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『産廃百物語A『金髪の女たち』』 作者: シブヤH
また一つ、蝋燭が消える。
数十本あるうちの一つが消えたところで明るさはさして変わらないはずなのに……なのに……その部屋は酷く肌寒く感じた。
「…りさ!魔理沙!」
ん………ああ、私の番か。
すまんすまん。みんなの話を聞いていなかった訳ではないぜ?
ただ、これから私が話すやつは最近私が体験したことでな…少々気分が重い。はは、私らしくもないぜ。
その日私はいつもと同じように目覚めた。
知っての通り私は鬱蒼とした魔法の森に住んでいるんで太陽など当てにならないが、私の体内時計は正確なんだぜ。
ちょ、笑った奴誰だ!正確なのは腹時計だろうって?
そりゃあ私はよく3時頃に紅魔館に行くが、おやつを期待してる訳じゃない。
フランの遊び相手にだな………あー分かった分かった!遊ばれてるのは私の方だぜ!
まあそういう訳なんだが、その日は紅魔館には行かなかった。なぜなら、死体の解体で忙しかったからだ。
そう、ルーミアの食料でもある人間の死体だぜ。
何故か朝起きると部屋に死体があった。
それはもう朝起きると隣でアリスが寝ていたのと同じようなナチュラルさでだな…いやなんでもない。
そういや今日、アリスはいないのか?
え、居ないことに今気付いた?呼ぶのを忘れてたかもしれない?
はは…今頃丑の刻詣りでもしてるかもしれないぜ。
そしてパルスィ、丑の刻詣りに反応しすぎだ。
……話を戻そう。私が朝目覚めると、部屋に死体があったんだ。
死臭とかはしなかったが、あれは死体だと断言できる。
誰の死体か気になるか?金髪の女、とだけ言っておくぜ。
もちろんそんなもの身覚えがない。焦った、焦ったぜ…!
顔面蒼白な私が最初にしたことは、死体をバラすことって訳だ。
何故だか知らんが、誰かに見られたら全てが崩壊する気がした。
私は死体そのものやこの状況よりも、誰かに知れることを恐れていた………!
だからバラして、ゴミ袋に入れて、魔法の森の何処かに捨てようなんてことをぼんやりした頭で考えていた。
幸いといっては何だが、死体の横には大きな鋏が置いてあってだな。
それで私は死体を切り刻んでいった。右手首、右腕、首……ちなみにこれは私が風呂場で体を洗う順だぜ。
す、萃香大丈夫か?急に咳き込んだりして。
酒でむせたというよりは何かに驚いたような……そんなんじゃ勇儀に笑われるぜ、ほら見ろ。
豪快に笑う勇儀とは対照的に、ルナサは憂鬱そうだな。こっちまで鬱になりそうだぜ。
憂鬱……そう、確かに憂鬱な作業だった。鋏で死体を挟んで、力を入れて。
サクッとなんていかないぜ。ギリギリギリギリ、二股の鋸で削るような感触に、冷たいものが首筋を伝う。
そこで私は気付いた。
私の首を伝うのは
汗なんかじゃなく
血
おい紫、お前は自分の体臭が少女臭だと思っているだろう?
だが実際はどうだ?目を逸らした藍からも分かる通り、自分の体臭は自分では分からないものだ。
そう、死体があったにも関わらず死臭がしなかったのは、その死体が私自身だったからに他ならないぜ♪
「え?」
え?
初めまして。新参者ながら百物語に参加させていただきました!
物語に……なっていますでしょうか(汗)
至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします。
シブヤH
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/21 05:07:22
更新日時:
2011/08/21 15:05:47
分類
産廃百物語A
魔理沙
初投稿
末恐ろしいと言うか、
先が思いやられると言うか、
次回作を期待せずにはいられないと言うか……。
で、彼女はこの後どうするんですかねぇ。
しかるべき場所で寝てもらうか、
起きていたいのなら周りに合わせてもらうか、ですね。
彼女が処分したものについては、
目の前の大事に霞んでしまいましたが、
特に問題は無いようですね。
初めてでこんなに書けるなんてすごい!!
コメントありがとうございます!
百物語に憧れていまして・・・
ええ、全く問題ありませんとも。
なんせ幻想郷ですから。
エイエイさん>>
コメントありがとうございます!
こんな状況で「だぜ♪」とか言っちゃう
魔理沙の狂気を感じて頂ければ幸いです。
ウナルさん>>
コメントありがとうございます!
魔理沙は勝手にしゃべってくれるので書きやすかったです。
一見普通の魔法使いなんですが、状況と照らし合わせると・・・
んhさん>>
コメントありがとうございます!
すみません、未熟な私には
金髪少女を全員登場させることは難しかったです・・・
秋姉妹の他に、星やリリーホワイト、ルナチャなんかも金髪でしたね。