始めて成功させれるんだから」
「私にはわかるわ…、あの二人の末路がどんな悲惨なものか。妖怪と悪魔を恐れない傲慢な巫女と魔法使いに、妖怪と悪魔の恐ろしさをこれでもかというぐらい味あわさせてやるわ!」
パチェと咲夜はこの時のレミィの顔が、禍々しい悪魔そのもので見ていられなかったのだが、自分達はこの絶大な力に魅かれたという事を改めて認識したのだった。
「おーい!焼き鳥と焼酎のおかわりをくれっ!」
「ステーキとワインもついでによこしなさいっ!」
ちなみにこの日の紅白の巫女と白黒の魔法使いが飲み食いした総量は、白ワインと赤ワイン合わせて30本飲んで、鳥の丸焼きを丸ごと2羽、ステーキ5キロ、河童巻き1合、稲荷寿司1合、紅魔館特製サラダ4人分、串焼きヤツメウナギ50匹、ワーハクタクプリン10リットル分などをすべて食べきってしまったのだ。
普通の人間の水準で見ると明らかに飲み過ぎでもあり食べ過ぎでもあるのだが、二人はそんなことお構いなしに莫大な量を飲み食いし続けたのだった。育ち盛りをいいことにここまで飲み食いし続けるのはいかがなものだろうか?
―3― 博麗神社の宴会 〜宴会芸は歯科医の椅子〜
今日は幻想郷で恒例の博麗神社の飲み会が開催される日で、幻想郷のあちらこちらから人妖合わせた住人達が神社に押し寄せてきた。
幻想郷で弾幕少女達が集まると必ず宴会が行われ、少女達が酒を狂ったように酒を飲み続けるのだからもう誰にも止められなくなってしまう。
ほぼ全員が愛煙家で神社全体が酒と煙の臭いで充満し、酔っぱらってしまったために我を忘れたものがとんでもない事態を既に引き起こしているもみんなそれが日常茶飯事なのか誰一人たりとも気にしていない。
「今日は宴会だ!無礼講だ!日々の鬱憤を晴らすために目いっぱい、飲んで、飲んで、飲みまくるぞー!」
妖怪の山の四天王の一人である星熊勇儀は、鬼という種族上常にアルコールを摂取しているので重度のアルコール依存症なのだが、すでに出来上がっているために他の人妖に向かって思う存分酒を飲もうと宣言すると、
「そうだそうだ!遠慮なんかしないで、浴びるほど飲もうじゃないの。そらそこの青巫女、私の酒を飲め。まさか、私の酒が飲めないわけじゃないだろうな!?」
もう一人の妖怪の山の四天王である伊吹萃香も、すでに出来上がっているために下戸である東風谷早苗に酒を無理やり飲まそうとしている。
「い、伊吹様。ほ、ほ、本当に申し訳ございません!わ、わ、わ、私。じ、じ、じ、実は、お、お酒が飲めないんです!」
下戸である守矢神社の風祝の東風谷早苗は、伊吹萃香に向かって自分は酒が飲めないと言うも、
「うるさい!いいから飲め!酒が飲めなきゃ女になれんぞ!それにお前、私の酒が飲めないとでもいうのか!?」
萃香は飲酒を拒絶している早苗を相手にせず、強引に杯を早苗の口元に寄せ飲ませようとしている。ちなみに萃香が早苗に飲ませようとしている酒のアルコール度数は25パーセントと非常にきついものである。
「か、勘弁してください!」
「今日は楽しい神社の宴会なんだから、みんな酔いつぶれるまで飲むものさ!だから、お前も飲めっ!」
目上の萃香に対し早苗は拒絶するにもできない立場なので、嫌でも酒を飲まずにはいられないのだが、お猪口一口分を飲んで間もなくぶっ倒れてしまうと、
「なんだい。酒が飲めないようじゃ、幻想郷ではやっていけないよ。」
下戸であると散々宣告した早苗を潰した萃香は何を思ったのか、酒が飲めない早苗を軽蔑するとそのまま霊夢と魔理沙がいる席に向かっていったのだった。
「美味いぜ!今日はいつも以上に酒が美味く感じるぜ!」
魔理沙は物凄く早いペースで酒を飲んでいるので、すっかり顔が赤くなってしまうもさらにパインドグラスにビールを注ぎ込んでいる。
「魔理沙飲みすぎよ!少し控えて起きなさいよ。あなたはまだ子供の癖に毎日お酒を飲み続けてるんだから、近い将来身体を壊すわよ。」
魔理沙の隣にいた阿求はこれ以上飲酒をするなと言ったのだが、
「うるさい!酒は百薬の長、煙草は精神安定剤って昔から言うだろう?どうせお前は長生きできないしすでに身体を壊しているんだから、もっと酒を飲みやがれってんだ!」
魔理沙は空に向けて口を大きく開くと、中途半端に残っている阿求のパインドグラスに入っているビールを一気飲みしてから、阿求のパインドグラスにウイスキーの原液をなみなみ注いだ後に、
「さあ飲め!私の酒が飲めないわけがないし、下戸の早苗と違ってお前はそこそこ酒が飲めるんだから、潰れる前飲めってんだ。」
「それにお前は酒が切れるといてもたってもいられなくなるんだろう?酒は水を飲む感覚で飲めばいいんだぜ!」
年若くしてアルコール中毒もしくは依存症になったと思われる魔理沙は、あまり酒に強くない阿求に無理やりウイスキーを飲ませようとしたら、
「私、もう飲めないんです!魔理沙さん、勘弁してください!」
阿求はもう限界点に達しているのでこれ以上飲めないと魔理沙に言ったのだが、
「何シラけたこと言ってくれるんだ。ここは幻想郷だぜ。酒を飲めないと話にならないじゃないか。そらっ、もっと飲めってんだ!」
魔理沙は阿求を押し倒すと、
「お前ら、こっち見ろっ!阿求が“歯科医の椅子”をやってくれるんだぜ!」
魔理沙は大声を出して会場にいる酒飲み連中の注目を集めようとすると、
「おっ!やるのか!?あの阿求が“歯科医の椅子”をやってくれるのか!」
偶然魔理沙のそばにいた星熊勇儀は、酒に弱い阿求が面白いパフォーマンスをやってくれると期待していたら、
「いいぞー!脱げー!」
すっかり泥酔して我を忘れた藤原妹紅は、阿求が脱衣ショーをすると思い込んでしまい着物を脱ぎ捨てるように煽りだしてしまい、
「うおおおおー!飲め飲めー!酒を飲めー!もっと飲め、死ぬまで飲め、死んでも飲め!」
伊吹萃香も阿求が死んだあとも酒を飲めと言いだす始末だ。会場にいる面子はみんな阿求に注目しているために、阿求は“歯科医の椅子”をやらざるを得なくなってしまった。
ちなみに“歯科医の椅子”というパフォーマンスは、瓶、樽、釜などの容器の中に入っている酒を直接口の中に入れるという代物で、幻想郷の宴会を盛り上げるための芸の代表的なものとして定番中の定番である。
そのかわり急性アルコール中毒で倒れてしまう危険性も大いにあるのは否めないので、読者である皆様も倒れるまで酒を呑むという愚行はしないと思いますし、筆者である私は絶対にそこまで呑むことはしません。
「萃香、やるぞー!!!!!鬼の我々がやらんでどうするよー?」
勇儀は“歯科医の椅子”を進んでやるのは、自分が進んで目立ちたいという理由とただ酒を浴びるほど飲みたいという鬼の本能である。
「おうよ!私もいくさねー!!!!!ここは鬼の偉大なところを見せつけておくってもんよ!!!!!」
萃香も鬼の本能が働いてしまい、勇儀と一緒にこの凶悪なパフォーマンスに参加したいという衝動と、浴びるほど酒を飲みたいという欲求があったからだ。
「藍、橙。あなた達も“歯科医の椅子”をやりなさい!」
スキマ妖怪の八雲紫は自分の式神の藍と藍の式神の橙に、阿求と一緒に“歯科医の椅子”をやることを命令すると、
「ゆ、紫様。わ、わかりました…」
「わ、わ、わかりました…」
紫に“歯科医の椅子”をやるように命じられた藍と橙は顔を真っ青にしたのは、この後自分たちが酔っぱらってとんでもない辱めを受けると思ったからだ。
本当は拒否したくてもそれが出来ないのは自分の主がとんでもない力を持ち、自分たちがどうあがいても勝ち目がないからである。
「い、行こう橙…」
「は、はい。藍様…」
藍と橙はこれから“歯科医の椅子”をやらされようとしている阿求のそばに寄るのだが、これは一緒にパフォーマンスをしようというサインである。
「早苗、諏訪子、私もやるからお前もやるんだ!守矢神社の現人神であることを証明するために、“歯科医の椅子”をやるんだ」
八坂神奈子もすっかりハイテンションになったために、あまり酒に強くない諏訪子と早下戸である早苗に“歯科医の椅子”をやるように命令すると、
「妖夢、あなたもやりなさい。」
西行寺幽々子も従者の魂魄妖夢に“歯科医の椅子”をやるように促すと、
「アリス、あんたも行きなさい!」
霊夢がアリスの背中を無理やり押して、“歯科医の椅子”に強制参加をさせたのだった。
「嫌よ、なんで私があんなのをやらないといけないのよっ!」
アリスは“歯科医の椅子”をやることを拒否したのだが、
「うるさいわねっ!チビチビ呑むより、ガッツリ飲みなさいよね!?」
霊夢はアリスのケツを魔理沙の方へと思い切り蹴とばして、“歯科医の椅子”に参加させることにしたのだった。もちろん周りにいる面子も「アリスもやらないと女じゃない!」と言ったので、強制的に参加せざるを得なかった。
「みんな、こっちに注目だっ!ここにいる勇者たちは“歯科医の椅子”をやってくれるんだぜっ!」
“歯科医の椅子”に参加する9人は、床に腹這いの格好で寝かされた後に、口を大きくあけるように指示される。
どこから持ってきたかわからない大量の酒樽の栓を開けると、日本酒特有のかぐわしい匂いが漂うのだが、会場にいる彼女達全員それに気づかないのは神社の境内一帯が強烈なアルコール臭がするからだ。
「いくぞー!お前ら、これから“歯科医の椅子”をやるぜ!それー!!!!!」
魔理沙が号令をかけると、会場にいる面子の完成が最大限に盛り上がりとたんに、阿求、藍、橙、早苗、妖夢、アリス、神奈子、萃香、勇儀らの口に酒を流し込むのだった。いや、ぶっかけるとでも言った方がこの場合正しい。
このあと9人がどうなったかというのは言わずと知れたことである。藍は紫の目的通りに衣を脱ぎ棄て全裸を晒すという辱めを受けてしまい、阿求と橙と早苗と妖夢とアリスは酒をすべて飲みきったとたんに急性アルコール中毒を患ったことで八意診療所に強制連行されることになった。“歯科医の椅子”をやった後もケロっとしているのは、大酒飲みの萃香と勇儀と神奈子ぐらいである。
―4― 巫女服とエプロンドレスの仕立て
「いらっしゃい、また君達か。今日はどういう用件で来たんだい?」
香霖堂の店主である森近霖之助は迷惑な客にどういう用件でやってきたのかを聞き出したら、
「霖之助さん。巫女服がちょっときつくなっちゃったから、新しいのを仕立てて欲しいのよ」
「おい香霖。私のエプロンドレスもちょっとばかしきつくなったから、もう一回り大きい奴を作ってほしいんだぜ」
霊夢と魔理沙は香霖堂にいる理由は、新しい巫女服とエプロンドレスを店主である森近霖之助に仕立ててもらうためだ。
「おいおい、冗談だろう?2か月前に君たちの巫女服とエプロンドレスを仕立て上げたばかりじゃないか」
霖之助は霊夢と魔理沙に向かって2か月前に新調したばかりだと言ったのだが、
「霖之助さん、あたし達は成長期なのよ!」
「そうだぜ!」
霊夢と魔理沙は、自分たちの胸の膨らみが大きくなったことで成長期であることを霖之助にアピールするも、
「ハッハッハ!君達の事だから多分太りでもしたんじゃないかね?おおよその見当がつくんだが、不摂生な生活をしたことで腰回りとお尻と太ももが大きくなったことで服が着れなくなってしまったんだろう?」
霖之助は霊夢達の成長期は終わったと見て、間違いなく太ったという認識をもっていたので霊夢と魔理沙の頬を人差し指で突き刺しながら、
「ほら、去年の今頃と比べるとこんなに顔が丸くなってるじゃないか」
霖之助の指摘はここで終わることなく、さらに眼光を鋭くしてから霊夢と魔理沙の腹を親指と人差し指で摘みだしてから、
「それに君達のお腹だって、2〜3年前はこんなに目立っていなかったよ。確かに僕が作る巫女服とエプロンドレスは着やせするようなデザインにしてるんだがね」
「たぶん10年後の君達は豚みたいにまるまる太っているか、アルコール依存症を患って廃人になっているかのどちらかだ。君達の人生は長いんだからお酒ばかり飲んでいないで、少しは弾幕少女というアスリートらしく節制した生活を送った方がいいと思うよ」
霖之助は霊夢と魔理沙は太ったと思ったために皮肉のジョークをこめてこう言ったのだが、
「変態店主にあれこれ言われたくないわ!霖之助さんのエッチ。私の胸やお尻が以前より大きくなったから、思う存分若い女の子を堪能したいんでしょ?これだからどう敵はキモイのよね」
「このセクハラ野郎!私達の服を採寸している最中に、さりげなく胸やお尻やアソコを触るつもりなんだろう?香霖は昔からキモかったけど、ここ最近さらにキモくなったぜ」
以前よりも色気づいたことを自覚している霊夢と魔理沙は、霖之助が卑しい考えで自分たちの身体をさりげなく触ってきたと思ったので、ここぞと言わんばかりに激しく罵ったのだった。
「キモくて悪かったね。だけど僕は君達の保護者として、将来の君達が廃人になって非業の死を遂げるのを黙って見過ごすわけにはいかないんだよ」
「君達はまだ子供なのに、毎日飲酒したり、喫煙したり、やけ食いしたりしているじゃないか。このままそんな事をし続けたら、間違いなく身体を壊してしまうんだがね」
霖之助は真顔で霊夢と魔理沙に忠告したのだが、
「余計な事は言わなくていいから、霖之助さんはさっさと私の巫女服を失調しなさいよね!もちろん霖之助さんが私の名誉を棄損したから、支払いは霖之助さんがすべてやっておくという事で」
「おい香霖。女の子に体重の話をするのは絶対にやってはいけないことなんだぜ!とにかく私のエプロンドレスも新調しておくんだな。もちろん香霖が支払うって事だぜ」
霊夢と魔理沙は自分の言動を棚に上げ、霖之助の忠告を全く聞こうとせず新しい巫女服とエプロンドレスを霖之助に支払わせるという離れ業をやってのけた。もちろんお札と陰陽玉とミニ八卦炉とマジックボムという武器をちらつかせ、霖之助を脅迫しながらやったのは言うまでもないが。
―5― 霊夢と魔理沙の肉体の急激な劣化によるパフォーマンスダウン
幻想郷の少女たちが熱を上げているのは弾幕ごっこで、今とはなってはリーグ戦をやるまでは盛んになっているだが、以前は美しさを重点的に置いた弾幕を重視していたのだが、幻想郷に新しくやって来た者たちが新しい戦術を考案し弾幕ごっこの在り方の根底を変えるに到った。
以前は博麗霊夢の時代だったのだが、残念なことに霊夢はすでに終わった弾幕少女として扱われている。霊夢はまだ若いのだがその肉体が年齢の3倍ぐらい老けこんでしまった理由は、酒の味を覚え呑むことを知ってしまったが故にただの大酒飲みでなく、アルコールが手放せない状態になってしまったからだ。
かつては均整がとれ引き締まっていた腹やふとももは、余計な脂肪がつき今やすっかり弛んでしまい贅肉で5段腹を晒す有様である。リーグ戦で両膝とアキレス腱の靭帯を故障してしまった影響もあるが、そもそもこうなってしまったのは霊夢の不摂生な生活が原因である。
「ハァハァ…、ハァハァ…、いい加減に当たりなさいよっ!」
霊夢は対戦相手の風見幽香にお札と退魔針を放つのだが、
「遅い」
幽香は無駄な動きをせずにあっさりと回避してしまうとともに、霊夢のふどころに潜り込んだ。
「これで引導を渡してあげる」
バキッ!
「きゃあああああっ!!!!!」
幽香は日傘を閉じて霊夢の左肘に叩きつけると、霊夢はあっけなく地面に叩きつけられてしまった。
「以前の霊夢だったら、こんな程度の攻撃を軽く避けるのに」
幽香はどこか物悲しそうな顔を浮かべたのは、全盛期の時に圧倒的な強さを誇った霊夢にさんざん打ち負かされてきたからだ。
「ぎゃああああああああっ!!!!!!あっ、あっ、あっ、ああああああああ!!!!!」
霊夢が未だにのたうち回っているのは、肘があらぬ方向に曲がってしまったからだ。霊夢の負傷によりこれ以上試合は続行不可能なので、この試合は幽香の勝利として扱われることになったのだった。
「あらっ!?私、全力で叩きつけてないのに、霊夢に怪我させちゃった?」
幽香は紫が右足の靭帯を潰した事と、永琳が左足の靭帯を潰した事と、神奈子が右足の膝を破壊した事と、白蓮が左足の膝を破壊した事と、幽々子が腰を潰してきた事を思い出せずにはいられなかった。
「私、霊夢の利き腕を潰しちゃったけど、本当に大丈夫かしら?」
幽香が知っている以前の霊夢だったら、あの5人の攻撃を余裕で回避していてあんな大怪我をすることはないと知っているのだが、それ以前にも霊夢の劣化が見受けられるシーンを思い出した。
「まさか、調子こいて酒ばかり呑んでいるわけじゃないよね?」
幽香は以前霊夢が伊吹萃香とやった時に辛うじて勝った試合を思い出したのだが、あの時既に後半戦になってからまもなく霊夢はバテバテで、余計な弾幕を喰らわないために回避するために必死になっていた事を思い出した。
「以前香霖堂に寄った時に、店主さんが霊夢と魔理沙がこのままじゃ大変なことになるって私に言ってたのは、こうなることを恐れていたのね」
「確かに久しぶりに霊夢と戦ってわかったのは、すべての面において著しく劣化してたってことだわ。怪我しているしていない以前の問題で」
霊夢の負傷の要因は、度重なるアルコールの大量摂取と不摂生な生活習慣が主な原因である。
以前の八意診療所で開催される健康診断の時、幽香は霊夢の後に診察を受ける予定で、たまたま霊夢の怒号が聞こえてきた事を思い出していた。
「霊夢さん。あなた、ほぼ毎日浴びるほど酒を呑んでいるようね。未成年で体が完成されきっていないのに、そんなことやってたら絶対に身体を壊すわよ?それに将来ロクなことにならないから、今のうちにお酒を止めておくことね」
「あなたはまだ若いから、今のうちに禁酒をすればまだ何とかなるわ。でも、このまま不摂生な生活をしてたら、確実にあなたはアルコール依存症を患ってしまうわ!」
健康診断の結果に基づいて八意永琳が霊夢に飲酒の危険性を説いたのだが、
「うるさいわね。なんで私がお酒を辞めなきゃいけないのよっ!こんな美味しいものを止めるなんて絶対にあり得ないわ」
「それになんで私がアルコール依存症を患わなきゃいけないのよ!酒は百薬の長って昔からいうじゃないの」
そんな霊夢は永琳の忠告を全く聞かず、酒を飲み過ぎるまで呑むという怠惰な生活を繰り返していくうちに身体能力が著しく落ちてしまい、妖怪達の激しいチャージにあっけなく屈してしまい挙げ句の果てに怪我をしやすくなったのだ。
幽香は以前から節制した生活を送ってきた事により、大ベテラン扱いされているにも関わらず長い期間トッププロとして活動し続けれたのは、飲酒を出来るだけ控え日々のトレーニングに精を出してきたからだ。もちろん、永琳の判定は問題なしという扱いだったのは言うまでもない。
「だからこうなるのよね。私より後輩があっけなく引退しちゃうって理由がね。」
霊夢は間もなくして八意診療所に強制連行していく姿を目の当たりにした幽香だったが、
「幽香さんお疲れ様です。」
自分にとってかわいい妹分であるリグルが勝利を祝いにやってきたのだが、幽香は内心嬉しくなかったためにどこか冴えない表情をしていた。
「幽香さん、あの霊夢に勝ったじゃないですか!これって凄いことですよ?」
事の真相を知らないリグルは幽香が霊夢に勝った事をただ喜んでいたのだが、
「あんな劣化しきった奴に勝ったって、嬉しくともなんとも思わないわ。どうせなら全盛期の博麗の巫女をぶちのめしてみたかったのだけど、もうそれも望めない夢でしょうね」
「リグル。あなたのキャリアは始まったばかりだから、トッププロでずっと居たかったら節制した生活と日々のトレーニングをサボらずやりなさい。霊夢や魔理沙みたいに飲酒ばかりしてたり日々の練習をサボってばかりしてたりだと、あっけなく引退することになるわよ」
幽香はいきなりリグルにトッププロとして節制した生活を送るように忠告したのだが、
「幽香さん。なんでそのような話を?」
いきなりプロフェッショナル精神を問われる話をされたので、リグルは幽香にどう答えればいいのかわからなかったのでこのような答え方をするしかなかった。
「どんなに優れた才能を持っていても、日々のたゆまぬ努力を怠れば才能の芽は決して開花することはないのよ」
霊夢の友人の霧雨魔理沙も、かつてと比較をするとパフォーマンスの劣化が深刻になっている。自慢のスピードとスタミナが著しく下がってしまった事により、相手は魔理沙のスタミナが尽きる後半戦にラッシュをかければいいのだから。
もちろん魔理沙も霊夢と同様に下腹部が弛み、見事な贅肉の5段腹を見せつけるようになってしまった。
「魔理沙って、こんなに鈍くさった?」
魔理沙の対戦相手は、七曜の魔女ことパチュリー・ノーレッジだった。以前の魔理沙だったらパチュリーの攻撃を捉えさせる事はなかったが、日々の怠慢な生活によってパチュリーの攻撃が容易に命中する有様だった。
「くそっ!」
魔理沙は自慢のスピードとスタミナが劣化しきった事で、以前と比べると動きが緩慢でことにより攻守一体の動きが出来なくなったのだった。
「魔理沙ったら、本当にみっともないぐらいにブクブク太っちゃって。自慢のスピードに陰りがあるわよ」
パチュリーは水属性の弾幕を魔理沙に放つと、呆気なく命中したのであまりにも不甲斐ない魔理沙を挑発した。
「魔理沙、もうバテちゃったの?仕方ないか、魔理沙の事だからペース配分が出来てないものね。自慢のマスタースパークで私を焼き殺してみなさいよ」
魔理沙の気性を知りつくしているパチュリーは、魔理沙をその気にさせるためにとどめと言わんばかりに罵っておくと、
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…、この紫もやしめっ!お前如きにマスタースパークを使いたくないんだが、お前がリクエストするならお望み通りやってやるぜ!」
魔理沙はミニ八卦炉に魔力を注入するとパチュリーめがけてレーザー光線を全力で放った!
魔理沙にとってこれで憎きパチュリーを仕留めたと思ったのだが、
「やっぱり魔理沙って筋金入りの馬鹿よね。相手の挑発に軽々しく乗るんだから」
パチュリーは魔法の鏡を展開すると、マスタースパークは見事に魔理沙に目掛けて反射した!
「のわああああああっ!!!!!!!!!」
魔理沙は自分が放ったマスタースパークを受けてしまうと、全身に深いやけどを負ってしまった。もはや普通の人間だったら、死んでしまうところである。
「まだまだ…」
魔理沙は箒で体を支え起き上がろうとするも、
「ゲームセット!霧雨魔理沙は戦闘不可能になので、勝者はパチュリー・ノーレッジとする!」
審判は魔理沙が戦闘不可能と判断しパチュリーのTKO勝利扱いしたのだが、
「審判、何寝ぼけた事を言ってるんだ!私ならまだ戦えるぜ!」
よれよれの魔理沙は自分がまだ戦えると抗議をするも、
「怪我人は八意診療所に送りつけろっ!」
魔理沙は審判を殴り飛ばそうとするも、スタッフが慌てて魔理沙を取り押さえてしまいあっけなく御用となってしまった。
「畜生…、畜生!」
魔理沙は泣きながら病院に連行されていったのだが、霊夢と魔理沙が歴史的な敗北を決したのは同年同月同日だったというのが何とも皮肉なものである。
―6― 人生の終焉
「酒!酒を持って来なさいっ!」
「私にも酒をよこせっ!」
霊夢と魔理沙が弾幕少女を引退して30数年の月日がたった。二人はすっかりおとなになったのだが、ただの酒が好きな弾幕少女から酒が手放せないアルコール依存症患者へと変貌を遂げたのだった。
二人は暇さえあれば居酒屋や屋台に通うのだが、呑み過ぎてしまうまで呑む習慣は若い時から変わることがない。
「お客様。もう25杯も呑まれていますので、今日のところはもう帰られた方が…」
居酒屋の店員は呑み過ぎた二人に対しこれ以上酒を飲まないように告げたのだが、
「うるさいわね!私が飲みたいんだから、もっとお酒を持って来なさい」
「そうだそうだ!私達の宴会はまだまだ続くんだぜっ!けへへへへっ」
地上波のテレビが幻想入りしたために、幻想郷でもテレビ中継が当たり前の時代となったのだが、たまたまテレビで放送していた番組は、今年の弾幕少女の優勝者のインタビュー中継だった。
「今年の優勝者の風見幽香さんにお伺いしたいのですが、長年トッププロとしてやっていく秘訣とは一体何なんでしょうか?そしてあらゆる強豪プレイヤーを差し置いてきた錬金術を我々に教えてほしいのです」
アナウンサーが幽香にどうやればこの年齢でトッププロとしてやっていけるのかを聞いたところ、
「そうね。日々のトレーニングをサボらないでやる事と、節制した生活習慣とやり続ける事ね。私より身体能力が高かったり、才能に恵まれたりしたプレイヤーは数多くいたけど、みんな揃って不摂生な生活をしてきたのよ」
「それにみんな馬鹿みたいに酒を飲んだり、セックスをするためにナイトクラブに通ったりしていたのだけど、私はプロキャリアを長年し続けていくことが得だと思ったわ」
幽香はアナウンサーに長年トッププロとしてやっていく秘訣を淡々と言ったのだが、このベテランアナウンサーは数多くの弾幕使いが堕落していくのを見てきたので、幽香の偉大さが嫌というほど理解できたのだった。
「私はかつて弾幕少女のチャンプだったのよっ!」
「私も若い時はトッププロとして輝いていたんだ!」
すっかり老けこんだ霊夢と魔理沙が店内で叫んでも説得力はゼロだった。
「お前ら呑みずぎだ!頭を冷やせっ!」
霊夢と魔理沙の不快な行為に腹を立てた他の客全員は我慢しきれなくなったために、霊夢と魔理沙を店から追い出してしまうのだった。かつてのスーパースターだったという事を知らずに。
「私はトップスターだったのよっ!」
「私も偉大なプレイヤーだったんだぜっ!」
人里で狂人の如く叫び続ける霊夢と魔理沙は、あえなく自警団に御用となり牢屋に入れられたのだが、翌日二人に事情聴取するために二人のもとを訪れた団員の一人が霊夢と魔理沙の死を確認したのだった。
八意診療所で二人の死亡原因をするために解剖した結果により、霊夢と魔理沙はアルコール中毒であることが判明したのである。
―あとがき―
WSDのサイモン・クーパー氏が投稿されたアルコールの過剰摂取に関してのコラムを読むと、事あるたびに飲酒や宴会をして飲みつぶれている東方キャラの身体がどうなるかを想定するとこのSSを執筆せざるを得ませんでした。
アルコール依存症を患ったことで有名なサッカー選手の中にジョージ・ベストやポール・ガスコインがいるのですが、アルコールを大量摂取した事でパフォーマンスが著しく下がり負傷しやすくなった現実は否めないです。
ジョージ・ベストはアルコール依存症が元で身体を壊し59歳で亡くなっていますし、ポール・ガスコインに至ってはアルコール依存症を患ったために危篤状態になった現実があるからです。
たぶん東方キャラはただ酒が好きで毎日飲み続けているだけなんだと思うのですが、鬼や天狗や河童みたいに酒に強すぎれば逆にアルコール依存症になりかねないと考えさせられてしまいました。
私個人の印象でしたら東方Projectイコール少女たちの酒飲みの印象が強く、原作ゲームはおろか香霖堂にしろ、三月精にしろ、儚月渉にしろ、事が終わるたびに酒を呑んでますし、なんだかんだいいながら宴会をしています。傍から見て東方キャラのこいつらは、酒の飲みすぎだと突っ込まれてもおかしくないと私は思わずにはいられないのですから。
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
27
投稿日時:
2011/06/27 11:48:06
更新日時:
2011/06/27 20:48:06
分類
アルコール依存症
飲酒カルチャー
パフォーマンスと肉体の劣化
ジャーナリズム的SS
空しく笑いつつ孤独死するイメージ。
それ以外は完全に自然ですばらしい作品と思いました。酒は良いものだが、同時に人間の体を
壊すものだということだということはしっかりと理解されるべき。
ジャーナリズム的文章に妖怪料理シリーズ等、作者様の集大成的啓蒙作品、しかと読ませていただきました。
私も飲まないと銃を構えたときに手が震えて……。
全ての東方キャラと排水口の皆様に、酒の神のご加護があらんことを。
保護者のせいで結局こんな運命か
多分先に死んでそう
酒だけじゃなく巫女も大量生産大量消費すべきだな。
死ぬまでアル中が判明しないってトコが引っかかるが
酒に限らず依存症な奴って全てが手遅れになろうが依存症を否定するからな
取り敢えずこの霊夢と魔理沙は地獄で散々説教された後に飲めずに苦しめばいい