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『雪降る中での黒き春よ』 作者: ぐう
「うぅ寒・・・これだから冬は嫌なのよ・・・」
雪がちらつく雪原を、ひとり歩く黒い服の少女。
背中からは柔らかそうな羽が生えており、どうやら妖精のようだ。
彼女は春告精のリリーブラック、春を告げるのが仕事のため冬真っ盛りの今は活動時期ではなかった。
「家でじっとしてたって何も面白くないけど、だからってうかつに出るもんじゃないわね・・・」
去年に比べたら積雪はましなほうなのだが、それでもやはり寒いものは寒い。
どこかで暖をとらなければ、風邪をひいては洒落にならない。
「あそこで何か食べて行こうかしら」
見渡す限り一面銀世界。と思いきや、屋根の数々に雪が積もっている人間の里が見えた。
ブラックは深く考えずに、素直に足を向けた。
「さーて、どれにしようかしら」
里を少し歩いて回り、ブラックが目につけたのは例のカレー店。
そう、以前サリエルが立ち寄ったのと同じ店だった。
「この10カレー何とかって、賞金が出るのね。じゃああちこちに貼られてる写真って・・・」
店の壁一面に貼られている顔写真は、30分以内に10皿のカレーを食べる「10カレーラッシュ」を制した者たちの写真だった。
その中には、かつての制覇者である早苗やサリエルの写真もあった。
店内ではほとんど語られていないが、一部のマニアでは彼女たちの別の話も有名になっていた。
「私もやってみようかしら。最近寒さでいまいちしゃきっとしないから丁度いいわ」
どうやらこの様子だと、ブラックも挑戦するようだ。そして店員を呼ぶと・・・
「レディースアンドジェントルメン! 本日も10カレーラッシュに新たな挑戦者が現れました!」
随分と大掛かりな店員の司会進行とともに、自身ありげに椅子に腰かけるブラック。
そんな彼女の前に、次々とカレーが盛られた皿が並べられてゆく。
「今回の挑戦者は春告精のリリーブラックさんです! 今まで妖精の挑戦者は皆5皿以内でギブアップですが、自信のほどは?」
「なら私がその記録を塗り替えるまでよ、この店に一足早い春を到来させるわ」
高いプライド故か、自信満々な様子。だが逆に言えば、これで失敗すれば面目が丸潰れになってしまう。
自分で言ったからには決して退く訳にはいかない。ブラックはスプーンを手に舌なめずりをした。
「レディー、ゴー!」
店員の合図とともに30分の制限時間のカウントが開始し、ブラックはそれと同時に1皿目に口をつけた。
観客も以前の早苗やサリエルの時ほどではないがかなりの人数。しかもその2人以降制覇者が出ていないため、3人連続の女性制覇者の誕生の可能性も懸念される。
そういった意味では、観客の興奮は最初からかなりのものだった。これをブーイングに変えない為にも、ブラックは無我夢中でカレーを口にした。
「うっ・・・げほっげほっ!」
「あーっとここで勢いのつけすぎが出たか! 盛大にむせられています!」
10分で4皿目に口をつけてペースとしては順調。しかしそれが仇となってか、ブラックは気管に入りかけたカレーにむせてしまった。
盛大に咳き込むことで詰まりを一気に放出し、少しでも早くペースを持ち直す戦法をとった。
「過剰な自信は伊達ではないのか、何とも早い立ち直りです!」
戦法はうまくいき、ブラックは再度カレーを口に入れ直した。
少しの間どよめいでた観客たちも再度声援を送り、店内の熱気は一気に高くなった。
残り1皿となり、横目で時計を確認すると残り時間はあと4分16秒。はたして最後を残り256秒で超えられるのか。
「うぶっ! ぐっ・・・」
「さすがは最後だけあってか、苦しそうな様子です!」
残り時間が割と豊富なのに対し、ブラックのお腹は限界に近かった。
そこまで大食らいではないのだが、その割にはここまでこられたことには彼女も自分に驚いていた。
しかしここからが本当の勝負。果たして時間が勝つのかプライドが勝つのか・・・
『リリー! リリ−!』
だがブラックは手と口を止める訳にはいかなかった。耳に響くみんなの声援を無駄にしない為にも、苦しいのをこらえて一口一口を確実に口に含んだ。
時間の減りとカレーの減りはやがて同じくらいになり、果たして結末は・・・
「はぁはぁ・・・うぷぅ・・・」
「おめでとうございます! 今年初と妖精至上初、そして女性3人連続の制覇者がここに誕生いたしました!」
ブラックは吐きそうなのをこらえ、最後の一口をついに飲み込んだ。
残り時間はわずか4秒、観客たちもハラハラしながらの見守りだったが、彼女が制覇したことを知ると一斉に拍手と完成で祝福した。
「賞金の授与です。そして一言どうぞ!」
「ど・・・どう? 春が来たくらいの盛り上がりはできたかしら・・・」
賞金を受け取り、新たにブラックの写真がこの店に貼られることになった。
「くううう・・・やばい、お腹がすごく苦しい・・・」
賞金を獲得したのはいいが、問題はここからだった。お腹いっぱいに詰め込んだため見るからに苦しそうな顔で雪原を歩くブラック。
帰りたいのはやまやまだが、飛ぶことはおろかよたよたと歩くことで精一杯だった。
ぎゅるっ、ごろろろろろ
「こ、こんな時に限って・・・どうして里にいた時にこないのよ・・・」
食べてしばらくは生じなかった便意が、待ってましたと言わんばかりにブラックのお腹を刺激した。
同時に詰め込んだ量の多さからして、お尻に走る重圧も半端ではなかった。
「ここらへんにトイレなんて・・・あるわけないわよね・・・くそっ」
リリーは歯を食いしばりながら周囲を見回すが、こんなところに都合よくトイレがある訳がなかった。
あったとしても、以前みたいにトイレの前で致したトラウマに苛まれていたかもしれない。
ぐりゅりゅりゅぎゅるっ
「くうっ!」
その時急激に増した便意とトイレのことを考えたことにより、ブラックは内股で便意に悶えた。
野糞ができることならしたかった、無駄に高いプライドさえなければすぐにでも。意地でも家まで耐えるつもりのようだ。
「こんなところ、ホワイトに見られたら話にもならないわ・・・。私がこうしてうんち我慢してるところ・・・」
「呼んだ、お姉ちゃん?」
「誰も呼んでなんか・・・えっ!?」
この有様を誰に見られても嫌だが、特に見られたくないのは妹のリリーホワイトだった。
ある時は花見の帰り道、またある時は家の前で致した彼女、面倒をかけっぱなしなホワイトに見られるのは一番困る瞬間だった。
だが、不意に彼女に声をかけてきたのは・・・ブラックの服をまんま白に変えただけの少女、リリーホワイトだった。
「ホワイトっ!? あんたどうしてこんなところに・・・」
「どうしてって、お姉ちゃんが買って来いって言ってた物を買った帰りだもん。そしたらとぼとぼ歩いてるお姉ちゃんを見かけたから」
噂をすれば影とはいうが、まさかこんなところで遭遇するとはブラックも予想してなかった。
ホワイトの口調からして、ブラックの現状などまるで知らないようだった。
ブスッ、プッププププ・・・
「しまっ・・・ホワイト、こっち見るなっ!」
「お姉ちゃん?」
だが今驚いたことにより、続いていた便意の我慢が途絶えてしまった。
肛門の緩みを感じ、ブラックはもう便意を止めることができないことを悟ると、ホワイトにそう怒鳴ってお尻を後ろに突き出した。
黒いスカートから覗く、黒い下着に包まれたお尻が震えたかと思うと・・・
ブリュブリブリブリッ! ブビビビビィ!
「はああっ! うくううううう!」
ホワイトの目にはどう映ったかはわからないが、その姿は美しかった。
黒下着の中で激しい音が響いた後、悪臭とともにもこもこと隆起が生み出された。何も知らない人だったら、まず驚くに違いない。
ブババッブリリリッ、ミチミチミチッ
「こんな・・・この私がまたうんちを漏らすなんて・・・ううう・・・」
「お姉ちゃん、もしかしてうんち我慢してたの?」
悔しそうに項垂れるブラックだが、下着を膨らませる茶色の塊は止まらなかった。
下着から溢れないことにより、お尻に嫌でも触れる屈辱の便塊。悪臭と下劣な排泄音とともに出る便塊・・・
姉の失態に気がついたホワイトだが、だからといってかける言葉がなかった。
あったとしても2回も致した自分に言える資格があるのかわからないだろう。
「お姉ちゃん・・・まずは全部出しちゃおう、ね?」
「わ、わかってるわよ・・・ぐすっ・・・」
お腹にまだ重みがある今、ホワイトの言葉に従わざるを得ない。ブラックはお腹に力を込め、下着に残りの便を排泄した。
どさっ
その音ともに下着から転がり落ちた便塊はかなりのようで、野球ボールと同じくらいの大きさの物がもわもわと湯気を立てた。
ブラックは無言で下を向き、漏らした悔しさからか小さく震えていた。
「お姉ちゃん・・・」
「ホワイト、何も言わなくてもいいわ。あんたの言いたいことは大方わかるし、それが間違ってるとは思わない」
言葉が見つからないホワイトの頭の中には、以前致したブラックの姿が浮かんでおり、以前のような言葉をかける勇気が今回はなかった。
何か言うべきだとは思っているが、姉に言わなくていいと言われたからにはそれまでだった。
「私もバカよね、以前みたいにつまらないプライドでこうして自分を悉く追い詰めるんだから。バカの一つ覚えとはいったものね」
そう言うブラックの手には、手に入れた賞金の札が握られていた。
嫌な予感を感じたホワイトは・・・
「お姉ちゃん、やめてっ!」
「あら、金をうんちに叩きつけるとでも思ったの? いくら私でもそこまで無粋な真似はしないわよ。確かに漏らしたことは屈辱だけど」
幸いホワイトが思っていた展開は避けられ、ブラックもそこまで自棄にはなってないようだ。
「ホワイト、先に帰ってて」
「でも、お姉ちゃん・・・」
「いいから帰ってて。私のことを心配するのは嬉しいけど、無粋な真似はしないって言ったわよ」
「う、うん・・・」
後味が残る言い方だが、ホワイトは後ろめながら荷物を持って家のほうへと飛んでいった。
「はあぁっ、私ってどうして無駄に強がるのかしら・・・んんっ」
ブスッ、ミチッミチミチミチ・・・
ホワイトが遠くに飛んでゆくのを見届けると、ブラックは一言つぶやいて賞金を握りながら自らお腹に力を込めた。
一度汚れた黒下着に、再び茶色の塊が生み出された。
「あの子に言えないわよね・・・うんち漏らして感じてたなんて・・・」
雪がちらつく空の下、ブラックは更なる便を排泄し続けた。
太ももを静かに垂れる液体の存在が、彼女の言葉を物語っていた。
- 作品情報
- 作品集:
- 29
- 投稿日時:
- 2012/01/10 10:08:45
- 更新日時:
- 2012/01/10 19:08:45
- 分類
- リリーブラック
- スカトロ
- お漏らし
このカレー屋さんも、秋姉妹の焼き芋と同じく便想郷の名物料理になっちゃいましたか。
もう、壁にかかった勇者の写真を見るたびに、彼らもやらかしたのかと思ってしまうんだろうな……。
私は鈍いので、コメ返しのときに種明かしを願います。
賞金が建設的な事に使われることを願います。
黒い分、そっちも黒くなるものです。某番組の紫の衣装の人に比べるとマシですがw
最初のパートはpixivの白リリーのパイズリ話から引用したものです。
絵板においてりちゃさん(現在の姫瑠璃ちゃあむさん)が大変素晴らしいオマージュイラストを描いてくださいました。
本当にありがとうございます!(絵板Noは5162)