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『妖怪少女達の悪臭事情』 作者: イル・プリンチベ
―0― 幻想郷に住む少女達について
私たち外界の人間は幻想郷に住まう少女達に欲情してしまうのだが、実際に彼女達は外界の若い娘と比較しても決して劣ることがないばかりか、むしろよりレベルが高いとさえ思えてしまうのだ。
今をときめくアイドルグループさえ色褪せてしまうほどの魅力を持つと思うのだが、現実的に彼女達にはかかわり合いを持ちたくないと考えてしまうだろう。
なぜそのような考えに落ち着くかというと、彼女達は我々のような人間でなく妖怪であるために、我々人間のことをただ襲う対象でしかないと思っているし、むしろ自らの食料以外の存在でしかないのだ。
そして何よりも彼女達に揃って共通しているのは、恐ろしいほどに体臭がきつくまともに臭いを嗅ぐものなら失神してそのまま死に到るぐらい酷いものである。
彼女達が決して悪いわけではないが、そもそもの生活習慣と環境によりこうなってしまった事にある種の憐れみを感じざるを得ないと私個人は考えてしまう。
幻想郷は我々が住む外界と違って、衛生環境が整っているどころかもの凄く劣悪な為に、外界で滅亡したありとあらゆる病原菌が強烈な悪臭を放つという進化をしてきたのだ。
人里を離れたらあらゆる人妖の排泄物の名残が到る所に落ちているために衛生上極めて悪く、それが元でこちらの世界では撲滅したウィルスが幻想郷では猛威をふるっている有様であることを忘れてはならない。
―1― 闇夜の少女、ルーミア
「わはー、今日も人間を食べたのだー!とってもとってもおいしかったのだー!」
見た目は幼い少女であるルーミアだが、人間を好んで食べる妖怪であるが住み家を持っているわけではない。
ルーミアは妖怪で夜行性という性質を持っているために、その自分の身体を闇で包んで獲物となる人間を探している。
「ん、お腹が痛いのだ。我慢できないから、ここで出すのだ」
どういうわけかルーミアは闇で体を覆ったままそこに立ち止ると、スカートをたくし上げドロワーズを膝下まで下ろし手からその場にしゃがみ込んでしまった。
ルーミアの見た目は人間年齢に換算するとまだ10歳程度であり、中身も見た目同様に幼いことがあげられるために、まだ第二次成長期を迎えていないために乳房の膨らみがなく股間には陰毛が生えていないことが予測されるので、これにより間違いなく初潮を迎えていないと考えられるだろう。
「ふぅ…」
ジョボジョボジョボジョボッ、ジョバーーーーーーー!
しゃがみ込んでから一息つくなり間もなくしてルーミアの尿道から金色の聖水が地面に小さな池を作ってしまい、周囲一帯に目がじみるほど強烈なアンモニア臭を漂わせてしまった。
案の定ルーミアには陰毛が生えておらず、臀部も女性特有の丸みを帯びていないようなので、心身ともにまだ子供だという事があげられる。
「んんっ」
ブッ!
ルーミアが放尿を済ますと菊門からガスが排出されたが、周囲一帯に鼻が曲がるほどとんでもない腐敗臭が漂ってしまった。
普通の人間であればその臭いを嗅いだだけで悶絶してしまうのだが、幸いなことにルーミアの周りに人間がいなかったので犠牲者が出なかった事が幸いだと思われる。
「んんんっ!」
ルーミアは顔をさらに赤く染めていきみ始めると、肛門の穴が開き始めてからすぐに大便の頭が出てしまった。
ブリッ、ブリブリブリブリッ!ブリブリブリブリブリブリッ!!!!!
なんと彼女の菊門から下劣な排泄音を鳴らしたとともに、金色の塊が幻想郷の大地に大量に降臨するも、先程ルーミアの肛門から放たれたガスよりも強烈な腐敗臭が漂ってしまうことで、そこらじゅうにいた動物達が我先といわんばかりに逃げ出してしまうのだった。
「ふぅ、スッキリしたのだ」
体内に蓄積された排泄物を出しきったことで満面の笑みを浮かべたルーミアだが、股間と肛門を拭かないままそのままドロワーズを穿いてしまい、そのままどこかへと飛び去ってしまうのだった。
「よーし。さっき食べた人間は美味しかったけど、もっともっと人間をお腹いっぱい食べたいのだ。出来れば若い女の子の肉がいいのだ!」
ルーミアは食べれるものだったら何でも食べるという性質を持ち、人間が食べるものの他に人肉や他の妖怪の肉などを平気で食べるのだが、特に若い女性の人肉などの肉を好んで食べる傾向にある。しかもお腹が一杯になるまで、“人間狩り”を止めることがないので、非常に性質が悪い。
「今日は勇気を出して人里付近まで近寄って見るのだ!」
ルーミアは何を試みたのか、人里付近まで近寄ってさらに獲物を捕獲するつもりらしい。
今日はこれで人間を3人食べたのだが、それでもまだ物足りないようだ。どうやら小さな体に見合わずかなりの大食いだと思われる。このような考えをしている時点で、人里付近まで近寄ったら妖怪退治を生業とする輩に退治されるリスクを考えていないと見受けられるだろう。
「わはー!食べてもいい人間をもっともっと食べるのだー!」
自らの欲望に忠実なルーミアは、より多くの人間を食べたい欲求が頭をもたげてしまうと、真っ先に人里へと足を向けてしまうのであった。
ちなみにルーミアは生まれてから今まで一度もまともに入浴をしたことがないので、体臭と血液と排泄物の混ざった臭いを漂わせている。
「あっ、この臭い!みんな、ルーミアが来たぞっ!」
一人の若者が異臭を察知した事により、身の危険性を感じ仲間達にルーミアがやってきた事を教えた。
「ひとまず人里に逃げよう!」
そのため強烈な体臭がすればルーミアが近くにいるという事が明らかになるので、人間達は臭いがしない方向に逃げれば食べられずに済むのだ。
「どっちに逃げればいいんだ?奴に近寄らなければ、酷い臭いを嗅がされるに済むんだがな」
「しかも今日に限って強い北西の風があるしな…。どっちに行っても死ぬしかないっていうのも嫌なもんだ」
ただし、あまりにも強烈な悪臭を放っているので、誤って臭いがする方向に進んでしまえばルーミアに捕食されてしまう末路を歩むことになるだろう。
「わはー!食べてもいい人間がいっぱい見つけたのだー!」
「みんな私のご飯なのだー!」
私の個人的な感覚からすれば、ルーミアは糞尿を排泄した後に尿道と肛門についた汚れやカスを、塵紙や水などでふき取るという習慣がないことに驚きを隠す事が出来ない。
「よーし、お腹がいっぱいになるまで食べるのだー!」
「それー、人間達に向かって突撃するのだー!」
それに入浴の習慣がなく、着替えをしないことにも驚愕をせざるを得ないのだ。ルーミアの着ているシャツに黄ばんだ汚れや血だと思われる赤い汚れがある事が、そうであると物語っている。
ルーミア本人が自分の容姿に関して無頓着なために、キャミソールやドロワーズはさらに悲惨なことになっていて、汗で全体が黄ばんでいるだけでなくウンスジやおしっこの黄ばんだ染みが表面まで現れているという有様なのだ。
重度の下着フェチの方であれば、ルーミアのドロワーズの臭いを嗅ぎたい要求が頭をもたげてしまうと思われるが、あまりの悪臭ぶりに失神するどころか絶命する危険性を常に頭に入れておくべきだと私は思う。
―2― 七色の人形遣い、アリス・マーガトロイド
幻想郷で森といえば魔法の森を指すのだが、魔法の森は湿り気が強くその上瘴気が強烈なので、人間が住むには望ましい環境ではない。なぜなら洗濯物は乾きにくく、カビなどの雑菌が繁殖しやすいので、食べ物は物凄い速さで傷んでしまうのだ。
魔法の森は瘴気と何らかの雑菌が絡み合う事で、目が染みるほどの強烈で例えようのない独特の悪臭を放っているのだが、人間が近づき難いがために多くの魔法使いがここを自分の住み家を持ち、自分の研究所兼住居に引き篭って独自の研究に勤しんでいる。
要するにこの臭いが苦にならなければ何の問題もないが、適応するにはそれ相応の期間を必要である。適応しきれた時は嗅覚が麻痺するという代償を支払うことになり、人間の魔法使いである“ゴミクズ”と名高い霧雨魔理沙もアリスと同様に嗅覚に問題を抱えているのだ。
ここは魔法の森に住む魔法使いの一人であるアリス・マーガトロイドの住居でもあり研究所でもある。
アリスは典型的な西洋人で白人という事もあって、肌は白く眼球は青でその上濁りのない金髪で、例えるならば西洋人形みたいな容姿をしている事もあってか、同じ西洋人をルーツに持った他の少女だけでなく、幻想郷古来の日本人をルーツに持つ少女達にも羨ましがられるほどの容姿をもっている。
おまけに体系は比較的長身で非常にスレンダーということもあってか、モデル体型ながらも出るところはちゃんと出ているのだから、男だったら香霖堂の店主見たいにゲイの性癖を持っていなければアリスに魅かれてしまうのだ。
アリスのファッションスタイルは、フワフワした金髪を肩まで伸ばすも前髪をヘアバンドで止めており、青と白を基調としたワンピースの上に手織りのケープを羽織っているので、より西洋人形らしく見えてしまうのだ。
我々が住む外界であればナンパ氏はおろか、アイドルを発掘しようと躍起になっているスカウトマンですら声をかけずにはいられないほど魅力的に見えてしまうのだ。
見た目は完璧なアリスだが、性格面には他人の言動には関心を持たず、常に全力を出さないという致命的な欠陥を抱えているだけでなく、西洋人という事もあって基本的に東洋人より体臭がきつく、博麗の巫女にも劣らない重度のワキガを抱えていることも否めないのだ。
そんな見た目は麗しくても中身はアレなアリスだが、いつものように自分の目標である自立人形の開発に余念がない。
「う〜ん、また失敗だわ…」
いつものようにあと一歩のところで失敗してしまうのは最早恒例行事であり、その度にスクラップとなった人形がゴミ箱に積み重なっているのだ。
「ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ!何でいつも肝心なところで失敗しちゃうのよっ!ムキー!」
あまりの苛立ちにアリスはゴミ箱を蹴り飛ばし、机に置いてある失敗作になるであろう人形を壁に向かって投げ飛ばしたのだった。
「このまま研究してもらちがあかないし、マジックアイテムを買うお金が足りないから、今日は久しぶりに人里に行って人形劇を披露して小銭を稼ぎましょう」
研究室は大変なことになっているも、これ以上自立人形の研究ばかりしていると気が触れてしまいそうなので、アリスは別の事をして気を紛らわそうと考えた。
―都会派魔法使い、人里に移動中―
「人里のみなさーん。今日は私、七色の人形遣いで都会派魔法使いのアリス・マーガトロイドが人形劇を披露しますので、どうぞご覧になってください」
小銭を稼ぐためいつものように人里にやってきて市場の手前で人形劇を披露するのだが、どういうわけか観客は誰一人たりともアリスのそばにやって来ない。
「今日は白黒のゴミクズ魔法使いのお話をしたいと思います」
複数の人形を同時に操る器用さは特筆に値するものであり、一見する価値がある代物であるがアリスの体臭がきつ過ぎるので誰一人たりとも近寄らない。
「ねー、おかーさん。あの人形遣いのお姉さんが凄く臭いんだけど」
「半次郎、魔法使いには関わっちゃいけないわ!」
買い物しにやってきた人間の親子の子供はアリスの体臭を公然と主張したのだが、母親はかつて寺小屋で魔法使いに関わると攫われてしまうと教わったので、息子にアリスに関わらせないように言いつけたのだった。
「あのお姉ちゃんが臭くなかったら、ナンパしてたんだけどなぁ」
「やめとけやめとけ。お前、アイツが何者か知ってるのか?」
ある若者がアリスにナンパしようと冗談半分で試みたのだが、友人はアリスが何者かを知っているので、愚行を仕出かそうとする友人を真顔で諫め始めた。
普通に人形劇を演じ続けるも、人間の子供ですらアリスのそばに近寄らない。いや、人里の人間達は、あからさまにアリスの事を避けて通ろうとしている。
「あの人形遣いのお姉さんじゃが、見ていて痛々しいのう。それに以前より酷い臭いがしてたまらん!」
「お爺さん、可哀そうだから何もなかったことにしてあげましょうよ。確かに臭いですけど」
老夫婦はアリスの体臭が酷いと小声で指摘すると、買い物をそっちのけで鼻をつまみながら自宅に向かって帰路を進めることにした。
人里の人間達はアリスに5メートル以上近寄って来ないのは、アリスの体臭がとんでもなく臭いという事を表すのだ。アリスの体臭が以前よりきつくなってしまったのは、長い間魔法の森に引き篭もり続けたことがそもそもの原因である。
「今日の人形劇はこれでおしまいです」
アリスは人里の人間達に一礼すると、人間達は上海人形と蓬莱人形チップをアリスに手渡してから脱兎のごとくその場から去っていくのは、アリスの体臭を嗅ぎたくないがために止めた呼吸を再び始めるためなのだ。
魔法の森で取れた汚染された食べ物や水を口にすれば、本人の気づかないうちに瘴気と悪臭に対する耐性が出来上がるも、その代償としてたちまち体臭がきつくなってしまい、アリスは食事と睡眠を必要としない魔法使いなのに、人間と同様の食生活と睡眠をとっている事もあってか、このような体質に変貌を遂げてしまった経緯がある。
普通の嗅覚をもつものであれば自分の体臭が酷いことに気づくと思われるが、体臭の場合は他人であればすぐ気付く代物であるも、自分の事となれば非常に気付きにくいものである。
八雲紫は強烈な加齢臭を漂わすことで有名だが、当の本人はそれに気付いていないのだから、アリスは自分の体臭に気づかないのもある意味必然的だと指摘しても何ら問題ない。
見た目は最高クラスの美少女なのに、残念な例であることには間違いない。匂いフェチの御仁であればアリスを口説いてもいいかもしれないが、彼女のお眼鏡にかかって初めて見込みがあるのだ。ただし、アリスは真性のレズビアンであるために、その可能性は絶望的ともいってもいいぐらい限りなく低いという事を頭に入れておくべきだが。
アリスはもともと人間であったために入浴や着替えをする習慣があるので、それらの習慣がない野良妖怪よりはまだマシだが、強烈な体臭を周囲にまき散らしている事に変わりはない。
―3― 伝統の幻想ブンヤ、射命丸文
「ああ、いけないいけない。明後日までに記事を完成させないといけないので、今日と明日は徹夜を覚悟しないとダメですね」
ここは妖怪の山にある天狗の集落にある射命丸文の家だが、住居と仕事場を兼ねた機能を兼ね備えている。鴉天狗の集落に普通の人間が訪れることはないのだが、一度訪れたら二度と来たくない心境に陥るのは、思わず吐き気を催すほど強烈な生ゴミが腐った臭いがするからである。
「巫女の生態を確認するためにトイレに盗撮カメラを隠してみたのですが、なんと信じられないことにオナニーをしていたではありませんか!」
「よかったよかった。わざわざにとりに盗撮カメラを作らせた甲斐があったというものです!これを記事にすれば、間違いなく文々。新聞の売り上げは確実に上がることでしょう」
今回は巫女のあられのない生態を盗撮出来たことにより、文は新聞の一面記事を巫女のトイレオナニーに関することをするも、肝心要の盗撮カメラを回収したのは巫女が昼寝をしていた3時間前であったために、このように慌ただしく執筆作業に追われているのだ。
「ああ、忙しい忙しい。こんなに忙しいんじゃ、寝ている暇なんてありませんね」
ただ夜の9時を迎えたところだが、文は時計を見ることなく必死になっている。最近は河童のエネルギー革命があったことで、その恩恵を受けた文は最新式のパソコンとデジタルカメラを生かしているために、撮った写真の現像に時間をかけずに済んでいる。
それでも新聞を発行する前は以前と変わらず“修羅場モード”なので、新聞を発行する前はいつも睡眠と食事と入浴に関する時間を削っているのである。
「ちょっとお腹が痛くて全身がけだるく感じてしまうんですが、新聞を完成させないといけないので、こんな程度で休んではいられません」
「私の新聞を待ってる読者様の為にひと頑張りしないと!次の大会も近いことだし、もっともっといい面白い記事を書かなきゃ」
仕事に対しての意識は評価できるが、もちろん文には人間の女性同様に月に一度迎える生理があり、“修羅場モード”なると生理が始まってもそれをそっちのけで新聞を完成させることを優先してしまい、後になって経血がドロワーズに付着した不快感を始めて知り、酷い時には経血を太ももにまで垂れ流してしまうのだ。
「ふぅ、やっとできました!これを印刷機で刷って、配達しないといけませんね!」
文はにとりを始めとした河童たちに作らせた印刷機を使い、文々。新聞の新刊をする作業に取り掛かった。この時の文は自分の容姿は、全身が汗と血とゴミで汚れてしまい、見るもの耐えられないほど悲惨なことになっている事をすっかり忘れてしまったようである。
―鴉天狗、印刷中―
「ここ数日お風呂に入っていませんが、読者のみなさんが私の新聞を待っていますので、そんなこと言ってられませんね!」
文はどういうわけか幼い時から入浴するのが嫌いで、よほどのことがない入浴することがなく、お風呂に入ってもせいぜい“鴉の業水”程度で済ましてしまうために、文の周囲には生ゴミの臭いと体臭を足して2で割った臭いが漂っているのだ。これは文だけでなく鴉天狗全体の特徴で、ライバルの姫海棠はたてにも共通していることである。
「ハァハァ、ハァハァ。新聞を配達し終えたら、お楽しみの時間が待っているのです!」
「ああ、辛抱たまらないです!今すぐ、ゴミ置き場に飛び込みたいっ!」
文を始めとして鴉天狗は、どうしても本能的にゴミ収集所に向かって“ダストステーション・ダイブ”をやりたくなる習性があり、特に生ゴミがいっぱいあるゴミ収集所を好む傾向にあるのだ。
「特に生ゴミがいっぱいあるゴミ置き場に行きたいっ!巫女や魔法使いや風祝やメイドに何を言われても、知ったことじゃありません」
「この時期になると紅魔館は毎日パーティをするので、生ゴミがいっぱい出て素晴らしい事になっているでしょう」
この間紅魔館で出た大量の生ゴミに向かって飛び込んでしまい、それを紅魔館のメイド長である十六夜咲夜に目撃されて冷ややかな視線を浴びてしまった経験がある。
「これで新聞を配達することが出来ます。さてみんなどんな反応をするのか楽しみで仕方ありませんね」
文は新聞の配達を終わらせると、次に発行する新聞の記事を作成するための取材活動の傍らに、ストレス発散の一環として“ダストステーション・ダイブ”をやりたいと考えている。
願うことならば、大量の生ゴミがあるゴミ収集所が望ましいとさえ考えている始末で、それを想像するだけでも絶頂に達してしまう事も珍しくない。
「新聞でーす!このニュースは幻想郷最速なので、文々。新聞を読まないと明日はないわ」
幻想郷最速を誇る文が通った証しとして、生ゴミと排泄物が混ざった不快な悪臭が襲いかかってくる。普通の人間がこの臭いをかいでしまうと、猛烈な吐き気に襲われてしまうのだ。
「うっ、生ごみクセェ…」
「鴉天狗が通ったんだ…」
着替えを面倒臭がる事もあってか文が放つ悪臭は、住居を持たない野良妖怪とそう変わりはないと言っても過言ではない。
―4― 閉じた恋の瞳、古明寺こいし
「あなた達に命令するわ。今度こいしが戻ってきたら、無理矢理でもいいから体を洗ってから、綺麗な洋服に着替えさせなさい!」
地霊殿の主である古明地さとりは、今度妹のこいしが地霊殿に戻ってきたら、自分付けのペットや妹のこいし付けのペット達に自分の妹の容姿をまともな状態にすることを命令した。
(えー、嫌だな)
(臭いすぎて耐えられないんだよな〜)
(あいつは悪臭を放っているから、絶対に触りたくないんだよ)
(やってらんね)
(こいし様って、お嬢様かホームレスか時よりわからなくなるんだよな〜)
(私、こいし様を見たらどうしても砂をかけたくなっちゃうのよね)
(不潔不潔、汚物は消毒)
(うんちとおしっことゲロが混ざった臭いがするんだな。こいし様の臭いは少女臭じゃなく悪臭なんだが、これに加齢臭が混ざると最悪だろう)
案の定ペット達はこの汚い仕事をやりたがらないのも無理はない。さとりだってこいしの面倒を見切れるわけではないのだから、ペット達があからさまに嫌がるのも当然といえば当然である。
「仕方ないわね、私がやればいいんでしょ!?今度こいしが戻ってきたら、私自らがこいしの汚れをなんとかするから、あなた達も出来る限るの事をやって頂戴」
さとりはペット達にこいしの洗浄作戦を伝えると、覚悟を決めたのか鼻栓をした上に両腕にビニローブを穿いて、両腕を腕まくりしたのだった。
―ホームレス、帰宅中―
「だだいま〜」
ここは地底にある古明寺家が代々所有している地霊殿で、現代の当主はさとり妖怪の古明地さとりであるが、今地霊殿に帰ってきたのは妹の古明寺こいしである。
さとり妖怪の特徴として、“第三の目”から相手の考えていることが読み取ってそれを伝えるどころか、相手のトラウマを知ってそれを生かした攻撃が出来るので、ただでも嫌われている地底に住んでいる妖怪の中で一番嫌われている妖怪なのだ。
しかしこいしは他の妖怪やペットの心を読み取って、自分が物凄く嫌われている事を知ったために“第三の目”を閉ざしてしまい相手の心を読み取れなくするも、かわりに自分も相手も無意識で行動させれるという能力を身につけてしまった。
それが故に自分の行動が相手に知られなくなるという驚異のステルス能力を持っているが、逆に誰からも相手にされなくなるという特性も同時に備えている事を忘れてはならない。
「お、おかえりなさいませ!こいし様」
さとりのペット達がこいしが地霊殿に戻ってきたために今やっている仕事の手を止め、慌ただしく礼をとっているのだがペット達は皆揃って苦々しい顔をしている。
「こいし様が戻ってきた事を、さとり様に報告せねばっ!」
「今日はこいし様が大好きな人肉ハンバークを作らねばっ!」
「ああ、これからこいし様のお洋服の洗濯をしなきゃいけないわっ!」
「温かいお風呂も準備しないといけませんね!」
「こいし様のお部屋をすぐに掃除いたしますので、少々お待ちしていただけませんか?」
さとりとこいしのペット達は、主の妹が戻ってきた事で急に慌ただしく職務に取り掛かる始末だった。
「こいし様。大変申し上げにくいのですが、お風呂に入って身体を清められてくださいませ」
「やだ。面倒臭い」
「それにお洋服や下着だってこんなに汚れてるじゃないですか。お風呂に入ってからこちらの綺麗な方に着替えてくださいませ」
「何で着替えなきゃいけないの?見た目なんてどうでもいいじゃん」
ペット達がそろって苦々しい顔をするのは、こいしが地霊殿から出ていって路上生活者同様のライフスタイルをしているために、体臭と汗と排泄物が複雑に入り混じった鼻が曲がるほどの悪臭を放っているからである。
「こいし様。どこで何をされたのかわかりませんが、せめてお風呂に入って体を清められてからこちらのきれいな洋服に着替えてください」
「えー、やだ!」
もちろんこいしは地霊殿出身のお嬢様であるが、入浴や沐浴を非常に嫌っているのでさとりに入浴を促されても拒絶をしきったという逸話があるのだ。無論立場が下のペット達ではこいしをどうすることも出来ない。
「こいし、おかえりなさい。本当に久しぶりね」
地霊殿の玄関にさとりがやってきたのだが、鼻には鼻栓を、口にはマスクをして、両腕にはビニローブをまとい、眼はゴーグルで覆っており、体全体をエプロンで覆い隠すかのような完全武装をしていた。
「ただいま、お姉ちゃん。なんでそんな格好しているの?」
確かにさとりの格好を見たら誰だって異常を感じ取ってしまうのだが、これもこいしの洗浄作戦を自らの身体を張って行う表れである。
「こいし、これからお風呂場に行って体を洗うからついて来なさい!」
さとりはこいしに姉の威厳を見せつけるかのように、悪臭を放つこいしを何とかするためにお風呂場に連れて行くと言った。
「お姉ちゃん、なんでそんな面倒くさいことをしなきゃいけないの?大嫌いなお風呂に無理矢理に入れられるなんて、冗談じゃないわ!」
入浴を嫌うこいしは頑なに拒絶する態度をとった。
「そういうと思ったわ!お空、お燐、こいしを捕えなさい!」
さとりはペットの中で最も力のあるお空とお燐にこいしを捕えるように命令すると、
「うにゅ、こいし様を捕獲するであります」
「こいし様には悪いけど、あたいだってその悪臭には耐えられないんだからちょっと我慢しておくれ」
「お空。私達はみんな鼻栓をしているのに、こいし様が放つ悪臭は完全にシャットアウトできないみたいだね」
「そうだね、お燐。こいし様の体臭は、おしっことウンコとゲロと汗が混ざった酷いもんだから、流石にここで洗浄をしないと不味い事になりそうだ」
さとりと同様にお空とお燐も完全武装してこいしを捕獲するのだった。もちろん大嫌いなお風呂に入らされたくないこいしは必死の抵抗をするも、さとりとお空とお燐を始めその他のペット達がこいしに襲いかかったために多勢に無勢という事もあり、呆気なくこいしは御用となって生まれたままの姿にされてしまい、大嫌いな入浴を強制的に洗浄させてしまったのだ。
もちろんこいしには排泄をした後に尿道や肛門を清潔にするという感覚がないので、ドロワーズにはその名残が露骨に残ってしまうのだ。下着フェチの御仁であっても、こいしの下着には手を出さない方が望ましいと思われる。なぜなら、人外の生きものは我々人間が及ぶ代物ではないし、下手をしたら死に到るぐらい強烈な悪臭を漂わせている可能性が極めて高いのだから。
―あとがき―
幻想郷の少女達の体臭は恐ろしく臭いという前提でこのSSを執筆しました。特に野良妖怪の連中は排泄した後に肛門や尿道の汚れをふき取ったり、入浴して汗を流したりするなどの生活習慣をもっているのだろうかという疑問があったからです。
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/15 11:58:09
更新日時:
2011/08/15 20:59:42
分類
幻想郷の少女たち
悪臭
スカトロ
幻想郷の見目麗しい人妖達は入浴するに決まっているではないですか!!
ある者は、あわあわもこもこの西洋式湯船に浸かり、控えめな両胸の突起を泡で隠してはしゃいでいるのです。
ある者は、湯を張った大きな盥に座り、大きな手ぬぐいで胸と股間を隠しつつ、手桶の湯を体の曲線にかけるのです。
ある者は、露天風呂で一杯引っ掛けつつ、湯気のプライベート保護バリヤで守られた聖域で皆でワイワイやるのです。
それを貴方って人は!!
うっ!! こっちは風下!! う、ろげろおろろろろ……っ!!