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『空の向こうの虹の宝』 作者: ぐう
ザアアアアァァァ・・・
「あーあ、雨降ってて外に出られないからつまんなーい」
「そうだね」
幻想郷は今日も雨模様、大妖精の家でくつろぐチルノはそう愚痴をこぼした。
窓から見えるのは見渡す限り雨、雲、そして雨に濡れる大地。とてもこんな中を遊びに行けたものではない。
「あたい暑いのは苦手だけど、外で遊ぶのは好きだもん。だから早く晴れてほしいよ」
「じゃあチルノちゃん、てるてる坊主作らない?」
「うん、早く晴れてもらうように作ろうか!」
大妖精の提案に、チルノは嬉しそうに乗った。
「じゃじゃーん! あたいそっくりのその名もちるちる坊主!」
「くすっ、本当にチルノちゃんそっくり」
チルノは完成したてるてる坊主を、嬉しそうに大妖精に見せた。
マーカーで描かれた髪型にリボン、そして服装・・・少々不恰好ではあるがチルノに似ており、チルノにとっては文句なしの傑作だった。
すると、さっきまで響いていた雨音がぴたりと止まった。
「チルノちゃん、雨止んだみたいだよ」
「えーっ! これからあたいのちるちる坊主に活躍してもらおうと思ったのにぃー」
大妖精に声を掛けられ、チルノは一緒に外を覗いた。
屋根やあちこちの木々から雫がポタポタと落ち、雲の隙間から次第に青空が広がってゆく。
晴れたのは嬉しいのだが、折角作ったてるてる坊主が無駄になってしまったのがちょっと悔しいところだろう。
「まぁまぁいいじゃない、チルノちゃんさっき早く晴れてほしいって言ってたんだし」
「そうだけどさー、何か悔しいよ」
「あっすごい! 虹が出てる!」
「えっ!?」
ふくれ面のチルノ。だが大妖精が突然虹の存在を告げると、目の色を変えて外を眺めた。
大妖精が指さすほうを見ると、広がってゆく青空に薄く七色の帯が架かるのが見えた。
「すごーい、綺麗・・・」
「虹・・・」
自然が織り成す神秘の光景に、うっとりと見つめる大妖精。
その後ろで同じように虹を見るチルノだが、何か様子がおかしかった。
「ごめん大ちゃん、あたい今日は失礼するねっ!」
「えっ、チルノちゃん!?」
すると何を思い立ったのか、突然チルノは帰ると言い残して家を飛び出していった。
大妖精が止めようとした時にはチルノは既に外に出ており、窓から覗くと虹のあるほうの空へと飛んでいってしまっていた。
「チルノちゃん、どうしたのかな・・・てるてる坊主の出番なくて怒ったのかな」
チルノが突然帰り出した理由を考える大妖精。てるてる坊主の出番の前に雨が上がったからなのか、それとも自分が何か気に触ることを言ったのか・・・
しかしチルノが帰ってしまった今となっては、真相は完全に闇の中だった。
それから数日後、二人は霧の湖周辺で遊んでいた。
チルノの機嫌はいいようで、大妖精は先日のことを問うことにした。
「ねぇチルノちゃん、この前急に帰った時あったよね? もしかしてあの時、私何か変なこと言ったかな・・・」
「急に帰った時? ああ、あの時ね。ううん、大ちゃんは何も悪くないよ」
チルノは満面の笑みで返し、大妖精はそれを聞いてほっ胸を撫で下ろした。
「よかった・・・てっきりチルノちゃんが怒ったのかと思ったから」
「うん、あたいのほうこそ急に帰り出してごめんね。ちょっとあの話が本当か確かめたかったから」
「あの話?」
チルノの口から出た『あの話』。以前急に帰ったことと何の関係があるのだろうか。
「あの話って?」
「紅魔館で見せてもらった本の中に、こんな話があったんだ。『空に輝く虹の根元を掘ると、お宝が眠ってる』って」
「へー、それであの時虹を見て急に・・・」
これでチルノがあの時帰った謎がわかった。
恐らくは作り話だろうが、大妖精は一応聞いてみることにした。
「それでチルノちゃん、お宝は見つかったの?」
「全然。そもそも虹を探してたらどこにあるのかわからなくなっちゃったもん」
「あははは・・・」
頭の中が単純なチルノは、こういった話を一度信じたら確かめるまでやめはしない。
たとえ結果オーライだとしてもである。
「そうだ、今度は大ちゃんも一緒に探しに行こうよ!」
「えっ!?」
その時不意にチルノが口にした一言に、大妖精は耳を疑った。
先日虹を見失った時点で、満足しなかったのだろうか。
「でも、以前は虹がどこにあるかわからなくなったって・・・」
「うん、虹は見失っちゃったよ。でも見失っただけで、本当に宝があるかどうかは確かめてないんだから!」
目をギンギンと輝かせ、チルノは続けた。
つまり虹を探すというのは、あくまで「過程」であって「結果」までには至っていない。それがチルノを諦めさせない理由なのだろう。
「大丈夫、宝が見つかったら大ちゃんにも分けてあげるから!」
「う、うん・・・ありがと・・・」
チルノの目はまるで宝石のように輝いており、大妖精には断る勇気がとても出なかった。
仮に否定しようものなら友情崩壊、それが大妖精以外なら怒ったチルノに氷付けにされることだろう。
それから更に数日後、激しい雨が降る日がやってきた。
大妖精は傘を閉じて、チルノの家を訪ねた。
「いらっしゃい大ちゃん、髪がびしょびしょだから拭いてあげるね」
「ありがとう、すごい雨だったよ・・・あれ?」
玄関で髪を拭いてもらう大妖精は、ふと見慣れない靴があることに気がついた。
チルノたち妖精より大きい靴・・・ということは妖精以外の誰かがいるのだろうか。
「チルノちゃん、変わった靴があるけど誰かお客さん来てるの?」
「お客さんというよりはお手伝いさんかな」
「お手伝いさん?」
お手伝いさんとはどういうことなのか、大妖精は首を傾げながら上がることにした。
「め、美鈴さん!?」
「こんにちは」
居間に入ると、そこには紅魔館の門番である美鈴が座っていた。
中華風な緑色の服、そしてチルノたちでは到底及ばない豊満なボディは今日も健在だ。
「もしかして、美鈴さんがチルノちゃんの言うお手伝いさんですか?」
「ええ、チルノから手伝ってほしいって頼まれたの」
「だってめーりんすごく強いんだもん、だから掘るのも手伝ってくれるかなって」
美鈴のほうも完全に乗り気なようで、大妖精はそんな彼女に耳打ちした。
「いいんですか、紅魔館の門番のお仕事は? あそこだけは雨がほとんど降らないそうですし」
「いいのいいの、代理がちゃんといるから。それにお嬢様も『たまには門番以外の仕事で汗を流してくるのもいいことだわ』ってあっさり許可してくれたもの」
「チルノちゃんの話してたこと、多分嘘かもしれないですし・・・」
「たとえ嘘だとしても、それに憧れる子供の好奇心っていいと思うの。私も門番以外のことがたまにはしたいところだったし」
「大丈夫だよ大ちゃん、めーりんがいれば100人力だから!」
大妖精の心配をよそに、自信たっぷりのチルノ。その様子では虹の話のことは聞こえていないようだ。
もちろん、大妖精が心配する本題など気にもせず・・・
それからしばらくして、以前と同じように雨が上がり、青空が広がりはじめた。
チルノはすぐさま窓を開け、空を見回した。
「虹はどこだー! あたいの探す虹はどこだー」
「チルノちゃん、そんな都合よく見つかるはずが・・・」
「あったー!」
「ええっ!?」
偶然かどうかはともかく、チルノの指さす先にはまたしても虹が七色に輝いていた。
しかも今度は以前よりはっきりとした色合いで、これなら見失うこともなさそうだ。
「大ちゃん、めーりん、早速行くよー!」
「任せて!」
「あっちょっ、チルノちゃん! 美鈴さん!」
チルノは言うや否や早速家を飛び出し、美鈴も紅魔館で使ってるであろうスコップを持って飛び出した。
もたもたする大妖精だが、こうなったら自分だけ留守番という訳にはいかない。
「もう、待ってよ二人ともー!」
既に飛び立った二人を追って、大妖精も虹のあるほうへと飛んでいった。
今日の虹は以前より綺麗で、三人はその虹のもとへと向かっていった。
次第に近づいてくる虹の輝き、それは自然の偉大さを物語る神秘のスペクタクルといってもいいだろう。
「もし宝が見つかったら、めーりんにも分けてあげるからねっ」
「うふふ、それは嬉しいわね」
「あれ、でも何か曇ってきたような・・・」
しかし大妖精の言うとおり、まるで黒いカーテンが閉まるかのように厚い雲がかかり、青空をどんどん包み込んでいった。
そしてふと見回すと、さっきまで青空だった辺りも同じように黒い雲だらけとなっていた。
ポツポツポツ、ザアアアアア・・・
「ひゃあっ!? また降るなんて聞いてないよ!」
「止むを得ないわ、どこかで雨宿りしましょう」
「あっ、あそこの木に!」
雫が数滴落ちてきたかと思うと、まるでバケツをひっくり返したかのような強烈な雨が降り出し、三人を襲った。
好奇心旺盛のチルノといえどこれはたまらない。すぐさま大妖精が指示した木陰へと引き返すことにした。
雨は激しく降り続け、三人は木陰で服の裾や袖を絞って水気を落とした。
引き返すのが遅れたチルノに至っては、特にびしょ濡れとなっていた。
「はううう寒い・・・寒さに強いあたいでも寒いよ・・・」
「大丈夫チルノちゃん?」
「な、何とか・・・。ごめんね大ちゃん、あたいが無理言うから大ちゃんたちまで濡れて」
「ううん、私なら大じょ・・・へくしっ!」
謝るチルノをなだめる大妖精。美鈴はスコップを木陰に置いて、一言つぶやいた。
「この雨、結構長くなるわね・・・」
美鈴の言葉通り、それからしばらく滝のような雨が降り続いた。
三人がいる木陰は葉が生い茂るおかげで濡れないが、それで全く問題ないという訳ではなかった。
「はああ・・・うううう・・・」
「チルノちゃん、どこか苦しいの?」
「雨で身体が冷えちゃったのかな・・・あたい、お腹が痛い・・・」
苦しそうに唸りながら、木陰に横たわるチルノ。小さくぎゅるぎゅるとお腹の鳴る音が大妖精にも聞こえてきた。
激しい雨音もあって、離れている美鈴には聞こえていないようだが。
「あたい本当にバカだよ、後先考えないでこんなことするから・・・」
「チルノちゃん、もういいから・・・うくっ!」
自分を責めるチルノと、なだめる大妖精。
その大妖精もまた、次第に寒さと腹痛に屈するようになっていた。
更に時間が流れ、少しずつ雨脚は弱まってきた。しかし弱まったとはいえ勢いそのものは普通の雨と同レベル、まだ出られるものではない。
腹痛に苦しむ二人に気づき、美鈴は声をかけた。
「どうしたの二人とも、大丈夫?」
「めーりん・・・うんち、出そう・・・」
「チルノちゃん、雨で濡れてお腹を冷やしたみたいなんです・・・それに私も・・・うううっ!」
二人の容態を見ると、美鈴は空を見上げた。厚い雲は次第に遠ざかってゆき、雨上がりまであと少しだろう。
「もう少し頑張って、雨が上がるから」
美鈴は便意に苦しむ二人に、あと少し耐えるよう言った。
この辺りに公衆トイレはないため、できるとしたらそれしかなかった。
大妖精はともかく、チルノがあとどれくらい我慢が続くのか・・・
「二人とも、もう大丈夫よ。行ける?」
そしてようやく雨が上がり、美鈴は二人の妖精に声をかけた。
しかしお腹をさすりながら立ち上がる大妖精に対し、チルノは横になったままぴくりとも動かなかった。
「チルノちゃん・・・いけそう?」
「だめ・・・あたいもう我慢できない・・・」
かろうじて四つんばいの姿勢になるが、それでチルノはついに力尽きてしまい・・・
ブビチャッ! ビイイイビチビチィッ!
「くああああっ!」
青いスカートに茶色の汚水が付いた後、水気の凄まじい排泄音が響いてチルノの足元に茶色の雨を降らせた。
ブルブル震え、限界に達したチルノにはもうどうしようもなかった。
ブブウウウウッ、ブボッブベベベブボッ!
「もうだめ・・・下痢うんちいっぱい出ちゃったあ・・・」
余程我慢が苦しかったのか、下痢便はチルノのスカートを万遍なく汚し、足を垂れ落ちてゆく。
かろうじてゲル状の便が一部あるほどで、後は全部水そのものの便だらけだった。
ビュブブビチュビチュビチュチュ・・・
「ああああ・・・私もうんち漏れちゃうう・・・」
チルノの豪快な失禁に感化されたのか、つられるように大妖精も下痢便を垂れ流した。
茶色くなるスカート、だらだらと足を伝って落ちる下痢便・・・まるでここだけ茶色の雨が降ってるようた。
ブビュブププ・・・ベチャッ! ブビュッ、ブビビビチチチ!
「んっ! おっきいの・・・出ちゃった・・・」
すぐに下痢便が止まったかと思いきや、下痢便で滑りがよくなった便塊が肛門から落ち、下痢便の上に大きな音を立てた。
それが詮だったのか、すぐさま新たな下痢便が大妖精の足元に流れ落ちる。
二人の妖精の末路は、下痢便お漏らしという最悪の結果に終わってしまった。
「大ちゃんごめんね、本当にごめんね・・・」
「ううん・・・一緒に漏らした私も悪いんだから・・・」
泣きながらお互いをなぐさめ合うチルノと大妖精、二人のスカートと足は下痢便にまみれて見るも酷い有様となっていた。
言いだしっぺのチルノは、特に責任を感じていることだろう。
「またやっちゃった・・・あたいうんこたれ妖精って言われちゃうよ・・・」
「チルノちゃん・・・」
「その心配はないわ・・・」
『えっ?』
尚も泣き合う二人。そんな二人に、美鈴が声をかけた。
二人が振り向くと、そこには・・・
「ふっ・・・ううんん・・・」
ミチ・・・ミチミチムリュリュ・・・
「めーりん!?」
「美鈴さん!?」
肉付きのよい尻、そして少しずつ膨らんでゆくお尻の部分・・・
チルノと大妖精の目の前で、美鈴は力を込めて力んでいた。
ブリッ! ブリュブリュブビュビュ・・・
「はぁ、はぁ・・・ほら、私もうんち漏らしちゃった・・・」
大きな音とともにお尻の膨らみが大きくなり、横から軟便がボトボトと垂れ落ちた。
すらっとした美脚に便が付着するが、美鈴は気にせず排泄を続けた。
それを呆気にとられながら見ている二人・・・
「ふう・・・これで責められるのは二人だけじゃないわ」
便を出し続けながらそう言う美鈴の姿は、二人にはとても輝いて見えたことだろう。
排泄が終わり、チルノは改めて二人に頭を下げた。
「大ちゃん、それにめーりん、あたいのせいで二人まで・・・ごめんなさい」
「もういいってチルノちゃん、チルノちゃんだって以前私を助けてくれたんだから」
「私もあなたたちと同じように昔やっちゃったことがあるから、気持ちはわかるわ。それにほら、あれ」
「あっ!」
美鈴が指さした先には、雲が流れ去って晴れた空、そしてまたしても虹が美しく架け橋のように架かっていた。
自分たちがお漏らしをしたことを忘れ、しばし虹を見る三人。
「すごい・・・何度見ても綺麗・・・」
「雨降って地固まるとはこのことかしら」
「ほえ、雨降って・・・?」
「いざこざや問題が、何かをきっかけに全て落ち着くってことよ。確かに私たちはお漏らししちゃったけど、この虹を見てたらそんなこと忘れられそうなの。少なくとも私はね」
「やっぱりめーりんってすごいねー。ね、大ちゃん」
「うん」
美鈴の抱擁心の広さに、二人は笑顔でうなずいた。伊達にチルノがお手伝い役として見込んでいなかった。
「でも残念だったねチルノちゃん、お宝見つからなくて」
「ううん、宝物なら見つけたよ」
「えっ?」
「何を?」
もともと本の話でしかなかった虹の根元に眠るお宝。しかしチルノは、自信ありげに宝を見つけたと言った。
大妖精と美鈴は顔を見合わせるが、見当もつかない。一体何を見つけたというのだろうか。
「あたいの我侭(わがまま)を聞いてくれて、こんなバカなあたいを許してくれた、二人の優しさだよ」
「チルノちゃん・・・」
「そう、いい宝を見つけたわね・・・」
はたからすれば笑われるようなもの。しかしチルノにとっては、どんな財宝よりも価値がある立派な宝だった。
いや、チルノに限らず、誰にとっても値打ちのつけられない宝なのかもしれない。
その後三人は結局使わなかったスコップを持ってチルノの家に戻り、身体と服を洗ってからそれぞれの帰路に着いた。
昨日、そして一昨日ともに虹を見ることができ、その時にこんな話を思いつきました。
今回は久々のチルノと大ちゃん、そして約2年振りのめーりんです。
チルノが最後に見つけた宝、いつまでも大事にしてほしいものです。
ちなみに虹の根元に宝云々は「はだしのゲン」9巻を参照してください。
ぐう
- 作品情報
- 作品集:
- 27
- 投稿日時:
- 2011/07/13 04:22:28
- 更新日時:
- 2011/07/13 13:31:32
- 分類
- チルノ
- 大妖精
- 紅美鈴
- スカトロ
- お漏らし
国語や道徳の教科書に使えるのではないですか。
……スカシーンをカットすれば。
でもスカあってこそ、輝く作品ですからね。
虹というと某特撮物にあった、ドーナツ好きの宇宙人のペットである、虹を食べる怪獣を思い出しましたよ。
スカシーンなくして私の話は成り立たないです、たとえいい話でも。
虹を食べる怪獣・・・あいつのことですか。
>名無し(2)さん
ちるちる坊主をあまり長く吊るしておくと、涼しいを通り越して寒くなるのでご注意くださいw