「どうしたんだ霊夢。藪から棒に」
博麗神社。
霧雨魔理沙が博麗霊夢にお茶でも出してもらおうと来たのだが、神社の主である霊夢の様子がおかしかったらしい。
「カセンチャン!」
「あー?」
「カセンチャン! カセンチャン!」
「ここは幻想郷だ。人間にわかる言葉を話せ」
「カセンチャン!」
少し前から霊夢の様子が変だったそうだ。
事の発端は茨木華扇という仙人が神社を訪れ始めたところだと彼女は言う。
気がつけば霊夢は「カセンチャン!」と口にして華扇のことを見ていた。
そのときは何とも思わなかった魔理沙だが、最近その口癖が酷くなってきたという。
「カセンチャン!」
「お茶勝手に淹れるぜ」
「カセンチャン!」
「お煎餅も勝手に食うからな」
「カセンチャン!」
「霊夢ー?」
「カセンチャン!」
「霊夢ちゃんちゅっちゅ」
「カセンチャン!」
「霊夢さーん?」
「カセンチャン!」
「霊夢ちゃんの紅白リボンに霊夢ちゃんのおしっこから作った塩を振りかけてしゃぶりたいですわ」
「カセンチャン!」
「おい」
「カセンチャン!」
「一体どうなってやがる……」
「カセンチャン!」
霊夢は本人が居なくても彼女の名前を口にするようになった。
何かに取り付かれたのか、気でも狂ったのか、周りが見えないほどの恋に落ちてしまったのか。
魔理沙にはわからなかった。
「今度神霊廟出るけどさ」
「カセンチャン!」
「妖夢自機復帰したじゃん?」
「カセンチャン!」
「……」
「カセンチャン!」
「私は妖夢×早苗とか、霊夢×妖夢……よ、妖夢×魔理沙とか流行るんじゃないかって思ってるんだよな」
「みょん魔理とか私は認めない」
「え?」
「カセンチャン!」
「……」
「カセンチャン!」
「お前まさか、霊夢×華扇が流行るとか思ってるのか?」
「カセンチャン!」
「そうか! そうなのか!」
「カセンチャン!」
「華扇ちゃん?」
「カセンチャン!」
「やっぱないわ」
「カセンチャン!」
「ところでさ」
「カセンチャン!」
「ちんこ生やした咲夜がお前に欲情してたらどうするよ?」
「サクヤチャン……」
「そろそろ日本語を話したらどうだ」
「……」
「霊夢?」
「カセンチャン! カセンチャン! カセンチャン! カセンチャン!」
「駄目か」
「カセンチャン!」
「汗でベトベトだぜ」
「カセンチャン!」
「ドロワも蒸れてきたし」
「カセンチャン!」
「風呂場借りるな」
「カセンチャン!」
「良い湯だったぜ」
「マリサチャン!」
「お前私の脱いだドロワ盗んだだろ」
「マリサチャン!」
「返せよ!」
「カセンチャン!」
「おい、逃げるな! 下着なしで箒に跨るなんて出来るわけないだろ!」
「マリサチャン……」
「返してくれたのは良いが、なんで唾液っぽいものでベトベトなんだよ」
「……」
「素直に白状しろ」
「美味しかったわ」
「変態死ね」
「カセンチャン!」
「華扇ちゃん?」
「カセンチャン!」
「かせんちゃん」
「カセンチャン!」
「か……カセンチャン」
「カセンチャン!」
「カセンチャン」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「誤魔化しても無駄だぞ」
「ごめんなさい」
「謝るぐらいなら最初からするんじゃねえよ」
「カセンチャン!」
「華扇のドロワでも舐めてろよ」
「うん」
「……」
「何?」
「あいつの都合は考えないんだな」
「カセンチャン!」
「精神を加速させろ」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「カセンチャン!」
「飽きないか?」
「うん」
「そうか」
「カセンチャン!」
「お腹も減ったし、帰るな」
「カセンチャン!」
「華扇にはよろしくな」
「カセンチャン!」
「なあ」
「カセンチャン?」
「華扇のドロワ何枚持ってる?」
「絶対人にはあげない」
「私のドロワと交換っていうのは?」
「マリサチャン!」
笑ったわwww
三日連続カセンチャン!
いつも心にカセンチャン!
日本の首都はカセンチャン!