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『永遠亭クイズ』 作者: 筒教信者

永遠亭クイズ

作品集: 28 投稿日時: 2011/08/06 17:37:29 更新日時: 2011/08/07 02:37:29
「慧音! 慧音!! しっかりしろ、慧音!!」

 聞きなれた声がして、慧音は目を開けた。長年聴き続けたこの声を、間違えるはずがない。妹紅だ。
 言葉を返そうとした慧音だったが、意味のある言葉が出てこなかった。だらしなく開かれた口からは、だらだらと涎が垂れている。
 視界の端に映る妹紅は、奇妙な椅子に座っていた。ガタガタと動かしているようだが、何故か立ち上がろうとしない。
 妹紅は、慧音を必死に呼び続けている。そんなに呼ぶのだから、こっちからいってやろうと思ったが、何故か手足に力が入らない。
 
「永琳、慧音はまだ覚醒してないようだから手伝ってあげて頂戴」
「分かりました」
 
 何処からか声がして、慧音の視界を人の体が塞いだ。
 慧音の目の前に立った人物は八意永琳だ。それにさっき聞こえた声は蓬莱山輝夜だろう。それならここは永遠亭だろうと慧音は思った。
 永琳は、慧音の顔へ自身の顔を近づけると、口角を歪めた。寒気がするような、凄惨な笑みである。
 それからすぅ、と手を上げたかと思うと慧音の頬を思いっきりひっぱたいた。
 じぃんと痺れるような痛みと共に、はられた頬が熱くなっていく。
 
「起きたかしら? おーい、慧音先生ー、慧音先生ー?」
「……駄目ね。まだ起きてないようよ、輝夜」
「ふーん、それならもっとやって頂戴」
 
 その命令に返事をすると、永琳は拳を握りこみ、何度も慧音の顔へと叩きつけた。
 始めのうちはただ顔を揺らすだけだったが、撒き散らされる鼻血の量が増えるにつれ、口から呻き声が漏れ始めた。
 やめろ、やめろと妹紅が叫んでいる。
 呻き声が大きくなってから、永琳は拳を止めた。
 鼻血を流しながら呻く慧音を冷ややかに見ると、輝夜の隣へ移動した。
 殴られ続けたことで意識が覚醒した慧音は、鼻血を拭おうと手を動かそうとして、それが動かないことに気がついた。
 慧音は今、椅子に座らされている。所謂拷問椅子だ。両手両足を拘束し、一切の身動きをとれないようにしてある。それに気がついた慧音が、驚きの叫び声を上げた。
 
「慧音、大丈夫か!」

 妹紅の悲痛な叫び声が響いた。力のかぎり叫んでいたせいか、彼女の声は少しかすれている。
 その声に輝夜は眉をひそめると、永琳に目で合図をした。
 永琳は隅に置いてあった石を手に取ると、上から妹紅の膝へと落とした。

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 激痛のあまり、妹紅が叫んだ。石落とされたことによる痛みと、体を貫かんばかりに突き刺さる針から来る痛みである。
 彼女が拘束されているのは針の椅子と言われる道具だ。尻と腕の当たる部分に、鋭利な針が張り巡らしてあり、些細な動きで体へ突き刺さり苦痛を与える。
 それに座らされたまま、石を落とされたのだ。服を着ているとはいえ、幾つかはそれを突き抜けて肉へと突き刺さっている。

「妹紅!! お前たち、何を!!」
「何をって、これからやることの下準備よ」

 今度は、慧音が叫び声を上げる番であった。しかし、どんなに叫んで暴れようと、拘束具はびくともしない。
 輝夜はトコトコと妹紅に近寄ると、膝の上にある石へと腰掛けた。
 その重さも、妹紅へ苦痛を与える要因となり、叫び声こそ上げなかったが痛みに顔をしかめ、呻いた。

「それじゃあ始めましょうか。ドキドキ永遠亭クイズー!!」
「わー」

 輝夜の声に一拍遅れて、永琳が棒読みの歓声を上げた。パチパチパチパチと、忙しそうに手を叩いている。
 輝夜はすとんと床へ降りると、目を白黒させている慧音へと歩み寄った。

「何をするのか分からないって顔をしているわね。あのねぇ、妹紅にかーんたんなクイズに挑戦してもらうのよ。それはもう凄く、すっごく簡単だから、ちょっとした罰ゲーム付きのね」
「クイズ? 罰ゲームだと……?」
「そう。で、その罰ゲームを受けてもらうのが慧音先生」

 ケラケラと、心底楽しそうに輝夜が笑った。
 輝夜は永琳を呼び寄せると、懐からペンチを取り出し手渡した。
 受け取った永琳はそれを慧音の眼前へと突き出し、パチンパチンと動かし始めた。その顔には気味の悪い笑顔が張り付いている。
 何をされるのかという恐怖から、慧音は小さく息を飲んだ。
 永琳は気味の悪い笑顔のまま、右手で慧音の顔を鷲掴みにすると、輝夜へ目で合図を出した。
 合図を受けた輝夜は両手を使い、無理やり慧音の口を開かせた。必死に口を閉じようとするが、異常な腕力でビクともしない。
 永琳はゆっくりと口の中へペンチを入れると、奥歯を一息に引き抜いた。

「ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 口の中から手を引き抜くと、血濡れの歯をほうり投げた。
 痛みで悶絶する慧音の姿がおかしいのか、腹を抑えて、けらけらと二人は笑っている。
 笑い転げる二人を睨みつけながら、妹紅は「殺してやる、殺してやる」と吠え続けていた。
 輝夜は必死に笑いを押し殺しながら、

「まぁこういうことよ。妹紅が答えられなかたら、慧音がこうなっちゃうから。ああ……それと、実際の罰ゲームで抜くのは歯じゃないわよ」
「クソッ!! 絶対に殺してやる!!」
「その意気込みは見事だけど、その前に答えたほうが良いわよ?」

 睨み殺さんばかりの妹紅を、輝夜は冷ややかに笑ってやった。





 カンペを前にして、輝夜と永琳が顔を突き合わせている。二人は何かを言い合ったり、くすくす笑い合ったりと、傍から見ると微笑ましい光景だ。
 だが、拘束されている妹紅と慧音からすれば、悪魔以外の何者でもない。この笑顔は、自分たちをどう苦しめようか、どんな悲鳴をあげるのかと期待に胸を踊らせている顔だ。
 輝夜は顔を上げると、妹紅を見て微笑んだ。

「では、第一問。永遠亭から人里まではどれぐらいの距離があるでしょうか!」
「な、え……」

 突拍子も無い問題に口ごもる妹紅を尻目に、輝夜は「ちっちっちっ」とカウントダウンを口ずさみ始めた。
 そして直ぐ様「ブブー、時間切れよ」と言うと、永琳に「やって頂戴」と指示を出した。
 永琳は気味の悪い笑顔を貼り付けたまま、ペンチを動かしながらゆっくりと慧音に近寄ると、右手親指の爪をペンチで挟んだ。
 それを見た慧音の顔から血の気が引いていく。それを見ながら、妹紅は止めろと叫ぶことしかできない。
 そんな二人の様子を堪能するかのように、永琳はゆっくりゆっくりと手を動かし始めた。それに合わせて、爪が指から離れていく。
 
「ぎゃぁぁぁぁぁ! いだい! いだいぃぃぃ!!」

 ゆっくり動かしているのは意図的である。できるかぎり苦痛を与えるための行為に他ならない。
 痛みのあまり、絶叫を発しながら顔を滅茶苦茶に動かす慧音を、輝夜は満足そうに見ていた。
 ようやく爪を剥がし終わった頃には、親指は血まみれになっていた。息も絶え絶えの慧音に満足したのか、輝夜は「永琳、お疲れ様」と声をかけた。

「いえ、私も楽しめましたし」

 永琳はそう返すと、爪のあった場所をペンチで軽く叩いてやった。たったそれだけで慧音の口から悲痛な叫びが迸る。
 輝夜は満足気に頷くと、殺してやる、殺してやると叫ぶ妹紅へと優しく微笑んだ。

「妹紅が答えることができたら良いのよ。そうすれば、慧音はあんなに痛がらなくてすむわ」

 今すぐ目の前のこいつを焼いてやりたい。妹紅はそう思った。だが、何度試しても炎がでない。
 当然だ。椅子に細工が施してあり、そういった行為はできないようにしてある。
 輝夜はカンペに目を落とすと、「えーっと」と言いながら視線を動かし始めた。しばらくそうしてから「これが良いわね」と声を上げた。
 カンペから妹紅へ視線を移した輝夜が、問題を出そうと口を開いた。

「次の問題よ。永琳の誕生日は何時でしょうか」

 妹紅は一瞬呆気に取られた顔をして、それから憤怒の表情になった。自身の体が傷つくことも厭わず、輝夜に食いつこうと必死に体を動かしている。
 
「ふざけるな! ふざけるなふざけるな!! そんなもの、分かるわけ無い!!」
「その答えは、不正解よ。えいりーん」

 問題を出した後なのだから、今の妹紅の発言を回答としたのだ。無論、間違いなのだから、輝夜は永琳に声をかけた。
 最初から正解させるつもりなど無い。これは、輝夜と永琳が、自身を満足させるためだけに行うことなのだから。
 右手人差し指の爪をペンチで挟み、ゆっくりと引き剥がしていく。

「あぎぃぃぃぃ!! や゛めっ!! い゛がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「止めろ! 止めてくれぇ!!」

 慧音の悲鳴と妹紅の叫び。
 二人の声は輝夜の耳朶を打ち、常人ならば耳を覆いたくなるそれを、心地良いと思った。
 体が傷つくことも厭わず、慧音を助けるために拘束から逃れようと暴れる妹紅と、痛みのあまり気狂いの様に髪を振り乱す慧音の姿は、何かに記録しておきたいと思うほどだ。
 それはきっと、永琳も同じだろうと輝夜は思った。長年付き合ってきたのだからよく分かっている。自分も彼女も、こういう性癖なのだ。
 親指と同じように、人差し指が紅く染まる。一息に引きぬくか剥がれれば出血も少ないのだろうが、永琳はわざと出血が酷くなるよう剥がしていた。
 慧音の顔は涙と鼻水でグチャグチャで、普段の端正な面影は何処にもない。妹紅も同じような具合だ。
 悪態をつき続ける妹紅を心のなかで嘲りながら、またカンペへと目を落とした。出来ゲームなのだから、妹紅が正解することなど先ず無いのだ。
 輝夜の中にあるのは、早く、早く次の悲鳴を聞きたい。その一心である。
 
「それじゃあ次に行くわよ……」

 輝夜がそう言うと、妹紅がグチャグチャになった顔で此方を見た。とても無様でみっとも無くて、輝夜の心をくすぐった。
 ああ、その顔よ。股間が熱くなるような感覚がした。




「はーい、不正解ー。永琳お願いね」
「がぎぃぃぃぃぃぃぃ!! い゛ぃぃぃぃぃぃ!!」

 中指は上からヤスリで削り取られた。
 徐々に減っていく爪と、削られていく感触に恐怖する顔は格別だった。
 肉まで削られたところで、慧音は体を震わせて絶叫した。
 



「こんな問題も答えられないの?」
「いぎぃぃぃぃぃぃ!! あ゛づい、あづい゛ぃぃぃぃぃぃ!!」

 薬指には、尖った鉄を爪と肉の間に無理やり差し込まれた。真っ赤に焼けたそれは、じゅうじゅうと慧音の指を焼き焦がした。
 肉の焼ける悪臭が辺りに立ち籠めるが、それを輝夜は鼻腔いっぱいに吸い込んで顔を綻ばせた。
 その後、永琳は鉄の棒を引き上げ、爪を剥がした。その時にも、慧音は痛みで絶叫した。
 



「別に不正解でも良いのだけれどね、慧音が痛い目に会うだけだから」
「ぎびぃぃぃぃぃぃ!! もう゛やめでぐれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 小指は爪を剥がされてから、焼きごてを当てられ、潰された。
 風が当たっただけでも激痛が走るというのに、焼かれるのだ。その痛みたるや尋常なものではない。
 痛みのあまり、股間から小水が流れだした。それを見ると、輝夜はとんとんと傷口を叩きつつ、言葉巧みに慧音をなじった。




 両手の指を合わせて十本。それら全てに違う苦痛を与えられ、慧音は悶絶した。
 十本目の爪がトンカチによって指ごと潰されたとき、慧音の意識は掻き消えそうになっていた。
 目は見開かれ涙が流れ続けている。口はだらしなく開かれ、意味を持たない呻き声だけを発するだけになっていた。その呻き声も、叫び続けたせいかすっかり掠れている。
 これ以上やってもろくな反応は見込めないだろう。そう判断した輝夜は、永琳に目配せをした。
 それを見た永琳が部屋から出ていくと、輝夜は妹紅を見た。
 
「そろそろ飽きてきたし、次が最後の問題よ。これに答えることができたら、二人とも解放してあげる」
「本当だな!? 本当に慧音を解放してくれるんだな!?」
「ええ、約束は守るわよ」

 藁にも縋りたい妹紅は、これにあっさりと頷いた。
 満足そうな輝夜は鼻歌を歌いながらカンペに目を落とし、「どれにしようかしらねー」と問題を選び始めた。
 そして一箇所を見つめ、口角を上げた。それから顔を上げると、

「さて問題です……。妹紅、貴女が好きな相手は誰かしら?」
「え……?」

 素っ頓狂な声が出た。焦らしておいて、そんな問題なのか?
 呆けている妹紅は、その間に部屋へと戻ってきた永琳には気がつかなかった。
 カウントを刻み始める輝夜の声に我に返ると、身を乗り出して叫んだ。

「慧音、慧音だ!」

 普段なら恥ずかしくてとても言えない。だが、慧音を助けるためには恥も何もなかった。
 腹の底から声を出して、慧音の名前を叫んだ。
 その声が聞こえたのか、慧音の目に意思の光が戻ってくる。

「も、こう……」
「慧音! けい……」
「はい、大正解ねー」

 妹紅の言葉を遮るように輝夜が言って、それから音が二つした。
 最初は何かを切る音。次に聞こえたのは、何かが落ちた鈍い音。
 ごろん、と床に転がっている物は人の頭のようで、後頭部を妹紅へと向けていて顔が見えなかった。
 だが髪色には見覚えがあった。
 それから、解放されているはずの慧音を見た。
 そこにあるのは、首のない慧音の体があった。首から上があったはずの空間には何もなく、断面からは血が吹き出し始めている。

「けい……」

 最後まで言うことは出来なかった。
 妹紅が最期に見たのは、笑顔のまま斧を振り下ろす永琳の姿だった。




「あー、楽しかった。……あとは死体を片付けるだけね。これは面倒だわ」
「駄目ですよ。片付けまでやってこそ意味があるのだから」

 永琳は嫌そうな顔を見せる輝夜に苦笑し、人差し指を立てて注意した。
「はーい」という返事に満足して、首なし死体と化した慧音を見た。
 断面から流れ出る血は、少し落ち着いてきたようだ。だが、すでにかなりの量が流れ出たらしく、服を赤黒く変色させている。さらに、椅子の下には血溜まりができていた。
 輝夜は嘘を言ったわけではない。苦痛からの解放は、死が一番手っ取り早いのだ。強引なこじつけだが、そもそも端から生きて返すつもりなど無かった。
 カンペには、あのような問題など無かったのだ。少しばかり上げてから落とすという、輝夜のアドリブである。カンペに書いてある問題なら答えることは出来なかっただろう。その時も勿論、罰として首を切り落としていた。
 永琳が席を外したのは、斧を取ってくるためだ。優曇華に命じて研がさせた、やたらと切れ味の良い斧。永琳の腕力も合わさったその切れ味は、一瞬で慧音の首を叩き斬るほどだった。
 その斧は今、妹紅の頭に突き刺さっている。
 妹紅へ目を向けると、斧の柄がとても不恰好な角のように見えて、永琳はクスリと笑った。

「これで、妹紅はずっと私を憎み続けるわね」

 何時の間にか、輝夜が隣に立っていた。その顔には、無邪気な笑みが浮かんでいる。

「ええ、勿論。それが望みだったんでしょう?」
「……そうね。そうだわ。ああ、それとね……」

 輝夜は、永琳の顔をジッと見て、改めてニコリと笑った。

「また、これがやりたいの。良いかしら」
「ええ、勿論よ。輝夜のお好きなように……」
「次もまた、すごく仲のいい二人でやるのが良いわねぇ」
「二人の仲が良いほどより楽しめるわけですから、何組か候補を絞っておきましょう」
「そういうのはお願いするわ。永琳に任せると間違いはないものね。ああ、次が楽しみ……!」

 輝夜はくつくつと笑い続けていた。
グロい描写って、書けば上手くなるんでしょうかね。
お目汚し失礼致しました。
筒教信者
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/06 17:37:29
更新日時:
2011/08/07 02:37:29
分類
藤原妹紅
上白沢慧音
蓬莱山輝夜
八意永琳
1. NutsIn先任曹長 ■2011/08/07 03:06:01
じゃあ、次にして最後は輝夜と永琳のペアでクイズをやってもらおうかい。
観客は、歴代のクイズ参加者で。
かなり楽しめますぜ。
2. 名無し ■2011/08/08 11:13:51
徹頭徹尾、つまらなかった。
3. 名無し ■2011/08/10 12:18:01
題材は良かったし展開もまあまあだったけど
クイズでやる意味が見受けられなかったのはマイナスかなあ。
4. pnp ■2011/08/11 14:23:57
爪への攻撃ってほんとにきゅんってなりますね。
痛さが想像し易いというか、なんというか。
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