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『続・幻想郷を愛する皆様は、どうぞこちらへ』 作者: あまぎ

続・幻想郷を愛する皆様は、どうぞこちらへ

作品集: 29 投稿日時: 2011/10/01 11:05:35 更新日時: 2011/10/15 02:38:24
 ※このSSは、作品集27「招待状をお持ちの方は、どうぞこちらへ」、「幻想郷を愛する皆様は、どうぞこちらへ」の続きです。
 こちらから読み始めても特に問題はありませんが、もし興味がありましたら、そちらも併せて宜しくお願い致します。
 (今回、タグにもある通り官能小説を意識して書いたので、序盤はちょっと読みにくいかも知れません)












 ――その一廓には、この饗宴を彩るすべてが揃っていた。
 猛る情欲に身を任せる一匹の雄と、あるがまま、獣≪かれ≫の剛直を受け入れる一人の牝――

「ぁ、んっ…んぅッ…っひ、ぅ……ふぁッ……!」

 淫蕩のまぐわいを包み隠す古墨≪こぼく≫の闇は、まるでそれ自体が一つの生物であるかの如き存在感を以て、色濃く立体的に延び/縮み/蠢き、最奥を突かれる度に嬌声を洩らす牝の白い喉にまとわりついて離れない。たまらず牝が花芯から濃密な性の香りを立ち上らせると、闇が即座にそれを貪り喰った。

「…あッ、そこっ……ん、くぅ、いいッ、そこぉっ……ッ」

 香りだけではない。
 悦びのしずくに濡れた声も、薄紅に上気した肌の色も、狂おしげに燃え盛った吐息の熱さえも。闇は牝のあらゆる官能を貪欲に吸収し、際限なく肥え太り、いつしかその空間自体が一種の"淫猥さ"を帯びていく。
 そうして完成された闇は、本来ならば決して相容れない筈の光を適度に孕むことで、餌、すなわち人間の牝の痴態を露わにし――

「――ァんッ、すご、ぃいぃッ、……あひぁッっ、激し、……くぅッ、…ん、ふぁッ……!」

 同時に雄――獣の性≪さが≫を、駆り立てるのである。
 闇とは、本来そういう魔性を持つものなのだ。特に……雄と牝が混在する、月明かりの下において。

「――――」

 しとどに濡れた蜜壷を後背位で犯し続ける、雄のピストン運動が加速した。
 牝の臀部と雄の股ぐらがぶつかり合うたび、むちりと肉の弾ける音が両者の耳朶に響き渡る。
 その響きは、互いの性器から伝わる質感と融け合うことで性的快楽へと変貌し、脳を揺さぶり、意識も霞むような絶頂への足掛かりをひとつ、またひとつと絶え間なく形成していく。

「ぁっ、ぁあっ、――ッ、ん、ふッ、ぁ、ひ、んッ、い、イきっ、そッ、あっ、あァッ……!」

「ぅ、く……!」

 成熟した闇が雄の絶頂を悟ったのであろう。
 限界まで怒張した雄の一物が、今まさに吐精の脈動に震えようとした瞬間――

 月光が一際眩く、そして妖艶に、牝の身体を照らし出した。

 天へと深く突き上げられたなめらかな白い尻、愛らしい菊座のつぼみ。
 今にも香り立ちそうな珠の汗と、それを静かにすべらせる、弓なりに反り返った背中。
 振り乱された長髪の隙間を縫って微かに覘くうなじと、絹の肌に陰影の飾りを加える、形のよい肩甲骨。
 それらをまるで芯を通すように繋ぐ脊椎の隆起はどこか淑やかであり、その左右でひかえめに浮き出た肋骨の窪みはこれ以上なく煽情的でもあった。
 純白のシーツは爪を立てられ苦悶に歪み、その皺を正すようにきつく押し付けられた美貌は喜悦に喘ぐ。
 その横顔が湛えるは、止め処なく秘所に打ち付けられる男根の撃鉄に儚くふるえる睫毛、そして瞼の下の、性感の色に染まった真珠の如き涙。
 雄の視線に気付いてか。今にも溢れんばかりの涙が、つう、と瞼のこさえる心もとない曲線を横滑りに伝ってゆく――そうして見開かれた上擦りの瞳は、水気にうるみ、しかしなお煌々と輝く魔性を以て雄の心を射貫いてみせる。

「――あはッ」

 一人の牝、蓬莱山輝夜の痴態が、そこにあった。

「……ぅ、あっ……!」

 その姿を目の当たりにし、のみならずその秘裂に踏み込んでおきながら、滾る精を吐き出さずにおられる雄がこの世にあるものか。
 一匹の雄、若き天狗は、闇に促されるがまま、また輝夜の膣襞に搾り取られるがままに、その白濁した欲望をぶち撒けるのであった。


 そう、まさしく。
 その一廓には、この饗宴≪よる≫を彩るすべてが揃っていたのだ。
 未だその本質、その狂気こそは深い闇に紛れて潜み、およそ人の眼に見える形で現れてはいないのだが――



 ◆



 そこは、永遠亭の有する広大な地下施設の随所に配置された、情事用の一室だった。

『なにぶん地下の限られたスペースに拵えられた部屋であるし、いくらか手狭だろうが、まあ仕方なかろう――』

 永遠亭という存在を正しく理解していない者ならば、そう考えるかも知れない。しかし黄金のつがいを捻り、一歩そこへ立ち入ってみれば、そうした愚考を改めざるを得ない空間が現れるのであった。

 まず出迎えるのは、空調の利いた――と称するにはあまりに自然過ぎる、柔らかな風である。気温も、湿度も、またその薫りまでも、つがいを握った人物と、その同伴者が共に好む範囲に設定された理想の『雰囲気』が創造されるのである。そうした雰囲気は、次に舞台を成形する際に利用される。調度の趣向、内装の機微、照明の明暗など、その調整項目が多岐にわたることは想像に難くない。最後に、各種センサが入室者の持つ『道具』に埋め込まれたタグ情報を判別し、用意すべき性玩具が一通り――否、一片の抜かりもなく、専用の棚に自動で列挙されていくのであった。

 蓬莱山輝夜と若い男の場合、それは驚くほど慎ましく、そして大人びた空間となっていた。

 和風かと思われた二人の愛の巣は男の予想に反して洋風で、シルクであしらわれた天蓋付きのダブルベッドを中心に、気品ある白を基調としたインテリアが配置されている。
 ロココ調の鏡台、マホガニーの椅子、薔薇の花瓶とトランプが飾る、精巧な意匠の施されたセンターテーブル。どれも前衛的ではあるが突飛ではない、使い勝手の良い部屋であった。

『……これは……』

『使ってみる?』

『……いや、結構』

 入室時には両者とも手ぶらであったが、何をどう計算したのか、性玩具用の棚にはSM用キャンドルを筆頭に、乗馬鞭、猿ぐつわといった趣向の物が用意されていた。
 輝夜こそ、嬉々としてそれらを手にとっていたが、男の方にはその手の興味が無いらしく、結局なし崩し的に――されどシンプル故に燃え上がる――濃厚なセックスを愉しんだのであった。

「……良かった」

 そしていま、二人は寄り添い、同じ枕に頭を沈めながら眼前の天蓋に見惚れている。いかなる原理か、視界を覆い尽くさんばかりのその天蓋には"本物の"月夜が映し出されているのであった。今にも溶け出しそうな漆黒の夜、聳え立つ竹の群れ、見飽きることのない月輪特有の儚さ――仮にも天狗の端くれであるその若い男が、月の真贋をたがえることなどあろう筈もない。

「……ちょっと、分かってるんでしょ?」

 不意に輝夜が頭を動かし、こつん、と男の側頭を打った。その視線は、月光に紛れて見えない筈の、無数の星屑に向けられたまま。

「わたしはまだ満足していないのだけれど」

 男はつい苦笑してしまった。

「手短に、って言ったのは貴女でしょう?」

「それは、……そうだけど」

 男が視線を、輝夜のそれが向かう先に合わせてみれば、そこには確かに、眼を凝らして辛うじて見える程度のかすかな星の煌めきが見て取れた。
 男は先程の輝夜と同じように、首を動かして彼女の側頭を小突いて言った。

「冗談です。分かっていますよ、輝夜姫――」



 ◇



「――いいえ、分かっていないわ。今度はわたしが動くのっ!」

 身を起こすのは、輝夜の方が早かった。
 そうして男の気が付いた時には、仰向けの上半身の、ちょうど胸板を挟み込むようにして、肉付きの良い輝夜の大腿が覆い被さっているのであった。

「…………」

 男と輝夜はその向き合った体勢のまま、僅かの間見つめ合う。
 そのあまりの熱さと水気、また艶めかしさゆえに、男は輝夜の陰部を意識せざるを得なかった。男が呼吸する度、上下する自身の胸板に潤≪じゅん≫と湿った輝夜の"それ"が押し当てられるのである。同時、すらりと垂れた輝夜の黒髪が肌の上をすべるその質感も、ある種、男の性感を刺激するものがあった。さらには濃密な輝夜の"匂い"が、黒艶のある、綺麗なY字型に切り揃えられた性毛の合間を縫って男の鼻先にまで立ち上るのだから堪らない――男は半ば我を忘れて、その茂みの奥に舌を這わそうと首を起こしかけ――

「だぁめ。わたしが動く、って言ったでしょ? ふふっ」

 と愉しそうに笑う輝夜に、額≪ひたい≫を押さえられるのであった。

「やっぱり性交はイニシアチブを握ってこそだと思うのよ」

 言いつつ輝夜はその細い手を腰の後ろへ廻し、既に屹立しつつある男のペニスを手中に収めると、ゆっくりと上下に扱≪しご≫き始めた。

「イニシアチブ?」

 天狗には馴染みのない西洋の言葉だった。
 男は僅かに逡巡したが――(いくら"握られた"からといって、それが男性器のことを指す言葉だとは到底思えなかった)――素直に、輝夜にその意味を尋ねることにした。

「主導権よ、主導権。手淫だろうと交尾だろうと、自分の調子でできる方がいいでしょう?」

「……もしかして、まだ根に持っていますか? さっき私が、一人で勝手に果ててしまったこと――うぁッ」

 不意に男の腰が跳ねた。輝夜の拇指が男の亀頭をきつく擦り挙げたのだ。存分に血液が行き届き、ぷくりと膨れ上がった鈴口から伝い来る快感の奔流は、男の意識を真っさらに漂白してしまうに充分だった。

「あはッ、やっぱり面白い。」

 歯切れ良く笑うと、輝夜は男の反応を愉しむように何度も――、

「ぁ、くぁっ、ちょ……ぅ、くッ」

 何度も――、

「ぎ、……ぁッ、っ――」

 繰り返し、攻め立てるのだった。
 もはや悲鳴に近い男の制止の声を振り払い、輝夜は執拗に男の鈴口を――時に掌全体で擦り上げ、時に爪を立てるが如き刺激を加えて――嬲り続ける。その際余った薬指や小指は絶えず睾丸を揉みしだき、中指を支点に陰茎自体をみちりと包む手筒は、その上下運動だけで男の腰を跳ねさせる程の勢いに達しようとしていた。
 嗜虐の悦にうるんだ輝夜の視線は、されど男の表情から寸毫ほども離れない。やはりあの魔性の瞳を以て彼の心を射貫き、雄の情欲を猛り狂わせるのである。

「だ――だめですって、これじゃ、また、――っ、」

 だが男は、その懸念が杞憂であることを今更ながらに悟るのであった。
 手掛かりは、自らの胸板の上で踊る秘苑の熱、質感、そして滴り。
 散り散りになった意識の糸を必死にたぐり、紡ぎ合わせた、それでも常の一割にも満たぬ拙い意識が捉えた情景――それは、男の愚息を嬲るのと同等、否、それ以上の激しさを以て己を慰める輝夜の姿。
 淫靡の極致が、そこに存在していた。

「――…ん…、ぁ――」

 花芯の畦≪あぜ≫を、屹立した朱い肉芽を、それぞれ空いた手指で捏ね、摘み、突つき、あるいはその奥、膣壷を中指と薬指で躊躇いなく蹂躙し――大量の愛液を、そこから分泌させている。

「――――」

 男と輝夜の視線が交錯する。

『この愚鈍、今頃気が付いたの?』

 まるでそう言わんばかりの、どこか蔑みを含んだ笑みを浮かべると、輝夜はその御脚≪みあし≫をすらりと伸ばし、男のだらしなく開かれたままの口内へと、そのつま先を押し込んだ。同時、輝夜による男根への嬲りが、一層激しさを増した。
 されど男の脳髄を埋め尽くすのは、おのれの舌や内頬を通してひしと伝わってくる、"女の肉"、その柔らかな感触――

「ぅ、――っぁッ、――!」

 短く、か細い呻き声。
 男が、下腹部から込み上げる吐精の衝動に身を任せようとしたのだ。
 しかしそんな無様な最期を、輝夜が許す筈があろうものか。

「うっわアンタってガチマゾ? こんな逆レイプみたいな状況で感じてるのっ? 無様にイくの? イっちゃいそうなの? キモっ、信じらんなーいッ!」

 どう考えても愉しんでいるとしか思えない、そんな嘲笑の言葉が弾けるのと同じくして、
 パッ、と男の陰茎が輝夜の手中から解放されたのであった。無論、男を絶頂たらしめそうになった本当の要因――脚も、元の位置に収まっていた。
 ただ、代わりと言わんばかりに――その陰茎を間近で観察する体≪てい≫で、輝夜の顔がそこに近づけられていく。燃えるように熱い吐息が吹きかけられるのを、男は決壊寸前の愚息で敏感に感じ取ったのだった。

「わっ、すごっ。切なそうにびくっびくってしてる。……挿れたい? それともぉ、んー、舐めて……欲しいの?」

 ちろりと紅い舌先が輝夜の唇≪リップ≫を割って現れる。甘いささやきをしるべに宙を這い進むその蛇は、いまにも亀頭に絡みつきそうであった。

「……下手すれば、その言葉だけで暴発しかねませんよ……」

 荒い息を整えつつ、男が呟く。
 さらに一呼吸分の間を置くと、男は付け足すように、輝夜の望む答えを述べた。

「――前者で」

「あっははッ! 挿れて欲しいんだぁ? こんなビッキビキに血管の浮き出た穢らわしい肉棒を、ナマで、わたしの膣≪なか≫に挿れたくてたまらないんだぁっ? んーんーんー? どーぉしよっかなぁー?」

「おねだりから始まったと思えば、今度は言葉責めときた。……本当、貴女といれば退屈しませんね」

 言って、男は短く調息する。一息に吸気し、尾をひくように腹から呼気を絞り出す。
 それがこの天狗なりの気付け方であった。絶倫の代名詞である天狗族たるもの、気の入れようひとつで射精の衝動など意のままでなければ務まらない。

「お望みの剛直だ。好きなだけ犯せ――そら!」

 男も口調をプレイ用のそれに切り替えると、そら、と輝夜の尻を力強く平手打ち≪スマッキング≫。
 ぁん、という喘ぎを匂わせ、輝夜は男の上で再び姿勢を起こす。四つ這いになって男に向き直り、舐めるような視線と動きで――実際、舌先で男の胸板につぅと線を引きながら――僅かに後退する。男の下腹部で屹立したそれを掴むと、くいと腰を上げ、

「よく、見てて」

 と艶やかに挑発し、自身の二つの白い乳房の奥に覘く、赤黒い肉の凶器へと腰を降ろし始めた。

「ん――ぁ、は、ぁんッ……!」

 最初は、秘唇にカウパー液で濡れた亀頭を擦り付けるような、辿々しい、見ているだけでも焦れったくなるような緩慢な動作であった。
 だがやがてその傘状の切っ先を飲み込むと、一転、両者の表情に熱病のごとき火照りが生じた。
 狭い蜜壷を強引に押し広げ、絶えず絡みつく内襞に総身をぬるりと擦り上げられながら、深く深く、根本まで込まれてゆく屹立の神経感覚が……男の脳を。無数に蠢くそれら内襞≪うちひだ≫の一枚、そのさらに一部分を構成する、ざらついた膨大な数の感覚器官群から伝達される快楽信号が――輝夜の脳を、共に揺さぶってゆく。
 またその揺れは、じぃんと頭蓋の中で残響と反響を繰り返し、また新たに送り込まれた快感の波と共鳴することで、際限なく膨れ上がっていくのだった。

「…ぁ……おっき、…い…」

 とろけるような声を上げ、輝夜は頤≪おとがい≫を反り返らせる。
 愉悦に弛んだ女の身体は意外に重い。男はその、今まさにおのれの胯間にあてがわれた荷重を受け止めるのが好きだった。その重さをもっと感じようと、男は腰を巧みに動かし、輝夜を持ち上げるように押し付けた。男の意図を察したのか、輝夜もそれに合わせて身をよじる。と、両者の脳髄に言いようのない熱い快感がこんこんと湧き立ち、水気を含んだ淫靡な音が二人の接合部から響き渡るのであった。

「ん、ふ……しょ、っと、」

 輝夜が上下の輸送を開始する。男の胸板に手を置き、左右に開いた両膝を支点に輝夜の腰が前後する。時に浅く小刻みに、花芯とカリ首の擦れ合う感触を貪るように。時に女の身体が求めるがまま、剛直を深く一呑みするように。するとそうした所作にわずかに遅れて、たわわに実った白い乳房が男の眼前で踊るのであった。男がたまらずその果実を諸手に収めてみれば――

「…ぁんッ……!」

 二つの膨らみは熱い肉の詰まった護謨毬≪ごむまり≫程に柔らかく、陵辱されるがままに姿を変えた。ただ男の掌底に触れる桃色の突起だけは、まだ熟れ切っていない茱萸≪ぐみ≫もかくやと言わんばかりにピンと硬く張り詰め、愛撫をせがむような自己主張をしているのであった。

「……は、ぁッ……、ふ――ぅぁ、ん、……ひぅっ!? ぁ、乳首、はっ、きゃぅッ!」

 男はほとんど本能的に、その乳首を指の間できつく摘みあげていた。輝夜の腰の動きに合わせて乳を絞りとるように刺激を加えると、そのつど輝夜の腰が跳ね、きゅッ、きゅうッと膣内が締まるのだった。男にはそれがやたらと面白く感ぜられ、輸送のリズムが狂うのも構わず、輝夜が呼吸を忘れてしまいそうな激しさで攻め立てた。その余りの快楽に、輝夜は自身を支える手に力が入らなくなり――そうして男の胸元にしな垂れかかりそうになれば、ずん、と男根が一際鋭く深く輝夜を貫き、その背を無理矢理反り返らせるのであった。

「ひ、ふぁ、くぅ、ん……! あっ、ひぁ、んふ――む、ぅ!?」

 酸素を求めて喘ぐ輝夜の唇を、男が強引に奪い取った。
 その口付けの激しさたるや、男が輝夜を肺腑の奥まで犯し尽くす気概であることを、当の輝夜自身も察せずにはいられない程であった。

「――ん、ふ、ぁむ、ちゅ……は、ふぁ、む……、ふ、ちゅ、……ん。ふッ。ん、んんぅー!?」

 輝夜の苦しげな熱い吐息が二人の咥内で行き交ってゆく。時折口を離し深く息を吸い込もうとする輝夜を、しかし男は逃さない。輝夜の首筋を片手で押さえつけ、彼女の舌をおのれのそれで捉えると、その唾液ごとキツく吸い付いて離さなかった。無論その間も、輝夜の乳房を弄≪いじ≫る手はとどまることを知らず、また彼女の最奥を打ち付け続ける腰の動きも緩めない。

 自然、輝夜の顔は上気し紅くなり、またその美しい鼻梁が奏でる呼気、吸気の音も過激さを増していく。口曇≪くぐも≫った喘ぎ声は咥内でも反響し、じんと内側から互いの官能を刺激する。

「――――」

 男は核心していた。
 ――輝夜は、今まで以上に感じている。自身が虐げられることに、悦を覚えている。
 物憂げに見詰めてくる輝夜の瞳が、胸板に突き立てられた爪の残した痕が、何より、瀞場≪とろば≫と化した彼女の秘裂が、その証であろう。

 こりゃ、思っていたより上手く行きそうだな――

 男が心中、ほくそ笑む。
 その思惑を知ってか知らずか、やがて輝夜はおのずから舌を差し出し、男の舌に絡ませはじめた。

「んんっ……ちゅ、ふッ、むぁッ、…ちゅぅ、あ、ふぁあッ」

 弾んだ息を隠そうとする素振りは微塵も見せず、むしろこれこそが女の色気だと主張して止まない。互いの情欲が赴くままに、また執拗なまでに、淫らな音を立てて交わされるカクテル・キス。歯茎を舐め、舌の裏で擦り合い、唇を甘噛みし、垂れる銀糸をまた舌ですくい上げる。くらりくらりと、頭を芯から陶酔させる性の匂いは、本物のアルコールでさえ比ぶるまでもない、壊滅的な中毒性を秘めていた。
 やがて、男の一物をくわえ込む輝夜の身体に明らかな変化が現れる。

「ふぁッ、あぁ、いッ、…いきっ、そッ……く、ぅんッ……!」

 抑えきれずに漏れ出る嬌声が半オクターブ高くなり、全身の緊張度がぐんと増した。その様子を感じ取った男は、輝夜の腰の動きに合わせ、自身もスパートを掛けていく。もはや何の遠慮もなく力任せに胸を揉みしだき、輝夜の身体が宙に浮く程の勢いで陰茎を打ち付ける。挿入時こそ誘い込むように肉棒をたやすく飲み込んだ蜜壷は、ひとたびそうして離れそうになれば、一転、決して逃してなるものかと内襞を絡みつかせ、男の精を根こそぎ絞りだそうとするのであった。

「ひっ、ひぁッ、ん、ぁ、い、…い、いッちゃ……、んぁあッ、」

 天狗の、尋常ではない剛力による蹂躙。それでも輝夜は歓びに身を震わせ、絶頂への高みを駆け上っていく。
 みちり、と、輝夜の尻の肉が締まるのを察した男は、そこでようやく――、

「あぁァあッ、ぃ、ああァアぁアッ――――ッ、むぅ―――ッ!?」

 その狂気を、顕現させた。

「――――」

 "ぶつん"という、途轍もなくリアルな切断音。
 否、ともすれば、それは歯と歯が噛み合う"かつん"という音が咥内で曇ったために生まれた音かも知れないし、あるいは、その音それ自体がまやかしで、ただ二人の脳裏に浮かんだ表現が、丁度その擬音でピタリと符合しただけなのかも知れない。どちらにせよその程度のこと、本質に比べれば些事に違いない。
 そこそこの厚みのある肉が、噛み千切られた――そんな本質に比べれば。

 "ぷぢッ"
 "ぷじゅん"
 "ぐチッ"
 "グチゅん"

 びくびくと痙攣を繰り返す"舌"を、男がゆっくり咀嚼する。一噛み毎に、筋繊維がぶちぶちと千切れていくのが分かる。咥内は濃密な血と鉛の匂いで満ちていく。
 男にしてみれば、さぞ面白かった事であろう。
 おのれの舌の上で跳ねまわる輝夜の舌は、噛めば噛むほど、唾液や血液といった汁気を溢れさせていき――ごくりと嚥下するその瞬間まで、肉片のひとつひとつが活け作りの刺身の如く、ひくついていたのであるから。

「――美味い」

 と、男が感想をもらした後、はたと気が付いた。
 輝夜の膣の締まり具合が、随分良くなっている。

「―っ――ひゅ、―ッ―がォほ、っ、―ゥ、…―、」

 はたして輝夜は、男に舌を噛み千切られ、溢れ出る血液と残った舌筋の痙攣に呼吸困難に陥りながらも、絶頂の只中にあった。
 だらしなく大口を開け、血の混じった涎――というよりもむしろ、涎の混じった血――を垂らしながら、反らした全身の筋肉を限界まで硬直させ、一瞬だけ弛緩させたと思えばまた硬直するという、そんな動作を幾度となく繰り返す。ふるえる瞼を押し上げる瞳は、危うげに何処か遠くの一点を見詰めており、いまにも"ぐりん"と反転しそうであった。

「ははぁん。輝夜姫様は、いたぶられるのがお好みと」

 善哉、善哉。呟く男はそのまま、輝夜の首筋に血のラインを引くように舌先で口付けていく。途中で青みのさした太い頸動脈に触れた際、男はそれすら噛み千切ってしまいたい欲望に駆られたが、『まだ殺してしまってはいけない』と必死に自制し、ついばむような甘噛み程度にとどめるのであった。
 いまの輝夜にとってはそれだけの行為ですら千の愛撫に勝るのか。苦悩と官能が入り混じってとろりと溢れ、粘度の高い波となって押し寄せる絶頂の連なりに身を任せている。

「ヒっ…、カゥ――ぁ、ふッ――…」

 それはそれで男にとって好都合であった。なら次はもっと感じさせてやろう、と意気込んで、男は輝夜をシーツの上に押し倒した。ばねの音を微かに軋ませ、二人の姿勢が入れ替わる。その衝撃で輝夜の乳房が再び踊った――瞬間、まさに野生の獣の如き俊敏さで、男の顎がその先端を掠め過ぎていった。

「ァ――ああァッ!」

 鮮やかな血と叫喚が咲き乱れる。
 輝夜の胯間から勢い良く小水が迸り男の胴体を濡らしたが、特に意にも介した様子も見せず、むしろ興が乗ってきたとばかりに男は腰を激しく前後させる。既に決壊の一歩手前まで怒張していた男根は、新たに男の舌を愉しませる、張りと弾力のある肉の――乳首≪ニプル≫の、そのふくよかな歯ごたえに感化され、いまにも破裂せんばかりであった。乳輪ごと喰い千切られ、黄色い脂肪を覘かせたまま、犯され揺れる輝夜の乳房。その様子を眺めながら咀嚼する肉の味は最高で、気が付けば男は、呑み下したニプルが喉を通っていくその感覚と同時に、ありったけの精を膣内へ放出していた。

「…げ、ほッ、――ぁ、ぁあ…! …れ、れへう……ァ…、ん、ぁはァ……っ!」

『出てる』。輝夜が、舌も無いのに他人が聞き取れる程度に明瞭な発音で話すのは、男にとってやや意外であった。しかし考えてみれば別段不思議ではない。輝夜は藤原妹紅という不死人と来る日も来る日も、飽きることなく全力で殺し合っているのだ。舌どころか、顎そのものを失うことだって多々あるだろう。ならばこの程度、やはり些事に分類されるに違いないのだ。

「…………」

 射精の余韻に浸るのもそこそこに身を起こし、いよいよ男が本当に求める所へと顎を運んでいく。
 一度目は、輝夜の気を惹くための愛撫≪カムフラージュ≫に過ぎない。
 二度目は、ただこの天狗の趣味趣向であった。
 そして迎うる三度目こそが、この情事の核心であり真実――

 そこは、臍≪へそ≫だった。
 腹部の丘陵に沿ってなめらかに沈み込んだ、つつましげな窪地。
 いつだったか臍帯を通じ、この部位で確かに母胎と繋がっていたことを示す名残の跡。
 天狗や妖怪の多くが有さず、いまとなってはただ一つの役割も担わぬこの器官であるが、男はその孔の最も深い部分に下歯をあてがうと、そこから右肋骨に向かって大きく、それは大きく口を開き――

 一息に、その腹を喰い破った。

 情けや容赦といった感情が微塵も感じられない、冷徹かつ、渾身の一咬み。
 万人が万人、羨望のまなざしを向けるであろうほどに美しかった皮膚はたやすく裂け、内臓を保護する堅牢な腹直筋も、人体最高の硬度を誇る歯牙の前に為す術なく抉り取られる。そんな圧倒的な暴力を前に、輝夜の身体が辛うじて出来た抵抗と言えば、その傷跡から熱い血飛沫を噴き出させた程度であろう。

「ア、あぁ――い、――いぃ、いィ――わ――ッ…、」

「…………ふふん?」

 男が血濡れの顔を引き上げる。
 と、その口角からにわかに覘く、赤黒い内臓の連なり。それは頼りない半透明の薄膜に覆われた、横行結腸――四つに区分される結腸群の中で最も長く、糞便の吸水機能を担う大腸の一部分であった。"頼りない半透明の薄膜"である腹膜はしかし、輝夜の臓腑≪はらわた≫を守る最後の砦であり、その矜恃にかけてか、その一噛みにおいて男の咬合力≪こうごうりょく≫に屈することは無かった。

「…ァ"っ……?」

 が、この時ばかりはその矜恃が災いした。
 腹膜は、内臓の表皮を覆うのみならず、他の臓器や一部の体組織と癒着し繋ぎ止め、また血液を送り届ける役割も兼ねている。幾条もの血管と神経を網の目のように張り巡らせたその膜が、男の動きに合わせて引き摺り出され、結果、

 "ズるリ"、と。

「ぁ、ぁ"あッく――」

 "ぷヂブぢ"、と。

「ぁ"ッ、あっ、アぁ"ッ、あ"あ"ァ"ッぁああ――」

 輝夜の腹の上に、次から次へと止め処なく。
 生ぬるく湿≪しめ≫り、テカテカとしたぬめりを放つ臓物が溢れ出した。

「――――」

 男が顎を動かし、存外にずしりと重い大腸を噛み締める。犬歯で被膜を今度こそ突き破り、臼歯でその孔を擂粉木≪すりこぎ≫よろしく押し広げて喰い千切ってみれば、たとえ女性の臓物≪なかみ≫であろうと"消化器官"である故のさだめか、その断面から、鼻の粘膜に染みついて数日は残りそうな程の、こもるような――蒸れるような臭気が、おびただしく洩れ出した。同時に液状の糞が男の咥内にどろりと流れ込み、その味蕾で饐えた臭いの、文字通りの苦汁を舐めることになるのであった。

 だが、人間のはらわたは妖怪にとって至上の食物である。
 それが嫌な臭いであるものか――それを不味いと思う道理があるものか!

「まだまだ、足りないな」

「――――あ、は」

 男の言葉を聞いた輝夜が血の気の引いた顔で、しかしかつてなく愛欲にまみれた微笑を浮かべた。
 幽鬼の如く蒼白い腕を伸ばし、男の頭を抱えるように押さえ付けると、輝夜自身≪おのれ≫の無様な様を――すなわち甘美な苦痛に身を捩≪よじ≫り、一喘ぎするたび、腹圧で傷口から臓物がせり出してゆく様を――ありありと見せつける。
 そして、血染め化粧で幾度も幾度も上塗りされ、厚く膨れた深紅の唇を震わせて、

『はやく――もっと! もっと、食べて! わたしを貪≪むさぼ≫って! 跡形もなく喰い荒らして!』

 と、そんな発言を繰り返すのであった。

「もちろんですとも、輝夜姫」

 応える男は、ひとまず余分な輝夜の内臓を手で押し退けると、先程の臍と同じ要領で、裂傷の端に下顎をきつくあてがった。男の顔が鼻まで腹にめり込むのではないか、と思えるほどの充分な負荷を掛けてから、今度はやや斜めに、"右肋骨の内部を根こそぎ"掬い上げるように、喰らい付いた。
 瞬間、男の咥内に、今までとは比べものにならない濃厚な血の味が広がった。固く繊維質な筋肉や脂肪分の多い腹膜に混じって、舌触りのつるりとした滑らかな臓器の欠片が存在している。

『……"これ"だ……!』

 男が思わず口元を綻ばせた。

 それは、
 部屋に谺≪こだま≫し周囲を埋め尽す、輝夜の絶叫に酔いしれたから、ではなく。
 口に含んだその臓器――肝臓≪レバー≫が、格別に美味であったから、でもない。
 いや、通常であれば、そのどちらも確かに正解たり得たであろう。だが、こと"この瞬間"に関しては、どちらも『違う』と評価せざるを得なかった。

 そんな、男がみせた破顔の『正しい』理由≪わけ≫は。
 天狗族の間で……、
 否、種族を問わず時代を問わず、ありとあらゆる場所で、まことしやかに囁かれ続けてきた、
 "噂話"に、基因する。

 そう、噂話である。


【――〈蓬莱人〉の生肝, 其を食せし者も〈蓬莱人〉と化し, 即ち不老不死へと到る――】


 そんな、噂話。



 ◇



 その後は、見るも無惨で凄惨な、二人だけの幸福の時間であった。
 餌となり果てた牝が息絶えるまで、節操無しに、雄がその臓物をむさぼり続ける……そんな、至福のひとときがゆったりと流れていく。
 内臓を掻き分ける水気の多い音、引き千切られた血管から噴き出す血がシーツに付着する音、隙間風のようにか細い牝の喘ぎ声と呼吸音。
 腹部を中心にして、風呂敷のごとく拡げられた赤黒い牝の中身、五臓六腑のいたるところに、白濁した雄の精液が飛び散っている。
 胃袋の握り潰される音がした。腎臓が引き裂かれる音がした。両面から、まるで柏手≪かしわで≫を打つように、豪腕の平手打ちを受けた膀胱の破裂する音がした。血の混じった小便がベッドから滴り落ちる音がした。子宮が引き抜かれ咀嚼される音がした。雄の舌の上で転がっていた卵巣が噛み潰される音がした。ごくりと、雄の喉を通って牝の命≪タマゴ≫が取り込まれていく音がした。

 主立った内臓を囓り取られ、ついには肺にまで雄の歯牙が及び、朦朧とし始めた意識のなか。
 牝が最期に聴き取った、雄の言葉は――




 ◆




「――そしたら最期にこの人、わたしの耳元で、……ン、ン"ー……あ。今の声合わせね。次が本番。えっと、……『輝夜姫、貴女の眼球を丸呑みにしてみたいのです』……なんて言うのよ! あはは、可っ笑しいの! 男ならそこは愛の告白で締めなきゃ! 女の子の大事なトコロが思わずキュンとしちゃうような、あまったるぅーい愛の言葉で!」

 分かった!?
 と、きゃらきゃら笑う輝夜の声が、賑やかで広々とした空間に溶け込んでいく。

「何を。貴女もノリノリだったではありませんか。半死半生で……、ああいや、あれはもうまさしく瀕死の状態でしたね。そんな状態でそれでも頷いたと思ったら、『片眼は呑んでもいいけれど、もう片方の眼は丹念に噛み砕いたあと、わたしの顔に吐きかけて』って懇願してきた時は、流石の私もどうしようかと思いましたよ」

 もっともな男の言い分に、同じ卓に居合わせた男女数人が上品な笑い声をあげた。
 皆が皆、血塗れの衣装に――それも素晴らしく洗練された、美しい衣装に――身を包んでいるが、ここには誰一人とて血糊≪それ≫を咎める者はいなかった。
 無論、そこかしこで待機している兎耳の少女に一声掛ければ、直ぐにでも高級なドレスやスーツといった替え衣装が用意されるであろう。しかし誰もそうしないのは、この場においては返り血が一種の名誉のような認識であり、また、このつどいが終われば、たちまち新たな血潮を浴びることになることを各人が理解していたからでもあった。

 そこは、晩餐会の会場だった。

 天井を雅やかに彩るのは、クリスタル・ガラスとオニキスであしらわれた、豪勢ながらも重厚感溢れる、古き良きキャンドルスタイルのブラック・シャンデリア。
 フロアには血の目立たぬよう、シックな紅色の絨毯が敷き詰められている。とりわけこの空間の雰囲気を小粋に引き締めているのが、きっちり等間隔に配置された、純白のシーツをまとった円形テーブルと、それを飾る豪華絢爛な料理の数々であろう。

 各テーブルには、大人が両腕を軽く広げた長さほどもある、大きな白磁の皿が一枚ずつ。また、小さな取り分け皿に、フォークやスプーン、ナイフといった食器類が一通り。それ以外では、サイズもまちまちな、銀のボウルの被さった誰もまだ見ぬ未踏の料理があったり、あるいはすでに食べ尽くされた刺身の跡が残っていたり、サラダが食卓に優しげな色を添えていたりする。一輪挿しの花瓶の傍らでは、ワイングラスと高級ワインが手付かずで、互いに寄り添ったままの所もちらほらと見られた。

「それにしても、見事な眺めですね」

 男がグラスを片手に呟いた。
 手付かずの高級ワインが、そこかしこに存在する――その理由は、いま男が見上げている、ガラス張りの小部屋の連なりにあった。
 会場の中央を真っ直ぐに伸びる長方形の台座。そこには髪の色、容姿、体型、性格、その他身体的特徴のありとあらゆる要素を様々に取り合わせた美女たちが座し、あるいは身を寄せて観客達を誘惑していた。酒を煽っている者、桃を食している者もいる。その裸婦の群れのさらに奥、中央の段差を上った先に、ぶ厚い強化ガラスに囲われた、まるで試験管のような、人間一人が立つのがやっとという個室が幾つも聳え立っていた。

「でしょう。好みのタイプをそこの因幡に伝えれば、すぐに理想の女を連れて来て貰えるわよ。少なくともそのグラスが空になるまでには、ね。あ、いまパッと思いつかないようなら、実在する女性の名前でも構わないけれど」

「はは、それなら私は貴女を指名しますよ――ああ、実在する少女というと、やはり博麗霊夢が一番人気のようですね」

 男が、今度は周囲のテーブルのメインディッシュ、大きな白磁の皿を見ながら言った。そこには調理済みの少女たちが鎮座していて、生前の写真とネームプレート付きで――たとえば、『霧雨魔理沙の丸揚げ』だとか、『十六夜咲夜(ロースト, レモンソース和え) 旬の野菜とチーズリゾット詰め』といった風に紹介されている。中には『東風谷早苗(子持ち)のビーフハンバーグ』のように、全く原形をとどめていない少女もあるのだが……とかくそうして辺りを見渡してみれば、博麗霊夢の名がちらほらと見えるのであった。

「私も彼女を調理するつもりなので……何とか、皆様のご期待に添えるように頑張らねばなりません」

 この男と輝夜、それから他数人の男女が談笑するこのテーブルに置かれた白磁の皿は、いまだ空のままである。
 "からくり"で東風谷早苗がミンチにされるのを見て性的興奮を覚えた男と輝夜は、場の雰囲気に任せるまま、先の情事に及んだのであるが――何を隠そう、この卓のメインディッシュを用意する役目こそ、この男の担当であったのだ。

「本当よ。あんなことしてて遅れちゃったんだから。そのぶん美味しいものを作らなきゃ許さないわよ」

「貴女はもう……まるで他人事みたいに言いますね……。まあ、事を始める前に給仕≪セルヴーズ≫にいくつかの器具の準備をお願いしておいたので、すぐにでも調理を始められますよ」

「そう?」

 淀みなくグラスを傾ける輝夜の言葉の端から、やはり一種の期待のようなものを感じ取った男は、丁度テーブルで前菜を取り分けていた給仕に『そろそろ彼女を』と目配せする。
 給仕――ウェストコートを完璧に着こなし、チェック柄のダービー・タイを結んだ、"優曇華院"と寸分違わぬ容姿の少女――は慇懃に頷くと、空いたグラスにワインを注ぎ、軽く一礼してから去って行った。

 彼女、すなわち聾唖の博麗霊夢が連れて来られるまでの、僅かな待機時間が訪れる。

「……失礼、あれは?」

 その合間を取り縫≪つくろ≫うように、男が向かいの席の貴婦人に尋ねた。歓談や食器類の奏でる音で溢れかえった会場内で、一際賑やかな観客達の姿が男の興味を引いたのだ。そのテーブルをよくよく観察してみれば、そこは老紳士によって調理された十六夜咲夜が振る舞われている卓であった。

「あちらですか? そういえばつい先ほど、調理担当の男性が追加の料理を持って来ていましたね」

「へえ、それはどんな?」

「スープ料理でしたわ。オニオンと、ガーリック……でしょうか? ――で香り付けした血液を使って、肉や野菜、少量の米を煮込み、切り取った膀胱に詰めたものです。わたくしも一口頂きましたが、大変美味しかったものでよく覚えております。バーナーでかりかりに焼かれた四肢の輪切りが一緒に添えられておりまして、その塩加減がまた絶妙ですの」

 男は感嘆の声を上げた。
 それは、老紳士が『作れたらいいのですが』と自信無さ気にこぼしていたメニューの一つであった。一度ローストを完成させたあと、再び厨房に戻って、自分の満足がいくまで試行錯誤のすえに完成させたのであろう。一般に、"努力"などといった精神論に馴染みのない天狗にとっては、そうした人間臭さからこそ、学ぶことが多いのであった。

「それはそれは。私もぜひ、味わってみたかったものです。あれほどの人気ぶりでは、もう残ってはいないのでしょうね」

 しかし少女の顔を残して調理する所といい、切り分けた肉を盛りつける際のセンスといい、とても素人とは思えない細かな気配りが随所に散りばめられていた。その様から察するに、もしかすると夫婦で料亭か何かを経営していたのかも知れないな、などと男が考えたとき、その一群の中から二人ほど、中央部の台座に向かう者があった。

 二人の男に気付いた裸の少女達が、こぞって寄り添い、靴を舐め/胯間に手を伸ばし/腕を絡ませ胸を押し付け/甘い声で口付けをせがむ。股を開き、自ら指で女性器を広げて見せ付ける者さえ居た。が、二人は彼女らを無視し、その中の例外的存在――やはり、二人の少女に声を掛けるのであった。


 ☆


 少女の片割れは、決して比喩などではない本物の"病的なまでの白い肌"を有していた。
 産まれてから一度も日光に触れたことが無いのに加え、慢性の栄養失調による色素の欠乏、さらには皮膚それ自体が常人の半分ほどの厚さしか無く、その痩せ細った裸体を遠目に見ても、体中を青い血管が木の根のように走っているのが手に取るように分かるのであった。銀糸を束ねたような長髪はされど眼を見張る程に美しく、他の者と負けず劣らず、丁寧に飼育されて来たのであろうことが窺えた。

 その少女こそは、里一番の人気者かつ知識人――上白沢慧音であった。

 吉野桜の梢≪こずえ≫を連想させる華奢な手には熟れた桃が握られており、慧音はただ無心に、その小さな口で果実を頬張り続けている。
 見る者が見れば、一目で分かるであろう。

『……桃娘≪トウニャン≫か』

 天狗が心中で呟いた。この世に生を受けた時より死に至るその瞬間まで、桃とその果汁以外を口にすることが決して許されない金持ち専有の性玩具。多くは乳飲み子を卒する前にその短い生涯を終え、首尾良く生き延びた者も十を数える頃には身体の不調が顕著になる。脳の機能維持に必要な糖を確保するため、身体が筋肉を分解し、脂肪を溶かし、それでも足りない栄養素を補うため、やがて臓器をも少しずつ浸蝕していく。従ってその身体は常に生命活動を保っていられる限界すれすれの状態にあり、ただ一度の性交にも、そのか弱き心臓は耐えられないであろう。
 そうした多大な犠牲を払って、ようやく得られるもの――それは、彼女の全身から立ち上るかぐわしき桃の香りと……、

「…………」

 その時、慧音の虚ろな瞳に男の姿が映り込んだ。その男が手にグラスを持っているのを見咎めると、慧音は微かに頬をほころばせ、危うげな足取りで台座の上に立ち上がった。そして小さく身をふるわせたと思うと、彼女の股間――秘所から、透明な小水が迸った。その流水が描き出す弧の見事なる処に、彼女の女性器から"陰唇"がすっかり切除されている事が見て取れた。尿が周囲に飛び散ったり、客人の衣装を汚したりするのを防ぐためでもあろう。そうして慧音の小水が、ちろちろと控えめな音を立ててグラスに注がれていく。

 きっかり八割、グラスを満たすと同時に慧音は放尿を止めた。
 少し泡立ったその透明な液体が、穏やかさを取り戻す前に、男はもう辛抱ならんとばかりにぐいと飲み干しにかかる。男のごつい喉仏が、休む間もなくそのぬるい液体を飲み下していく。その恍惚の表情といえば、何かに取り憑かれたかのようであった。

 ……多大な犠牲を払って、ようやく得られるもの。
 それは、彼女の全身から立ち上るかぐわしき桃の香りと。
 果糖を多分に含み、とろけるような甘さを有した尿――極上の妙薬、であった。

 グラスを空にすると男は乱暴な手つきで慧音の上肢を引っ掴み、そのまま連れ立って、近くの別室へと入っていった。

『……ぁ、あぁ……!』

 扉が閉まり切っていなかったのであろうか。いつの間にか会場に流れていたクラシックのBGMに混ざって、微かにではあるが、少女の声が響いてきた。嬌声にして、苦悶の声。初めての契りにして、死の儀式。歓びの詩にして、断末魔の囁き。
 あるいは、それを聞き届けることが出来たのは、鋭い聴覚を持ったこの天狗だけだったかも知れないが――

 ――どちらにせよ。
 少女が再びここに戻って来ることは、無かった。


 ☆


「――――」

 もう一人の少女、因幡てゐは、ひとり黙々と蒸留酒≪リカー≫を煽っていた。
 襟元には可愛らしい黒のスカーフを巻き、ゴシック・アンド・ロリータの流れを汲む、やはり漆黒のフリル・ワンピースドレスを身につけている。裾からひかえめに覘くパニエは、上半身との対比が美しい純白色である。カールの掛かった黒髪には紅薔薇のコサージュが、起伏の小さな胸元には大きな黒レースのリボンが、それぞれ華を飾っていた。
 また、いかにも肌触りの良さそうな生足も黒のガーターストッキングで覆われており、全体をしてやや黒に偏りがちかと思われた印象は、ワンピースのラッフル≪フリル≫の裏地がさりげなく魅せる上品なライラックピンクで見事に調和されているのであった。

 しかしてそれは、この会場においても、尚。
 やや、異様な光景であった。

 周囲に裸身の美少女たちを侍≪はべ≫らせ、台座に腰掛けて編上げブーツを放り出し所在なく脚をぶらぶらと揺すりながら、スコッチ・ウイスキーをボトルのまま浴びている。その顔はまるで天狗面でも被っているか、でなければ煮え湯で顔≪おもて≫を百度も洗ったのではないか、と思われるほどに真っ赤であった。それもその筈、この少女は今宵初めてアルコールというものを口にした、酒の良し悪しどころか自身が下戸か上戸なのかの区別すらも付かぬ、全くの初心者≪うぶもの≫であったのだ。

「――んぅ、ぐ――うぁ、――」

 そして不幸なことに、実際のところ、この少女は筋金入りの"下戸"なのである。
 というのも、台座の上で唯一この少女が衣類を身につけていること、また裸の少女たちを従えていることから判る通り、通常、因幡てゐは招待客≪ゲスト≫の要望を聞き、それに合わせた少女、器具、シチュエイションを提供する役目を担っているのだ。いま、一本のボトルを片手に携え、このてゐの所へ向かっている男――彼のお眼鏡に適う容姿をしていたのが、"たまたま" 因幡てゐであり、さらに彼の求める理想の少女像というのが、『極端にアルコールに弱いこと』であったのだ。そうして幾人も存在する因幡てゐの中から、"たまたま" アセトアルデヒド脱水素酵素がAA型、すなわち下戸タイプであった"この因幡てゐ"が選び出されたのであった。

 そして、男がこのてゐに対して下した命令、それは、
『俺がいいと言うまでひたすら酒を飲み続けろ。ああ、それから自涜行為も。ずっと、だ。酒を飲むのに支障が出るようなら、他人の手を借りても構わん』
 というものであった。

 自涜行為――
 そう、それこそが、てゐが裸の少女を自らの周りに侍らせている理由であり、また、それが一種異様さに拍車をかけている原因なのであった。

「あゥぅ、ひっ、……ん、く……ぁあ――」

 ――フリルとレースで飾り立てられた柔らかな布地が、内に潜んだあまたの腕≪かいな≫によって喰い破られんばかりに蠢≪うごめ≫いていた。
 幾人もの少女が、てゐの愛らしい衣装の中に手を差し込んでいるのだ。のみならず、てゐの首筋に舌を這わせている者、スカートを捲りあげ、てゐの股間に顔をうずめている者の姿もあった。

 その様は、さながら少女達の共食いのようで、
 見る者すべてに蠱毒の壷を連想させた。

『……んふっ。てゐちゃんのおっぱい、かわいい』

 てゐの胸部を弄≪もてあそ≫ぶ誰かが言った。

『あのね、おっぱい触ってるとね、てゐちゃんの心臓がすごい速さで動いてるの、わかるんだー。ほら。とくとくとくとくとく……くすくす、本物のうさぎさんみたいっ』

 また別の誰かが言う。

「――ぅ、ああぁう、っんく、んく――」

 十二分にアルコールが身体に巡り、もはや天と地の見分けもつかないてゐの顔は、涙でぐしゃぐしゃに濡れていた。
 だがそれでも、ゲストの命令に逆らう訳にはいかない。彼らの命令に従うことだけが、この少女らが存在する唯一の意義なのであるから。

『あぁん、健気にお酒を嚥下していく喉もキレイで可愛いのよ? てゐちゃん、頑張ってね?』

 首筋に舌を這わせる誰が呟いた。

『あ、今てゐちゃんのお腹が鳴ったね。ぐるるるるぎゅるるう! って、すごい音。……えへへぇ、あのねぇ、おしっこでもうんちでも、したかったらいつでも出しちゃっていいからね? わたし、てゐちゃんのなら、全部飲めるから……えへへぇ』

 スカートの中に顔をうずめる誰かが、恥じらいがちに笑った。
 そしてまたすぐに、舌先でてゐの秘裂を愛撫する水音が沸き起こる。

「ん……んく、んッ……う、…あ、ぁッ、っく、ひ、あッ、げ、げぶ……む、んぐッ」

 残り少なくなって来たボトルを深々と仰ぎ、意地と気合いだけで飲み干しにかかるてゐであったが、その時、まるで計ったかのように乳首に強烈な刺激が加えられた。危うくてゐは口に含んでいた酒だけでなく、胃袋をなみなみと満たすスコッチまで戻しそうになったが、やはり根性でそれを再び飲み下すのであった。

『……うふふっ。御免なさい、一生懸命なてゐちゃんを見ていると、つい虐めたくなっちゃって』

 そう言いつつも、その誰かは愛撫を緩めるつもりは毛頭無いようであった。

『おー? あのねあのね、てゐちゃんの心臓、また速くなったよー?』

 くすくすと笑う誰かが、横からてゐに抱きつき、その胸にぎゅっと耳を押し当てた。

『……すごいすごーい! なんか、いまにも壊れちゃいそうっ。これいいなぁ、あたし、てゐちゃんの速い心音だーいすき。聴いてると、なんだかおまたがきゅんきゅんするの。もっともっと速くならないかなぁー? くすくすっ』

『じゃあ、私が舌で頑張るねぇ。えへへぇ……てゐちゃんのクリトリス、かわいいんだぁ。わたしの舌で、はやく潮吹いてくれないかなぁ、えっへへぇ』

『なによぅ。私だって負けないんだから……ん……ちゅっ、んふっ、あふ、ぢゅる、ん、はぁ、ふッ……』

 そうして次第に過激になっていく少女達の愛撫に意識を揺さぶられ、途中、何度も何度もえづきながらも、

「――んくっ、ァあ、ふ……ひくっ、ふ、ぅぁ……」

 てゐはようやく、"3本目の"スコッチボトルを空にしたのだった。
 するとにわかに少女達の賛辞の声が巻き起こった。

『やったねてゐちゃん! おめでとう!』

『おめでとーてゐちゃん!』

 眼前の少女達が何を言っているのかすら、既にこのてゐには判断出来なかったが、それでも彼女はいくらか安堵の笑みを浮かべた。

『それじゃあこれ、お口直し!』

 無邪気に笑う少女達がそうして新たに持ってきたのは、赤ワインのボトルであった。
 銘柄≪ブランド≫は――ベルモット。葡萄の味を殺さぬよう丁寧に、シナモン、ミントなどの香草の効かせ、最後にスピリッツを加えて作られるアロマタイズド・ワインである。

『さっきのよりは、ずっと飲みやすいよ!』

『頑張ってね、てゐちゃん!』

『えへへぇ、わたしたちも一緒に頑張るからぁ、てゐちゃんも気持ち良くなってねぇ……?』

『……うふふっ。それじゃあ、まずは私が口移しで飲ませてあ、げ、る。』

『あーずるーい! わたしもそれするー!』

 新品のボトルが開けられ、濃い赤紫の液体が次々に少女達の口に収まっていく。彼女たちは、そのアルコールの芳醇な香りに身をふるわせ、舌の上でとろとろともてあそび、最上級のワインの味を一通り堪能したあと、朦朧とした意識と焦点の合わぬ瞳で、なかば口を半開きにしたまま、時折しゃっくりを打つだけの人形と化したてゐの口に、自らの唾液とともに押し込んでいった。こくり、こくりと、てゐがそれを嚥下するたび、少女達は得も言われぬ優越感に満たされるのであった。

 だが――

 蒸留酒≪スコッチ≫と醸造酒≪ワイン≫の飲み合わせは、初心者のてゐにとって、最悪以外の何物でもなかった。
 少女達にされるがままであったてゐの虚ろな瞳が、不意に大きく見開かれたかと思うと、

「――う、ぶう゛ぉぼげぇェええ、っご、ぼッ――ろぉろぁろォおおおォオぉ――」

 盛大な、吐瀉が始まった。
 限界まで腹に溜まった液体を、地獄に響く怨嗟の如く鈍い音と共に止め処なく吐き出していく。
 胃酸が混じり喉が焼け付き、鼻からも鋭いアルコール臭を撒き散らすスコッチをだらだらと零し、余りの息苦しさに呼吸をしようと大きく口を開ければ、その分だけ大量の赤みがかった液体がそこから溢れ出して行く。今のてゐには己の股間から小水と、また肛門から水気の多い大便が噴き出していることにさえ気付く余裕は無かった。ただ、涙で霞んで何も見えない世界で、てゐはこのまま窒息死することだけを覚悟していた。

「うげッ、ゴぉぁッ――おおおぶぁぉああおォおるぅ、――ヵ"、ん、むう゛――」

 しかし少女達も、それを見越していた。
 少女の一人が吐瀉物でまみれたてゐの顔に躊躇なく口付けると、てゐの腹から迫り上がる液体をすべて飲み下し、また喉の奥に詰まった異物を吸い出し、てゐの嘔吐≪えず≫きの合間合間に息を吹き込むのであった。横隔膜が麻痺し、碌に自身で呼吸することも吐き出すことも出来ないと見るや、また別の少女がてゐの背後から手を回し、腹をぐんっと圧迫して酸素供給に助力する。漏れ出る糞尿も、クンニリングスを行っていた少女が述べていた通り、それらが外気に触れ、会場に異臭をもたらす前にすべて直接飲み干してしまった。

「……さて。どうだ、調子は?」

 その時、ようやく彼が――てゐに命令を下したゲストが――少女達に声を掛けた。
 彼の手には一本の細長いボトルが握られており、その金のラベルの奥でゆらめく液体は、幻想的な緑色を呈している。

「なんだ。まだこれだけしか開けていないのか」

 台座の上に転がるスコッチの空き瓶を眺めて男が言った。

「それに、折角の酒を吐いちまいやがって……」

 嘆息しながら呟くと、男は顎を振る仕草だけで裸の少女達を退けさせた。後に残った、ぐったりとしな垂れて動かないてゐの衣服を引っ掴むと――そのとき一瞬、てゐの衣類の汗でびっしょり湿っていることに、またその手足のこごえるような冷たさに、いくらか驚いたようだが――その身を引き起こし、顔を何度かはたいてみせた。当然のように、てゐは何の反応も示さない。
 だが、心臓は動いている。胸も上下し、虫の息ではあるが、かろうじて呼吸も出来ている。

「……まあ、こんなもんか。それじゃ仕上げに移るから、手伝ってくれ」

 男は少女達にてゐの身体を起こさせると、左手で彼女の口を大きく開け、

「まずは、このワインを使い切っちまわないとな」

 いまだ八割は優に残っている赤ワインの瓶口を、てゐの喉の奥へと強引に、そして一息に突っ込んだ。

「ぐ、ガッ――」

 ボトルの肩がてゐの歯につかえ、辺りに硬い音が飛び散った。震えるてゐの顎が絶えずボトルを叩くが、その間にも、とくとくとボトル内部に空気が昇っていき、その分だけ、てゐの小さな胃袋にアルコールが注ぎ込まれていく。男はてゐが窒息せぬよう、彼女の首が垂直になるよう固定し、また巧みにボトルを転がして気道を確保するのであった。紅い液体がボトルから急速に姿を消していくが、その間、またたき一つしないてゐの眼球がやたらグリグリ動き回っているのが奇妙であった。

「……よし。欲を言えばもう一本くらい詰め込んで置きたかったが、どうせまたすぐに吐いちまうだろうしなあ」

 男が手を離すと、てゐは力なく崩れ落ちる。その際、やや膨らんだ腹から"たぷん"と液体の跳ねる音がした。

「ああ、そこのお前。スコッチをもう一本……そうだな、ビターズを入れて持って来てくれ。あんたは気道確保で、おまえはこの娘のケツを持ち上げておけ。さあ、さっさとしないと死んじまうぞ!」

 てゐは少女達によって仰向けに寝かされ腰を押し上げられ、男に股間を見せ付けるような姿勢をとらされた。
 ここでようやく、男が手ずから持ってきた細いボトルを開け始めた。

 それは、アプサントと呼ばれる幻の霊酒であった。薄く緑色を帯びたその液体は、人をひどく魅了するに充分な妖しい香りと風味を有している。もとは薬草を原料とするリキュールであったが、その強烈な中毒性、幻覚作用等から、次第に市場を追われることになった酒である。そのアルコール度数は、90%近くにも及ぶ。

 男はその酒を一口煽り、その"劇薬"の刺激のほどを身をもって体感した後、

「こいつは、キクぞ……!」

 ――アプサントを、てゐの秘裂に突き入れた。

「ひ、ひいいぃがああぁああぁあアッ!?」

 瞬間、てゐの意識が覚醒した。

「――ああああァ熱いッ! いやあ、ぃ、いた、いたい! いやあ! イヤぁッ……!」

 てゐは自分の股間が"燃えている"のではないか、と思い込んだようであった。
 呂律の回らない舌で必死に、『消して、火を消して、火を……』と、涙をこぼして懇願する。見えない火を振り払おうとする手は、されど言うことを聞かず、明後日の方向でのたのたと揺れるだけ……。これほど見る者の嗜虐心を煽る少女の姿、そうは無いであろう。

「い、ぃやぁ……、たす、助け、て…ぇっ! し、死んじゃ…ぅ…!」

 そうして悲壮な声を上げ、他人≪ひと≫の助けを求めることだけが、てゐに残された唯一にして最後の足掻きであった。が、てゐの周囲を取り囲む少女達はただ傍観するばかりで、また勿論、この男がてゐのことなどを気に掛ける筈もなく――

「まだ、こっちの穴があいてるぞ? こっちからも飲まないとなぁ……!」

 ちょうど少女の一人が持ってきたスコッチ・ウイスキーを手に取ると、それを容赦なく菊門に押し込むのであった。

 不思議な光景だった。
 ゴシック・アンド・ロリータの衣装に身を包む年若い少女が、仰向けになってその恥部と臀部を男にさらけ出し、のみならずそこから二本のでかい瓶を生やし、ごぼごぼと音を立てて酒を飲み下していくのだ。

「……あ、あぁ、あ……おぁああ……!」

 粘膜から吸収されたアルコールは、肝臓を通ることなく、そのまま血流に乗って体中に染み渡っていく。もしそのアルコールの濃度があまりに高ければ、脳細胞はその毒素による蹂躙に耐えきれず、静かに、そして速やかに死滅していく。
 その現象がいま、てゐの体内で進行しつつあった。

「……ぁ……ああぉ、あ、うぁ……ォ……」

 先程まで宙を引き裂かんばかりに発せられていた声は、一秒ごとにその覇気を失い、

「……ひゅ、……ひュ、……ご……ゴ、ぐ……」

 一種の"いびき"のように断片的な呼吸音を洩らすだけになっていった。やがて瞳が濁り、腕も脚も、ぴくりとも動かなくなる。
 だが、彼女の心臓と肺だけは未だ、主人を生かそうと懸命に機能していた。男からすれば、それでようやく"頃合い"であった。

「それじゃ、この娘を……空いている"部屋"に入れる。手伝え」

 部屋――それが、筒状に分厚い強化ガラスを張り巡らさせた、透明な"試験管"を示す言葉であった。
 男と数人の少女たちはてゐの衣装を剥ぎ取ると、台座の上からさらに数段の段差を上った先にある、その部屋の前に彼女を連れて移動した。

 部屋は、直径0.75メートルの円を2メートルの高さまで引き延ばしたような案配で、標準的な成人男性ひとりが入って若干の息苦しさを覚えるか否か、程度の広さであった。

「……よし」

 男がてゐをその部屋の前面にもたれ掛からせ、足元の押しボタンを踏むと、如何なる原理か次の瞬間にはてゐの身体がその部屋の内部、中心地に収まっていた。また周囲の壁面もてゐの身体に合わせてその幅、高さを伸縮させるらしく、本来であれば一人で立つことなど到底出来ないてゐが、ガラスの壁を支えにして絶妙なバランスで直立している。その表情が、既に生気を失って蒼白いことに変わりは無いが――

 そこで初めて、男が笑みをみせた。彼の手元には、赤いハンドレバーが握られている。
 男はそのレバーに体重を掛けるようにして、一気にガコンと限界まで押し下げた。

「……ふうん? 最初はやはり軽いのか」

 レバーが最下に到達するまでに、男の手は四度の抵抗≪タップ≫を感じ取った。キチ、キチ、キチ、キチ、と四度、歯車を廻すような感触。それはレバーに加えられた圧力が力矩≪トルク≫に変換されたことを示していた。
 その力矩が動かす物――それが、てゐの頭上、部屋の上端に設置されていた鋼鉄製の円盤であった。今はその無機質な円盤が少しだけ、てゐに近付いていた。

 男がレバーを元の高さまで引き上げ、すぐにまた勢い良く押し下げる。
 キチ キチ キチ キチ。
 また四度の抵抗分だけ、円盤はただ最下層を目指して、機械的にその身を沈めていく。壁面と円盤は完全に密着しており、一分の隙間も無い。
 "部屋"は、人体専用の圧搾機であった。その特性上、加圧や減圧、さらには粉砕攪拌≪ミキサー≫といった機能も備えているが、主にこうして少女を圧搾して、その手応えを愉しんだり、あるいはその体液を絞り出すために使われるのであった。

『……ゴ、ぁ…ヒュ……がッ………は、ぅぁあ……』

 スピーカーを通して、てゐの呻きが響いてきた。そう、これは一種の遊興器具なのだ。圧搾される少女の反応を見るために、ありとあらゆる配慮が施されていて当然であろう。部屋に捕らえられた少女の肉声や内蔵の破裂する音を逃さず拾い、増幅して伝える音響設備。少女の肌に触れた壁面、そこから読み取った脈拍などのバイタルサインを表示するディスプレイ。少女の身体を押しつぶす際、円盤に内蔵された圧力センサが受けた力と同等の抵抗をレバーで再現する同期装置。すべて、"少女を殺害する"という行為を娯楽に昇華させるためだけに設計されていた。

 キチ キチ キチ キチ。

        キチ キチ キチ キチ。

   キチ  キチ  キチ、 キチ。

              キチ、 キチ、 キチ、 …キチ。

 そうしてやがて――
 円盤が、てゐの頭蓋を押し始めた。

「……ゥウ……ギ……」

 たらたらと涎を垂らすてゐの顔が、少しずつ、首元に押し込められていく。

 キチ……キチ。キチ……キチ。

 けれどその狭い空間において、強烈な圧力に真っ先に屈すると思われるのは、彼女の脚であった。
 体幹――身体の中心軸から、"すぼめ気味の肩"と、"鼻先"までの距離はほぼ等しく、その頂点を曲線で結べば綺麗な円を描くことが出来る。そして壁面はその円にぴたりと合わせて伸縮していた。従って頭蓋と脊椎はある程度芯を通して固定されており、垂直方向の圧力に耐性を生んでいた。そもそも人体というものは、直下的な力を脊椎と腰椎で上手く分散するように作られているのだ。それに対しててゐの細い足は、その円内部である程度の余裕を持っているため、やや、膝を曲げたような状態で固定されてしまっていた。

 キチ……キチ。
 キチ……"ギチ"。

 最初から数えて7ストローク目を境に、やや鈍い音がし、男の手に掛かる抵抗が圧倒的に増加した。

「……ッ……!」

 もはや意識の無いてゐが、声なき苦悶の悲鳴をあげる。
 壁面にきつく押し付けられていた全身の皮膚が裂け、また、膝頭の骨が砕け始めたのだ。男がさらに1ストロークと半分を加えると、膝頭の皮膚が完全に剥がれ落ちて白骨が覘き、駄目押しのもう1ストロークで、その膝骨が――否、その"膝"が、真ん中からゴキリと音を立ててへし折れるのが、男の位置からでもよく見えた。折れた脛骨は血と見分けの付かぬ赤い骨髄を垂れ流しながら脛≪すね≫の皮膚を突き破り、皮下に現れた筋繊維もやがて"ばつん"と弾け、柔軟な血管だけを残して断裂していく。その生々しさに、周囲で待機している少女達がざわめき出す。無論、それは"歓び"、"感動"といった心の機微を示すざわめきであったが。

「…ッグ……ゴッ……ブ、プ……」

 その頃には頸椎に掛かる圧力もかなりのものになっており、気道を確保することの出来ないてゐは窒息寸前であった。が、足がすねから折れたため、その分だけ僅かに隙間が空き、そのスペースに臀部と腰が落ち込むことで再び生き存≪ながら≫えていた。もしてゐに意識が残っていたならば、いっそ一思いに殺して欲しいと懇願したことであろう。

 そうして彼女が強く死を望むのであれば――あるいは。
 キチ、キチ……と近付くその音も、てゐにとっての"福音"なのかも知れない。

 その"福音"が、さらに八つほど鳴り響いたとき。

「――ぁ――」

 ついに、頸椎が砕けて散った。
 されど福音は鳴り止まない。尚も増加し続ける圧力に、頭部が砕けた頸椎を飲み込むように沈み始めた。嫌な音を立てて首が内部にめり込んで行く。自然、その分だけ頭蓋内の密度が高まり、やがててゐの眼球が内側から押されて飛び出した。喉や鼻孔からは血か肉か脳味噌かも分からない粘ついた汁が溢れていく。

 "ギチ"。
 "ギチ"。
 "ギチ"。
 "ギチ"。

 今度は反対側、てゐの背中の方から、ひび割れた脊椎が皮膚を喰い破って現れる。

 "ギヂ"。
 "ギヂ"。
 "ギヂ"。
 "ギヂ"。

 やがて、てゐの――否、その"肉塊"からは頭部が完全に消え失せ、また脚と呼べるものも既に綺麗に折り畳まれて潰れており、残るは体幹だけとなった。もともと背の低かった少女の体躯は約三分の一にまで圧縮されており、最初こそ見上げる程の高さにあった鋼鉄の円盤は、今はもう傍らに立つ男の大腿ほどの高さまで押し込まれているのであった。

 "ギ、ヂ"

 そしてその1クリック分だけ、男がレバーに力を加えた時だった。
 頭部を丸呑みし、ぼこりと膨れた体幹の腹からまるで逃げ出すかのように――肉塊の股と尻の穴から"びゅるり"と音を立て、血濡れの内臓が噴き出した。
 もはや男や少女達だけでなく、遠巻きにその様子を眺めていた観客達からも喝采が巻き起こる。

 その後はもう、中身の抜けた肉塊を限界まですり潰すだけの、機械的な、しかし心弾む作業が残っているだけであった。
 そうして、その身体を構成するありとあらゆる体液を抜き取られたてゐは、口当たりの良いように鉄分などを適度に濾≪こ≫し取られた後、希望する者全員に振る舞われるのであった。

 "スコッチ・ウイスキー"、"ベルモット・ワイン"、"ビターズ"、"アプサント"。
 それらは、若くして没した希代の詩人と同じ名を冠する、世界中で愛飲されるカクテルの原料である。

『えへへぇ……てゐちゃん、てゐちゃんが、わたしのお腹の中に入ってくるよぉ。嬉しいなぁ……えへへぇ』

 グラスを傾ける少女の一人が呟く。
 そのグラスを満たす赤い液体は、そのカクテル以上に。
 皆の愛を享受するに足り得る――最高の出来映えであった。




 ☆
皆様お久しぶりです、あまぎです。
これで3つ目の産廃投下作品になります。

今回はちょっと『官能小説よりもエロく』、『リョナゲーよりもエグく』を目標に書いてみました。
慣れないことをするものだから、序盤がすごく読みにくい文章になってしまいましたが……
たとえ一度でも、「エロいなぁこれ」と思って頂けたら幸いです。


本来なら今作で完結する予定でしたが、思ったよりもてゐちゃん虐めが楽しかったので……じゃなかった、長くなっちゃったので、さらにもう一話分、分けて書くことにしました。
何だかんだ言って、今回も霊夢ちゃん生き残ってしまいましたし。

あ、いつかこんな感じのノベルゲーム作りたいですね(作り方知らないけど)。
「少女売買鬼畜調教シミュレーションゲーム」。いいなあ。ときめくなあ。


最後に、『血液には催嘔吐性があるけど、飲んじゃって大丈夫なの?』と思われた方へ。
ええと、皆様のその疑問はおそらく正しくて、本来なら人間の血なんて飲めたものではありません。(多分)
ただ、催嘔吐性は鉄分由来である可能性が高いようです。従って作中のように適切な処理を施せば、美味しく頂けることと思います。
(補足説明、以上)


次のタイトルは、
『続続・幻想郷を愛する皆様は、どうぞこちらへ』の予定です。
(もっと良いタイトルを思い付いたら変更するかも知れません)
それでは皆様、またお会いしましょう。


最後までありがとうございました。



◆10月4日追加分(コメント返し)◆


>>NutsIn先任曹長さん
僕はパーティで好みの女の子を見つけたら、こっそり写真撮影を……げふんげふん
実のところ、僕もアブサンというお酒をこの作品を書く前まで知らなかったのですよねー。
友人に「てゐを殺すつもりで酒を飲ませようと思うんだけど、おあつらえ向きの良い酒ないかな?」って聞いてみたところに、教えて貰ったのがアブサンだったのです。
やっぱり創作活動をする際には数人でディベートすると、ぐんと質が上がりますね。
エロゲ会社のシナリオライターさんとかが、会議してアイディア出してった……とか聞くと、「俺もそういう創作談義してー!」って思います。よく。
というわけでして、ライターさん目指している方とかいらっしゃいましたら、ぜひディベートしてみませんか^p^

>>2さん
読んでいて面白い文章とは、
@「自分の知らない知識が沢山詰め込まれている文章」
A「予想外の展開がおきたり、感動する演出があるなど、構成が優れている文章」
B「単純に言葉遊びが面白い、会話にキレがある文章」
おおかた、この三種類に分けられると思うのですよね。
僕はまだ、@主体に攻める文章しか書けないのですけれど、いつかはこの三つすべてを含んだ物語を書いてみたいものです。

>>3さん
ありがとうございます。
そういえば、何をもって人は「冒涜的」と考えるのでしょうね。
例えば、世間一般には、
「さっきね、目の前で女子高生が死んだんだ! あの無様な死に様には…もう、興奮したね!」
とでも言おうものなら誹謗中傷は避けられません(=冒涜的と見なされる)が、
「さっきな、俺の娘を轢き殺した糞女が、俺の目の前で、交通事故で死んだんだ! あの無様な死に様…ざまあみやがれ!」
ならば、咎められることはあろうとも、ある程度の同情というものが存在する(=冒涜的とは見なされない)筈なのですよね。
このとき、何をもって冒涜的とするのか……。
女の子が死ぬ瞬間を見て喜ぶのが冒涜的? それならば両者とも同罪ですよね。
怨嗟、私怨の有無が冒涜的か否かを左右する? 性的興奮を覚えるのが悪? ……それもおかしな話な気がします。(確かに、死体に性的興奮を覚えるというのは、生物的には欠陥かも知れませんけど)
やっぱ、冒涜的か否かなんていうのは、他人の価値観ひとつなので、楽しめるものは楽しんじゃえばそれでいいのではないかなー、なんて個人的に思っちゃいます。

>>4さん
死姦いいですね、死姦。
あなたの表現に僕もちょっと興奮して参りましたよ……!
どっかの国で、いくらか払えば「出来る」んですよね……フフフ……
『死姦の楽しみは、相手の身体を壊し(食べ)ながら出来ること』ってどっかで聞いたような気がします。
真実はいずこに。

>>筒教信者さん
そう言ってもらえると物書き冥利に尽きます!
次の作品を公開出来るのはいつになるかちょっとまだ分からないのですが、妥協せずに書き上げたいと思います。
SS書いていると、日常生活に支障が出るレベルで時間が取られるから困りものです。
ちなみに今作の冒頭部分とかは、1文書くのに1時間近く掛かった所がちらほら。やべえー!
全体では80〜100時間くらいでしょうか。もうちょっと速筆になりたいものです。
まあその辺は慣れと言うことで、精進致します。

>>6さん
やったやった、また抜いてもらえました!
今回、官能小説っぽく書いてみてひとつ思ったことがあります。
それは、官能小説って『点のエロスの集まり』なんだなーってことです。
これはアダルトビデオを『面のエロスの集まり』とした際の表現です。
つまり、映像があれば、その人はその映像の中から自分の"こだわり"、"フェチ的要素"を抜き出して、そこにエロスを感じてエクスタシるわけですが、小説の場合だと、そのエロス要素は書き手にすべて委ねられるのですよね。その人が「エロい!」と思う描写を的確に入れて行かねばならないのです。
だから、官能小説作家は、『いかにエロくするか』という枠の中で、『いかにみんながエロいと思う点の描写を入れるか』という制約と闘っているのです。きっと。
ニッチな内容を書けば、それだけ、「これはエロい!」センサーに引っかかる確率が下がる訳ですからね。
うーむ、官能小説って、奥が深いです。
また宜しくお願い致します。


◆投稿日〜10月4日追加分 ここまで◆


◆10月14日追加分(コメント返し)◆


>>木質さん
その心境は本人のみが知っております。
いやー僕もこんなてゐちゃん書いたのは初めてです。
てゐちゃんがおにゃのこ達に弄られるシーン、あそこらへん実はちょっとエロゲを意識して書いてみたのであります。
ど、どなたか声をあててくれないかな! 取り巻きの女の子達も含めて^p^!
ゴスロリてゐちゃんの絵なんかも一緒に見せられたら、僕失禁してしまうかも知れない。うひょう!

>>8さん
どうしようどうしよう詳しい人来ちゃったよ!
スペインでモノホンが飲めると聞いて僕愕然。旅行で行った時に知ってたらば、ガンガン飲んできたのに……!
そんな感じで、帰って来てからその価値を知った物がいくつかあって悔しいです。マジック・マッシュルームとか普通に露店で売ってたのに、馬鹿な僕はそれがただのキノコだと思ってスルーしてたのです……挑戦して見りゃ良かった……くそう。
ただ、アムステルダムでは『パープル・ヘイズ』って××を××××りまし……いえ何でもありません。はい。

火の鳥、すごいですね。そんなお話があるんだ。
沙耶の唄のモチーフでもあるらしいから、読もう読もうと思ってはいるのですが、時代の変移が激しすぎて3巻くらいでいっつも手を止めちゃうのです。
いい加減、ブッダも読まなきゃなぁ。


◆前回更新〜10月14日追加分 ここまで◆
あまぎ
http://www.pixiv.net/member.php?id=115523
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2011/10/01 11:05:35
更新日時:
2011/10/15 02:38:24
分類
官能小説
リョナグロ
内臓のおどり喰い
下痢ゲロ直飲み
永遠亭
蓬莱山輝夜
上白沢慧音
ゴスロリてゐちゃんいぢめ
十六夜咲夜(ロースト,レモンソース和え:旬の野菜とチーズリゾット詰め)
女の子だって動物だよ、『食べられたいの』って思っちゃってもいいじゃない
1. NutsIn先任曹長 ■2011/10/02 01:08:12
前半は姫様と客の狂った情事。
後半は桃け〜ねと酒漬けてゐ、と。
最初、作風を変えたかと思いきや、後半の紳士淑女の歓談に繋がるとは、あまぎ様、パーティーでこんな話ばかりしているとか?

姫様、ノリノリである。
け〜ね、ヤッた後はステーキ? それともシチュー?
てゐ、ツマミに角砂糖くらいアソコに食わせてやればいいのに。

アブサンなんて、同名の野球マンガとうみねこと『いつかギラギラする日』ぐらいでしか知らなかったです。
てゐが語った死、いや詩は、非情に、いや非常に心に響きました。
輝夜との交わりといい、天狗さんのセンスが最高ですね。

で、このことは『オリジナル』は知っているのかな?
DNAや名前の『使用料』を払えば文句を言わないのもいるけれど。

次回でようやく最終回ですか。
はてさて、どんなご馳走が出てくる事やら。
それでは、腹を空かせて待っています。
2. 名無し ■2011/10/02 08:50:50
勉強になるなあ
3. 名無し ■2011/10/02 19:28:51
楽しくよませて頂きました
エロいし人が死ぬ瞬間って冒涜的だけど素敵だと思います
4. 名無し ■2011/10/02 19:45:13
慧音の尿飲んだこの男は遠慮することなく全力で突き込んだんだろうな
初めての絶頂で心臓が止まって動かなくなった慧音の上でも腰を振り続けるのは止まらなかったに違いない
5. 筒教信者 ■2011/10/02 23:29:40
エロいし、面白いし、表現が素晴らしいです。
次の作品が楽しみですわ!
6. 名無し ■2011/10/03 00:10:00
エロすぎ抜いた
このイベントになんとかして参加したいです
7. 木質 ■2011/10/05 23:44:43
自身が殺される命令に従順に従う彼女たちの心境はいかなるものなのか、非常に興味深いです。

失速することのない数々の残虐な行為に、神秘さすら感じました。
こんな艶のあるてゐを見たのは初めてです。
8. 名無し ■2011/10/06 02:37:03
日本で普通に手に入るアブサンはニガヨモギが少なくて寂しいらしいですが、スペインでは昔ながらのツジョン濃度のアブサンが合法なのですよね。
確か映画ヴァンヘルシングで主人公がフラスコからグビッとやってるシーンがあった気がしますが、創作物ですら滅多に見ないです。

「オリジナル」のてゐや優曇華がクローンだと思われて殺されたりしないか心配になって、そこから火の鳥に丁度これの様なエピソードがあったのを思い出しました。
クローンを作ってTV番組での人間ハンティングの標的にしようとした男が、自分のクローンを作られてその中に紛れてしまい殺される側になる話。

無茶苦茶な事ノリノリでやってくれて談笑のネタにする輝夜マジ竹取。
ベロベロに酔ったゴスてゐを弄びたくて仕方が無い。カテーテルで膀胱にギリッと冷やしたスミノフでも注入して吸い出したい。
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