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『戦車技師、戦を省く物に』 作者: ぐう

戦車技師、戦を省く物に

作品集: 28 投稿日時: 2011/08/27 16:04:27 更新日時: 2011/08/28 01:04:27
「ふあー、退屈なのですー」

愛用の戦車の上に寝転がりながら欠伸をする少女、彼女の名は里香(りか)。
三つ編みに半ズボンと、見た感じではどうってことない年頃の女の子だが、実は二つ名でエンジニアと称されるほどの実力を持つ戦車技師である。

彼女が作る戦車はほとんどが小物であるものの、その性能は通常の戦車に引けを取らない。
だがふらわ〜戦車やイビルアイ狽ネど、見た目が戦車とは程遠いものが大半のためか、彼女製作の戦車の需要はほぼ無いといってもいいくらいである。

「戦車もいいけど、たまには変わったものでも取り扱ってみたいなぁ」

先述通りの需要のなさもそうだが、最近里香は戦車の製作に少し飽きを覚えていた。
折角戦車を造れるほどの技術力があるのだから、何か別のものにその力を注いでみるのもいいだろう。

「何か新しい製作意欲を沸くものがないか、探しに逝くなのです。じゃなくて、いくなのです」

ゴロゴロしてても何か閃くのは稀な話。
里香は愛用の一つ目の飛行戦車、イビルアイ狽ノまたがって家を後にした。



外は残暑が残るものの、風が吹いて過ごしやすい陽気。
そんなちょっとした曇り空の下、里香はイビルアイ狽ノ乗って幻想郷中を飛んで回った。

だが幻想郷に存在するメカニカルな物といえば、せいぜい外の世界から流れてきた家電製品、またはにとりをはじめとする河童が製作するものしかない。
田舎同然の幻想郷の景色は、エンジニアのインスピレーション刺激には不向き。里香の製作意欲にはまるで繋がらなかった。

「こうしてのどかなのもいいけど、あたいはもっとこう・・・ん?」

ぼーっと眺めながら空を巡る里香の目に、普段見慣れないものが映った。
戦車とはちょっと違う、されどエンジニアを引き寄せる機械らしきもの。里香も例外ではなく、それが置いてある家の前へと降下していった。






「ほえー、これまたいい仕事してるなのです」

里香が見入っているのは、外の世界では常用車などの通称「車」。
戦車と比べれば身近なものなのだが、幻想郷では外界のように車は走っておらず、道路が舗装されてもいない。
よって車を見たことがない里香が見入るのも無理はなかった。

「おや、物好きなお客さんが来たようだね。いらっしゃい」

里香の声が聞こえたのか、車のそばにある店から眼鏡を掛けた男が出てきて彼女に声をかけた。
その男こそ霖之助、つまりこの車があるのは香霖堂のすぐ横だった。

「こんにちはなのです、これって何ですか?」
「これかい? これは車といって、外の世界の乗り物らしいんだ」
「へー、私戦車しか扱ったことがないから、興味津々なのです」

どうやら外の世界から流れてきたのだろうか、でなければこんな大きなものがあること事態騒ぎになってしまう。
錆びや痛みがあちこちに見える辺り、約20〜30年前の車だろうか。恐らくは役目を終えて処分され忘れたものが、偶然幻想入りした可能性が高い。

「これって動かせますか?」
「もう使われてないからだと思うけど、まるで動かないよ。修理でもすればもしかしたら・・・」
「じゃあ、あたいがこれ預かって修理するです。それでいいですか?」
「いいけど君って確か専門は戦車じゃなかったっけ? 外の世界の車の修理もできるのかい?」
「多分何とかなるです。だってあたいは戦車技師だもん」

最後のは説得力があったかどうかといえば首をかしげるところだが、里香にとってはこの車は好奇心の塊。
インスピレーションの刺激も兼ねて、手がけてみたいのが本音だった。
どのみち霖之助も自分では修理できないし、ここは里香に委ねることにした。

「じゃあもし修理ができたら、試運転もお願いできるだろうか? 実は僕は全く手をつけてないから扱いがわからなくてさ」
「おまかせなのです!」

霖之助は車を里香に託し、里香もまた自信満々で承った。
一度帰った後、里香は別の戦車で牽引する形で車を持ち帰った。



「えーっと、ここはこうすればいいのかな・・・」

それから三日三晩、里香は預かった車の修理に精を出した。
戦車とは構造が違うため修理に戸惑うが、同時にエンジニアとして未知の機械に触れられる喜びは何物にも変えられない。
修理にあたっていた時の里香はとてもいきいきしていたことだろう。






それから三日後、里香は車の修理を済ませてその旨を霖之助に伝えた。
そして試運転も兼ね、再び戦車で牽引する形で香霖堂まで車を運んだ。

「おー、なかなかいい感じに修理できたみたいだね」
「てへへ、それほどでもぉ」

霖之助の言うとおり、手がけるのが初めての割には見た目は新車同様の綺麗さを誇っていた。
肝心の内面はわからないが、仮にそれを差し引いてもごまかしが利きそうな仕上がりだ。エンジニアの二つ名は伊達ではなさそうだ。

「じゃあ早速お願いできるかな?」
「はい、やってやるです!」
「それ違う人の台詞だよ」

というやりとりはさておき、里香は修理を済ませた車に乗り込んだ。が・・・



「やばい・・・緊張する・・・」

座席に座ると同時に、里香の心臓は突然激しい鼓動を起こした。
というのも、修理は念入りに行ったものの、牽引も含めて実際に動かしたことはまだ一度もなかったのである。

「落ち着いて里香、こういう時こそ落ち着くのよ・・・」

里香は自らに言い聞かせ、更に手のひらに「人」と書いて飲み込む動作まで行った。
そこまでして緊張が半端ないのだろう。

「えっと確かこれを踏んでから鍵を回すんだっけ」

シートベルトをしっかり締め、足をブレーキの上に乗っけると、鍵をハンドル横の差込み口に入れてゆっくりと回した。
しかし、次の瞬間・・・

ガタンガタンガタンッ!
「ひえっ!? な、何これっ、お願いだから止まってえ!」

エンジンがかかった途端、里香を乗せた車はまるで暴れ馬のように激しくガタガタと揺れ動いた。
突然の予想外のことに、里香はただパニクるしかなかった。



里香が乗っているこの車は約20〜30年くらい前のもので、今でいう「オートマチック車」が普及していなかった頃のもの。
そのためこの手の車はアクセルやブレーキの他、クラッチまで搭載されており、それを踏んで(半クラ)こそはじめて本格的な運転ができるのである。
そんなことを知らない里香は、何がどういうことなのかわからないままだった。




ごろごろ・・・ごぽぽぽ・・・
「いたっ! くう・・・お腹が締めつけられて・・・」

更に安全を配慮してシートベルトをきつく締めており、先ほどの振動によって里香のお腹を一段と強く圧迫した。
元々緊張で僅かながらに便意は感じていたのだが、今のは完全な起爆剤となったことだろう。

「トイレ・・・どうしよう・・・」

お腹をさすりながらふと外に目をやると、先ほどの車の揺れに驚いたのと里香を案じている霖之助の心配そうな顔が見えた。
試運転を引き受けた身としては、一回エンジンを入れ損ねた程度でトイレに逃げるなんてことはしたくない。

ごぽごごっ、ぐるるるる・・・
「んううっ! や、やっぱりだめなのです・・・」

しかし思ったより便意の進行は早く、里香に考える余裕すらろくに与えなかった。
恥ずかしいが仕方ない。里香はシートベルトを外そうとベルトに手をかけた。

カチッ、カチッ
「えっ・・・は、外れない・・・!?」

だが、きつく締めたシートベルトは何故かスイッチを押しても外れず、むしろ里香のお腹をぐいぐいと押し込んだ。
度重なる腹部への圧迫は、やがて腹痛から便意として里香の肛門に痛みを走らせる。

「痛い・・・やばい出そう・・・」
「里香、どうしたんだい?」

なかなか外れないベルトと便意に里香が苦しいんでいると、霖之助が運転席のドアを開けて里香に声をかけた。

「霖之助さん、私お腹が痛くて・・・でもベルトが・・・」
「ベルトが? ちょっと見せてくれ」

里香の途切れ途切れの言葉に、霖之助は彼女が何が言いたいのか理解し、シートベルトのボタンを押し込んだ。
しかしそれでもなかなか外れず、その間も里香はどんどん強くなる便意に歯をくいしばるしかなかった。

ブブブ・・・プスウゥゥ・・・
「駄目・・・あたいもう・・・」
「もう少し我慢して・・・あっ、外れた!」

肛門から聞こえるガスの漏れる音。決壊まで間もないことに里香はあきらめを覚悟した。
その時、霖之助が押し込んだスイッチが入り、里香の身体からシートベルトが外れた。

「ごめんなさい・・・あたい・・・あああああ・・・」

里香は霖之助に手を引かれて座席から降りるものの、着地の振動でついに・・・








ブブッ! ブビビビイイッ、ビチビチビチッ!
「ああっ! や・・・やだあああ・・・」

車から降り、引かれた霖之助の手を握ったまま里香は限界を迎えた。
大きなおならの後、水っぽい排泄音とともに半ズボンが濡れはじめた。

ブビュブブブ・・・ブリュリュムリムリムリ・・・
「こんな・・・あたい男の人の前でうんちを・・・」

里香は涙声で悔しそうに言うが、出たものを止めることにはならなかった。
彼女の半ズボンを濡らしていた液体はやがて茶色の滝として流れ、開いた足元にポタポタと垂れ落ちてゆく。

ブリブビュブビ、ブスッブブブウ!
「ごめんなさい・・・あたい・・・」

やがて形ある便が里香のお尻に起伏を作り、それは一目瞭然な大きさにまで膨らんだ。
少しでも動きでもすれば、下着からズボンに溢れること間違いないだろう。

ぐずりながら便を出し続ける里香を、霖之助はなだめるしかなかった。





幸いにも店に客はおらず、朱鷺子も留守にしていなかった。
霖之助は致してしまった里香を店に迎え、可能な限りの施しを行った。

その後里香が修理した車を霖之助は無償で譲り、車そのものは彼女の新たなる戦車の材料になるのだった。
が、それが完成する日は完全に未定だとか・・・
今回は封魔録の里香です。初代あたい娘ですw
戦車技師ということであえて戦車ではなく、外の世界の車(ミッション車)を扱えるかどうかということでやらかしてもらいました。
ダブル三つ編みかわいいけど・・・難しいなぁw

これで手をつけてない旧作は幻想郷だけ(ゆうかりんを除く)。
そしていずれタ−ゲットになる神霊廊4面以降のキャラ達が気になる毎日ですw
ぐう
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/27 16:04:27
更新日時:
2011/08/28 01:04:27
分類
里香
スカトロ
お漏らし
1. NutsIn先任曹長 ■2011/08/28 01:39:08
今回は旧作を知らない私でも噂ぐらいは聞いている、戦車技師の子ですか。
元祖『あたい』っ娘とは初耳でした。

最近の自衛隊の車両だってオートマだというのに、私の免許だってAT限定だと言うのに、マニュアル車は敷居が高いです。

……って、ぶっつけ本番!?
しかも、緊張状態!?

で、結局は、彼女もやはり、やらかすわけですか……。
もよおした時点で安いプライドを捨てていれば……。
シートベルトを切断する非常用のツールを用意していれば……。

まあ、どう足掻いても、便器にまたがるどころか、ズボンも下着も脱ぐ事すら許されないでしょうけどね。

次回作はまた旧作か、それとも新作か?
事前にお手洗いに行った上で、楽しみに待たせていただきます。
2. ぐう ■2011/09/04 20:10:00
>NutsIn先任曹長さん
あたいっ娘は昔も今もかわいいです。
次回は原作、その次は・・・(ニヤリ
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