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『幻想郷夏祭り 上』 作者: ぐう
「幽香さん、本当に行くんですか?」
「もちろんよ。そういうあなただって興味があるんだからついてきたんでしょ?」
今日は幻想郷全土を挙げての夏祭り。ここはそのお祭り会場・・・の外れ。会場に面している名もない小さな森の中だ。
その森の中を歩くのは二人の緑髪、リグルと幽香だった。
森の外では人々が楽しむ声が聞こえ、提灯や沈む寸前の夕日が照らしている。
しかし少しでも奥に踏み込もうものなら、一気に差し込む明かりは少なくなり、足元すらまるで見えなくなってしまう。
「この森にある今は廃れた神社、その真相を確かめるのよ」
「幽香さん、度胸ありますねぇ・・・」
時間的にはまだ少し早いのだが、欲に言う「肝試し」に二人はこの森を訪れていた。
ここはほんの小さな森で、人々からの知名度もほぼないに等しい。実際幽香たちも噂話を耳にするまでは、この森の存在すら知らなかったのだ。
「ねぇ幽香さん、食べたばっかりですしちょっと休んでからにしましょうよー」
「こういったのは誰かに先を越されると面白くなくなるの。どこぞの烏天狗にネタを先取りされたりしたら尚更だわ。ほらリグル、行くわよ!」
「いたたたた、わかりましたから腕引っ張らないでください」
森に足を踏み入れる少し前に、二人は売店でいくつか食べて腹を満たしてきた。
だが食べてからほとんど間を置かずに森に入ることになったため、リグルが休みたいと言ったのはそのことによるものだろう。
しかし幽香は聞く耳を持たず、リグルの腕を引っ張ってまで先に進む始末。
しばらく森の中を歩いていると、二人の前に今にも崩れそうな神社が姿を現した。恐らくは噂で聞いた神社だろう。
如何にも幽霊や物の怪、それ以上の者が現れそうな不気味な雰囲気が漂っていた。
「うわー・・・この寂れ具合からして10年はいってますね・・・」
「いいじゃないこういうの、血が騒ぐわ。リグル、私がついてるから安心しなさい」
「はい・・・。でも無闇に幽霊とかに手を出したりしたらダメですからね」
「わかってるわよ」
幽香ほどの実力者なら、仮に凶暴な幽霊や妖怪が潜んでいたとしてもよほどのことがない限りは負けることはありえない。
今のリグルは、幽香よりも彼女に倒される相手のほうを心配しての発言だった。
(うふふ、ここでリグルにいいところを見せて私に惹かせれば・・・)
リグルがどう思っているのかは知らないが、幽香はリグルに以前から思いを寄せていた。
実力としては幽香のほうがはるかに上。しかしリグルへの思いに対して、単なる力は無力といってもよかった。
そこでこの肝試しでいいところを見せ、魅力をアピールするのが幽香の狙いだろう。
(でもいざ来てみると、ちょっと怖いわね・・・)
「どうしたんですか幽香さん?」
「ひゃっ!? な・・・何でもないわよっ! さぁ、もたもたしてないでいくわよ!」
リグルの問いかけに驚く幽香。そう、独り言の通り、以外にも幽香はちょっとした怖がりだった。
大妖怪の名は伊達でなく、実力でいうなら幻想郷でも5本の指に入るほどで、そこらの幽霊や妖怪など本気を出しても歯が立たない。
だが実力と性格が一致する訳ではないようで、ネズミを怖がる象をイメージしていただければ幸いである。
それを悟られないよう、幽香は気を取り直して神社へと歩いていき、リグルも後を追っていった。
「あちこちに幽霊が飛んでますね、相当のものですよここ・・・」
「ここもかつては博麗や守矢の神社みたいに、華やかだったのかしらね」
白いふわふわした幽霊たちがあちこちを飛び回り、幽香の後ろにリグルがついて歩く形で神社の境内を捜索した。
そのリグルの足取りはさっきより悪く、しきりにお腹に手を当てるようになっていた。
(やばいなぁ、やっぱ食べてすぐに出たのがまずかったかな・・・)
彼女のお腹の音は幽香には聞こえていないようで、それが唯一の幸いなことだろう。
できることならちょっと離れて用を足したいところだが、今肝試しに集中してる幽香にそう声かけするのは肝試し以上の勇気が必要だ。
もちろん、黙って行くなどもってのほかである。
「それじゃ小手調べは済んだことだし、本堂にお邪魔させてもらおうかしら」
「は、はぁ・・・」
意気揚々の幽香に対し、リグルは腹痛もあって弱々しい返事を返した。
もっとも、幽香も怖いのを我慢するために自らを奮い立たせているに過ぎなかったのだが、リグルがそれを理解しているかどうかはわからなかった。
この神社はもうどれくらい人の手が加えられていないのだろうか。リグルの言う10年か、あるいはそれ以上の年月の可能性すらある。
廊下は歩く度にきしみ、柱や壁は少し腐っている部分があちこちに見受けられ、部屋の畳も苔やキノコが生えるほどの有様だった。
ここまでの傷み具合からして、仮にこの神社を立て直すとするなら一度取り壊してからやるしかないだろう。
「予想はしてたけど、相当ひどい有様ねこれは」
「そ、そうですね・・・」
神社の寂れ具合もかなりのものだが、リグルを襲う便意も相当のものになっていた。
さっきから肛門が何度もひくついており、そろそろ腹をくくって言わなければ決壊は時間の問題だ。
「ゆ・・・幽香さん・・・」
リグルが蚊が飛ぶような声で幽香に話しかけたその時だった。
カサカサカサカサ!
「ひっ!?」
突然聞こえる何かがうごめくような音に、幽香は背筋をゾッとさせた。
そして恐る恐る音がした天井を見上げると、数にして20匹以上はいるゴキブリが天井を動いていた。
「き、き、き・・・きゃああああああああああああああああ!!!」
幽香はとても大きな悲鳴を上げ、もし神社の損傷がもう少しひどかったら崩壊させているくらいだった。
その悲鳴に驚いたゴキブリたちは一斉に逃げ出し、幽香は何かに抱きつき顔を押しつけながら悲鳴を上げ続けていた。
「あぁ怖かったわ・・・。この大妖怪の私に悲鳴を上げさせるなんて・・・」
「ああ・・・あ・・・」
「ああごめんリグル、急に抱きついちゃって・・・・・・ってうわっ!?」
幽香はようやく落ち着き、抱きついていた何か、もといリグルを手放した。
しかしそのリグルは放心状態で立ちつくしており、足元に何かベチャベチャと落ちていることに気がついた。
ビビッ、ブビュビチチチ・・・
「ちょっとリグル、あんた何うんちして・・・」
「ごめんなさい・・・さっき幽香さんに全力で抱きしめられて・・・」
「抱きしめられてって・・・あっ!」
やがて排泄音が幽香にも聞こえるようになり、リグルのズボンの合間を抜けた下痢便がボタボタと廊下の上に落ちてゆく。
リグルの言葉でふと思い出す幽香。そう、先ほど抱きついた何かはリグルで、顔を押し付けたのは恐らくはリグルのお腹。
それがすべてを理解した幽香は、さっきまで叫んで高まっていた血の気が一気に引いてゆき・・・
「ごっ、ごめんリグル! 私が抱きついたせいで・・・」
「いえ、いいんです・・・ははは・・・」
「もしかしてあの時休みたいって言ったのは、トイレに行きたかったってこと? もしそうなら私なんてことを・・・」
幽香は更に記憶を遡(さかのぼ)り、腕を引っ張ってまで休憩させなかったことを思い出した。
リグルにいいところを見せるつもりが、ただの押し付けになってしまっていた。そんな自分に怒りを覚えていたその時・・・
「きっ、きゃああああああああああ!」
顔を上げる幽香の前に、ひとつの人魂がメラメラと燃えていた。
この人魂をつぶすことくらい幽香には造作もない話、だが不意打ちで驚かされたら話は別だった。
「あっ、幽香さん!」
人魂に驚いた幽香は、さっきよりはましな悲鳴を上げて廊下を走りだした。
失禁を終えたリグルの呼びかけも、幽香の耳にまったく届いていなかった。
「ううっ!?」
廊下をしばらく走っていた幽香は、突然走るお腹の痛みに我にかえって足をとめた。
彼女もリグル同様に、祭りの屋台で腹を満たしてからすぐここまできた。それによる腹くだりだった。
更にもう一歩足を踏み出したそのとき・・・
バリバリバリ!
「きゃあっ! あいたたた・・・」
踏んだ部分の腐敗が著しかったのか、幽香の右足は床を突き破ってはまってしまった。
もうひとつ付け加えるとするならば、今の落下のショックで・・・
しゅわしゅわしゅわっ、ちょろろろろ・・・
「やだっ! と、止まってっ!」
床を破っての片足落下による衝撃、そして足が開いたままによって幽香の膀胱は我慢を一気に奪われた。
下着に黄色のしみができた後、幽香の右足をおしっこが垂れ流れてゆく。
ぴちぴちぴちぴち・・・
「やだもう信じらんない・・・足がはまるわおしっこ漏らしちゃうわ・・・」
ふんだりけったりのアクシデントの連発に、さすがの幽香も泣きたくなった。
悪いことはとことん重なるもので、更に大変なのはここからだった。
床底はまった足を抜かねばならないのだが、これが意外と抜けないもの。
「くうう・・・こんな時にうんちしたくなるなんて・・・」
落下の衝撃は尿意だけでなく、便意までも加速させるスイッチとなった。
更に足を抜く時に力をこめてしまうため、どうしてもお腹に負担をかけて便意を促進させかねなかった。
せめて下着を脱いで床下に用を足し、それから足を抜く方法も考えた。しかし足を開いたこの姿勢で、どうあがいても脱ぐことなどできない。
「こんなみっともないところリグルに見られるわけには・・・」
「幽香さーん、どこですかー?」
「って言ってるそばから! リグル、こっち来ちゃダメよー!」
遠くから聞こえてくるリグルの声。今この有様を見られるわけにはいかず、幽香は腹痛を押して声を出した。
しかし幽香を探してるリグルからしたら、今の声は幽香の居場所を特定させてしまうため完全な墓穴となった。
名残の下痢便を垂らしながら、リグルは幽香のもとへと到着した。
「幽香さん、あれはただの人魂ですから大丈夫です・・・って何やってるんですか?」
「何もかにも見ての通り、足がはまってしまったのよ! おまけにおしっこ漏らしちゃうし・・・」
涙目の幽香の気持ちを察し、リグルは手を差し伸べた。
「じゃあ私も手伝いますから、手を貸してください」
幽香の手をとり、リグルは声をかけて引っ張った。
「じゃあいきますよ、せーのっ!」
「いたたた、痛い痛い痛い!」
「もう一度、せーのっ!」
「あいたたた! そんなに強くしたら出ちゃう!」
「えっ、出ちゃう?」
「な・・・何でもないわよ! それより早く!」
「じゃあもう一回、せーのっ!」
腹と足の痛みに騒ぐ幽香をなんとか引っ張るリグル。そして・・・
「ってうわっ!」
ようやく幽香の足は抜けたのだが、その勢いで幽香は吹っ飛び、リグルの上にのしかかる形になった。
「あいたたた・・・ん? わわっ!」
リグルがふと目をあけると、リグルの目の前には下着に包まれた幽香の丸い尻がドンと置かれていた。
胸に加えて男たちを釘付けにする魅力的な幽香の尻が、今リグルの目の前にあるのだ。
しかしその後、幽香はあわててこう言った。
「あっダメっ! リグル、鼻をつまんでっ!」
プスッ、ブウウウウーーーッ!
「あっ!」
「うわっ! げほっげほっげほっ!」
幽香の声をリグルが理解するより早く、幽香の肛門は強烈なガスを噴射した。
何も知らないリグルは顔面におならを受けてしまい、その臭さに思わずむせかえった。
ブチッ、ブチュブビブビュビュ・・・
「ごめんリグル、もう我慢できなくて・・・うんん・・・」
限界になった幽香にリグルの上からどく力はなく、彼女にのしかかったまま限界に達してしまった。
大きな尻を包む下着に、茶色のふくらみが現れはじめた。
ブブビッ、ミチミチブビビビビビ・・・
「人の上でうんち漏らすなんて・・・はあああ・・・・」
「これが、幽香さんのうんち・・・」
幽香は自分のしていることがえげつないことはわかっている。しかし排泄の欲求は彼女に排便以外の余地を与えなかった。
リグルもむせが落ち着き、目の前で茶色のふくらみを増す幽香の尻をじっくりと眺めていた。
どうにかしようにも幽香がどかないことにはどうしようもない。今のリグルには幽香の排便を最後まで見届ける以外になかった。
すべて排泄し終えた後、二人は互いに後始末を終えて神社を後にした。
揃ってお漏らしした以上、このまま肝試しを続けたところでみっともないだけだからだ。
森を後にして飛ぶ二人は・・・
「リグル、本当にごめんなさい。あの時あなたを休ませてあげればよかったのに、私の自分勝手で」
「もういいんですよ幽香さん、あれは神社に着いたとき改めて言わなかった私も悪いんですから」
「それに足がはまったのを助けてもらったのに、あなたの上でうんち漏らしちゃうなんて、ああもう私ったらことごとく最低な女・・・」
「幽香さん、そんなに自分を責めないで・・・」
リグルの排泄を妨げ、あまつさえのしかかった彼女の上で致した自分。
いくら相手が極端な格下とはいえ、無礼どころではない話なのは確か。と、その時・・・
ドーン!
「わっ!」
「きゃっ! びっくりした・・・花火が始まったようね」
大きな音とともに夜空に大きく広がる花火。どうやら祭りは本格的な盛り上がりを迎えたようだ。
空を飛ぶ二人の前に、弾幕より美しい華が大きく咲き開いた。
「幽香さん、もうこの際花火を見ていやなことは全部水に流しましょう。私はもう気にしてないですから」
「リグル・・・本当にありがとう。そうね、私の家で綺麗に洗いながら花火の続きを見ましょうか」
「そうです、それでこそ幽香さんです」
二人は次々と打ちあがる花火を見ながら、幽香の家があるヒマワリ畑目指して夜空を飛んでいった。
リグルが幽香を許す理由のひとつは、彼女の失禁を目の前・・・いや顔の前で直接拝むことができたことによるものだろう。
花火が打ち上げられる空の下、こちらでもちょっとした出来事が起こっていた。
今回は久々のリグルとゆうかりんです。夏祭りの割には肝試しの話で祭りほとんど関係なかったw
ゆうかりんは強さこそチートですが、ちょっと怖がりなど少々弱みを持っているのが私のイメージです。
自分で書いてて何ですが、ゆうかりんにのしかかられてあまつさえ目の前でうんうんお漏らしを拝めたリグルがめちゃくちゃ羨ましいですw
もうひとつ続きます。次は誰にしようかな?
ぐう
- 作品情報
- 作品集:
- 27
- 投稿日時:
- 2011/07/28 00:31:34
- 更新日時:
- 2011/07/28 09:31:34
- 分類
- リグル・ナイトバグ
- 風見幽香
- スカトロ
- お漏らし
- 我々の業界ではご褒美です
幻想郷では幽霊や人魂は珍しくも無く、Gなぞリグルの眷属ですからね。
でも驚くのは、お約束、いや義務といっても過言ではありません。
そして便想郷では、びっくりした拍子での失禁、脱糞、放屁はお約束、と。
禁断のダムをドミノ倒しで決壊させるのは、ピタゴラスイッチ並みの美しさ!!
この幽香、乙女だ……。
そしてリグル、なんてツイているのだろうか、いや、たしかに『ウン』はつきましたが……。
あの後、廃神社は汚物や幽霊達と共に極太レーザーで焼却処分にされていたりして……。
続編である、花火大会の話が楽しみです。
強いからこそ乙女な一面があってもいいんです。
リグルめ、羨ましいぞこんちくしょう(ぉ
>名無し(2)さん
来年の参加をお待ちしております