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『幸せな日々』 作者: 零雨
ここは魔法の森。
普通の人間なら瘴気で死んでしまうような危険な森に、霧雨魔理沙は住んでいた。
そんな彼女のもとに珍しく、客が来た。
コンコンとドアをノックする音が響く。
「はいはい。今開けるぜ」
魔理沙がそう言ってドアを開ける。
そこには地霊殿の主、古明地さとりがいた。
「こんにちは、魔理沙さん。今日はお願いがあってここにきました」
さとりが笑顔で言う。
「お願い?まあ、いいぜ。立ち話もなんだから中に入って話そう」
魔理沙が不思議そうな顔をしながら、さとりを部屋に招く。
「それでは、お言葉に甘えて」
そう言ってさとりが部屋に入る。
「で?お願いって何だ?」
魔理沙が椅子に腰をおろしながら言う。
「『報酬しだいなら聞いてやってもいい』ですか……。さすが魔理沙さんですね」
さとりが笑いながら言った。
「相変わらずだなさとり。早く言ってみろよ」
若干苛立った口調で魔理沙が言う。
「ええ、分かりました。では言いましょう。私のお願いというのは魔理沙さん、あなたにぺットになっていただきたいのです。『はあ?何を言ってるんだコイツは?』ふふふ、、文字通り私のペットになって欲しいだけですよ魔理沙さん。ああ、もちろん報酬は弾みますよ」
楽しそうにさとりが言う。
「ふざけるな!私がペットだと?もういい、帰ってくれさとり」
魔理沙が立ち上がって叫ぶ。
「『帰らないなら力ずくでも追い出す』ですか。気が短いんですね魔理沙さん。悪い話じゃないと思いますよ?私のペットになれば食事に困ることはないし、もちろん部屋もさしあげますよ」
「けっ、私はここが気にってるんだ。誰がペットになんかなるか!」
「そうですか……。おとなしく私のペットになる気はないんですね……」
「当然だ!分かったら帰ってくれ」
魔理沙が顔を真っ赤にさせて言う。
「はぁ……。仕方ないですね。おとなしくついてきてくれればよかったんですが。多少手荒なことをさせてもらいますよ……」
そう言ってさとりがゆらりと立ち上がる。
「やれるもんならやってみろってんだ!」
魔理沙が八卦炉を構える。
しかし、魔理沙が魔法を放つ前にさとりが能力を使った。
「読心と催眠の応用です。催眠の世界で考えを改めてください。心の安全は保障できませんよ?壊れないでくださいね。さあ、深い催眠の世界にお行きなさい……」
さとりがそうつぶやく。
魔理沙の視界が暗転した……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔理沙が気がつくと、そこは図書館だった。
「いったいどうなってるんだ……?」
魔理沙がそうつぶやく。
「うるさい魔理沙。読書の邪魔よ」
読書をしていたパチュリーが言う。
「え?あ、ああ悪かったぜ……」
まだ何が起こったのか把握できていない魔理沙。
そこに、さとりが現れた。
「こんにちは、パチュリーさん。魔理沙さん」
さとりがほほ笑みながら言う。
「待ってたわよさとり。早く始めましょう」
パチュリーが興奮した様子で言う。
「さとり!?そうか、私は催眠にかけられたんだ。そうと分かれば問題ない。マスタースパークで吹き飛ばしてやるぜ!」
そういって愛用の八卦炉を取り出そうとする魔理沙。
「あれ?ない、八卦炉がないぞ!?」
慌てふためく魔理沙。
「お探しのものはこれですか?」
さとりがそういって八卦炉を取り出す。
「それだ。返せよ!」
「ふふ。私が武器を渡すと思いますか?パチュリーさんお願いします」
そう言って、さとりがパチュリーに八卦炉をわたす。
「ええ、任せなさい」
パチュリーはそういうと、呪文を唱え出した。
すると、八卦炉がボロボロと崩れていく。
「やめろ!私の八卦炉が!」
魔理沙の叫びもむなしく、八卦炉は塵になって消えてしまった。
「ああぁああぁぁあ……」
絶望した表情を浮かべる魔理沙。
そこに容赦なくさとりが告げる。
「魔理沙さん、あなたにこれから拷問をします。考えを改め、私のペットになるならやめてあげてもいいいですよ?」
「誰が改めるもんか……」
魔理沙が言う。
「それは残念です。では、拷問を始めましょうか、パチュリーさん」
「ええ、そうしましょう」
ぱちんとさとりが指を鳴らす。
すると魔理沙は金縛りにでもあったかのように動けなくなった。
そして無数の針が現れた。
「魔理沙。あなたは私の本を472冊も盗んでいったわ。だから、これからあなたに472本の針を刺すわよ。」
パチュリーが満面の笑みを浮かべて言う。
「そんな……理不尽だ!私は借りてるだけだ……」
魔理沙が叫んで逃げ出そうとするが、体はぴくりとも動かない。
「関係ないわ。それに、あなたが死んだら本は帰ってくるしね」
針をもったパチュリーが言う。
「ちょっと待って!返すから!本なら返しますから、許して!」
必死に許しをこう魔理沙。
それに対しパチュリーは
「うるさい」
そう言うと魔理沙の右の掌に針を思い切り刺した。
「あああぁあぁああぁぁああッッ!!」
魔理沙が痛みで絶叫する。
貫かれた右手から血があふれだす。
「まだ1本目よ。さあ、どんどん行くわよ」
心底楽しそうに言うパチュリー。
次々と魔理沙に針が刺されていく。
そのたびに魔理沙は絶叫し、血が図書館の床を紅く染めていく。
100本目を刺し終えたあたりで、魔理沙の心はボロボロだった。
「もう痛いのはいやぁ……。お願いだから許しでぇ……」
泣きながら魔理沙が言う。
そこにさとりがこうささやく。
「助けてあげましょうか?魔理沙さん」
魔理沙は驚いた様子でさとりをみる。
「……ほんどうに?もお痛いことされないの?」
魔理沙がさとりに泣きながら聞く。
「ええ。ただし条件があります。聞いてくれますよね?魔理沙さん?」
そとりがいやらしい笑みを浮かべながら訊ねる。
「…うん……うん」
魔理沙がうなずく。
「ではこう言ってほしいのです」
そとりが魔理沙に耳打ちする。
「わかった……」
魔理沙が再びうなずく。
「あら、私はもう必要ないのかしら?」
「ええ。ありがとうございましたパチュリーさん」
「そう、分かったわ。じゃあね」
そういうとパチュリーは溶けて消えてしまった。
「さぁ、魔理沙さん。お願いします」
さとりが魔理沙にそう言った。
「わ、わたしは…霧雨魔理沙は……古明地さとり様のペットになり…どのような命令のも従い、反抗しないことを……誓います」
魔理沙が声を詰まらせながら宣言する。
「よくできました。その言葉を忘れないでくださいね。では、終わりにしましょうか」
そう言ってさとりが指を鳴らす。
「最後に、あなたはここでの出来事を覚えることはない。そして今までの記憶も失い、新しい自分として生まれ変わるの。覚えているのは、誓いの言葉と、いつも通りの日常。地霊殿でみんなで仲良く過ごしている日々のことだけ……。では、帰りましょうか。幸せな日常に。」
魔理沙の視界が暗転した……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔理沙が気がつくと、そこは地霊殿だった。
「おはよう、目が覚めましたか。」
さとりがそう言った。
「はい、さとり様」
魔理沙がそう返事した。
「夢を見ていました。とっても怖い夢を……」
「そう、それは怖かったでしょうね。でも大丈夫よ、ここには怖いものなんかないから」
そとりは安心させるように穏やかな声で言った。
「ご飯、できてますよ。いっしょに行きましょう」
さとりの言葉にうなずいて、魔理沙はキッチンに向かう。
その二人の後ろ姿は、幸せな家族のようだった。
キッチンに着いた魔理沙とさとりは、食事を始めた。
「今日のご飯もおいしいですね!」
幸せそうな笑みを浮かべ魔理沙が言った。
心の底から幸せそうな顔で……。
10作目です。
彼女はこれから幸せな日常を送っていくことでしょう。
忌み嫌われた地底の妖怪たちとともに……。
零雨
- 作品情報
- 作品集:
- 27
- 投稿日時:
- 2011/07/17 07:09:33
- 更新日時:
- 2011/07/17 16:09:33
- 分類
- 魔理沙
- さとり
- パチュリー
- 微グロ
魔理沙は深層心理の奥の奥まで下衆だった事に……。
それに気付いた時、既にペット達は離散、妹は自らの手で始末して、さとり自身は魔理沙に骨抜きにされていた。
気付いたが、最早どうする事もできない。どうする気もしない……。