Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/neet/req/util.php on line 270
『東方奇黒球 ~ mission8 前半戦』 作者: ヨーグルト
『そーれいっちにいさん!』
たった今ミッションから戻って来たメンバーを驚愕させる、そのミッションの内容。
ガンツに表示されたターゲットの写真と特徴は、間違いなくガンツメンバーが知っているものだった。
「何で、パチュリーが?」
「ガンツ! ターゲットはパチュリー様じゃなくて星人であるべきでしょう!?」
メンガー一同は騒然とし、ガンツによるミッションのターゲットの変更を異口同音に願った。
『こんな』ミッションごときで彼女を殺す事など、出来ない。
「そ、そうだ! 制限時間の間、皆で守りましょうよ!!」
「ハッ!」
文の提案にメンバー達は揃う様に頭を縦に振り、意見に賛成していたが、にとりただひとりが頭を振って反対する様な態度をとった。
コントローラーを空中に放ってはキャッチしながら、前に二、三歩程出た。
「外見はそうでも、中身は星人……だったりして」
「巫山戯っ!」
「にとりはそう思ってればいいじゃないの」
霊夢のその言葉に、口を尖らせながら「私の推測は八割当たるよ」と付け足した。
それは大体在る。にとりは今のところの経験者であるし、ガンツの事を調べて良く知っている彼女はこの事についてはほとんど当たっている。
『行って下ちい
00:20:00』
メンバーが転送され始める。
転窓開始直後、パチュリー保護派のメンバーと、にとりの冷酷な目が交差した。それが、ガンツメンバーの衝突の始まりであった。
「守れるかな?」
「やってみせるさ」
●
前回のミッション後、パチュリーと阿求の二人は二人っきりでの密談を行っていた。
パーティー参加中に受けた被害の事でもあるが、パチュリーが話したかったのは闘っていた霊夢たちの様子であった。
「それで、端的にどうぞ」
「ええ、私が見た情報で話すのなら……闘っていた霊夢や魔理沙達の格好です。ただ単に妖怪退治の様に闘っていたのならいいんですが、彼女らの格好は頭部を除いた部分は全て黒いスーツで身を包んでいたんです」
阿求はお茶を啜りながらパチュリーの話に耳を傾ける。
「集まっているところを写真で撮って、即現像しました。これです」
「……」
パチュリーが差し出した写真を覗き込んだ阿求は少し顔をしかめたが、直ぐに戻した。
「これが、気になった訳ですね?」
「普段の妖怪退治からこれを着用してた訳ではなさそう……。これが『秘密』なんでは無いですかね?」
「……大体理解しました。この資料は預かっておきます。明日、慧音さん達と会合を開きます」
●
「パチュリー様!」
「あれ、咲夜? その格好」
「話は後です! にとりに殺されます!!」
「はぁ?」
突然図書館に入って来た咲夜にそんなことを言われ、パチュリーは怪訝そうに見た。
それはそうだ。唐突にこんなことを言われても、ガンツのメンバーでもなければこんな事は信用できない筈だ。ましてや、殺されるなんて事もあり得ないと思う筈だ。
話を聞こうとしないパチュリーを抱きかかえ、入り口に向かって咲夜は走り出した。
しかし、それを待ち受けるかの様に入り口をにとりが塞いでいた。にとりはYガンを左手に、Xガンを右手に構え、咲夜とパチュリーの二人に銃口を向けていた。
この図書館の出入り口はにとりが塞いでいる扉しか無い。
屋根にある天窓と言う手もあるが、それでは逃げ切る自信が百%ではなかった。
「まだチェックね」
「ほざけ」
咲夜の、スーツを利用した力で床を踏みしめる音と、にとりのXガンとYガンのトリガーが引かれた音が同時に鳴った。
咲夜の右足が極僅かに床にめり込んだが、スーツの力を利用したその体は目にも留まらぬ早さで横に移動した。
二人の体の横をアンカーが通り過ぎ、壁にぶつかったそれらは地面に転がった。
「逃がすかっ」
にとりはすかさずXガンを構えた。本棚と本棚の間に走って逃げ込んだ二人に銃口を向けて無闇に発砲するが、本棚と地面を無駄に爆砕しただけだった。
追いかけて狙いを定めようとしないのか、にとりはXガンの銃口を入り口付近の地面に向けて数回発砲した。そのままガンツソードを抜き取り、構える。
「!」
「来たか!」
爆砕された床がまき散らす粉塵の中から咲夜達が飛び出て来る。それを狙っていたかの様ににとりがソードで二人に、正確にはパチュリーに切り掛かった。
咲夜はそれを予期していたかの様に、パチュリーを隠す様に、粉塵に突っ込む前に置いておいた。空いた手にはガンツソードが握られている。
「やっちまうか」
「パチュリー様には、指一本触れさせない!」
「ふっ……できるものなら」
ガィン!
にとりと咲夜のお互いのソードが混じり合う。
二人の距離は数十センチ。お互いに刀を力の限りで押し付け合う形の鳴っている。二人のスーツの各部が青白い光を放ち、互いの体は膨れ上がっている。
互いに歪み合い、互いに押し付け合い、互いに、
殺し合う。
「ふらぁあッ!!」
「やろっ」
咲夜の振るったソードがにとりの髪の毛を翳め、極僅かでは有るが髪の毛を刈り取った。それに怯まず、にとりも高速で刀を振るう。
刀を振るって闘いながら、Xガンをもう片手に握る。
にとりの勝算はここにあった。
今までのミッションで見て来た中で、にとりの推測状、咲夜は他のメンバーに比べて比較的に銃系の武器を使う回数が少なかった。それを判っている。
近接先頭に集中している咲夜、今のにとりにとっては敵であり星人の様なものである目の前の人は……、
雑魚も同然であった。
少なくとも星人よりかは。
「アッは! 隙がありすぎだよ!!」
「!!」
しかしここで矛盾が生じる。
メンバーが常に着用しているこのガンツスーツ。このスーツは身体能力の増強の他に、Xガンのが万が一被弾した場合に備えての、効果無効の作用もある。
それを忘れていないにとりの秘策とは?
秘策など無い。
勝算しか、無いのだ。
「うらららぁぁああアアア!!」
スーツの力を極力最大限に利用した、高速のにとりの刃が咲夜の体を切り刻む。
切り刻んではいないのだが、にとりはスーツの弱点部分のみを突き、切り、着実に咲夜のスーツにダメージを与える。
「くッぉぉお」
「あんたの負けだよ☆」
やがては咲夜のスーツの各弱点部分からゲル状の液体が漏れだした。スーツの機能が全て失われ、死亡率だけを上昇させるものである。
「あなたっ!」
「遅いよ……そして、」
にとりのXガンのユニットから青白い光が放たれ、同時に突き刺さってソードが咲夜の横腹をかっ捌いた。
「弱いよ」
にとりは咲夜に背を向け、図書館を後にした。パチュリーがこの図書館から脱出している事など、気配からしてとうに気付いていた。
後ろでは、鮮血と肉塊をまき散らす咲夜がいた。
●
「魔理沙!」
「パチュリー! 咲夜はどうした!?」
紅魔館から離れ、喘息という病に冒されながらも、出せる限りの力で走ったパチュリーは、魔理沙達のところに駆けつけた。
鈴仙と小悪魔、それに美鈴が同行している。
「……さくやは、さくやはぁ…………!!」
「にとりが?!」
狼狽える二人を遮るかの様に鈴仙がパチュリーに質問を投げかける。
「貴方、今回のミッションのターゲットになったの」
「ターゲット?」
「私たちは星人を殺さなくてはいけないの。それが、今回はあなたがターゲットなの。何か見に覚えはある?」
「……」
鈴仙のその質問に、首を傾げる。
「例えば、私たちの秘密を他者に漏らしたとか」
「!」
「あるんですね?」
鈴仙はショットガンのスライドを動かし、一度辺りを警戒してからパチュリーに向き直った。
「誰に、ですか」
「阿求さん、稗田阿求さんに……」
その場に居る一同は体を震えさせた。
「阿求さんに!? 何て事を……!」
「狙われるぞッ!!」
その瞬間、近くにあった阿求の家が突然、見えない巨大な何かに押しつぶされたかの様に倒壊した。
メンバー達は音のした方向に振り返ったが、誰もいない。
「星人?」
「いや、そんなはずは……」
一同がXガンやらショットガンを向けた方向に、阿求が飛び出して来た。
こちら側に気付いたのか、直ぐに顔と体をこっち側に向けて走って来た。
「あなた達!」
「今は外に出るな!!」
「エ?」
瞬間、阿求を含めたメンバー達の足下が爆砕した。
粉塵と泥塊をまき散らし、視界を削る中で少し遠くの方に誰かの人影を発見した。
あり得ない、居る筈の無い人物が銃の様なものとメンバーが良く知るショットガンを構えて立っている者が居た。
スーツを身にまとっているその人影は、魔理沙達を一瞥すると、銃を下ろして口を開いた。
「あんたら、その星人をかばうつもり?」
「あんたこそ、依姫!!」
武器を構えてたって居たのは依姫。前に紫達が計画した『第二次月面戦争』においては霊夢達を迎え討ち、返り討ちにした人物である。
依姫はいつもの刀を所持しており、その他にはショットガンと、魔理沙達が今までに見た事の無いものを持っていた。
「何で、お前が居るんだよ」
「関係ない。お姉様達は休んでいて、真面目に仕事をしているのは私だけです。さぁ、その星人を引き渡して下さい」
ショットガンのスライドを動かし、依姫はにらみを利かせて銃口をメンバー達に向ける。おそらく、ガンツスーツに関してのルールは理解しているのだろうが、そんな事はお構い無しのようだ。
「星人をかばうならあなた達も殺す」とでも言いたいのだろう。
「さあ」
「阿求は、パチュリーは星人じゃねえ!!」
「何?」
依姫の眉が少し反応した様に動く。
そして再びショットガンを掲げた。
「そこの和服とそっちの魔女は星人と言う訳ね?」
「な、違っ」
「あんたとは」
その時、依姫の後ろの方から別の人の声が聞こえて来た。先程、咲夜が相手をしていたパチュリーを殺す気満々のにとりである。
Xガンはホルスターに収めたままで、Yガンだけを手に取っている。
「あんたとは、馬が合いそうだ」
「……誰ですか?」
「おっと悪いね。にとりだよ、よろしく」
依姫とにとりは互いに目線を合わせたまま、アイコンタクトでもするかの様に沈黙を保った。
その間にメンバーは逃げようとも考えたが、ずっと向け続けられている銃口を見ると、逃げ切る自信が失われるのであった。
「星人、殺すんだよね」
「あなたには渡しませんよ?」
「上等。早い者勝ちね」
それが合図となる。
依姫のショットガンと、にとりが即座に構えたXガンが青白い閃光を放った。それと同時にメンバーたちは瞬時にその場から退いた。
爆砕された地面を尻目に、二人のターゲットを抱えて逃走するメンバーは二手に分かれた。
「あーあ、星人? 逃げちゃったね」
「大丈夫です。私の仲間達が後は片付けてくれます」
「いや、仕事しようよ?」
●
阿求に制され、魔理沙達の足は止まった。取り敢えず下ろしてほしいとの事。
「何で私が?!」
「そんな事はどうでもいいだろ! それより、早く逃げないと……」
その瞬間、メンバー達の足下が何回も幾重にも爆砕し、今までより濃いめの粉塵をまき散らし、視界を削らせた。メンバーから距離を取っていた阿求の位置が確認できない。
それが命取りとなる。
「ぎゃああああああああああっ!!」
「阿求!?」
「あぁぁぁあああああああッ」
バンッ
阿求の断末魔が人里に響き渡る中、突然としてその叫び声は謎の破裂音により中断された。誰かが阿求を狙撃したのだ。
粉塵が晴れると、メンバー達の目の前では腹から上が無くなった阿求の姿が有った。未だに立っている事が不思議な状態である。しかしやがて、その体は地面意に倒れ伏した。
五秒もすれば依姫とにとりが追いついて来た。依姫はショットガンのスライドを動かした。
「後一体ですね。残りはあなた達に譲ります、私が殺してもいいのですが、一応はあなた達のターゲットなので」
「了解了解」
にとりは右手にショットガンを、左手にXガンを構えて、パチュリーの抵抗反論お構い無しに引金を何回も引いた。パチュリー擁護派のメンバーが縦になる前に何回も引いた。
「あっ」
「パチュリーの断末魔? 聞かせてもらうよ」
魔理沙の腕の中のパチュリーは助かりたい一心でもがくが、数秒後にはタイムラグで爆砕した。
「あと、魔理沙」
依姫が巨大な銃を構える。
「あなたからは危険な匂いがするわ、死んでもらう」
その言葉と同時に依姫は巨大な銃の引金を引いた。
その瞬間に、魔理沙は重力に押しつぶされたかの様に、肉池になった。その血の池にはパチュリーの血も混ざっている。
「何て事を!」
「死にたいなら、死んでもらいますよ?」
●
『おつかれちま』
ガンツの表面に表示されたのは採点の結果ではなく、そんな慰めにもならない言葉だった。ガンツなりの慰めではあるのだろうが。
今ガンツ部屋に居る、正しくはにとりを除いたガンツ部屋に居るメンバーは全員、ミッションからの期間後は一切口を利こうとしない。にとり達二人への恨みが増幅しているのだ。
『にとり
30てん
TOTAL41てん
あと59てんでおわり』
『れいむ
0てん
TOTAL49てん
あと51てんでおわり』
『れいせん
0てん
TOTAL57てん
あと43てんでおわり』
『あや
0てん
TOTAL97てん
あと3てんでおわり』
『るなさ
0てん
TOTAL83てん
あと17てんでおわり』
『めるらん
0てん
TOTAL50てん
あと50てんでおわり』
『りりか
0てん
TOTAL63てん
あと37てんでおわり』
『ようむ
0てん
TOTAL23てん
あと77てんでおわり』
『ありす
0てん
TOTAL80てん
あと20てんでおわり』
『うつほ
0てん
TOTAL53てん
あと47てんでおわり』
『こあくま
0てん
TOTAL31てん
あと69てんでおわり』
『いちりん
0てん
TOTAL39てん
あと61てんでおわり』
『うんざん
0てん
TOTAL46てん
あと54てんでおわり』
『めいりん
0てん
TOTAL19てん
あと81てんでおわり』
『すいか
0てん
TOTAL5てん
あと95てんでおわり』
『ゆうぎ
0てん
TOTAL20てん
あと80てんでおわり』
『まりちの復活は少し後にもさこしいたします』
●
騒然とする人里。
狼狽える住民。
紫と慧音、警備と言う名目で念の為に妹紅も、人里に駆けつけていた。
「阿求は!? 話が有るって呼び出されていたのに」
「変な破壊音を聞いたとかそんなこんなで駆けつけたらこんなことになっていたなんて、一体何が」
●
「考え直すつもりは無いのですか?」
めずらしくも、紅魔館に訪れていたにとりは、小悪魔と美鈴の二人となにやら話し合っていた。
話の内容は一応、ガンツの事と今後のミッションについてである。
「妥協しろとかは言わないです。ですが、せめて協力だけはしてくれませんか」
「星人倒す事ならいくらでも協力してやるよ。それにアレから数日経つ、もうすぐガンツに呼び出されるかも知れないんだ。人の命に付いて話し合うのなら早く帰らせてくれ。今日かもだし」
「ん」
そして突然、図書館に居るその三人に「頭痛」が起こり、寒気が走った。ガンツに呼び出される前兆だ。
やがては各個人の各部位が輪っか状に切り取られる様に消失される。転送だ。
「自分で何か出来なきゃ。それは特定の人に限った事じゃないけど」
●
『あーたーらしーいーあーさがきた』
前回のミッションで大切な人パチュリーを殺され、にとりは咲夜を接戦のうえで殺した。
そして、月の民である筈の綿月依姫らは出張的に、ミッションと言う名目で幻想郷に降り立ち、ターゲットである阿求を殺された。しまいには意味不明な理由で魔理沙も殺した。
今回、ターゲットにされた彼女らは、『ガンツの秘密を外部に漏らそうとした』と言う理由があったのだろう。
だが、ガンツになにが起きてるのか。
『てめえ達は今からこの方をヤッつけに行って下ちい』
恐らく今回は、前回のミッションの様に一般人や幻想郷の著名人がターゲットにされる事は無いだろう。
メンバーはそれを願った。
『ぬらりひょん
特徴:つおい 頭がいい わるい
好きなもの:タバコ お茶
口癖:ぬらーりひょーん ぬらーりひょーん』
ガンツの表面に映し出された、今回のターゲットは一般人などでなくてよかった。メンバーは安堵の息を漏らすと一斉に武器を手に取った。
このミッションで、魔理沙と咲夜を生き返らせて、またいつもの様に戻りたい。そう願いながら挑むのであった。
しかし、その願いはどこまで通じるモノかは判らなかった。
『ぬらりひょん
特徴:つおい 頭がいい わるい
好きなもの:タバコ お茶
口癖:ぬらーりひょーん ぬらーりひょーん』
「今回のターゲットはこの気持ち悪い野郎だな?」
「おい、……大丈夫だろうな」
「私はいい。パートナーのあの子が活躍するわよ」
●
その頃。
幻想郷は奇妙な空気に包まれていた。
妖怪が居る。
この発言には、幻想郷の住民は誰一人として興味は示さないだろう。それだけなのか。
問題は続きである。
見たこと有る様な無いような、古来日本に居た様な気味の悪い妖怪が徘徊している。俺の家の周りに何匹が居て気持ち悪い。
足が一本だけの妖怪が居る。
犬の頭の妖怪が居る。
腹がもの凄く出ているちっこい妖怪が集団で踊り狂っている。
こんな報告が相次いでいた。
困った紫達は妖怪の駆除を依頼する為に霊夢のもとを訪れたが、不在。結局は紫達の手で駆除しようと考えたが、数が圧倒的で困難であった。
そんな中、転送されたガンツメンバーのうちの一人、伊吹萃香はスーツ姿で辺りを見回していた。
周りに仲間がいない。
「あれ?」
きょろきょろとしても仲間の声なんか一つも聞こえない。
代わりに、聞こえてくるのは人の叫び声の様なものと、気味の悪い笑い声の様なものだった。
カラン
その時、下駄かなにかがを履いている人の足音が響いた。
萃香は反射的に後ろを振り向くが、猫の子一匹の姿すら確認できない。
うわん
「?!」
うわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわん
「うわぁっ!」
うわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわん
うわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわんうわん
突如の謎の反響。
萃香はうずくまって耳を押さえ、この変な音が鳴り止むのを待った。
カラン
「?」
謎のうなりのようなものが治まったかと思うと、さっき聞いた履物の音が聞こえて来た。
萃香自身、地獄街道で遊んでたときや人里をぶらついていたときもこれは良く聞いていた。今聞こえてくるのはそれに似ている。
暫く向こうを凝視していると、少し遠くに華やかな着物を着た女性の様な姿が現れた。地獄街道でもたまに見るし人里でも見る。
「って問題はそこじゃなぁぁぁああああああいい!!」
萃香が視線の先のそいつに背を向けて全力で走り出した瞬間、和服のそいつも走り出し、全力で逃げ出した萃香を全力で追いかけ始めた。
●
「敵が多い……これなら魔理沙を、咲夜を……!!」
コントローラーを見ながら、霊夢達一行のメンバーはそう願った。
パチュリーを殺すミッションで、にとりの手によって殺された咲夜。
そして、月面から舞い降りた月面都市のガンツチームの一員に見た事の無い武器で殺された、魔理沙。
このミッションで二人を生き返らせる。
それが目的。
例えこの意思がガンツに操られながらできたものだとしても、間違いは無いと思った。
「ん?」
妖夢が足を止める。
釣られる様にして他のメンバーも足を止める。
「あれ? 何で?」
妖夢が指差す先には、霊夢達と同じ様にガンツスーツを着用して、黒いボディの武器を所持している集団が居た。
あちらも霊夢達に気付いたようだ。
「あ?」
「あら……?」
その中には、見知った顔が混ざっていた。
ぬえ、星に水蜜……岡崎にちゆり。どれも過去には一部のガンツメンバーが見た事ある顔だった。
中には見た事の無い男性や女性と言った顔ぶれが有る。
一般人と思わしき男が前に出る。
「なんやねん、お前ら」
この状況から、幻想郷のガンツメンバーと別のところからやって来たメンバーによる、混戦が始まる事となる。
お久しぶりです。
サイト閉鎖するから少し休憩と思っているうちに、サイトが復旧しました。
これはまずいと思って急いで書いたらこんなぐだぐだになってしまいました。
カタストロフィが枠に入らないと言う悲劇、期待していた方には申し訳有りません。
次回は、「ぬらりひょん編 後半」「ラストミッション」「カタストロフィ序章」と言った形にする予定です。
別に作成中の「約束」次回をアップしてから作ります。
第二話です。作品的に長くならないとは思います。
それでは。
長文失礼致しました。
ヨーグルト
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2011/09/10 02:37:54
更新日時:
2011/09/10 11:37:54
分類
ぬらりひょん編前編
メンバーに選ばれるキャラは東方Projectのあらゆるキャラなのですね……。
月といい『大阪』といい、強力なキャラが参入するようですが、
どうしても、幻想郷メンバーと壮絶な殺し合いをする光景しか浮かばないのですがねぇ。
では、この話及び『約束』の続きを楽しみにしております。